りとるぱいんわーるど

ミュージカル人形劇団“リトルパイン”の脚本の数々です。

“花の妖精ティンクルの小さな冒険” ―全3場― 完結編

2011年08月18日 08時49分32秒 | 脚本



 
 後ろの背景・・・大変なことになってきました!!・・・の1枚です^^;
 この時、私はティンクルちゃんとピコを1人で持っていて、自分の
 ことで精一杯だった為、後ろの様子にはあまり気付くことができませ
 んでした(;_;)・・・が、みんな、自分たちの出来る範囲で、頑張って
 くれているんだ・・・と分かり、なんとも心強いメンバーたちに、ホント
 嬉しい気持ち一杯の私です・・・♥

 余談ですが・・・私はこのまま、“少年”くんが去るまで、2体持ちを
 しています^^;
 もう一つ余談ですが・・・取れ掛けの背景の後ろに、チラッと見えて
 いるのは、春公演3本立ての2本目“音の妖精ティンクル・・・”の
 最初の背景です(^^♪


   
                                  どら。



 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ 
                 

    
       その時、一際大きなカミナリが落ちた音。

  ティンクル「キャーッ!!」
  少年「わあっ!!」

       3人、恐る恐る回りを見回す。

  大王の声「誰だー!!私の屋敷で、大騒ぎしているのは!!」

  ティンクル「キャーッ!!」
  ピコ「ティンクルー!!」

       ティンクル、ピコ、端の方で方を寄せ合って、ガタガタ
       震えている。   (上の写真。)

  少年「な・・・何・・・?」

  大王の声「何百年も静かに眠っていたのに、おまえたちのせいで
         目が覚めてしまったではないか・・・!!」

  少年「な・・・何百年も眠っていた・・・?」

       その時、フワフワ浮かぶ、布が現れる。 ※
 
  少年「わ・・・わ・・・わあーっ!!出たーっ!!本物のお化けだ
      -っ!!ごめんなさい!!ごめんなさーい!!」
  
  大王の声「もう二度と、ここで悪いことをしたら許さんぞーっ!!」

  少年「はーいっ!!」

       少年、杖を放り出して、下手へ走り去る。
       入れ代るように、大王、上手より登場。


  



  大王「(震えている2人の側へ。)ティンクル・・・」
  ティンクル「ごめんなさい!!ごめんなさい!!」
  ピコ「煩くしてごめんなさい!!」
  大王「ティンクル。(ティンクルの肩に、手を掛ける。)ティンクル
      !」
  ティンクル「キャーッ!!」
  大王「私だ!」
  ティンクル「・・・え・・・?」
  大王「私だよ、ティンクル・・・!」


  


  ティンクル「・・・私?(チラッと見る。)大王様・・・大王様!!来て
         くれたのね!!」
  大王「全く・・・私の言うことを聞かずに、勝手なことばかりするか
      ら、こんな目に遭うのだぞ。」
  ティンクル「・・・ごめんなさい・・・」
  大王「さぁ、妖精の国へ帰るぞ。二度とおまえは、地上へ来ること
      は許さんからな!」
  ティンクル「大王様!」
  大王「行くぞ!」

       大王、上手へ去る。

  ――――― 第 3 場 ―――――

       音楽流れる。

  ピコ「ティンクル!また会える・・・?」
  ティンクル「ええ・・・多分・・・」
  ピコ「僕のせいで、もう地上には来れないの?」
  ティンクル「ううん、違うわ!この場所にいなくても、私はいつでも
         あなたのことを見てるわ!」
  ピコ「ティンクル・・・」
  ティンクル「いつでもあなたの側にいる!花の咲く場所で・・・。
         だから、そんな顔しないで!」

       ティンクル歌う。

       “また会いましょう2人
        この地上で再び
        奇跡のような出会い
        力を合わせた”

  ティンクル「ピコ・・・一緒に杖を取り返しに来てくれて、ありがとう
         !」
  ピコ「僕の方こそ、薬草の為に・・・ありがとう!」
  ティンクル「さよなら!」
  ピコ「さよなら!」  
    

  

   
       2人歌う。

       “また会いましょう”

  ピコ「また遊びに来てね!」
  ティンクル「勿論よ!!」

       2人歌う。

       “この地上で”

  大王の声「ティンクル・・・」
  
  ティンクル「大王様・・・?」

  大王の声「おまえが、友達の為にしたことに免じて、たまには
         地上に行くことを許そう・・・」

  ティンクル「大王様!!」

       ティンクル杖を振ると、辺り一面、色とりどりの
       花畑に変わる。


  



                音楽盛り上がり。



            ――――― 幕 ―――――












  ※ 本当は釣り竿のようなものに、布などをぶら下げて、
    表現しようと思っていたのですが、公演ではなぜか・・・
    ポン吉っつぁんの時の“番人”さんを使用しています^^;    

    この“ポン吉”くんの、練習中の呼び名は“ポンきっつぁん”
    でした(^_^;)


 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


       おまけフォト(^^)
    
   (左より)トマトちゃん・リンゴちゃん・ただのイチゴ^^;

    少し時間があったので、作ってみました~(^^)v






   それではここで、次回掲載作品のご紹介をしておきたいと
   思います(^^)v
   次回は以前、集合写真(?)を見て頂いたことがありますが、
   “ミカエルとピエローラ”のお話しをご紹介したいと思います。
   まだまだ人形劇としては、未熟な舞台ではございますが、
   お話し的には、2人の少年の心の成長物語・・・と言うことで、
   なかなか面白いものではないか・・・と思っております。
   例の“ヒョウ”くんの初登場作品でもあります(^.^)
   
