りとるぱいんわーるど

ミュージカル人形劇団“リトルパイン”の脚本の数々です。

“森につつまれて 海へルカ!” ―全7場― 完結編

2013年09月29日 22時02分54秒 | 新作(人形劇用)



         そこへ下手より子分2、走り登場。

  子分2「大変だ!!親方!!」
  親方「どうした!?」
  子分2「海軍の奴らが石砲を撃ち込んで攻撃してきやがった
      !!(直ぐに下手方へ引き返す。)」
  親方「何!?」
  隊長「海軍・・・?」
  親方「こいつがここにいるってのに、一体誰が海軍の指揮を取
     っていると言うんだ!!」

  子分2の声「わあーっ!!海軍の奴らがこっちの船に乗り移っ
         てきやがったー!!」

  親方「畜生!!そいつを逃がすな!!いいな!!」
  子分「は・・・はい・・・!!」

         全員下がる。

    ――――― 第 5 場 ――――― B

         音楽流れ紗幕開く。と、海賊船の甲板。
         海軍たち、海賊たち入り乱れて戦っている。
         そこへ下手よりルカ、走り登場。



    



  ルカ「父さーん!!父さーん!!どこなの父さん!?」

         ルカ、歌う。

        “どこにいるんだろう
         助けに来たんだ
         父さん返事して
         必ず捜す”

         そこへ上手より海賊の親方、登場。
         続いて海賊に捕まえられた隊長、登場。

  親方「なにごとだ!!」
  ルカ「父さーん!!」
  隊長「ルカ!!」
  ルカ「あっ!!父さん!!」
  親方「父さん・・・?あのひょろっちいのは、おまえの子どもか?」
  隊長「ルカ!!何しに来たんだ!!」
  ルカ「父さんを放せ!!」

         親方、歌う。

        “おまえを助ける為に
         命知らずだ”

         隊長、歌う。

        “帰るんだ危険だ
         今直ぐ”

         ルカ、歌う。

        “大切な者の為に
         やってきたんだ”

  ルカ「人質をとるなんて卑怯だぞ!!父さんを返せ!!」
  親方「(笑う。)おもしろいガキだ。そんなひ弱な腕で、何ができ
     ると言うのだ。」
  ルカ「僕は父さんを助ける為に来たんだ!!」
  隊長「ルカ・・・」
  親方「(笑う。)ほう・・・なら助けてみるんだな!!おまえ達!!
     (子分たちに合図を送る。)」
  子分「はっ!!」

         子分たち、親方の合図でルカの回りを
         取り囲む。



    



  隊長「ルカ!!」
  海軍たち「ルカ!!」

         (一時、緊迫した様子になる。)



  
    
          照明さん拘りの綺麗なブルーです♥

    

    
  子分2「ん?雨・・・?(上を見る。)」

         その時、カミナリの音が響き始める。
         海軍たち、海賊たち、回りを見回す。

  子分3「な・・・なんだ・・・?」
  男1「急に空が真っ暗に・・・」
  親方「さぁ、おまえら!!遠慮なくそのガキをやっちまえ!!」
  
         (カミナリの音。)

  子分2「お・・・親方・・・カミナリが・・・」
  親方「煩い!!カミナリがどうした!!早く・・・え・・・?」
  子分3「わ・・・わぁーっ!!嵐だーっ!!」

         突然、大嵐の様子に変わる。
         (強風が吹きすさぶ音。)

  親方「何!?」
  子分「わあーっ!!」

         海賊たち、慌てて逃げ惑う。
         ルカ、海軍の男たち、隊長の側へ
         駆け寄る。

  ルカ「父さん!!」
  男たち口々に「隊長!!」
  隊長「ルカ!!みんな無事か!!」

         海軍たち、身を寄せ合っている。

  親方「わぁーっ!!ふ・・・船が沈むぞーっ!!逃げろーっ!!」
  子分2「親方ーっ!!待って下さいよーっ!!」
  子分3「親方ーっ!!」
  子分「わぁーっ!!」

         海賊たち、上手下手へ走り去る。
         (海へ飛び込む音など。)

  男3「わぁーっ!!」
  男1「隊長!!我々も早くこの船から逃げねぇと・・・!!」
  隊長「あ・・・ああ、そうだな!!」
  男3「(船の外を覗き込んで。)駄目だ、隊長!!俺らが乗って
     来たボートも流された!!」
  男1「なんだと・・・!?」
  隊長「畜生・・・このまま船ごと沈むのか・・・!!」

         落雷の音。(曲終わり。)

  ルカ「(回りを見回して。)待って父さん!!大丈夫だ!!空を
     見て!!(指差す。)嵐が止むよ!!」
  隊長「え・・・もう・・・?」

         その時、大嵐がピタリと止み、青空が
         広がる。
         音楽流れる。

  隊長「止んだ・・・」
  男1「やったーっ!!助かったぜ!!」
  男3「やったーっ!!」
  男1「やったーっ!!」

         海軍の男たち、抱き合って喜ぶ。
         (ルカ、一寸前へ。)
         ルカ、少し離れて立つ隊長残し、
         男たち下がる。(隊長、ルカを見ている。)

  風の精の声「ルカ・・・」

  ルカ「・・・風の・・・精・・・?」

  風の精の声「そうだよ・・・」

  ルカ「今の嵐は君なの・・・?」

  風の精の声「うん、森の精にルカを守って欲しいと頼まれてね
          ・・・。」

  ルカ「え・・・森の精が・・・」

         (隊長、ルカの側へ。)

