JAZZ from Nishinomiya

V・プレミアリーグのJTマーヴェラスを応援しつつ、日々の出来事や雑感を語ります。ときどき毒づきます。

別府 その他諸々

2022年09月04日 02時05分00秒 | 温泉/温泉銭湯/銭湯/スーパー銭湯
備忘録程度に諸々。

1. 竹瓦温泉
知っていたけど、入湯料が100円から300円になっていた。共同湯なので毎朝入り来る地元のおっちゃんたちは何を思う。コロナ禍などの影響もあるのだろうけど、この金額はどうなのかと。別府の共同湯は地元の人たちの生活銭湯的な性格も備えているので観光客がどうこう言うことじゃないんだけど、個人的には300円取るならもう少し浴室をきれいにした方がいいと思う。手入れ自体は行き届いているし、古くて趣のあることは良いです。だけど清潔感はないよね(俺は全然平気なんですけどね)。

これ、別府のいいところでもあり悪いところでもあるんだけど、あまりにも温泉が当たり前に生活に溶け込んでいて、部外者から見れば、地元の人達は「風呂ってこんなもんだろ」って感覚が強すぎるんじゃないかなって思う。良かれ悪かれ、総じて飾りっ気がないんですよ。でも、これほど温泉環境に恵まれていない地域の人間からすると、温泉ってちょっと特別なものだからね。特に100円時代を知っている者からすれば、今回「これで300円かぁ」ってちょっと思っちゃったのも事実。まあ共同湯とはいえ、これまでが安すぎたというのはある。これだけの建物だから、維持費も掛かりますよね。

2. 別府温泉保養ランド
今回の別府、午前中までは天気も辛うじて持ちこたえていたんだけど、別府駅からこちらに向かうバスの途中で、急に大雨が降ってきました。雨の別府は初めてだったかも。というわけで別府に来たら必ず来る保養ランド。滝湯を止めていた以外は全く変わっていなかったなぁ。竹瓦が「大正ロマン」なら、こっちはコッテコテの昭和の世界。ただし大人料金が1,500円に値上げされていました。

追記)フェリーのチケット半券を提示すれば100円引きになるそうです。
 → フェリーさんふらわあ半券deお得!

さて保養ランドといえば混浴の露天風呂が有名だけど、俺は蒸し湯と鉱泥湯が目的なんです。だって湯治目的で来ているんだもの。蒸し湯で汗をかいて、酸性の鉱泥湯で身体を殺菌。酸性といっても、例えばpH2くらいになると強すぎて皮膚が突っ張る感じがするんですが、ここは3前後なので酸性ながらもギリギリの優しさがある。もちろん舐めたら酸っぱいですけどね。身体のニオイがきれいに取れます。マイルドなピーリング的な、ここでしか得られない効果があります。今回は2時間入って40分仮眠。皮膚表面の汚れが全部取れたし風呂上りもリラックスできました。できれば今後も年1で行きたいなぁ。

3. 海地獄
保養ランドを出たらちょうど雨がやんでいたので、海地獄に行きました。12時間の滞在で2湯しか入らなかったから時間に余裕ありまくり。血の池地獄や白池地獄は何回か行ったけど、一番メジャー(?)な海地獄は行ったことがなかったんですよね。さすが地獄の中でも最大規模だけあって、なかなか良かったですよ。蒸気がパワフルすぎて池面(というのか)があんまり見えないけど(笑)、マニアックな人がその気になれば池のほとりの様々なディテールを1時間は楽しめるんじゃないかと。まあ、そんなやつは確実に変わり者扱いされると思いますが(笑)


4. フェリー
だいたいいつも、往路で明石海峡大橋をくぐる時はデッキに出るんだけど、今回は出遅れてしまいました。通り過ぎた後の写真を1枚。


で、今回本当にお得だと思ったのが、亀の井バスの1日券(※)がセットだったこと。以前は別売りでした。別府は徒歩以外ほとんどすべてがバス移動で完結できるので、これは本当に便利でお得です。そして帰りのフェリーでも1000円のクーポンを頂いたので、またしても夕食バイキングを500円で食べることができました。ありがとうございました。

※「ミニフリー乗車券」。定価1,000円。別府の観光地をほぼ網羅したエリアを1日乗り放題です。アフリカンサファリや湯布院まで足を延ばしたい方は「ワイドフリー乗車券」がセットになったプランを選択ください。こちらは定価1,700円の乗車券込みで、弾丸価格10,500円~となっていますので、さらに200円お得です。

往復1万円(=雑魚寝プランの場合)の船代に船内クーポン2,000円分とバスの1日券(定価1,000円)が含まれているということは「実質的に片道4,000円で、かつ別府での移動交通費が無料になる」という算段です。今回、俺は2湯+海地獄しか観光していないのでバスは計5回しか乗りませんでしたが、それでもバス代は普通に乗れば1,230円でしたので、元は取れました。

①別府国際観光港→北浜バスセンター(竹瓦温泉の近く):170円
②別府駅西口→紺屋地獄前(保養ランド前):380円
③紺屋地獄前→海地獄前:180円
④海地獄前→別府駅前:330円(時間があったので駅に戻ってお土産を買った※)
⑤別府駅前→別府国際観光港:170円

※個人的に、お土産を買うのは、国際観光港のさんふらわあ乗り場から数百mほど離れたところにある「交通センター」がおススメなのですが、この日は17時までの営業でした。海地獄の土産物館もかなり充実していますし、もちろんさんふらわあの乗り場にもお土産コーナーがあり、なんなら船内の売店にもお土産は売っています。

またフェリーの雑魚寝といってもちゃんと個々のスペースは指定されていて、マットも枕もシーツも掛け布団もあります。風呂に入ることもできます。フェリーの風呂は普通の大浴場ですが、浴槽に浸かるとエンジンの振動とサウンドが胃の上あたりに響く一種独特の体験ができます(笑)。もちろんレストランも売店もゲームコーナーも喫煙室あります。コンセントも多数ありますので充電し放題。フェリーといえば寝ている間に現地に着くのも大きなメリットですが、寝台列車と比べても「移動ホテル」の性格が段違いに大きいし、より快適に眠れることができます(一番安いツーリストルーム=雑魚寝席であっても、サンライズのノビノビよりはるかにぐっすり眠れます)。こんなに楽でお得な旅ってあるでしょうか。俺は株式会社フェリーさんふらわあの回し者じゃありませんが、もうなんというか、関西のみなさん、ぜひ「さんふらわあ」に乗って別府にどんどん弾丸してください!と心から願ってやみません(笑)。だいたい人間ってものは、陸から海を見るだけでなく、たまには海から陸を見たほうがいいんですよ。ものの見方や考え方を変えるってのは大切なことです。

そういえば今回、南港に戻った時に、フェリーとボーディングブリッジの接続作業をずっと見学していたんですが、これが見飽きることのない興味深いものでした。いくら大阪湾が穏やかとはいえ、船が海の上に浮かんでいる以上、停泊後もずっと多少の上下動があるわけです。そんな中、熟練スタッフさんの微妙な調整技術が素晴らしかったです。というか、そもそも接岸からして面白いんですよ。あんなに大きなサイズの船が、ドリフトと(戦車でいうところの)超信地旋回が合体したような挙動で接岸するんですが、このときのサイドスラスターワークが観ていて本当に飽きないです。

ボーディングブリッジの先端部分。ここが船とドッキングする。


別府国際観光港に停泊中のさんふらわあ。陸から見ると特に存在感がありますよね。


今回は定番2湯のみ

2022年09月02日 15時02分16秒 | 温泉/温泉銭湯/銭湯/スーパー銭湯
朝は駅周辺をウロウロして竹瓦温泉入湯。

竹瓦温泉は前の道が狭いうえ建物が横に長いので全景を獲るのが難しい。


いつ来ても変わらない、趣のある玄関。


浴室は潔癖症の人なら入りたくないであろうほど年季入りまくり(誰もいなかったので撮らせてもらいました)。


少し早い昼食はとよ常別府駅前店さんで特上天丼と地ダコの生刺身。ビールは天丼頼めば500円。


午後は別府温泉保養ランドで2時間入湯。今回はド定番ツアーですね(笑)

保養ランドだけは来るつもりで、あとは全く予定を立てていませんでした。というか今回の目的はリフレッシュ。というか湯治なんです。保養ランドの酸性の湯に浸かり泥を身体に塗りたくるために別府に来たようなもの。たまにはこんな休暇も良いでしょう。

というわけで、フェリーの乗船まであと3時間半もある。晴れていたら海地獄でも観ようかと思いながら、現在は雨。とりあえず保養ランドの休憩室で少し横になりましょうかね。

夏休み

2022年09月01日 19時58分18秒 | 温泉/温泉銭湯/銭湯/スーパー銭湯
うちの会社は有休消化率が悪いので夏季休暇は有休で3日取るパターン。部のみんなに「先に日を決めていいよ」などと言っているうちに、いざ自分が取ろうとしたら取れる日がない。毎年同じことをやっている気がしますな。

というわけで、9月1日、2日、30日と変則的に取得。

で、つまりひとまず今日(9月1日)から4日間のお休みなわけですが、台風の影響であいにくの空模様。西日本はだいたいの地域が雨か曇りですわ。しかし「せっかくの休みやからどこか行きたいなあ・・・」と。本当は久々に近畿総合バレーに行くつもりだったのですが、JTマーヴェラスは出場辞退ということで。

というわけで、困ったときは「弾丸フェリーで行く別府の旅」でございます。これが一番迷わなくていい。

夕方に大阪南港を出て翌朝別府に着き、12時間ちょい滞在したあと、夕方に別府を出て翌朝に大阪南港到着。一番安い雑魚寝プランなら行って帰って1万円。片道5000円で船乗って別府に行けるんですよ。温泉&船好きにはたまらないプランです。

風呂に入って寝て目が覚めたら別府にいる。しかも別府の亀の井バス1日乗り放題チケット付き(※)。もはや神じゃないですか(笑)

※別府八湯の区間は恐らく全域網羅

しかも、さんふらわあ(フェリーの名前ね)さんは、現在夕食バイキングを1500円に値下げ決行中で、かつ今日から船内で使える1000円クーポンを配布してますので、写真の晩御飯がたったの500円(お酒は別料金)。ドリンクバーも付いてるしケーキやアイスなどデザートもある。


これ画像が暗いだけでしっかり美味しいんですよ。「もう少し儲けていただいても結構なのですが。いや、儲けてくれ!」と、船代もレストランも色んな意味でガチ心配するほどのエグい金額設定でございます。どうなっているんだ、この国は!