   未熟な舞台・・・と言うことで、話題も盛りだくさんな作品、
   “勇気の石”お楽しみに~(^^♪



                                  どら。









  
     http://www.geocities.jp/littlepine2005/

    http://blogs.yahoo.co.jp/dorapontaaponta

      http://blog.goo.ne.jp/axizgoo7227






“ケイト” ―全4場― 完結編

2011年08月17日 22時39分43秒 | 未発表脚本


    ――――― 第 4 場 ―――――

        場面変わって、森の様子。
        (中央に長老座っている。)
        そこへ、下手よりクルト登場。続いてケイト、
        回りを見回しながら登場。

  クルト「長老ー!!長老ー!!」
  ケイト「ここね、クルトが言ってた心の森・・・」
  クルト「うん!(くしゃみをする。)」
  ケイト「大丈夫?」
  クルト「うん・・・寒いね。」
  ケイト「はい!これ・・・あげるわ!(自分のマフラーを外し、
       クルトの首に巻く。)」
  クルト「え・・・?」
  ケイト「あなた、こんな寒い日に、薄着だと思ってたの。(笑う。)」
  クルト「ケイト・・・」
  長老「クルト。」
  クルト「(長老を認める。)長老!!」
  長老「どこへ行ってたんじゃ、こんな寒い日に。」
  クルト「あ、うん!お客さんだよ、長老!」
  長老「客?」
  ケイト「こんにちは・・・」
  長老「はい、こんにちは。」
  ケイト「・・・サンタクロース・・・?」
  長老「(笑う。)残念ながら、サンタクロースではないのぉ。この森
      に、昔々から住む、ただの年寄りじゃよ。」
  クルト「この人が、僕の言ってた長老だよ!」

        雪がチラつく。

  長老「(手を出し、雪を受けるように。)おお・・・雪が降ってきた
      ようじゃ。朝から冷えると思ったら・・・」
  ケイト「おじいさんも、随分薄着ね。」
  長老「(笑う。)わしは“長老”じゃからのぉ。寒いも暑いも、あまり
      関係ないのじゃよ。」
  ケイト「マフラーはクルトにあげちゃったから・・・そうだ!おじい
       さんにはこれを・・・(自分の被っていた帽子を取り、長老
       に差し出す。)はい!暖かいわよ!」
  長老「そうか・・・?(帽子を受け取り被る。)さて・・・では、おまえ
      さんの願いを聞かせてもらうかの?サンタクロースでは
      ないが、おまえさんの願いは、叶えてやることができるかも
      知れんぞ。」

        音楽流れる。

  ケイト「私・・・素敵な女の子になりたいの・・・。誰のことも羨まし
       がったりしない・・・そんな素敵な女の子になりたいの・・・
       !!」
  クルト「素敵な女の子・・・?」
  ケイト「私・・・家が貧しくて、みんなが持ってるような、新しい筆箱
       や鉛筆や・・・可愛いリボンとか・・・何も持ってないの・・・。
       だから、いつもみんなのことを羨ましいと思って・・・どうして
       私には、欲しくても手に入らないものを、友達はみんな
       持ってるんだろうって・・・そんな風に思って・・・。でも、人の
       ことを羨ましがるなんて!!私は心が歪んでるのよ!!
       だから・・・人のことを羨んだりしない、素敵な女の子になり
       たいの!!」

        ケイト歌う。

        “明日 今日より素敵な女の子になるわ
         心に誓うわ 誰よりもね・・・
         素敵になるの・・・”

  ケイト「おじいさん、叶えてくれる・・・?」
  長老「(笑う。)おまえさんは、叶えて欲しいと言うがのぉ・・・。わし
      にはその願いはもう、おまえさんは手にしておると思うが
      のぉ。どうじゃ、クルト。」
  クルト「うん、長老!僕も、ケイトは素敵な女の子に違いないと
       思うよ!」
  ケイト「でも・・・!」
  長老「見てごらん。」

         後方に、少年1、2、倒れていた人登場している。
         音楽流れる。
         3人歌う。

       少年1、2“あなたに出会えた偶然が
              僕らに力を与えるんだよ”

       倒れていた人“誰かに感謝する気持ちが
                あれば 全てが輝いている”
      
       3人“ありがとう お礼も言わないで
          今までは自分のことだけでした
          あなたに言われ助けてもらい
          僕らはみんな・・・
          感謝の気持ちが溢れているんだ”

         ケイト歌う。

         “そんなつもりはなかったけど
          誰かにお礼を言われるなんて
          心が少し暖かいわ
          なんだかいいことした気分
          ありがとう 私の方だって
          みんなから素敵な気持ちを少し
          分けてもらえた・・・
          願いが叶う
          そんな気持ちに満たされるこのとき
          奇跡みたいだわ”

  長老「誰にも“ありがとう”を言われるおまえさんは、誰よりも素敵
      な女の子じゃよ。わしも礼を言わないとな。おまえさんの
      心と同じ、暖かい帽子をありがとう。」
  クルト「僕もありがとう!!」
  ケイト「おじいさん!!クルト!!」

         音楽変わる。
         全員歌う。

         “優しい気持ち
          明るい笑顔
          溢れる思いが
          あればいい

          誰もが持ってる
          素敵な心
          気付いた出会いが
          宝物だよ”

  長老「わしからのクリスマスプレゼントじゃよ・・・」

         森がキラキラのイルミネーションに彩られ、
         輝く美しい森に変わる。人々歓声を上げる。   
 
  ケイト「さよならー!!」

         音楽盛り上がり。
  




     ――――― 幕 ―――――



  