  隊長「ルカ・・・」
  ルカ「(隊長を認め。)父さん・・・」
  隊長「行こうか・・・」

         隊長、ルカの背中を押して、上手へ去る。

       コーラス“友達の為に来た
       (バック) 助ける為に来た
              守る為に来た”

         紗幕閉まる。

    ――――― 第 6 場 ――――― A

         紗幕前。
         海軍の男1、2、一寸遅れてダリ、下手より
         話しながら登場。

  男1「しかしまぁ・・・あのルカがあんな立派に親父さんの代わり
     に、軍の指揮を取るとはなぁ・・・」
  男2「本当だな。あのいつも森に入り浸りで、争いごとの大嫌い
     なルカが・・・」
  男1「これで我が海軍も安泰って訳だ。(笑う。)」
  男2「それで?ルカの奴はどこ行ったんだ?今日は朝から姿を
     見ないけど。」
  ダリ「森に行った・・・」
  男2「えーっ!?また森に行ったのかよ。」
  男1「(笑う。)こりゃあ、隊長殿の引退は、まだまだ先だな。」
  男2「本当だ。(笑う。)」
  男1「で、隊長は?」
  ダリ「森に行った・・・」
  男2「えーっ!?親子でか?」
  男1「そういやぁ・・・子どもの頃の隊長も・・・ルカと同じで毎日
     一人・・・森へ遊びに行ってたなぁ・・・」
  男2「森になんかあるのかねぇ・・・。」
  男1「さぁ・・・俺たちゃ凡人には分かんねぇ。(笑う。)」
  男2「そうだな・・・(笑う。)」

         3人、上手へ去る。

    ――――― 第 6 場 ――――― B

         紗幕開く。と、小鳥の囀り、木漏れ日
         溢れる森の中。
         上手よりルカ、走り登場。

  ルカ「森の精ー!!森の精ー!!(回りを見回す。)どこにいる
     の!?森の精!!森の精ー!!・・・森の精・・・もう・・・僕
     には見えないんだ・・・。」

         そこへ隊長、上手より登場。

  隊長「ルカ・・・」
  ルカ「父さん・・・どうして・・・」
  隊長「おまえと少し話しがしたいと思ってな・・・。懐かしいなぁ
     ・・・まだこの森が昔のまま残っていたとは・・・。」
  ルカ「え・・・?」

         音楽流れる。

  隊長「実は・・・父さんも子どもの頃、よくここに来ていたんだ・・・。
     海軍のみんなには内緒だぞ。ここで毎日・・・優しい森の精
     霊と過ごしていたんだ・・・。あれは今思うと・・・夢だったの
     かも知れないな・・・(笑う。)」
  ルカ「森の・・・?昔・・・いつも来ていた子どもって・・・」
  隊長「え・・・?」
  ルカ「大人の扉を開けたらもう二度と出会えない・・・どんなに捜
     したって・・・彼らはもうどこにもいないなんだ・・・。」
  隊長「ルカ・・・まだまだ私は引退するつもりはないからな。もっと
     強くなって私を追い越せ!おまえならできる筈だ。(ルカの
     肩に手を置く。)」
  ルカ「はい、父さん!!」

         隊長、上手へ去る。ルカ、隊長について
         行きかけるが、その時一風が吹き抜ける。

  森の精の声(エコー)「ルカ・・・」

  ルカ「(立ち止まり、回りを見回す。)・・・森の精・・・?そんな筈
     ないか・・・」

         ルカ、歌う。

        “僕の側に
         いつもいてくれたんだ
         見守ってくれた
         だから強くなれたよ”

  ルカ「森の精ー!!もう一度君に会いたいよー!!」

         (風が吹き抜ける。)


    



  森の精の声「ルカ・・・」

         森の精の歌声。

        “側に
         いつも
         いるわ
         あなたの”

         ルカ、歌う。

        “君を感じる
         暖かい風
         温もりに包まれてた
         いつも僕の横で
         微笑んで           コーラス“見守る”
         幸せだった
         ありがとう”


    



         遠くを見遣るルカ残して、音楽変わる。

    ――――― 第 7 場 ―――――

         背景変わり、帆を張った船、上がる。(甲板。)
         上手下手より、海軍の男たち登場。


    


  
  ダリ「おーい、ルカー!!」
  男1「ルカー!!」
  隊長「ルカ!!出航するぞ!!」
  ルカ「みんな・・・父さん!!うん!!」

         
         男たち、ルカの肩を叩く。
         (男たち、出航の準備をしているよう。)
         ルカ、歌う。

        “この広い海へ
         冒険に出よう
         旅立つ時だぞ
         みんなと力合わせ
         前だけ見て
         信じる道の先
         この大空へ
         羽ばたくんだ”

         男たち、ルカを取り囲み歌う。

        “一人前だ
         いつの間にこんなに
         立派な男に
         驚いたぞ
         心配はないぜ”

         ルカ、歌う。

        “今まで守られ
         知らずにいた海
         未知の国が広がるんだ
         憧れ
         旅立つ
         広い海へと”

  ルカ「森の精ー!!行って来るよー!!」

         (帆が風に大きくなびく。)


    
    
             「行って来まーす!!」









           ――――― 幕 ―――――

         












― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪



   (どら余談^^;)

   パソコン限界です~・・・(>_<)
   
   なかなかここに来ることが出来なくて・・・お休みが多く
   なっていますが、ごめんなさいm(_ _)m

   新しいPCが欲しいです・・・(;_;)












    


























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