というわけで、今はレストランからブログを書いているのですが、現在どのへんやろ、多分ポートアイランド沖あたりを航行中。これからデッキで潮風を浴びたあと、風呂に入って寝るとします。

銭湯

2020年05月10日 18時54分15秒 | 温泉/温泉銭湯/銭湯/スーパー銭湯
神戸から帰る電車の中です。窓が開いていてとても気持ちがいい。コロナとか関係なしに、例年この季節はこうしたら良いのに。

今日は、何ヶ月ぶりだろう、銭湯に行きました。身体がバッキバキでめちゃくちゃしんどかったんです。これはちょっと、月曜日から仕事にならんな、と思うくらい。

やっぱり天然温泉はいいですね。入浴は1時間以内と案内があったので、45分ほどの滞在でしたが、露天風呂&源泉&電気風呂で、だいぶん疲れが取れ、全身の毛穴もきれいになりました。

銭湯もカランを1つ飛ばしにするなど、いろいろ工夫されていますが、客は減っていると思います。零細経営の多い業界なので、なんとか持ちこたえてほしいなと思います。

珍しくミナミに

2019年09月15日 17時03分15秒 | 温泉/温泉銭湯/銭湯/スーパー銭湯
今日は諸事情あって、なんばの有名な豚足屋の「かどや」さんの偵察に行きました。エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)から北に数百メートル、ホテル&風俗街のど真ん中にあるお店です。

大阪で一番と評判の豚足で、確かにトロトロで美味しかったけど、一番かどうかはよくわかりませんw



どうでもいいけど、「かどや」って名前の店、全国どこの町にもあるよね。

そのあと、珍しくこんなところに行きました。というか初めて。真の温泉好きは普通来ない施設やと思う。俺もなんばまできたので少し足を延ばして、見学がてらです。



最寄り駅の大阪メトロ・動物園前駅の5番出口を出て振り返ると、真上のビルのテナントがマルハンとメガドンキというね。なんでこんなに土鳩と地ベタリアン(死語)が多いねん。ロドさん、一応上品な西宮市民やで。と言いつつ、新開地周辺と立花が主な出没エリアやけど(あとは水道筋商店街)w

スパワールドはエントランスから塩素の匂い漂う素敵施設(爆)ですが、館内に入ると日本人も外国人もてんこ盛り。違う意味で世界の大浴場やな(笑)

一応、温泉分析表でも。



なんの変哲もない泉質なもんで(炭酸水素イオンは多めだけど)、画像拡大の必要性すら感じませんが、まあ塩素消毒&循環ろ過にはもってこいな感じですw

和風露天風呂の信楽焼風呂からの眺めだけは良かったです。

ところで、今月はアジアゾーンが男湯でした。日本風岩風呂、檜露天風呂、檜風呂、イスラム風呂、ペルシャ風呂、バリ風呂、ドクター風呂(酸素風呂、炭酸風呂、水素風呂)とありました。あと打たせ湯と乾式サウナ2つとスチームサウナと塩サウナ。で、この日はたまたま全部の風呂に入れたんだけど、基本的に毎日どれか1つは清掃するので入れないらしい。例えば月曜日はイスラム風呂を清掃するから入れません、火曜日はバリ風呂を清掃するから入れません、ってな具合。ここは24時間営業でAM8:45~AM10:00の間は館内点検です。この1時間15分でお湯を捨てて浴槽掃除して新しいお湯を張り変えることなんて無理だから、つまり俺の解釈が正しければ、一度お湯を張ったら6日間はお湯を捨てずに塩素消毒と循環ろ過と継ぎ足しで乗り切るってことなんですよね(間違えていたらスイマセン)。

1,200円で、ほぼ丸一日、お風呂とプール、スポーツジム?が利用できるので安いっちゃ安いでしょう。激安と言っても良いのかもしれません。でもお風呂に関して言うと、俺は二度と行くことはないだろうな。

最後に超どうでもいい話をひとつ。ペルシャ風呂の入口に有翼神獣のレリーフがあったんですが、その説明書きが誤字ってて、右翼神獣って書かれていたような気がする・・・よく覚えてないけど(笑)

風呂上がり

2017年01月28日 01時18分03秒 | 温泉/温泉銭湯/銭湯/スーパー銭湯
4階デッキに上がり、火照った身体を潮風でクールダウン中でございます。

JFの風呂ですが、前回入ったときは出港前はシャワーが出ず難儀しましたが、今回はちゃんと出ました。サウナの壁に刻み込まれた無数の乗船者名(※)が相変わらず不気味なのはさておき、循環濾過かつ消毒ありの水道水でもお風呂はやっぱり良いものです。

※サウナの壁は木製なんですが、コインロッカーの鍵で引っ掻いて書くのです。中には「乃木坂 井上小百合」なんてのも。ヲタが書いたんでしょうが、ほんと、やめときなさいよね(苦笑)

なお本便のJFの船名は「りつりん2」。もちろん高松の栗林公園から採った名前でしょう。まあ簡単に言うとクリと林なのですが、個人的には林は無い、もしくはあまり繁っていないほうが好みでございます。

あ、さっきからJFと書いていますが、これは言うまでもなくジャンボフェリーのことです。

ではでは、おやすみなさい。

別府の旅_2015.09.19~21_2日目_その3

2015年10月13日 02時46分38秒 | 温泉/温泉銭湯/銭湯/スーパー銭湯
【4】ヘビん湯~明礬温泉

ダート道を下り、例の三叉路を明礬温泉方面に下る。ひたすら下る。そして国道500号線に出たらそこは明礬温泉エリア。


次の目的地は「湯元屋旅館」さんの立ち寄り湯。

朝イチに宿の風呂、鶴の湯、ヘビん湯、鍋山の泥湯と黒湯、計5湯も入り、しかもほとんど歩きっぱなし。自分ではあまり感じないものの、疲労は蓄積しているでしょう。それでもあえてここに入りたかった理由は、その泉質。明礬温泉はpH3前後の酸性泉が多い中、ここのお湯はさらに強烈なpH1.8。草津温泉並みです。泉質は「酸性-アルミニウム-硫酸塩泉」で、簡単にいうと「硫黄の香り漂う酸っぱい温泉」です。

つまり、昨日はアルカリの「豊山荘」さんに入ったので、今日は酸性のお湯に入ろう。そういうことでございます。

ちなみに別府には「湯元屋旅館」さんより、さらに酸度の強いお湯があります。

ひとつはすぐ近くにある「山田屋旅館」さん。しかし現在は立ち寄り湯を中止しており、宿泊客のみ利用可なのが残念なところ。こちらのpHは堂々のpH1.7。

もうひとつは、これは明礬から更に離れた「塚原温泉 火口乃泉」。住所は湯布院町で、エリア的には奥湯布院のさらに外れ、伽藍岳のふもと。というわけで、正確には別府八湯ではないのかもしれませんが、かつての「別府十湯」には含まれていたため、スパポート対象温泉でございます。地図上はヘビん湯から西北西に1.5kmの位置なんですが、ヘビん湯からの道はなく、明礬温泉から国道500号線と県道616号線を乗り継いで行くか、大分自動車道を利用するか、いずれにせよ徒歩で行くにはちと距離があります。こちらのpHは実に1.4!日本最強と言われる秋田の玉川温泉がpH1.05なんですが、塚原はそれに次ぐ全国第2位の酸性泉とされています。

なお「湯元屋旅館」さんの道挟んで向かいにある共同湯「鶴寿泉」さんも、pH2.5でかなりの酸性を誇ります(一説には1.7との噂も)。

いずれにせよ、今回俺が行くことのできる中で最も酸性の強い温泉が「湯元屋旅館」さんなわけです。立ち寄り湯は400円/50分で貸切です。浴槽は2つ。

ロド「こんにちは。立ち寄り湯でお邪魔したんですが」
女将「今は露天しか空いてませんがいいですか?」
ロド「お湯は同じですよね?」
女将「はい」
ロド「じゃあいいですよ。何分ほど入れるんですか?」
女将「50分くらいで上がってください」
ロド「了解で~す」
女将「湯船に蓋をしているので、取ってから入ってくださいね」

というわけで、さっそく2階の露天風呂に。


露天といっても屋根はあり、浴槽も2畳程度のこじんまりとしたものですが、そんなことはどうでも良いのです。蓋を取って、かけ湯をして入湯。ここのお湯は「グレーの湯」と紹介しているブログもありますが、俺が入ったときは若干の堆積物はあったものの、ほぼ透明でしたよ。舐めてみると、当然ながら酸っぱい!ただ酸っぱいだけでなく金気もあります。そしてアルカリのようにヌルツルはしないのですが、妙なスベスベ感があるといいますか。ただ、いかんせん成分がきついので、長湯はしない方がよさそうです。こういうのは自分のわからないところでいろいろと消耗してしまうんですよね。というわけで、湯船に浸かるのは延べ15分程度で切り上げることに。