 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ 


  それでは、このページでも、次回掲載作品をご紹介したいと
  思います。・・・が、沢山ある作品の中の、どれから紹介して
  いけばいいのか・・・と、迷う所ではありますが・・・
  例のクローゼットの奥から、引っ張り出した作品の中より、
  キャシー以降書き始めた、ファミリーミュージカル作品の中
  から・・・“犬”のお話し・・・と思ったのですが、つい読み返して
  しまった、“おもちゃ”のお話しを、ポン吉をご紹介した後でも
  ありますし、お届けしたいと思います(^^)v
  お楽しみに~(^^♪





    本当に沢山の作品を書いてきました。

  色んな劇団に提供してきて、「使います。」と言われた作品に
  関しては、私の手からは離れ、その提供させて頂いた劇団の
  作品なので、いくら私とは言え、ここで紹介させてもらうことは
  出来ません。
  
  でも、ここに載せて、みなさんにお見せしている作品に関しては、
  劇団の方に読んで頂いたことはあっても、使用されると聞いた
  ことのない、まだ私の手の中にある私の作品です。なので、もし、
  どこかで違う形で、同じような作品があったとして・・・、それは
  決して私の作品ではありません・・・、と言うことをお伝えして
  おきます。


               
                                   どら。












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“ケイト” ―全4場―

2011年08月16日 12時48分54秒 | 未発表脚本


   
       今まで書きためた脚本の一部です(^^)

  脚本の途中に、中程にある“絵”のように、セットの構想図や、
  ここにはありませんが、衣装図など・・・色々な細かい指図が
  書き込んでありました・・・した・・・とは、改めて見て自分自身
  思い出したことだったので・・・^^;
  今では、そこまで細かい指図は、書き込まなくても、自分で
  見ながら指図できるので、多分書かなくなったんでしょうね♪


 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ 


  このページでは、今まで沢山書きためた、未発表の
  脚本の数々を紹介していきたいと思っています。

  勿論、未発表と言うことで、舞台にはなったことがない為、
  写真など、お見せするものは、あまりないかも知れませんが、
  お許し下さい<(_ _)>

  また、未発表と言うことで、以前お話ししたように、タイトル
  を中々決めない私ですので、殆どの作品にタイトルは付いて
  いません^^;・・・なので、タイトルのない作品は、主人公の
  名前を、タイトル代わりと致します。

  後、作品内容に関しては、ファミリー向きに限らず、色々な物
  を紹介していこうと考えていますので、またその辺も、
  “リトルパイン”作品とは違う作風を、お楽しみ下さい。
  (私わーるどは、どの作品にも、共通しているものなので、
  飛びぬけて、“え~っ!!”と言うようなものはございませんので、
  ご安心下さいね^^;)   
   
  それでは、いきなり全く今までとは異なる作風作品も何なので・・・
  タイトルにあるように“ケイト”ちゃんのお話しを、ご紹介したいと
  思います。

  この作品は、実際に“リトルパイン”作品として、セリフ練習にまで
  入っていたものですが、なぜ途中でやめちゃったのか・・・^^;
  多分、違う作品に取りかかった為に、公演予定のなかった、この
  作品は、後回しになってしまい、そのまま・・・状態になったのだと
  思います。作品としては仕上がっていたものなので、このお話し
  には“曲”も決まったものが付いています。(普通は、歌詞は付け
  ていますが、作品として仕上がっていないものには、決まった曲
  は付いていません。)
   
  “キャシー”に登場したクルトが出てくるお話しは、まだ他にも
  あるんですよ(^^)v



                                  どら。


 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ 


   〈主な登場人物〉

  ケイト ・・・ 貧しくて、クリスマスケーキも買えない女の子。

  クルト ・・・ 心の森に住む、青い羽を持つ小鳥。

  長老 ・・・ 心の森に住む、願いを叶えてくれる老人。


  その他


 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪



       クリスマスソングが流れる中、幕が開く。

     ――――― 第 1 場 ―――――

       上手より、1人の少女(ケイト)ゆっくり登場。

  ケイト「今日はクリスマスイブね・・・。(後方に駆け寄る。)わあーっ
       ・・・沢山のケーキが並んでるわ!!綺麗ねぇ・・・。一度
       でいいから、こんな素敵なケーキを食べてみたいなぁ・・・。
       」

       下手より、ケイトの友達の少女、登場。

  少女「あら、ケイトじゃない。」
  ケイト「(振り返り、少女を認める。)」
  少女「そんな格好で、寒くないの?」
  ケイト「え・・・あの・・・」
  少女「何見てたの?」
  ケイト「・・・別に・・・」
  少女「私はママに頼まれて、クリスマスケーキを買いに来たのよ!
      どれでも私の食べたいケーキを、買っていいって言われて
      るの!」
  ケイト「へぇ・・・」
  少女「じゃあね!早くケーキを買って帰って、クリスマスパーティ
      をするのよ!」
  ケイト「・・・さよなら・・・」

        少女、上手へ去る。
        音楽流れる。

  ケイト「羨ましいなんて思わないわ・・・!ケーキも・・・プレゼント
      も・・・何もないクリスマスでも・・・。家族がいれば、それ
      だけで・・・。」

        ケイト歌う。

        “輝いた星のきらめきが
         心に染みてくる いつもよりも・・・
         溢れそう 心に思い描いた夢
         叶うならば願うわ
         羨ましいこと 沢山あるけど
         素敵な女の子になるわ
         昨日よりも”

        下手より、仲良さそうな母娘、話しながら登場。

  娘「ママ!早く帰って、ケーキを食べましょう!!」
  母「えぇ、そうね。」
  娘「サンタさんのプレゼントは何かしら!」
  母「あなたが一番、欲しいものじゃないかしら。」
  娘「楽しみねぇ・・・!!」

        母娘、上手へ去る。
        ケイト歌う。

        “素敵な女の子になるわ
         明日こそは”

