Vol.33 SECRET REACTION

2004-08-12 17:37:30 | 日経新聞
<今日の日経新聞 04年08月12日朝刊>

「携帯にCM付き番組 31面消費」

MTVジャパンは10月、KDDIと組んで携帯電話を使った広告付き番組の配信を始める。
一番組みは三分間で携帯向けコンテンツでの情報の内容では通常の4~6倍程度と長め。
売り出し中の歌手やCD販促に関する番組、音楽チャートの他、航空会社や飲料メーカーの企業CMを流す。
CMもMTVが制作し、通勤や通学途中に見やすいように編集する。
ランキングに利用者が携帯で投票できるようにしたり、CDショップとの連携でイベントや販促情報を提供する。
視聴できるのはKDDIの第三世代携帯電話で、インターネット接続サービスを通じて登録すれば受信できる。
三ヶ月間は無料だが将来は有料化も検討しており、今後はドコモなど他の電話会社のサービスにも拡大する。


<私見>

年内には携帯電話で動画を見ることができるかもしれない。
液晶やモニターに関する技術は向上の一途をたどっており、小型化によって携帯電話への転用も可能になっている。
この携帯電話のクオリティーの向上をどう活用すれば有益なのだろうか。

上記のサービスは携帯電話で消費者が手軽に動画を楽しむことができる時代を示唆している。
放送各社は番組の情報配信を多岐にわたって増やしており、携帯電話に独自の番組網ができる可能性もある。
結果的に、ユーザーはこれまで以上にメディアに接する機会が増加するということである。

企業にとっては純粋に自社の商品やサービスを宣伝することができ、消費者もいち早くそれを受給することができる。
広告企業においても通勤・通学にターゲットをしぼった広告を配信できるなどのメリットがある。
これによって従来の交通広告や新聞広告の見直しが図られ、ネット広告分野がさらなる躍進を見せるだろう。

デメリットとしてはやはりユーザーの安全性である。
通行中や自転車での走行中、車の運転中など、現在の携帯電話事情を上回る危険が想定される。
携帯電話で配信している番組で事故が増加すれば、それだけ企業ブランドにも問題が生じてくる。

以上は携帯電話での番組配信が普及したことを前提とした考察であるが、
もちろんこのサービスが普及しない可能性もなくはないのである。

まず第一に料金である。
三ヶ月のお試し期間のあとは有料とされているが、今後は携帯電話でPC同様にインターネットが使用できる。
配信速度の向上も考慮すれば、どちらにニーズがあるかは現在のインターネットとTVの視聴時間を比較すれば一目瞭然である。
わざわざ料金をはらって携帯電話で番組を視聴するニーズは考えにくい。

第二に携帯電話の別の利用法である。
番組が視聴できるほどの画質が実現されたとすれば、なかには自分の好きな番組を見たいというニーズも存在するだろう。
仕事や学校などで見れなかった番組をPCで録画し、通勤や通学中に携帯電話で視聴することも可能なのである。
なかにはダウンロードした番組で広告が存在しないものも存在するだろう。
番組の増加がイコール広告収入の増加にはつながらないのである。
今後は番組中に企業の商品やサービスと連動した企画が有効なのかもしれない。

第三に携帯電話の進化である。
これだけの機能をそなえた機器がはたして電話のままとどまるのだろうか。
携帯電話の価格が上昇するに伴って、今後は一部の機能に特化した携帯電話がユーザーに求められているのではないか。
動画やネットは手帳サイズで楽しめる機器が製造され、携帯電話は従来の通話やメールなどの通信に特化される可能性もある。
全てがそうなるとは限らないにせよ、携帯電話の高性能化は頭打ちの危険に常にさらされている。


<後書>
長い、長すぎる。
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