備え付けの固形石鹸で身体を洗うと・・・わかっていたこととはいえ、見事なまでに泡立ちません(笑)

というわけでシャワー(温泉ではなく上水)を浴びて、再度石鹸で身体を洗います。そして泡を洗い流せば・・・おお、なんなんでしょうか、この見事なサッパリ感は。アルカリ温泉は皮脂を溶かしてきれいにするんですが、酸性温泉は例えるならピーリングなんですよね。

なお、身近なもののpHを参考に挙げておきますと、

pH1=サンポール(主な酸性成分:塩酸)
pH2=レモン(主な酸性成分:クエン酸)
pH3=食酢(主な酸性成分:酢酸)
pH4=炭酸飲料(主な酸性成分:炭酸)


だそうですよ。

お風呂上りにスパポートにスタンプを押してもらい、おかみさんと少しお話をして退館。そして猛烈な喉の渇きを覚えたため自販機でファンタグレープ買って一気飲み。いやー、たまりませんわ。


【5】明礬温泉~鉄輪~昼飯~陽光荘

しかしなんだか、お腹が空いてきましたね。もう13時過ぎだ。というわけで明礬の温泉街を一周してみましたが、特に食いたいものがない。「明礬温泉 湯の里」のご飯はとても美味しいんですが、ここからさらに国道500号線(九州横断道路)を登って行かなければならず、パス。というわけで鉄輪方面に下って行くことにしました。

明礬温泉のシンボル的存在、大分自動車道路の別府明礬橋。近くで撮ったら全体が写らず。


参考1:別府明礬橋(Wikipedia)
参考2:別府明礬橋全景

途中のうどん屋などもスルーしてひたすら歩きます。お腹は空いているのに脚が止まらない。ランナーズハイに似たような症状でしょうかね。

そうこうしているうちに、朝方に鶴の湯へ行くときに通った交差点(2つ前の記事の「別府三大秘湯関連市街地図」で、青と緑の道が交差するところ)に出たので写真を。

交差点から鉄輪方面を見る。


交差点から霊園方面に進むと鶴の湯へ。


そこから更に下って坊主地獄の交差点。ここで「豊山荘」さんに向かい、昨日押し忘れたスタンプをスパポートにペタン。それからまた500号線に戻り、どこかでバスに乗ろうかなと思いながら、結局延々と歩く。途中から朝通った道に進路を変えてショートカット。結構疲れながらも鉄輪温泉入口の交差点にたどり着きました。

マルショクで弁当でも買って帰ろうかなとも思ったんですが、その先に「大分県で一番美味しい」と噂の回転寿司があることを思い出し、さらに下って到着したのが「亀正 くるくる寿司」。

【大分グルメ】別府で一番ウマいと評判の回転寿司に行ってみた / 北海道の回転寿司と同レベルのウマさだった『亀正くるくる寿司』
http://rocketnews24.com/2015/04/16/570530/

しかし!14時というのにめちゃくちゃ並んでるやんけ!もう本当にマルショクで弁当か刺身でも買って帰ろうと心折れかけましたが、それ以上に今下ってきた坂をこのまま登り返すのも嫌なくらい疲労&空腹だったので、覚悟を決めて名簿に記名。「1時間以内でご案内できるかと思います」とのことで、缶コーヒーとタバコとネットとメールでなんとか乗り切る。最初は屋外にいたんですが、この日は結構暑かったので途中からエアコンの効いた店内で待つ。そのうち黒板に書いている今日のメニューから関サバや関アジも消えてしまい、いったいなんのために待っているのかよくわからないながらも待ち続け(笑)、1時間後にようやく座ることができました!長かった!

ここは回転寿司ですからコンベアでも回ってくるのですが、ほとんどのお客さんが注文カードにメニューを書いて頼んでいます。俺も食べたいものを10皿ほど注文して、出てくる間に飲み放題の味噌汁を飲んでみました。

これが異様に美味くて驚く。塩分不足の身体ということを差し引いても、美味い。具はほとんどないけれど、1杯50円くらい取っても誰からも文句は言わないであろうレベル。スッキリとして雑味はないけどコクと旨みはしっかりしているという見事なバランス。

さて肝心の寿司は・・・味は総じて美味しいのですが、かといって特別に美味いとまでは感じませんでした。しかし体調の問題もあると思うんですよ。本当に疲れている時って、なにか食ってもあまり美味くないもの。今度は健康体の時に行ってみよう。ひとつだけ思ったのは、タイはやっぱり関西が美味いな、ということ。この日は愛媛のタイだったと思うんですが(いわゆる「みかん鯛」ではなかった)、なんといいますか、旨みがないというか、やっぱりタイは関西の瀬戸内に限る。理由はわかりませんが、味が違うよ。

などと思いながら、なんだかんだで2,000円ちょい食べて、ようやく元気になりました。酒は飲まず。

そのあと、マルショクで晩飯などを購入。炭水化物や油モノはいらない気分だったので、カットフルーツとアイスクリーム、お酒など。一応、保険で緑のたぬきを買いました。宿に戻って冷蔵庫に食材を入れていたら、別の宿泊客がやってきたので、あまりの食材(白菜1/8)を使ってもらえないか尋ねたところ「今日は鍋をするんでありがたい」と、とても喜んでいただけた。こういうふれあいがあるのも貸間の良いところ。

さてそろそろ昼寝をしたいところなんですが、その前に汗など流そうと、宿の斜め向かいにある共同湯「地獄原温泉」へ。ここは受付など一切なく、会員以外は入湯料100円を玄関正面におられるお地蔵さんの賽銭箱に入れます。陽光荘さんは会員なので宿泊者も入湯料無料とのことなんですが、他の観光客などから「あの人タダで入りやがった」とか思われるのもイヤなので、ちゃんと100円払って入りましたよ(笑)

お湯は適温、癖のない泉質で特記することはありませんが(※)、地元の方とのおしゃべりなど楽しかったです。サッパリして30分ほどで上がりました。なお地獄原温泉もスパポート対象施設で、スタンプは「ことぶきや」さんで押してくれます。

※)こないだの記事でも書きましたが、別府は源泉温度が高いので、水道水などを加水して適温にすることが多いんです。だから、正直いうと加水前の泉質を感じられないお風呂が多いのも事実。例えば80度の源泉を43度に冷ますには、単純計算で倍量の水道水が必要になります(水道水を25度と仮定)。つまり3杯希釈ですよ。個性的な泉質でもない限りは、だいたいが「サッパリした癖のないお湯」になります(苦笑)

泉質の面からはありがたい話じゃないんだけれど、温泉文化という意味では部外者が目くじら立てることでもない。自然に湧き出る「熱湯」を古くから風呂に利用してきた、と考えるべきなんですよね。普通の銭湯における「水(井戸水や水道水)を沸かす」という行為が単純に必要なく、逆にそのままじゃ熱くて利用できないので水で埋める、というだけのことです。だから「温泉は源泉かけ流しでなければならない」とかいう、いわゆる泉質至上主義な温泉マニア(まあ俺もどちらかというとそれに近いんですが)とはまったく次元の違うところの話なんですね。

ひとことでいうと、数字やデータとして温泉を捉えるか、風呂における文化や風俗として捉えるか、の違いだと思います。

正直言いますと、俺も「源泉かけ流しだったら尚嬉しいなぁ」とは思いますけど、くれぐれもここは共同湯ですからね。地元の人たち共同の生活湯であって、それを一般人にも安価で開放しているわけです。例えば「湯雨竹を付ければええやん」というのは簡単ですが、それを設置するには場所も必要、配管工事も必要。なにより必要性を地元コミュニティの人たちが感じるかどうかということです。必要であれば、総意のもと、各々が費用を出し合う必要があるわけです。あなたの家の風呂を、今度客人が来るからリフォームしよか、とはなかなか思わないのと同じで、この風呂の持ち主がこの風呂をどうするかという問題なんです。「一般客に開放するのはやめとこか」という選択もあり得るわけです。そこを勘違いしてはならないということですね。

だから源泉かけ流しに入りたければそういう温泉に行けばいいんです。俺も地元で温泉銭湯に行くときは、必ず源泉かけ流しの風呂を選んでます。だけど別府に来たときは、お湯そのものと入浴文化の両方を楽しみたいから、共同湯であったり源泉かけ流しであったり山奥の露天風呂であったり、いろんなバリエーションを楽しんでおります。昔に比べて、俺もそのへんはあまり意固地にならなくなりましたよ。一時期「塩素消毒している道後温泉なんて行きたくもねぇ!」と思ってましたけど、最近はあの本館の建築を見に行って、ついでにひと風呂浴びたいなぁって誘惑に駆られてます(笑)。要は、塩素消毒に勝る魅力があればいいってことですよ。

それはともかく、地獄原温泉から戻ってマルショクで買ってきたアイスクリームを食べる。関西では売っていない「ムース」というラクトアイス。


自分の住んでいる地域では売っていないものを食べるのは楽しいものです。特に九州や北海道には関西で売っていない商品も多く、「ムース」もそのひとつ。九州には竹下製菓という(九州地区では)超メジャーな老舗アイスメーカーがあり、これも竹下製菓の商品だと思って買ったわけですが、実際には株式会社セリア・ロイル(旧・ロイヤル食品株式会社)の商品でした。ちなみにこのセリア・ロイル社は、「ロイヤルホスト」や「てん屋」を展開するロイヤルホールディングス株式会社のグループ会社です。

で、この「ムース」。存在そのものは知っていたものの、食べたのは初めて。じつは数年前に全国のセブン・イレブンで販売されたそうですが、俺は普段ファミマかサークルKサンクスしか利用しないので知りませんでした(そういやこの2つは合併するらしいですね)。