  ケイト「ろうそくの火が灯ったケーキも・・・ピンクのリボンの掛った
      プレゼントもないけど・・・私には暖かな家があるもの・・・。
      パパやママがいるもの・・・。」

        ケイト歌う。

        “素敵な・・・”

        途中、上手よりクルト登場。ケイトを認め、近寄る。

  クルト「こんにちは、ケイト!」
  ケイト「(振り返ってクルトを認める。)・・・小鳥さん・・・?」
  クルト「僕はクルト!君、僕のことが必要なんだね!だから僕が
      見えるんだ!」
  ケイト「え?」
  クルト「僕は心の森に住む小鳥だから、僕のことを必要とする子
      にだけ見えるんだ!」 ※
  ケイト「心の・・・森?」
  クルト「うん、そうさ!ケイトの願いは何?」
  ケイト「願い・・・?」
  クルト「うん!僕に付いておいでよ!ケイトの願いを叶えてくれる
      長老のところへ、連れて行ってあげるよ!」
  ケイト「願いを叶えてくれる長老・・・?」
  クルト「うん!」
  ケイト「本当に・・・?」
  クルト「本当さ!」
  ケイト「私も、あなたと一緒に行っていいの・・・?」
  クルト「うん!」
  ケイト「私、ずっと前から、どうしても叶えて欲しいことがあるの
      !!」
  クルト「一緒に行こう!!」

        音楽流れる。
        2人歌う。

    クルト“さあ 来て 不思議な森
         誰にも分からないさ”

    ケイト“ねぇ”

    クルト“大丈夫 付いて来て”

    ケイト“本当にあるの?”

    クルト“こっちだよ 手をかして”

    ケイト“少し不安だわ”

    クルト“心配しないで
         誰でも行けるんだ”

    ケイト“ねぇ どこ 不思議な森
         私に行けるかしら”

    クルト“ほら”

    ケイト“少しだけドキドキね”

    クルト“もうすぐ入り口”

    ケイト“信じるわ あなたのこと”

    クルト“怖くはないから”

    ケイト“私の願いを
         叶えてもらうのよ”

  クルト「さぁ、こっちだよ!!」
  ケイト「ええ!!」

        クルト、ケイト下手方へ。 

     ――――― 第 2 場 ―――――

        下手方に、1人の人が倒れている。

  ケイト「(クルトに付いて行きかけて、倒れている人に気付く。)
       あら・・・?どうしたのかしら・・・?」
  クルト「・・・本当だ・・・人が倒れてる・・・」
  ケイト「(駆け寄る。)こんにちは!!どうしたの?・・・しっかり
       して!」
  倒れている人「・・・う・・・ん・・・」
  ケイト「どうして、こんな所に倒れているの?」
  倒れている人「・・・お・・・な・・・かが・・・」
  クルト「お腹が・・・?」
  ケイト「痛いの!?」
  倒れている人「(首を振る。)・・・す・・・い・・・て・・・」
  クルト「すいて・・・?」
  ケイト「なんだ!!お腹が空いているのね、あなた!!」
  倒れている人「(頷く。)」
  ケイト「困ったわ・・・私、今、食べるものって・・・そうだ!!今朝
       ママが、今日はクリスマスだからって、チョコレートを
       兄弟みんなに分けてくれたの!それを食べないで、持っ
       てたんだわ!!」
  クルト「ケイト・・・」
  ケイト「(チョコレートのかけらを取り出し、倒れている人の方へ
       差し出す。)はい!こんなものしかないけれど・・・。」
  倒れている人「(チョコレートを奪うように取り、食べる。)はあ・・・
            生き返った・・・。これでまた、仕事に戻れる・・・。
            はあ・・・良かった・・・。」

        倒れていた人、上手へ去る。

  クルト「なんだよ、あの人・・・ケイトにお礼も言わないで行っち
       ゃった・・・」
  ケイト「良かったわね!」
  クルト「ケイト・・・」
  ケイト「さ!行きましょう!」
  クルト「うん・・・」

        音楽流れる。
        2人歌う。

    ケイト“いざ!歩を進め前に”

    2人“2人で目指す場所へ”

        (音楽、フェード・アウト。)
        クルト、ケイト下手へ去る。

     ――――― 第 3 場 ―――――

        上手、下手より、其々少年、走り登場。
        中央でぶつかり、尻もちをつく。

  少年1「痛っ!!」
  少年2「いってぇ・・・!!」
  少年1「どこ見てんだ!!」
  少年2「おまえこそ!!」
  少年1「そっちがぶつかってきたんだろ!!」
  少年2「おまえがぶつかってきたんだ!!」
  少年1「なにをーっ!!」
  少年2「なんだとーっ!!」

        少年2人、掴み合う。 ※2
        下手より、ケイト登場。慌てて少年2人に駆け寄り、
        引き離すように。 

  ケイト「ちょ・・・ちょっと、やめて!!」
  少年1「止めるな!!」
  少年2「邪魔するなよ!!」
  ケイト「やめなさい!!(無理矢理、2人の間に割り込んで、
       引き離す。)」
  少年1「畜生!!」
  少年2「こいつ!!」
  ケイト「喧嘩なんてしないで!!」

         音楽流れる。
         ケイト歌う。

         “喧嘩するのはやめましょう
          恐い顔はしないで
          大きな声出さないで
          ニッコリしましょう
          ほんの少し優しい気持ちあれば
          イライラすることもいらない
          みんな笑顔になる”

         少年1、2歌う。

    少年1“だけど怒りたいとき
         どうすれば笑えるの”

    少年2“優しい気持ちになんか
         なれる筈もない”

    少年1“そんな”

    ケイト“笑顔で”

    少年2“なれない”

    ケイト“優しく”

