りとるぱいんわーるど

ミュージカル人形劇団“リトルパイン”の脚本の数々です。

“チュー吉くんの星に願いを・・・” ―全7場― 3

2011年12月24日 22時13分22秒 | 新作(人形劇用)


  チュー太の声「わあーっ!!」
  チュー吉の声「兄さん!!」
  チュー太の声「助けて・・・助けてーっ!!」

         チュー五郎、上手方を見て慌てたように。
         (悲鳴や叫び声が続く。)

  チュー吉の声「止めろ!!止めろーっ!!兄さんに手を出すな
           !!あっちへ行け!!」
  チュー太の声「助けてーっ!!わあーっ!!」
  チュー吉の声「止めろーっ!!」

  チュー五郎「おい・・・おい!!オオタカじゃねぇか!!あのトビ
          の野郎!!上手いこと言って騙しやがったな!!
          おい、待ってろ!!(横に置いてあった袋の中をガ
          サゴソ探す。中から何やら一つずつ取り出し、放り
          出す。)これじゃねぇ!!どこだ・・・どこにあるんだ
          !!えっと・・・これも違う!!おい、待ってろよ!!
          今直ぐ助けて・・・!!これは・・・違うだろ!!え・・
          ・っと・・・どこだ・・・どこだ!!(袋の中から、小さな
          火薬玉を取り出す。)あった!!これだ!!」

         チュー五郎、後ろ向きに何かをしている風に。
         (“カチカチ”“シュボッ”と、ライターに火を点ける
         音がする。)

  チュー五郎「(下手方を見て、一際大きな声で。)おーい!!人
          間が来たぞーっ!!(手に持っていた火薬玉を、
          下手方へ放り投げる。)

         その時、火薬の爆発音が辺りに轟く。
         “ドーン!!”(チュー五郎下がる。)

  オオタカの声「猟銃だ!!」
  トビの声「狩りだ!!人間が狩りにやって来たぞーっ!!」

         2羽の鳥の羽ばたく音が、段々遠ざかる。
         (紗幕開く。と、頂上の様子。)

    ――――― 第 6 場 ――――― B
  
         チュー太、倒れている。横でチュー吉、
         慌てたように。

  チュー吉「(涙声で。)兄さん!!兄さん!!確りして!!兄さ
        ん・・・どうしよう・・・!!僕のせいでこんな大怪我を・・
        ・!!兄さん・・・!!確りして、兄さん!!兄さーん!
        !(泣く。)」

         そこへ、上手よりチュー五郎、走り登場。

  チュー五郎「おい、大丈夫か!?」
  チュー吉「おじさん・・・!!兄さんが・・・兄さんがーっ!!」
  チュー五郎「(チュー太を抱き起こす。)おい!!おい、確りしろ
          !!おい、まだ生きてるぞ!!」
  チュー吉「僕のせいだ・・・僕が無理矢理兄さんを、こんなとこま
        で連れて来て・・・(泣く。)」
  チュー五郎「おい、おいチビ!!メソメソ泣いてんじゃねぇ!!
          俺様の袋から、緑色の小瓶を探しな!!」
  チュー吉「兄さーん・・・!!(泣く。)」
  チュー五郎「おい!!急げ!!メソメソ泣いてる暇はねぇ!!
          早くしねぇと、兄貴が死んじまうぞ!!」
  チュー吉「え・・・?」
  チュー五郎「死んじまったらお仕舞いだ!!」
  チュー吉「お仕舞い・・・う・・・うん・・・(袋をガサゴソ探す。)」
  チュー五郎「おい、見つかったか!?」
  チュー吉「え・・・えっと・・・あ・・・あった・・・あったよ、おじさん!
        (取り出したものを、差し出す。)」
  チュー五郎「その中の薬を一粒貸せ!!」     ※
  チュー吉「う・・・うん・・・(薬を取り出し、チュー五郎に差し出す。
        )はい・・・」
  チュー五郎「(薬を受け取り、チュー太の口へ。)おい・・・これ飲
          み込めるか・・・?おい、頑張れ・・・」

         チュー太、薬を飲み込む。と、突然
         起き上がる。

  チュー太「僕・・・」
  チュー吉「兄さん・・・」
  チュー太「あれ・・・僕どうしたのかな・・・?」
  チュー吉「兄さん!!よかった、助かったんだ!!」
  チュー五郎「ふう・・・間に合ったか。(笑う。)俺様の頭陀袋も、
          満更捨てたもんじゃねぇな。」
  チュー吉「・・・おじさんが助けてくれたんだね・・・」
  チュー五郎「あの薬屋のばあさん、本当に効く薬を作ってやが
          るみてぇだな。(笑う。)」
  チュー吉「ありがとう!!(チュー五郎に抱き付く。)」
  チュー五郎「あ・・・おい!!・・・いいってことよ・・・(微笑む。)」

         紗幕閉まる。
 
    ――――― 第 7 場 ――――― A

  チュー吉、チュー太の声「ただいまーっ・・・」

         上手より、チュー吉の母、慌てた様子で登場。
         下手より、気不味そうに、チュー太登場。

  チュー吉の母「これ、チュー吉!!チュー太!!今までどこに
           行ってたの!?」
  チュー太「母さん・・・ただいま・・・」
  チュー吉の母「どれだけ心配したと思ってるの、本当に!!」
  チュー太「ごめんなさい・・・」
  チュー吉の母「よかったわ・・・無事で・・・」
  チュー太「母さん・・・はい・・・(手に持っていたものを、差し出す。
        )」
  チュー吉の母「何・・・?(受け取る。)」
  チュー太「チュー吉と2人で、今まで探しに行ってたんだ・・・。母
        さんの誕生日プレゼントだよ。」
  チュー吉の母「え・・・?これ・・・ダイヤモンドじゃないの・・・。」
  チュー太「うん!キラキラ輝く宝石さ・・・。」
  チュー吉の母「あなた達はホントに・・・(涙を拭うように。)ありが
           とう・・・。」

         チュー吉の母、チュー太下がる。

    ――――― 第 7 場 ――――― B

         音楽流れ、紗幕開く。と、中央にチュー吉、
         嬉しそうに立っている。歌う。

         “目に見える夜空に輝く美しい星
         でも本当は誰の心にもある
         キラキラ輝く美しい思い・・・
         それに気付かず
         見えるものだけ追い求め
         道を逸れそうになった時
         導く光が一番美しく
         誰の心にも深く届く力強い輝き・・・
         それを忘れなければ
         屹度これからの進む道に・・・
         永遠に続いて行く
         キラキラ輝く美しい願い星・・・”

         嬉しそうに遠くを見遣るチュー吉。
         音楽盛り上がり







          ――――― 幕 ―――――               














   ※ ここでは“錠剤”ですが、クリフくん作品では・・・一応
     “液体”のお薬になります^^;
     



 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


    (どら余談^^;)

    さて、次回のお話しですが・・・まだ何も考えていない状態
    です(>_<)・・・ので、今しばらく、時間を下さいm(__)m
    直ぐに帰って参ります^^;









       
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