味は、というか食感含めてなんですが、「アイスのようでアイスでない」。いえ、ラクトアイスですから分類上はまごうことなきアイスなんですけど、ババロアを半分凍らせたというか、ゼラチン入りのバニラアイスというか、なんにせよ独特の食感。そして本当に溶けないんですね。九州の学校の給食ではよく食べられるそうですが、関西では類似するものすら思い浮かばない。

好みは分かれると思いますよ。俺は2/3ほど食って胸いっぱいになりました(笑)

そして2時間熟睡、完熟でございます。

目が覚めて、なんでしょうか、この全然爽快ではない感じ。ダルいし気持ち悪いし。

1. 普段あまりやらない運動を行ったことによる疲労
2. 入浴過多に寄る湯あたり、湯疲れ
3. 日焼けによる免疫力低下

といったところでしょうかね。

というわけで、とりあえずテレビ見ながらカットフルーツと蒸し卵を食べ、布団を敷いて早々に寝ました。昼寝をしたのに朝まで熟睡でした。


以上、2日目終わり。長々とおつきあいありがとうございました。

別府の旅_2015.09.19~21_2日目_その2

2015年10月13日 02時00分34秒 | 温泉/温泉銭湯/銭湯/スーパー銭湯
【2】鶴の湯~ヘビん湯

靴もきれいになったので出発です。オッチャンたちに教えてもらった迂回ルート、ちょっとわかりにくいんですが、鶴の湯から20mほどバックした右手に白い看板がありまして、そこから藪の中に分け入ります。

獣道のような小路を数十m進むと開けた場所に出ます。


しかしここ、抜群に景色が良いなあ。俺は普段山歩きとかしないから尚更なんでしょうけど、なんで自分がここにいるのかよくわからない、不思議な気分になりました。季節的にも暑くもなく寒くもなくとてもさわやか。

別府 鶴の湯の裏道

0:05あたりで見えるのが扇山。途中でヘンな吐息が聞こえますが気にしないでくださいw

途中からこういう道になります。

ガンガンズンズングイグイ歩いて行きますと、ヘビん湯へ行く道と合流します。

この図でいうと、AからBに抜けたわけです。


航空写真だとこんな感じ。

鍋山の湯だけ草木が生えていないのが不気味ですね。


合流地点から今来た道の方向を振り返って見たところ。この看板の裏側に道があるんですが、パッと見はわからないですよね。


合流地点の道路脇の木にアケビが実っていましたが、色が変なので食いませんでした(笑)

さて合流地点を左(西)にテクテク進んでいきます。



基本的にコンクリ舗装路です。途中、道路脇に神社の鳥居があり、薄気味悪さ全開です。いや、なんの先入観もなしに歩いている分には、とても気持ちがいいんです。だけど、数年前に近辺で殺人事件があったことを知っていると、かなり怖い道に感じるんですよね。だって、なにより人がいない。たまにヘビん湯に行くのであろう自動車が通り越して行くけれど、それだって数台。道路脇の林から出刃包丁持ったキチガイが飛び出して来たら殺されるよなぁ、などと考えると全然違う道に見えてくる。ホームズも言ってましたやんか、「都会のど真ん中より片田舎でこそ人目に付かない凶悪事件は起きんねん」と。もしもの時に素手では不安なので、道端に落ちていたちょうど良い長さの枝を杖代わりに歩きましたよ(笑)

時計は見ていないけど、さきほどのアケビの木から20分ほど歩きましたか、少し広くなった場所に出ました。

車やバイクが数台停まっています。ライダーに「温泉はこの下ですか?」と尋ねると「すぐそこですよ」とのこと。


降りてみると川が流れており、小さな脱衣所が見えます(写真では見切れていますが)。その周りには湯船がいくつか。先客が2人おりました。

ヘビん湯全景

ここも地元の有志の方が整備してくださっている温泉で、お湯のパイプと川の水が上手い具合にMIXされて適温に保たれています。湯船は5つあり、1つは35度程度のぬる湯でしたが、あとは体感で40度以上ありました。

湯船といっても鶴の湯のように底が平らではなく、大きな石こそ取り除かれていますが砂利と植物性堆積物が混じった野趣あふれるもの。身体を浸けると堆積物が舞い散り、あまり気持ちの良いものではありません。好きな人にはたまらないのでしょうが、俺の好みじゃないんですよね。

底面が砂利なのは全然いいんです。堆積物が舞い上がるのがイヤ。湯の花とか泥湯とかはいいけど、葉っぱや木くずはどうもねぇ。。。

というわけで5つの湯船をひとしきり堪能し、パイプからきれいなお湯を汲んで身体を洗い、ヘビん湯をあとにします。

誤解して頂きたくないのですが、俺はこういう珍しい露天風呂に入れたことを本当に感謝しています。とてもいい体験になりました。これはひとえに、日常の維持・管理を行っている地元の湯守同志のおかげであり、また普段からここを大切に使っていらっしゃる利用者あってのこと。大雨が降れば風呂は流され土砂に埋まるかもしれません。恐らくそのたびに復旧させていらっしゃること、そのご苦労は想像に難くありません。

あくまでも好みの問題、ということです。俺にとって、温泉は嗜好品のようなものですから。


【3】ヘビん湯~鍋山の湯

さて、今来た道を下っていきますよ。わかっていたこととはいえ、今日はよく歩くな。アケビのところまで戻ったら、そのまま道をまっすぐ進みます。周りは扇山をはじめとする一面の緑、空は果てしなく青く、そして遠くに別府市街地と別府湾を見下ろし高崎山まで一望できる絶景かな。

いやあ、素晴らしいな。

気がつけば右手眼下には鶴の湯が小さく見えます。

ここから見ると、この斜面って相当の高さなんだなと実感。そしてここを登るのは無謀ではないにせよかなりの労力だよなぁ、と。迂回ルートを教えてもらって本当に良かった。


それにしても気持ちいい景色だ。爽快。

道は90度近いカーブを過ぎると右手に広場のような更地が見えてきます。それを無視してさらに進むと三差路に出ます。左に行けば鍋山の湯、右に行けば別府市街地(明礬温泉に出ます)。市街地方面から三差路を見るとこんな感じ。

左に行けばヘビん湯、まっすぐ進むと鍋山の湯。立て看板は、例の殺人事件があったこと受けての注意勧告です。

しかしこのあたりも怖いくらいに景色が素晴らしくて、山がとにかくシェリー。ではなくてキレイ。昼間なのに北極星(ポラリス)が見えるよ。

はい、わかる人だけ苦笑してください。

三差路を鍋山方面に進路を取り、まっすぐ進んでいくと、左手になにやらゴミのようなものが。汚いなぁ、と思いきや、幾つかの枯れた花束でした。事件現場と思しきところに、今も献花が続いているんですね。急に神妙な気持ちになり、手を合わせました。

そこも通り過ぎてもう少し歩いたら、少し広い場所に出て(というか行き止まり)、こういうゲートが。

この先が鍋山の湯になります。どうも鍋山の湯周辺は私有地らしいのよね。ゲートが閉まっている以上、乗り越えると不法侵入になってしまいます。ですが、鍋山の湯に向かうルートは他にもありまして、ここでは詳しくは書きませんからネットで調べて下さい。

ちなみに俺はよくわからなかったので、目の前のゲー・・・ゲフッ!ゲフンゲフン!

ロドリゲスさんの証言:
「急に暖かく眩い光に包まれて周りが見えなくなったかと思うと、いつのまにかゲートの向こう側にいたんです。まったく信じられない、とても不思議なできごとでした」


そう、超常現象は存在する。テメェの頭の中に!(=超常幻症)

さて道をまっすぐ歩いて行くと、先客2人がこちらにやってきました。「めちゃくちゃ熱かったから良い具合に埋めておきましたよ」とのこと。ありがたいのかどうなのか判断に苦しむところですが、ひとまずお礼とサヨナラを言う。

と、ここで一つ困ったことが。温泉がどこにあるのかさっぱりわからんのです。

こういう立札があってですね・・・

突き進むと荒地。道沿いを進むと荒廃した舗装路。まったくわからんな。これぞまさに秘湯。

ひとまず荒地の方をリサーチ。




Googleの航空写真でもわかるように、地表が露出していてやたら白い。硫化水素の臭いと所々から上がる蒸気。文字通り温泉の臭いがプンプンするんですが、姿が見えず。困った。それにしても薄気味悪い場所です。いわゆる地獄谷とかそっち系の光景なんですが、周りは緑の山なのにここだけ荒涼としたガレ場で草もまばらなうえに地面が白くて目に眩しい。なんだかものすごく奇妙な気分になります。着物を着た鬼女が出刃包丁振りかざしてやってくるような、そんな風景。ウルトラマンエースの「夏の怪奇シリーズ」のノリですよ。地獄めぐりとは一味違う地獄風味。

そういやこのへんは妙にハンミョウが多くて道を教えてくれるんですが(わからない人はググって下さい)、その毒々しい色合いと白い地表のコントラストが地獄気分に拍車をかけるのでございます。

しかしハンミョウに先導されてもいっこうに温泉は見つからず。うーん、ここじゃないのかなぁ。ってことはさっきの舗装路を登って行くのか?