    少年1、2“難しいことだよ”

    ケイト“平気よ 大丈夫だわ”

    少年1“怒りたいとき”

    ケイト“笑顔で”

    少年2“笑顔になると”

    ケイト“優しく”

    少年1、2“優しい気持ちになる”

    ケイト“できるわ”

  少年1「ごめんなさい・・・」
  少年2「僕もごめんね・・・」

        2人の少年、其々上手下手へ去る。

  クルト「あ・・・!」
  ケイト「良かったわね。」
  クルト「でも、あの2人・・・!!ケイトにお礼も言わないで・・・」
  ケイト「私にも、2人の弟がいるの!すぐ喧嘩もするけど・・・でも
      ・・・すごくいい子たちなのよ・・・。」

        ケイト歌う。

        “恐い顔より笑顔
         優しい気持ち溢れる
         相手の気持ちになって
         ニッコリしましょう”

  ケイト「さ、行きましょう!」
  クルト「・・・うん・・・」

        ケイト、クルト下手へ去る。








        さて、クルトについて、長老に会いに行くケイト
        ですが・・・一体どんな願い事があるのでしょうか?
        それでは“2”へ続きます・・・。












  ※ 勿論、キャシーのお話しが一番最初なので、この理由は
    “後付け”です^^;・・・が、なんとなく、「そうだったのか・・・」
    的に思えませんか(^^)vこんな風に、見てくれた子どもたち
    の心の中にも、誰にも味方の“クルト”はいるんだよ・・・と、
    思ってくれるといいな・・・と思います(^^♪

    でも実は、キャシーとケイトの間に、もう一人・・・男の子の
    お話しがあるんですよ(^_^;)そのお話しは、また今度・・・♥

  ※2、こんな場面・・・どこかで見たような・・・と、思われました?
    ・・・私も思いました~^^;音の妖精ティンクルちゃんに、同じ
    ような場面がありましたね~・・・(~_~メ)どちらが先に生ま
    れた作品かは、今となっては定かではありませんが・・・多分、
    同じ頃に書いたんでしょうね・・・(>_<)





 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪

  
   写真がない・・・と言うことは、必然的に“字”が多くなる・・・と
   言うことで、よって、とても読みにくいページになることを、
   お許し下さい<(_ _)>
   その内、何かまた、面白い写真などをこのページでも、紹介
   していけたらいいな・・・と考えていますので、それまでお待ち
   下さいね^^;
  


                                 どら。











      http://www.geocities.jp/littlepine2005/

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“花の妖精ティンクルの小さな冒険” ―全3場― 2

2011年08月16日 11時06分10秒 | 脚本


      
        “ティンクル”ちゃんシリーズより大王様。

   よく見ると、この沢山ある“おじいさん人形”、風貌は
   似ているのですが、表情などが、其々違うことが分かり
   ます(^^)v久しぶりに“大王様”をマジマジ見て、意外と
   カッコいいのに驚きました~^^;

 
 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪

 
       その時、上手よりピコ、走りながら登場。

  ピコ「ティンクルー!!」
  ティンクル「ピコ・・・」
  ピコ「僕も一緒に行くよ!!」
  ティンクル「え?」
  ピコ「母さんのことは、隣のおばさんに頼んで来たよ!!だから、
     僕もティンクルと一緒に、杖を取り返しに行くよ!!」
  ティンクル「本当!?(嬉しそうに。)」
  ピコ「うん!!」

       音楽流れ、ティンクル歌う。

       “あなたが側にいるなら
        力強い味方だわ
        どんなに怖くても
        みんなが恐れても
        私だけは泣かないわ
        あなたがいてくれるから”

       ピコ歌う。

       “本当は少し怖いんだ
        だけど君の為に
        力になるよ 僕だって”

       ティンクル歌う。

       “2人なら
        怖くない
        いつだって・・・
        あなたと力を合わせ
        大切なもの探しに
        きっと見つかる筈
        あなたと2人なら
        どんな場所に行こうと
        恐れるものはないから”

       ピコ歌う。

       “僕だって強くなりたいさ
        君と2人で向かうなら
        勇気も湧いてく”

       ティンクル歌う。

       “2人なら
        怖くない
        いつだって・・・”

  ピコ「ここだ・・・」

       2人、正面見上げる。洋館せり上がる。
       (紗幕開く。)※


  
                   ※1

  (ティンクルちゃんの髪・・・またもや乱れております・・・^^;
  どうも私の人形操作は、誰よりも激しいみたいで・・・
  客席から見てても、“私”だと分かるらしいです~(>_<))




  ――――― 第 2 場 ―――――

       洋館の扉、開く。 
       不気味な音楽流れる。

  
  


  ティンクル「あの・・・」
  ピコ「ごめんください・・・」
  ティンクル「どなたかいませんか・・・」

       その時、時計の音(“ボーン・・・ボーン・・・”)

  ティンクル「キャアッ!!(ピコにしがみつく。)」
  ピコ「わあっ!!」
  ティンクル「なんだ・・・時計の音ね・・・」
  ピコ「ははは・・・(作り笑いする。)」
  
       その時、床の鳴る音(“ギィーッ”・・・)

  ピコ「わあーっ!!」
  ティンクル「キャーッ!!」
  ピコ「・・・なんだ・・・床の音か・・・」
  ティンクル「もう、驚かさないでよ!」
  ピコ「ごめん・・・」
 