というわけで、舗装路を登って行きましたが、これがもう不安しか感じないような道でして、温泉らしきものも見つからず、数百メートル進んで引き返しました。

そしてまたガレ場を探索し、そして次に舗装路をさらに奥まで進んでは戻り、今度はガレ場を反対方向に登っては戻り・・・これで見つからなければ帰ろう、とネットの入湯記をチェックしまくる。ええっと、なんだ、祠(ほこら)がどうとか書いてるな。あ、これかな、祠があるわ。そしてよく見ると、藪(藪といっても人間の背丈よりも高い植物が生い茂っているので向こうは見えない)の中にうっすらと道のようなものが・・・分け入って10mほど進むと、あ、ありました。ポツンと開けた場所に二連の露天風呂。


こちらは「黒湯」と言われている風呂ですね。裏手にはどこかのサイトにも書いてあったように、地獄蒸しもあります(ここで作る蒸し卵はとても美味しいそうです)。はあ、これは完全に秘湯だわ。そして女性1人だと確実に危険だわ。藪を抜けたら目の前の風呂に死体が浮いている・・・とかでもおかしくない、そんな場所と雰囲気ですよ。マニアにはたまらないだろうな。

しかしあれだな、泥湯がないな。たしかこの露天風呂の30mほど先にあるようですが、この先に道など無さそうだし・・・ということは、あのガレ場のまだ上のほうにあるのか。

普通に考えて、先に泥湯に入るべきでしょ。じゃないと泥成分がついたまま下山しなきゃならんじゃないですか。

というわけでいったん引き返そうと思ったら!まさか!さっきの藪の道がないのである!いや、無いわけはないんだけど、植物に覆われていて入口が見つけられない。

工工エエエ(´Д`;)エエエ工工

ってな感じですよw

さっき入って来たばっかりなのに。うわ、閉じ込められた!ってw

2分探してようやく見つかりましたがね。当たり前のように、やっぱりここだよな、ってなところにありましたわw

さてガレ場に出て上の方に歩いて行くと、おお、ありましたぜ泥湯!これはすぐに見つかりました。別府温泉保養ランドのコロイド湯のような泥湯がありました。


なお黒湯と泥湯の中間付近に小川が流れており、ここにも湯船らしきものがありました。

でもこれは単なる水たまりっぽいです。温泉だとしても川の水がだいぶん入っており、めちゃくちゃぬるい。これはパス。

なお、鶴の湯でお会いしたオッチャンの話によると、泥湯は去年も土砂で埋まったそうです。地元有志の方が掘り返してくれたんでしょうね。見事に復興しておりました。ありがたい。

それにしてもここ、鶴の湯やヘビん湯のように脱衣所なんてないから、服を脱ぐのが一苦労ですわい。一か所だけ、少し大きめの平たい石があったので助かりました。洗面器もないからソフト湯桶を持ってきてよかった。かけ湯を済ませて、いざ入湯!

温度は温いですね。40度ないと思います。そして底に泥が溜まっています。味は忘れてしまいましたが、思っていたよりも酸味はなかったような。臭いは硫化水素臭。

しかし自然のど真ん中で一人で真っ裸になっていると、妙に落ち着きませんな。解放感どころか逆に不安になってきますよ(笑)

景色はいいんですけどね。


そしてここで、不注意により「くまモン手ぬぐいタオル」が湯船にダイブしてしまい、白い生地がライトグレーに染まる有様。なんだかイヤになって来て(笑)、3分ほどで入湯を切り上げ、上澄みの湯を被って身体を拭いていたら、なんとケツの割れ目に泥がびっしりこびりついておりました。くまモンタオル、またしても灰色に染まる!かなわんなぁ・・・ともう一度風呂の中で尻を洗って泥を落とし、またしても身体を拭きつつ、、ふとお湯に目をやると、ん、なんか動いた?

よく見ると、水面に赤いものが数匹、ピクピク浮かんでは沈み・・・ってこれ、赤ボウフラやないかい!そうです、泥の中に生息していたユスリカの幼虫が撹拌されて舞い上がってきたのです。うわぁ、生まれて初めてボウフラと一緒に入浴したわ。しかしよくこんな温度で生きてるなぁ・・・と妙に感動。べつに「汚いもの」ではないので、俺はこういうのは平気なんだけど、苦手な人はとことん苦手でしょうからご注意ください。

しかし、思いっきりお湯の味見したよなぁ(苦笑)

続いて黒湯に戻ります。誰もおらんしフルチンで行ったろかとも思ったんですが、岩場でガレキだらけだから確実に足の裏が出血するだろう・・・ということで、靴とズボンだけ履いて移動。

藪の中を再度踏み分け黒湯に戻ります。今度は迷子にならないように、藪の入口に杖を刺しておきました。

こちらには誰が置いて行ったか洗面器もありましたが、せっかくだから自前のソフト手桶でかけ湯を。先客が埋めてくれただけあっていい湯加減です。湯船の隅っこにお湯のパイプと川の水のパイプが2本あり、これを上手いこと混ぜ合わせて温度調整するみたい。何時間でも入ってられそうです。なおここは泥がない代わりに植物性堆積物がありますよ。上澄みを口に含むと・・・うーん、味は忘れましたけど、泥湯とは若干違った味だったような(そりゃそうだろ)。

で、しばらく入浴していたんですが、2つあるうちの下の湯船に入っていたところ、岩陰から「気付かないほうが幸せなもの」がひょっこり現れました。半茹でになったカエルの死体です。直立でプカプカ浮いております。湯船から出そうと洗面器ですくったら、モロモロに半壊しました。

俺はですね、赤ボウフラはべつに汚いと思いませんけど、ドブネズミやウジ虫、死体やウンコやゲロなどは汚いと思いますぜ。カエルも生きているなら楽しい混浴ですけど、死体は嫌だよ。そんなお湯を味見したんだから一気にテンションダウンですわ。

ということで、温泉&川の水のパイプから汲んだきれいなお湯で身体を洗って入湯完了としました。なお上の湯船には、これも後から気付きましたが、同じく半茹でのゲジゲジが浮いたり沈んだりしておりました。まあカエルに比べりゃマシだけど、これもかなわんですな。野湯/秘湯マニアにとっては、こういうのもたまらないポイントなんだろうか。俺は生きてるフナムシやアリを平気で噛み砕いたり、生きている蜂の子を食うような人間ですが、茹でガエルとの混浴はイヤです(笑)

しかしまあ、いずれにせよ前述の通り、自然のど真ん中で露天風呂に独りってのは、意外に落ち着かないものですね。

さて、これから今来た道を戻るわけですが、藪から抜け出たら家族連れが。お父さんと2人の息子さん。「お風呂は2つあるんですよね?」と聞かれたので、「ええ、ひとつがあの藪の先にあります。もうひとつ、息子さんが立ってるところにあるのが泥湯ですね」と答えたら、お父さんは「そっちは泥湯や、こっち戻っておいで」と息子さんを呼んでました。なんだ、残念。親子して泥を掬っていたら「お父さん、なんかいるで!」「うわ、なんやこれ!」などといい旅の思い出になるのに(笑)

かわいそうだったのはお母さんね。男連中に送れること数十メートル、パンプスでガレ場を登ってきました。

「その靴だと大変でしょ。こんなとこ来るなんて予定外だったんじゃないですか?」「大変ですよ。ほんとにもう、わがままなんだから(苦笑)」

登りよりも下りの方がしんどいだろうなぁと思いつつ、お別れしました。

ゲートまで戻り、今度はわざわざゲートの横から出たら(何故)、杖がポッキリ折れました。ここでお役御免です。思えばこの杖、結構細身だったので歩行の補助としてはほとんど意味のないものでしたが(笑)、藪の中を進むときには草を薙ぎ払って大いに活躍してくれました。そう考えると、三大秘湯を徒歩で回る人は、やっぱりポールがあった方が良いかもね。


参考までに、鍋山の湯の航空写真を載っけておきますね。

別府の旅_2015.09.19~21_2日目_その1

2015年10月13日 00時32分03秒 | 温泉/温泉銭湯/銭湯/スーパー銭湯
メインが2日目なのに、1日目に労力をかけすぎた。たいした内容でもないのに2万字超えって。

そういや、温泉つながりで先に書いておきますが、大村智・北里大特別栄誉教授が2015年のノーベル医学生理学賞を授与されましたね。翌日には梶田隆章・東大宇宙線研究所長が化学賞を。本当におめでとうございます。

これと温泉になんのつながりがあるのか、と言われそうですが、大村さんは温泉のオーナーなんですよね。俺も今回の報道で初めて知ったんですけど。

ノーベル賞博士は日帰り温泉オーナーだった
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20151006-00087149-toyo-nb&ref=rank

大村智さん、故郷・山梨に美術館丸ごと寄贈 巨額特許料にも「食べるだけで十分」と寄付
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151005-00000004-withnews-soci&pos=3

武田乃郷 白山温泉
www.hakusanonsen.com


美術館の方は早くも人気らしく、温泉の方も「ノーベル賞の湯」とかなんとかでお客さん増えるだろうな(笑)

余談ですが、医学生理学賞は、他にも米ドリュー大のウィリアム・キャンベル博士、中国中医科学院の女性医学者の屠呦呦(と・ゆうゆう)首席研究員が授与されるのですが、この屠さんって凄い姓だなぁと思いました。


さて、ここから2日目の日記。

【1】陽光荘~鶴の湯

今日は「別府三大秘湯を巡るトレッキング&ウォーキング」です。なんて健康的なんだろう。5時半くらいに目覚めて、ボケーッとしたり一服したり朝風呂入ったり準備したり。なんだかんだで宿出発は7時前。誰だよ、夜明けとともに出発とか言ってたやつは。

この時間に宿を出る人はいないのか、まだ玄関にカギが掛かっておりましたよ。開けていいものかどうか迷ったのですが(閉められないので)、ルールがよくわからないものだからとりあえず出ました(おい!)。

しかし昨日の晩もそうでしたが、朝も猫が多いな。鉄輪は温泉地帯ということで、地熱の暖かさを求めて冬などは野良猫が集まり、そのまま年じゅう居ついているんだとか。猫にとっても天国のようなところなんだね。

なおこの日の装備ですが、まず服装は、発汗性の良い半袖Tシャツ、下半身はコンプレッションタイツを直履きし、その上にマーモットのハーフパンツ。パンツの前ポケットに地図とタバコ、後ポケットに300mLパック飲料×1とゼリー×1。リュックにウィンドブレーカーと着替えのTシャツ、手ぬぐい、300mLパック飲料×2、プロテインバー×1、制汗スプレー、携帯灰皿。もちろんスマホと現金、部屋の鍵も。そして忘れちゃいけないスパポート。ソフト手桶はカナビラでリュックに装着したのですが、歩いているとブラブラするのでリュックのウェストベルトで体に固定しました。

別府三大秘湯とは、鶴の湯、ヘビん湯、鍋山の湯のことです。秘湯といっても近くまで車で行けますし、なにも秘境に分け入るというわけじゃないですよ。今回は「鶴の湯 → ヘビん湯 → 鍋山の湯」の順で巡ります。それぞれの場所は下図を参照ください(Googleマップを埋め込みたかったんですが、なぜか表示されず)。なお、別府三大秘湯は当然のことながらスパポート対象外施設です(笑)

1. 別府三大秘湯関連市街地図(クリックすると大きくなります)

スマホの方はこちら

2. 別府三大秘湯図(クリックすると大きくなります)

スマホの方はこちら

ついでだから、この日の経路を先に書いておきますね。

まず1の地図の「宿」から青いルートで「A」→「B」→「C」と進みます。
「C」からまっすぐに進むと2の地図の「A」に出てきます。で「鶴の湯」に入湯。
「A」から「B」に行き、三差路を左にひたすら進むと「ヘビん湯」があります。
「ヘビん湯」から「B」に戻り、さらに「C」の三差路を左に進むと「鍋山の湯」が。
「鍋山の湯」から「C」の三差路に戻り、そのまま東に直進すると、1の地図の「D」に出ます。
「D」から緑の道で「湯」に。「湯元屋旅館」さんで立ち寄り湯です。
ここから次の「湯」に。昨日入湯した「豊山荘」さんです(スタンプを押し忘れていたので寄りました)。
「豊山荘」さんから「B」まで歩き、「A」まで戻ります。
「A」から東(右)に進んで「亀正 くるくる寿司」さんへ。
「亀正 くるくる寿司」さん → 「ヤマショク」で買い物 → 宿へ。


わかりにくい書き方でスイマセンなぁ。

ちなみに各地点間の距離は以下のような感じ。

陽光荘~鶴の湯 3.2km
鶴の湯~地図2のB 0.5km
B~ヘビん湯 1.1km(往復2.2km)
B~鍋山の湯 1.1km
鍋山の湯で迷って1.0km余分に歩く
鍋山の湯~湯元屋旅館 2.3km
湯元屋旅館~豊山荘 2.1km
豊山荘~亀正 2.3km
亀正~陽光荘 0.8km
合計15.5km


一応、順を追って書きますと・・・

俺の泊まっている陽光荘からは、車だと九州横断道路(国道500号線)経由で行くのが一番わかりやすい。歩くと結構な距離ではあります。しかし地図を見ていると、おお、鉄輪温泉入口の交差点を少し南下して、信貴山別院宗園院というお寺から、一直線に西に向かう道があるではないですか。かなりのショートカットです。

というわけで、ひたすらこの直線路を歩きました。前半は住宅街。湯けむりが上がっていたりでやっぱり別府だなあと感じたりしつつ、なにせひたすら登り道なので結構しんどい。そのあと、別府市長の肝いりで作ったらしいドッグランの腋もとい脇を通り、九州横断道路との2回目の交差点(みょうばんクリニック前)に出てくるのですが、ここをさらに直進すると大分自動車道に突き当たります。そのガード下(結構不気味ですよ)をくぐると鶴見霊園に出ます。お墓を左手に延々進んでいくと、右手に小さい広場が現れます。車が何台か停まっています。そこからさらに左手の非舗装路に入り、小川を越えて50mほど歩くと鶴の湯に。ここまでの道中、ほぼ全行程が登りという容赦のなさ。

鶴の湯は、地元の温泉好きの社交場みたいになっており、朝からオッチャンたちがおしゃべりしながら入浴中。ここは雨の少ない冬期などは源泉が枯れて入れないそうですが、この日は絶賛湧出中でした。ここは三大秘湯の中で唯一、湯船の底が石材で、堆積物もないきれいなお風呂です。

鶴の湯の泉源


鶴の湯全景(上流側から)


鶴の湯全景(下流側から)


「おはようございまーす!」と挨拶し、服を脱ぐ。地元の有志の皆さんが整備した簡易の脱衣所があり、男性用は前面のない屋根付きオープン、女性用はドア含む6面が壁となっております。女性にとっては安心に脱着衣可能ではありますが、しかし混浴であることには変わりありません。どこぞのアイドルのように水着着用であったり、温泉番組のようにタオルを巻いたりと、そういうのはNGだと思うんですよね。これはなにもスケベ根性で言っているのではなく、それは男性も同様にNGな行為わけですよ。タオルをお湯につけるのは全国共通のNGマナーですが、水着を着て入浴するのも結局はそれと同じことなわけで。まあタオルや水着をお湯につけたところでお湯が汚れるかと言われたら、そんなことはありえないですよ。汗をぬぐったタオルは汚いけど、片や我々はお湯の中で大量に汗をかいているんだからさ。だけど気分は悪いよね。

ですから、誰もいない時に入浴するか、もしくは別に見られても構わないという人だけ来るべきでしょう。まあ混浴って、入ってしまうと、男も女も意外と気にならないものではあるものですよ・・・入るまでは抵抗ありますけど。

と言いつつ、世の中には温泉ワニなどという無粋で小心な輩がいるのも事実ですから(鶴の湯はその手のタイプが集まる温泉じゃないけど)、特に若い女性などは、なにかと難しいよねぇ。

さて、かけ湯をしようとしたら「あっちでやってね」とさっそくご指導が入ります。ええとですね、ここは源泉が湧いているところから温泉が川のように流れ、それが前述の小川を形成しております。つまり源泉から湧き出る川をせき止めて湯船にしているのです。わかりにくいですが、源泉→湯船→堰→小川、というわけ。ようは、そのせき止めた場所でかけ湯をしなさい、と。そしたら汚れたお湯は下流に流れていくよね、と。なるほど、これは納得ですね。気付かなかった自分が恥ずかしい。

ところで、かけ湯をしてはじめて気付いたのですが、ここ、めっちゃ熱いな!おっちゃんが温度計を観ながら「今日は46度やな」と言ってました。もっと熱い時もあるそうな。「自然のものだからねぇ」と。

46度といえば湊山温泉の高温槽と同じじゃないですか。ここは露天だから頭は空冷ですけど、それでも3分ほど温もったらホカホカです。ちょっと身体を覚ますべく湯船脇に座ろうとしたところ(決して湯船の縁に腰かけたわけではないのですが)、「あそこの板の上に座ってね」と更なるご指導が。なるほど、理由はわからんけど、座るのは板の上ね。

俺は阪神間などの銭湯ではまずマナー違反はしていないつもりなんですが、世の中は広い。こういうローカルルールには逆らってはいけません。というより揉め事を起してはダメなのです。絶対遵守でございます。

というわけで、おとなしく板の上に胡坐をかいて、地元のオッチャンたちと世間話。「どこから来たの?」「どこに泊まってるの?」「このあとどこ行くの?」「鉄輪から歩いてきたんなら時間かかったでしょ」などなど、温泉好きという共通の嗜好から話は膨らみます。

ロド「ここも山焼きしてるんですか?」
オ1「扇山(大平山)を焼くときに、ここも一緒に焼くんよ」

※画像だと芝っぽく見えますが、初夏の野焼きから結構時間が経っているので、実際には腰の高さレベルで草ボーボーです。

ロド「ヘビん湯に行くのにこの斜面を登って行こうと思ったけど、キツそうですね」
オ2「そりゃあかんで、70度くらいあるわ。稜線見たらわかるで」
オ3「でもこないだ韓国人が何人か登って行ったけどな」
オ1「アメリカ人も登っとったな。外国人はたまに登るな」
オ2「お兄ちゃん、裏道があるで。あそこに木が見えるやろ、あそこに出るから」
オ1「今の季節は良いハイキングコースになってて気持ちいいよ」

俺、もう41歳なんですけど、お兄ちゃん呼ばわりってのは嬉しいですね(笑)。ちょっと方言までは再現できませんけど、オッチャンたちがいろいろ教えてくれて、いつぞやのアメリカ人や韓国人のようにキツイ傾斜を登って行かずに済んだのでした。ちなみにこの斜面、俺の地図の読み方が間違えていなければ、垂直距離で40mの高さがあります。足を滑らせ滑落すれば、死ぬ可能性も大いにありますw

さて話が盛り上がる中、驚いたのは、オッチャンの1人がシャンプーで頭を洗い出したこと(もちろん堰き止めてる場所の下流ですが)。ワタクシ、そのオッチャンが帰ってから「ここはシャンプー使っていいんですか?」と別の人に尋ねてみました。「別府は石鹸は結構使たりするんよ。まあシャンプーはあまり見たことないけど」みたいな反応。俺なんざ下水もないところだからと石鹸すら持ってこなかったんですけど、うーん、カルチャーショックです。石鹸くらいなら自然分解するだろうけど、シャンプーはちょっと衝撃だったなぁ(笑)

・・・さて、そろそろ次の湯に出発しよう、と風呂から上がるも、これがなかなか汗が引かない。ようやく乾いてきたので服を着て、上半身だけ裸でブラブラしていたらダックスフントが歩き回っております。皮膚病などの犬をここのお湯で洗うと良いらしく、たまに連れてくる人がいるそうです。俺は肩高が自分の膝より低い犬は嫌いじゃないですから、頭など撫でていると「ムニュ」っとなにかを踏みました。ウンコです。獣のウンコ。しかも新しい。こいつか!こいつのしわざか!