       その時、扉の閉まる音(“バタン・・・”)
       ティンクル、ピコ同時に叫ぶ。

  ティンクル「キャーッ!!」
  ピコ「わあーっ!!」

       2人、お互いにしがみついて、ガタガタ震える。 ※3

  少年の声「煩いな、さっきから・・・」

       下手より、少年登場。

  少年「何だ・・・おまえら本当に来たのかよ。そんなにギャーギャー
      叫ぶなら、来なけりゃいいのに。(笑う。)」

       音楽流れる。

  ティンクル「私の杖を返して!!」
  ピコ「そうだよ!!君が騙して取り上げた、ティンクルの杖を返して
     あげて!!」
  少年「いやだ。」
  ティンクル「私、それがないと妖精の国に帰れないの!!」
  少年「知らないね。」
  ピコ「そんな言い方ないだろ!!」
  ティンクル「お願い・・・!!」
  少年「この杖は、おまえが俺にくれたんだ!!」
  ティンクル「(首を振る。)」

       ティンクル歌う。

       “大切なもの 私にとって
        手放すことはできないものよ
        お願い返して私に”

       少年歌う。

       “返すもんか
        これは俺のものだから”

  ティンクル「違う・・・」
  ピコ「わあーっ!!(少年に飛び掛かる。)」
  ティンクル「ピコ!!」
  ピコ「返せ!!返せよ!!」
  少年「何するんだ!!離せよ!!」

   
  
  (決してティンクルちゃん、ボーっと突っ立ってる訳ではございませ
   ん・・・^^;)                


  
  (ね、向きが変わったでしょ^^;どうしてもお人形なので、横から
   見ると平面になる為、極力正面を向いて演技するように、演技
   指導しています~(~_~メ)・・・ティンクルちゃん、私でしたが・・・
   決して“言い訳”ではございませんので、あしからず・・・^^;
   ついでに、チラッと後ろに見えている黒子の手、怖い写真では
   ありませんので、ご安心を・・・(^^♪)





  ピコ「それはティンクルの大切なものなんだ!!」
  少年「離せ!!これは返さない!!これは俺のものだ!!」
  ピコ「違う!!ティンクルが僕の為に、君に貸したんだ!!
     あげたんじゃない!!見せただけだ!!」
  少年「煩い!!離せ!!(ピコを突き放す。)」
  ティンクル「ピコ!!(駆け寄る。)」


  
              「ピコ!!」ティンクル。



        ティンクル歌う。

        “大切なもの 私にとって
         あなたにもきっとある筈だから
         分かってお願い返して”

        少年歌う。

        “返すもんか
         手に入れた宝物さ”

  ピコ「友達が、大切にしているものを取り上げるなんてよくない
     よ!!」
  少年「友達・・・?俺に友達なんかいるもんか!!」
  ティンクル「そんなことないわ!!私たちがいるじゃない!!
         あなたに会いにここへ来たのよ!!」
  ピコ「そうだよ!!友達に会う為に来たんだ!!」
  ティンクル「私たち、友達になりましょう!!」
  少年「・・・友達・・・。煩い!!こんな杖、こうしてやる!!(杖を
      折ろうとする。)
  ティンクル「やめて!!」







    

          ティンクルは杖を取り返すことが出来るので
          しょうか・・・!?
          それでは“完結編”に参りましょう・・・。
           

   












  ※ 実際の公演時には、紗幕はもっと早くに開けていると・・・
    思います。なので、写真の感じとは、少し異なりますが、
    お許し下さい<(_ _)>

  ※2、後ろの背景にへばり付く黒子・・・見えるでしょうか・・・^^;
    あれは、公演途中に背景が取れてしまい、どうすることも
    出来ず、仕方なくメンバーの一人がラストまで、あの状態で
    頑張った・・・絵です(~_~;)なので、これより以降の写真に、
    時々写りこんでいますが、気になさらないで見て下さい♥
    たま~にある、失敗シーンの一つです・・・^^;
    (今公演は、私はティンクルちゃん操作だったので、私では
    ありません(^_^;)頑張った団員に・・・m(__)m)

  ※3、この場面、効果音をいい感じに入れて頂いて、後ろの
    音楽、2人のセリフ・・・と相まって、とても面白い場面に
    仕上がっています(^^)v 余談ですが、この効果音・・・、
    扉の“バタン”だけ、思うような音が見つからず、スタジオで
    エンジニアさんにお願いして、実際の扉を使って録音して
    頂きました^^;“生バタン”・・・ここでお聞かせ出来なくて、
    残念です~(^_^;)




 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


        おまけフォト(^^)
      
     これは、エリィちゃん作品で、うちの“大道具班”が、
     私の拙い説明から、その思い通りに書いてくれた、
     オープニングに登場した絵本の表紙です(^^♪
     下は、その1ページ目になります(^^)v
     公演写真では、ご紹介できなかったので、ここで
     ゆっくりお披露目致します(^.^)

      



                               どら。






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“花の妖精ティンクルの小さな冒険” ―全3場―

2011年08月14日 23時15分49秒 | 脚本


     
           ティンクルちゃんとピコ。 ※


    〈主な登場人物〉

    ティンクル ・・・ 花の妖精。

    ピコ ・・・ 人間の少年。

    少年 ・・・ 村外れの洋館に住む。

    大王様 ・・・ 妖精の国の王様。


  ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


  ――――― 第 1 場 ――――― A

       音楽流れ、幕が開く。
       紗幕前、大王、杖をついて歩いている。
       (腰を叩いて、足取りも重そうな様子。)

  
                大王様。 ※2



  ティンクルの声「大王様ー!!大王様ー!!」

  大王「ティンクル?一体そんな大きな声で何ごとだ?」

  ティンクルの声「大王様!ちょっと地上へ遊びに行って来まーす
            !!」 

  大王「地上!?ティンクル!!ちょっと待ちなさい!!地上など、
      我々妖精が、そんな簡単に行き来するような所ではない
      わ!!もし妖精の杖をなくしでもしたら、二度と妖精の国
      へは、戻って来れなくなるんだぞ!!これティンクル・・・
      ティンクルー!!」 