腹が立ったので、お風呂の堰のもっと下流で靴の裏を洗い流す。10mほど下流ではこのダックスの飼い主らしき人が、別のダックス数匹を洗っております。ざまあみさらせ(笑)

別府の旅_2015.09.19~21_初日_その3

2015年10月05日 03時03分23秒 | 温泉/温泉銭湯/銭湯/スーパー銭湯
【6】陽光荘さんへ

次の風呂は・・・いえいえ、もう宿にチェックインしなければ。14時からチェックインできますし、「夕方は宿のスタッフも忙しいので17時までにはチェックインして下さい」などと言われておりました。というわけで、鉄輪(かんなわ)のバスセンターで下車。余談ですが、目の前にある洋食屋の「三ツ星」さんはとても美味しいらしいですよ。

さて、ここは入り組んでいて結構わかりにくく、どの道を進めば良いのか地図を見ながらしばし悩む。東西南北がわからないんですが、どうも「いで湯坂」を下って行けば良いようです。途中で足湯があったり、大衆演劇場のヤングセンター(このネーミングがまた良いですね)があったり、市街地型温泉街という感じがプンプンしています。ここでも普通に民家があって地元の人たちが共同湯から洗面器持って出てきたり、生活と観光と湯治が合体したような街の雰囲気がたまらない。

それにしても、いで湯坂は決して広くない道なんですが、車の通行がほどほどにあるので歩行者は注意して頂きたい。大分のドライバーは運転マナーが悪いというか、とにかく道を譲らないことで有名らしいから(笑)。これ、実際に目撃したんですけど、俺の前から歩いてきたオッサンに走行中の車のドアミラーが接触したんですけど、ドライバーは何もなかったように走り去ろうとしたからオッサンが文句言いながら追いかけて行きましたよ。あれは酷かったw

さて、歩くこと3分強、今回の宿である「陽光荘」(ようこうそう)さんに到着。



陽光荘 オフィシャルウェブサイト
http://www.coara.or.jp/~hideharu/

宿は宿でも貸間なので、地方の学生街にある下宿(げしゅく)のような雰囲気。「せっかく旅行に来たんだからきれいなお部屋で上げ膳据え膳で美味しいものを食べたい」ような人はこの時点でアウトなんでしょうけど、俺は全然OK。一度は貸し間も体験したいと思っていましたし。

玄関を入ると、おお、まさに下宿独特の匂いだ。

玄関にはこのような地図が貼ってましたよ。


このほか、館内そこらかしこにいろいろな情報が。

ここはホテルや旅館のようなフロントはありませんので、事務所らしき部屋を覗いて到着を告げると、新人っぽいスタッフAさんが今回泊まる部屋まで案内してくださいました。本館3階の7号室です。そのあとお風呂の時間帯や炊事場で地獄蒸しの使い方などの説明を受けました。最後に宿泊料金7,000円を払おうとしたのですが(先払いでも後払いでもどちらでも良い)、ここで別のスタッフBさんが横から「1泊4,500円×2=9,000円です」とかいきなり言い出すんですよ。え、ちょっと待てよ、どうなってるんだよ。「電話予約した時に、1泊なら4,000円、連泊なら3,500円×2って説明を受けましたよ」と言うと、どこからか宿の責任者らしき女性Cさんがやって来て宿帳を調べ「2泊で7,000円です」とのこと。Bさん、謝りもせず(苦笑)

今後の参考までに確認したのですが、(ハッキリとは忘れましたが)正月とかはGWは割高になるけど、SWは通常料金だそうです。このあたり、予約の際にしっかり確認した方が良いと思います。

ちなみに、部屋と館内の様子。

部屋

四畳半、テレビは2時間100円、扇風機は無料。コンセントはテレビ含めて4つ。エアコンも2時間100円だと思うけど、この部屋には無し(予約時に了解済み)。ちなみに冬は温泉蒸気を利用した無料の暖房装置があるのでご安心ください。

窓からの風景

別府湾と高崎山が見えます。窓の下はいで湯坂、通行人から丸見えですが、ちゃんとカーテンはありますよ。

部屋に備え付けの食器棚

お米を炊く釜、小鍋。お茶碗と小皿とザル、箸、お玉、布巾など。縦格子の奥に前述の暖房装置があります。

部屋の鏡台

最近なかなかこのような鏡台は見ないなぁ。ドライヤーは無料貸し出し。

寝具

掛布団、敷布団、枕。押入れに敷きマットあり。

外鍵

南京錠です。お出かけの時も安心。

内鍵

2日目の夜に存在に気付いたんですが、一応あります(笑)。なくても構わないけど、女性には安心。

その他の注意点として、靴は玄関ではなく部屋の入口脇にある靴箱に入れること、部屋の中でカセットコンロなどは使わないこと。部屋は喫煙可能です。

炊事場

こちらは2階の屋外炊事場。地獄蒸し釜が並びます。蒸気で暑いよ。包丁、まな板、共用の食器類などがあります。食器は部屋付き/共用問わず、使ったら自分で洗って布巾などで水を拭きます。ゴミの分別はしっかりと。なお共用のサンダルが何足かあるので、いちいち部屋から靴を持ってくる必要はありません。

冷蔵庫

冷蔵庫はいくつかあります。共用ですので、自分の食材は名前を書いておきましょう。マジックは置いてあります。食材が余ったら「どなたでもご自由に使ってください」などと書いておけばいいかと思います。

なお、1階にも炊事場と冷蔵庫、洗濯機があります。

風呂は、鉄輪独特の蒸し風呂を備えた浴室と、シンプルな浴室の2か所。数時間ごとに男女入替制(タイムテーブルが入口に貼ってます)。俺は蒸し風呂は使いませんでしたが、閉所/暗所恐怖症の人にはたまらん空間でしょうなぁ(笑)


【7】晩飯

部屋で一服しつつ休憩をしていると、ほどよい時間となりましたので、買い出しに。陽光荘さんの裏手には「ことぶきや」さんという個人商店があり、日用品や食材も購入できるので覗いてみたのですが、徒歩数分のところにある「スーパーマルショク」も覗いてみようと、取り合えずなにも買わずに出ました。申し訳ない。

いで湯坂を下ると少し広い道に出るので、それを南下するとすぐ左手に陽光荘さんの別館があります。本館宿泊者も温泉は利用可能だったと思いますが、今回は入湯しませんでした。さらに進むと右手に前回の別府旅行の際に入湯した「ひょうたん温泉」があります(そういや前回はここのスタンプを押し忘れたんだよな)。そこを通り過ぎると九州横断道路に突き当たりますが、その交差点の左手の区画が「マルショク」になります。俺は去年別府に来たときはここのATMでお金を下ろし、先月来た時もこの前を通り、今回はここで買い物ですか。なかなか縁のあるスーパーですな。

食材は豊富なので、とりあえずここで買い物をすることに。卵6個パック、こま切れの鶏肉と豚肉、白菜1/4、中華麺1袋、エノキ1つ、あとは2Lのお茶と缶チューハイ1本を購入しました。なお前述の「ことぶきや」さんでは地獄蒸しセット等も売っているようですが、こちらにはそういうセットはありませんでした。あとは、これまた宿から徒歩数分のところにある「地獄蒸し工房 鉄輪」でも食材は購入できるんじゃないでしょうか(でも、現地で蒸さずに持ち帰りがOKなのかは知りません)。なんだったら別府駅の近くのスーパーや市場などで買って行ってもいいでしょうし、まあ調達はなんとでもなりますよ。

宿に戻ってさっそく調理です。とりあえず手始めに卵を蒸してみました。

(1)ザルに卵を並べる

(2)ミトンをはめて釜の蓋を開ける
(3)ザルを入れて蓋をする
(4)蓋の上に「使用中」の札を置いておく
(5)半熟は6分経ったら引き上げる

以上!超簡単!

とりあえずザルごと部屋に持って行きました。蒸し玉子なので殻も簡単にツルンと剥けます。俺は7分ほど蒸しちゃったので半熟ではなくなってしまいましたが、お湯独特の香りとほんのわずかな塩分のおかげで、水道水で蒸したのとは一味違う風味が食欲をそそります。



軽く塩をつけて頂きましたが、非常に美味しかったです。

続いて炊事場に戻り、メインディッシュを。

(1)洗ってザク切りした白菜(1/8程度)を大皿に敷く
(2)その上に洗ったエノキを並べる
(3)更に中華麺を敷く
(4)最後に鶏肉と豚肉のこま切れを適当に乗せる
(5)地獄蒸し器に網を入れて、その上に(4)の皿をセットし、20分蒸す

以上!これまた簡単!