  ――――― 第 1 場 ――――― B

       音楽変わり、紗幕開く。
       と、中央にティンクル。

  ティンクル「もう、大王様ったら本当に口煩いんだから・・・。地上
         に来るくらい何よ。ずっと雲の上の妖精の国にいたら、
         息が詰まっちゃうわ。(笑う。)そうだわ!」

       ティンクル歌う。(杖を振ると、花が咲く。)


  
                                  ※3



       “私は花の妖精
        みんなが憧れる
        綺麗な花を咲かせるの

        素敵な花の妖精
        誰もが驚くの
        魔法の杖を一振りよ”

       その時、下手より1人の少年(ピコ)、何かを探して
       いるように、キョロキョロ下を見ながら登場。

  ピコ「さっきまで野原だったのに、急にどうしたんだよ。こんな
     花畑に変わってしまって・・・。薬草が花に埋もれて、どこ
     にあるか分からないじゃないか・・・。」
  ティンクル「(ピコを認め、近寄る。)こんにちは!私は花の妖精
         ティンクル!どう?お花畑、綺麗でしょう!(笑う。)」
  ピコ「君が、ここら辺を花だらけにしたの?」
  ティンクル「そうよ!」
  ピコ「僕は、花なんかどうでもいいんだ!!」
  ティンクル「まぁ・・・」
  ピコ「僕は、病気の母さんの為に、この本に載っている薬草を
     探してるんだから!」
  ティンクル「病気のお母さん・・・?」
  ピコ「・・・うん。熱が高くて、すごく苦しそうなんだ。お金がなくて
     、高い薬も買えなくて・・・。だから薬草を探そうと思ったん
     だ!」
  ティンクル「そうなの・・・。私も一緒に探してあげるわ!」
  ピコ「・・・え?」
  ティンクル「どんな草?」
  ピコ「あ・・・うん。(手に持っていた本を見せる。)」


  
                     ※4



  ティンクル「どこにあるのかしら・・・」
  ピコ「ティンクル・・・ありがとう!」
  ティンクル「どういたしまして!」
  ピコ「僕はピコ!」
  ティンクル「よろしくピコ!さ、早く探しましょう!」
  ピコ「うん!」

       2人、少しの間、薬草を探しているように。

  ピコ「どこにあるんだろう・・・。」
  ティンクル「えっと・・・」
  
       2人、同じ方向を指差して。

  2人「あ!!あった!!」

       その時、1人の少年、2人が見つけた薬草を、
       2人より先に摘む。

  ピコ「あっ!!」
  ティンクル「何するの!?」
  少年「なんだ、ただの草か・・・。」
  ティンクル「それは薬草なのよ!返しなさいよ!!」
  少年「これは俺様が先に見つけたんだ!だから俺様のものだ
      !!」
  ピコ「僕・・・どうしても、その薬草がいるんだ!!」
  ティンクル「ちょっと、あなた!!いくら先に見つけたからって、
         ピコは病気のお母さんの為に、その薬草が欲しい
         って言ってるのよ!!少しくらい分けてあげなさい
         よ!!」
  少年「誰だ、おまえ・・・。」
  ティンクル「私は花の妖精ティンクル!」
  少年「妖精?」
  ティンクル「そう!・・・だからお願い!その薬草を私たちに・・・!」
  少年「い・や・だ。」
  ピコ「僕、今これだけしか持ってないんだ・・・お金・・・。これじゃ
     駄目かな?売ってもらえるなら僕・・・」
  少年「金なんかいらないね。」
  ピコ「じゃあどうすれば・・・」
  少年「そうだなぁ・・・(ティンクルの手に持っている杖に気付く。)
      おまえの、その手に持ってる杖・・・。それが噂の妖精の
      杖だろ?それを少し見せてくれよ・・・。」
  ピコ「え・・・?」
  ティンクル「でも・・・これは・・・」
  少年「いいだろ?少し見たら、すぐに返すからさ!」
  ピコ「ティンクル!駄目だよ!妖精は杖がなければ、妖精の国
     へ帰れなくなるんじゃないの!?」
  少年「煩いな!おまえは黙ってろよ!!すぐに返すって言って
      るんだ。なぁ、いいだろ?」
  
  

   


  ティンクル「(少し考えて。)・・・いいわ・・・。はい。(杖を差し出
         す。)」
  ピコ「ティンクル・・・!」
  少年「(杖を受け取って。)へぇ・・・これが噂の妖精の杖かぁ・・・。」
  ティンクル「早く薬草を・・・」
  少年「こんな草なんかいるもんか!(捨てる。)こっちの杖の方が
      いいや!!」
  ティンクル「え・・・?」
  少年「これはいただいていくぜ!!」
  ティンクル「駄目よ!!」
  ピコ「見るだけって言っただろ!!」
  少年「そんなの知らないね!」
  ティンクル「返して!!」
  少年「もし返して欲しいなら、村外れの洋館まで来るんだな!!
      (笑う。)もっとも・・・怖くておまえらには、来れないだろうけ
      どな。じゃあな!」

       少年、下手へ笑いながら走り去る。      

  ティンクル「待って・・・!!返して・・・返してよーっ!!」
  ピコ「くそう・・・」
  ティンクル「・・・怖くて行けないって・・・?」
  ピコ「村外れの洋館って・・・みんながお化け屋敷って呼んで、
     近寄らない所なんだ・・・。」
  ティンクル「・・・お化け屋敷・・・?(自分に言い聞かせるように。)
         大丈夫よ・・・!!ピコは早く、お母さんにこの薬草を
         (下に落ちた薬草を拾って、ピコに差し出す。)持って
         行ってあげて!!私は杖を取り返しに行って来るわ
         ・・・」
  ピコ「でも・・・」
  ティンクル「早く!!(ピコの背中を押す。)」
  ピコ「・・・うん・・・」