あとから気付いたんですが、麺や肉はちゃんとほぐして乗せた方がいいですね。見た目が悪い(笑)

それから、具材から出たのか蒸気が溜まったのか、皿に結構な量の水が溜まっていたので、ザルを使った方が良いかもしれません。あと、野菜をシャキッとさせるなら、複数の釜を使って具材ごとに蒸した方が良いかも。具材別の蒸し時間の目安は炊事場に掲示しているので参考にしてください。

もし今度作るなら、白菜の代わりにレタス、エノキの代わりにシメジ、鶏肉の代わりに鮭、豚肉はぶつ切りじゃなくて薄切り、で作ってみたい。そして中華麺ではなく肉まんを蒸したい。それからソーセージを蒸してみるのもいいかもしれない。

さて、できあがったメインディッシュを部屋に持って行って実食。ポン酢で食べましたが、なかなか美味しかったですよ。ただ、蒸し料理独特のアッサリ感が俺にはちょっと物足りなくて、途中からマヨポンで食べました。全然湯治って感じじゃないけど(笑)、とりあえず白ワインが進みますな。


【8】谷の湯さん~夜の鉄輪散策

などと一人で盛り上がっていたら、徹夜明けの疲れもあり、気が付いたらグースカ寝てましたがな。残っていた皿の中身を平らげ、台所で後片付け(食器を洗うだけ)。そのあとは、せっかくだから共同湯にでも入ろうと温泉本でリサーチ。この時間までやってるところは・・・ありました、「谷の湯」です。宿から歩いて3~4分のところにあるみたいです。というわけで、手ぬぐい片手にサンダル履いてプラッと行ってきました。

道のりは簡単で、「谷の湯通り」をまっすぐ行くだけ。途中にひょうたん温泉の裏手を通るのですが、そこでは竹製温泉冷却装置 (湯雨竹:ゆめたけ)が立ち並んでおり、大量のお湯を冷ましておりました。別府は源泉の温度が高くて、100度を超えるようなところもざらにあるんですよね。水って100度までしか上がらんのじゃないのか?とお思いの方もいらっしゃるでしょうが、成分や圧力などの関係で、100数度になったりするんですよ。まあそれはともかく、そういうわけで別府では加水(=冷却のため)無しの源泉かけ流しってのが意外と難しく、竹瓦温泉でも4割程度加水しているわけですよ。ひょうたん温泉でもそれが悩みの種だったんですが、なんとか源泉かけ流しを実現すべく開発したのがこの「湯雨竹」なんです。これを使うと100度のお湯が数秒で47度まで下がるというスグレモノ。ひょうたん温泉は一見すると広いし食堂なども併設しているのでスーパー銭湯のような雰囲気ですが、源泉かけ流しの素晴らしいお湯なんですよ。創業も1922年と古く、近年ではミシュラン三つ星を獲得してる名湯です。

これ以外にもいろんな施設から湯気が立ち上っていて「さすが鉄輪!」とワクワクするんですが、そんな中、緑色のライトが不気味に光るガラス張りの大きな温室が。なにか怪しい生物でも培養してるんじゃないか?はたまた地元民から苦情が出ていることで有名な地熱発電施設か?などと思ったのですが、これの正体はあとで判明することに。

テクテク歩くこと4~5分で谷の湯に到着。受付に行くと、えーっと、なんだ、塩ビパイプが備え付けてあって、ここに150円入れろと。塩ビパイプの先には容器があって、お金はそこに落ちる、と。で、100円玉しかない人は200円入れて、そこの入れ物の中から50円玉1枚を持って行け、と。スパポートへの押印は勝手にしてくれ、と。

ってな具合にシステマティックな仕組みになっているのではありますが、ガラス戸の向こうで管理人らしきご年配のお姉さんが寝転がってテレビを観ているのには苦笑せざるを得ない。何なんだろうこの距離感。ガラス挟んで1mの距離だよ。シュールすぎるだろ。いや、このお姉さんは何千回何万回と入湯者対応をやってきた結果、このシステマティックな受付システムにたどり着いたんだろう。野菜の無人販売ではないけど、完全に客を信頼した上で成り立つこのシステム。お釣りが必要なら勝手に取れというのがいいですね。スタンプをペタペタやっていたらお姉さんが気付いてにっこり笑ってこっちを向いたので「こんばんは、入らせてもらいます」などと挨拶。そうです、共同湯はコミュニケーション第一です。

さていよいよ入浴です。浴室は受付のある管理棟(?)の隣の棟、階段を下りて半地下のような1階にあります(なお2階は公民館のようです。竹瓦温泉しかり、共同湯にはこういう作りが多いようです。文字通りの地域コミュニティの中心施設というわけですね)。浴室は、別府によくある脱衣所一体型。鍵付きのロッカーなどありませんが、入浴中も衣類や携行品に目が行き届くので問題ない。そもそも本来の利用者である地域住民の皆さんがわざわざ貴重品をもって入浴に来ることがないでしょうし、盗みなど起きないのでしょう。俺のような観光客が利用させて頂く場合でも安心できるのがいいところ。まあ「誰も盗らんし、盗られて困るような物もないわな」ってとこでしょうね。素晴らしい。

肝心のお風呂ですが、まずコンクリート打ちっぱなしの浴槽が渋い。まさに生活銭湯。共同湯の魅力が濃縮されたような風情です。泉質は癖のない透明な単純泉。前述の通り別府は源泉温度が高いゆえに水で埋めることも多く、谷の湯もその例外ではありませんが、観光客含む一見さんは勝手に蛇口をさわって温度調整などしない方がベター。それは谷の湯に限らずなんですけどね。ネットなどでは「観光客にも開かれた共同の湯だしお金も払ってるから遠慮することはない」というコメントも散見しますが、俺はそれはちょっと違うと思いますよ。お客様感覚で入るのは違うと思う。あと、一番の特徴は、浴室を見下ろすように如来だか菩薩だかの像が設置されていることでしょうか。入浴中はどことなく神妙な気持ちになります(笑)

時刻も遅いので、お風呂は15分ほどで切り上げ。入浴中のおじさんに「お先に失礼します~」と挨拶して帰ります。これ重要。共同湯に限らずなんですが、浴室に入る時には「こんにちは」「こんばんは」「失礼します」、出る時には「お先に失礼します」「おやすみなさい」などといった挨拶は必ずしてください。

あと、これは別府独特の入浴マナーだと思いますが、浴槽の縁に腰かけない、というのがあります。理由はよく知らないのですが、これをやるとご指導を受けることもあるのでご注意ください。もうひとつの注意点は、洗面器はだいたい備え付けがあるのですが、石鹸やシャンプーは各自持参のところがほとんど、ということ。俺なんかは普段から頭も体も固形石鹸派なんですが、石鹸は時に持ち運びが面倒なので、洗顔フォームを1本持って行き、それで全身洗ったりしますよ。

まったくの余談ですが、俺は香水とかフレグランスってあまり気にならないというか、気になってもすぐに馴れちゃうんですが、天然温泉で香りの強いボディソープなどを使っている人を見るとめちゃくちゃ気分が悪くなります。許せる香りは牛乳石鹸の赤箱レベルまでだね。

さてさて、風呂のあとは夜の鉄輪散歩。陽光荘の門限は23時なので時間は充分。ひょうたん温泉の裏手からスタッフさんが出てきたので、例の緑色の温室の正体を訪ねると「地熱でイチゴを栽培したり観光客が食事をしたり、そういう施設です」とのこと。よくわからんな(笑)

いでゆ坂に戻り、ヤングセンターの角から湯けむり通りに入る。地面からも湯けむりが上がってますな。街灯に照らされて幻想的な光景なんですが、この日は風も強かったので湯気が派手に踊っており、なんだかやたらと地熱のパワーを感じました。

しばらく歩くと、あ、例の緑色の温室が見えてきました。こっちが正面のようですね。看板によると「地熱観光ラボ 縁間(エンマ)」という施設のようです。ひょうたん温泉のお兄ちゃんの「イチゴを栽培して食事もできる」という言葉通り、レストランが併設されていました。ということはあの温室はイチゴを栽培してるんだな。ちょっと敷地の中にお邪魔して、温室のそばまで行ってきました。うん、イチゴ工場って感じ。バイオな臭いプンプン、好きな人にはたまらんでしょうな。

ここでふと疑問が。植物というのは、赤と青の光を吸収して光合成等を行うと言われています。緑色の光は使わずに反射してしまう。だから植物は緑色に見える。なんか騙されたような理論ですが、実際その通りなんだから仕方がない。でもこの温室は、その役に立たないとされている緑色のライトが煌々と輝いている。なぜだろう。

・・・あくまでも推測ですが、夜間は「光合成をさせない」ために緑色のライトを灯けているんじゃないでしょうか。「いや、だったら電気消せばええやん」って気もしますが、防犯目的などでハウス内をカメラで監視しているのでは。それプラス、バイオサイエンスな雰囲気を出すための演出、とかね。今度お店の人に聞いてみよう。

余談ですが(というか、弊ブログは余談ばっかりですが)、食品工場で思い出したんですけど、以前、週刊少年チャンピオンに連載された「BM ネクタール」って漫画がありましてね。ご存知の方も多いと思いますが。

遺伝子工学で生み出されたB.M.(「バイオミート」という名の生き物)の設定などは、現実味のない、いかにも漫画な設定ながらも面白くて、俺は好きでした。昔の中国のブタ便所(便所でブタを飼って、人間がウンコしてそれをブタが食うというリサイクルシステム)や、酒造りにおけるブタの利用(コーリャンを発酵させて酒を作り、その絞りカスをブタのエサにして、ブタのウンコをコーリャン栽培の肥料に使う)などが原点にあるのかなぁ、などと思ったりしたものです。アメリカでも、鉄道が発達する前は、食肉市場があるシカゴにウシとブタを歩かせて運び、道中ウシにはトウモロコシなどのエサをやり、ブタはウシのウンコをエサにするとかね。まあブタはたくましい生き物なわけです。

で、このマンガはB.M.が脱出して一般市民を襲い、最終的には日本のほとんどが壊滅するというなかなか過激なストーリーで、俺みたいにせいぜい 「左翼はまとめてドッグフードにでもすればいい」 程度の温和な発想の者にとってはなかなかにショッキングな内容でしたよ。

まあそんなことを思いながら散策を続けましたが、夜も更けてほとんどお店なども閉まっているので、適当なところで切り上げて宿に戻りました。テレビをつけたけどあまり面白い番組はやってないなぁ。というわけで、とっとと寝ることに。なにせ明日は早い。夜明けとともに宿を出るぞ!


以上、とりあえず初日は終わり。いつもながらまとまりもなく大量の文字を書き流しましたがお付き合いいただきありがとうございました。



陽光荘小ネタ:
3階の階段を下りた正面におかっぱの日本人形が飾ってあるんですが、それがなかなか不気味。