       ピコ、上手へティンクルを気にしながら、走り去る。

  ティンクル「(元気よく。)さよならー!!(手を振る。)」

       音楽流れ、紗幕閉まる。

  ――――― 第 1 場 ――――― C


  


  ティンクル「(心細げに。)どうしよう・・・。お化け屋敷だなんて・・・。
         独りぼっちで・・・誰も知らない場所で・・・すごく心細い
         わ・・・。でも・・・ううん!!(首を振る。)」

       ティンクル歌う。

       “大丈夫 1人で
        私は花の妖精
        勇気を出して 立ち向かう今・・・”

  ティンクル「・・・1人でも大丈夫よ・・・!きっと・・・!平気よ・・・!
         多分・・・。大王様には、報告しとかなくちゃ・・・。
         大王様ー・・・大王様ー・・・(恐る恐る呼ぶ。)」

  大王の声「何だティンクル・・・。一体いつまで地上で遊び回って
         いるつもりだ。」

  ティンクル「あの・・・それが・・・妖精の杖をなくしちゃって・・・(笑
         う。)」

  大王の声「何ー!!なくしただとー!?馬鹿もーん!!(カミナリ
         の音が轟く。)おまえは妖精にとって、あの杖がどれ
         程大切なものか、分かっておらんのかーっ!!」

  ティンクル「ごめんなさーい!!すぐに探して来ます!!」

  大王の声「すぐに見つけて、さっさと帰って来るのじゃー!!
         来るのじゃー・・・(繰り返す。)」

  ティンクル「はーい・・・!!(溜め息を吐く。)仕方ない・・・!
         ちょっと心細いけど・・・私・・・お化け屋敷に行くわ!!」








          

             妖精の杖を取られてしまったティンクル・・・
             大切なその杖を取り返すことができるので
             しょうか・・・?
             それでは“2”へ続きます・・・。

     














  ※ティンクルちゃんとピコ、大王様は、“音の妖精・・・”と、同じ
   メンバーです(^^♪
   例のクローゼットから取り出して、ポーズさせてみました♥
   この2人と、少年のブルー色の3色コラボ、目に残りやすくする
   為に、敢えてオーソドックスな配色にしてみました^^;
   2人で並べてみると、可愛くないですか~・・・?(^^)

  ※2、この大王様は“使い回し”・・・と言うか、“音の妖精・・・”と
   同一人物です(^^)v“杖”は持たせていません。・・・なぜ“杖”
   をやめたのか・・・忘れてしまいました~^^;今回は、短いお
   話しの為、何度も背景を代えると、目が忙しいと考え、背景は
   1枚で通すことにしました。

  ※3、この作品の時には、“オアシス”ではなく、100均一で見つ
   けた、発泡スチロールのブロックに穴を開け、そこにティンクル
   ちゃんの杖の動きに合わせて、お花を挿していく・・・と言う方法
   をとりました。下にいる、お花を挿すメンバーと、右左を合わす
   のが、意外と大変な場面でした~(^_^;)

  ※4、この“本”にも、ポン吉同様、持ち手が付いていない為、手
   で持っています^^;なぜ持ち手を付けなかったのか・・・?
   よく覚えていないのですが、“本”が重くて、持ち手を付けると
   不安定になる為・・・もしくは重くて、持ち手が耐えれなかった為
   ・・・ではなかったでしょうか・・・(~_~メ)
   右の方に長い“草”のようなものが見えていると思いますが、
   それがピコの探している“薬草”です(^^)

   そこに見えているのに見えないふり・・・は、チュンコちゃんも
   そうでしたが、結構大変な演技・・・^^;が、要求されます。
   “お人形”故に・・・(~_~;)


 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


   (どら余談(^^♪)

   このお話しは、コンクール用に書いた作品の為、制限時間が
   あり、その為、他の作品に比べると、短く、登場人物も少なめ
   になっています。初めての経験のコンクール・・・右も左も
   分からずに、ドキドキの内に終わってしまった・・・と言った感じ
   ではあったのですが、ホント沢山の方たちに協力して頂き、
   人と人とのつながり・・・と言ったことについて、とても一杯
   勉強できた・・・貴重な体験をさせて頂きました。残念ながら、
   1回限りの出場でコンクール自体が終了してしまい、改めて
   挑戦するチャンスが断たれてしまいましたが、また、いつか
   こんなチャンスがあるのなら、是非挑戦したい・・・と心に決め
   ている次第です。
   


         おまけフォト(^^)v
        
                 少年くん。 

   この作品の中の“少年”くんは、時間に制限があったので、
   お話しの中で、いい子に戻してあげることが出来ません
   でした(;_;)お顔も“意地悪”に見えるように作ってあるので、
   お話しの中では“いけない子”でも、ちょっと可哀相な“少年”
   くん、みなさんの心の中で、いい子に生まれ変わらせてあげ
   てくださいね<(_ _)>
   よ~く読んで頂くと、“何故・・・?”と言うような境遇の“少年”
   くんなのです(;_;)名前もなく、ただの“少年”・・・ですし・・・。 

   この“少年”くんのお話しなんかも、面白いかも知れないです
   ね♥今、フッと思いつきました(^^)v


   正直なところ・・・この時間に制限がある・・・と言うことは、
   書きたい物語が制限されるようで、本当はもう少し2人に
   会話させたいのに・・・と思いながら、意外とあっさり進めなけ
   ればいけない流れが、自分自身・・・物足りない感一杯の、
   出来上がりではあるのです。
   
   

                                 どら。












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