お気楽・極楽 おじさん生活  (旧ブログ名 お気楽 単身赴任生活日記)

「食べること」と「ばよりん」が大好きなおじさんのお気楽・極楽な生活を日記にしてみようかと…

おフランスざんす との1年あまりの時間

2022-05-19 18:06:42 | ばよりん

今 宮地楽器 小金井店さんで 委託販売していただいている

おフランスざんす こと Paul Bailly 1884 

 

初めて、みた時は、汚れていて

弾ける状態ではなく

楽器が悲しそうな表情(雰囲気)をしていました。

 

でも、造りはしっかりと主張があるように見え

古い楽器に憧れている私にとって

「もしかしたら 古い音がするかも」という願いを込めて

入手しました。

 

その後 どんな付き合い方をしたかというと…

 

まず、弾いたりせず

ガンさんの工房に持っていきました。

 

一番気をかけるのは、適切に魂柱が立っているかということです。

適切な状態で立てていないと、魂柱の縁(ヘリ)は表板や裏板に食い込んでいて

振動でさらにダメージが大きくなるかもしれないからです。

私は、楽器の調整は詳しくないので、見てもわかりません。

 

なので、

 

これまでの管理状態が不明な楽器は、

ガンさんに、魂柱の状態を確認してもらいます

 

次に駒は、必ずガンさんの切った駒にしてもらいます。

ガンさんは、「もったいないよ、まだ使えるよ」ということもありますが

私は、ガンさんの切ってくれた駒が好きですし、安心感があるので

必ず駒はガンさんの駒に交換します。

(その方が、ガンさんも調整しやすいのではとも思っています)

 

テールガットの長さも適切に調整してもらい

 

ガンさんに音色の調整をしてもらいます。

 

おフランスざんすは なりきっていない感じがしていましたので

 

家では、練習をする前と 終わった後のそれぞれ20分は

開放弦でゆっくりゆったりと楽器を 大きな音が出るように

鳴らすように心がけました

 

数カ月たつと、だんだん音の立ち上がりも良くなり

音も開放的に広がるようになるようになってきました。

 

楽器が育ってきていることを最も感じていた時期でした

 

反応よし

裏板、横板の響き、振動も良く感じるようになり

弓からも楽器の響きを右手に感じるようになったのは年末に近い頃だったと思います。

 

 

音の立ち上がりが、固く 角のある音が気になっていましたが

最後の調整で、ガンさんが 一旦魂柱を外し、魂柱の表板・裏板にあたる面を削って

再セットして、魂柱の位置を調整したら

ようやく 私の好みの音になりました。

 

ガンさんも、音が固いのが気になっていたとのことで

 

「うん これでいいな」というところまで、ようやくきました。

 

時間は1年以上経っていました。

 

特別なことをしてはいません。

楽器を弾き込むときには、適切な調整がなされていることが重要で

季節(温度・湿度)によって、魂柱を適切な場所に動かしてもらいながら

調整を続けていけば、目指す音には

近づくと思っています。

 

楽器店・工房に商品として並んでいる楽器は

ある程度まで仕上げているので

もっと早く、仕上がると思います

 

宮地楽器さんには

展示する際には、新しい弦に張り替えてくださいね

とお願いして、フランス製の弦もお渡ししています

 

試奏した方が

どのような感想をおっしゃるのか

気になってしょうがない 今日この頃です

 

(追記)

ちなみに おフランスざんすには

ニュージーランドにある弦楽器工房の駒がついていました

私が手に入れる前は、ニュージーランドで弾かれていたのかもしれません

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ストラドのオークションプレビューに行きたかったなぁ

2022-05-12 06:24:56 | ばよりん

昨日(5月11日)

オークションハウス タリシオの

東京で開催するアントニオ・ストラディヴァリ「ダ・ヴィンチ、ex-ザイデル」

プレビューがありました

 

招待メールが届いていたのですが…

あいにく、昨日・今日は勤務先の監査役監査があり、その対応で

休みを取ることができませんでした

 

この楽器は

2018年10月に開催された

東京ストラディバリウス フェスティバルにも出展され

 

出展時の紹介では

 

1881年オークションでJシャルドンが落札

その後レオン・デュ・ジャンゼ伯爵のコレクション

一旦パリの楽器商に戻り

1888年Jフォーシーに売却

1914年にカレッサ&フランセを介してチャールズ・ダッシュが購入

その後アルベール・カレッサが手に入れた後

1924年 エリック・ラックマンに売却

同年 エミール・ヘルマンを経由して トーシャ・ザイデルに売却

1962年 所有者代わる

1974年 サザビーズで落札された後

日本バイオリン社を経由して 宗次コレクションに売却

現在に至る

とのことです

 

 

なお、5/11 現在 宗次コレクションにこのバイオリンの名前が載っていますので

現在も 宗次コレクションの所有だと思います

黄金期と言われる時代の楽器なので

生で見たかったなぁ~

 

落札価格は2,000万ドルという予想ですが

2,400~2,500万ドルになるような気がしています

だって、こんなに良い状態かつ黄金期の楽器個体は

オークションでは、出ることは非常に稀ですから~~

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おフランスざんす 宮地楽器 小金井店に

2022-05-05 07:09:59 | ばよりん

昨日(5/4)宮地楽器 小金井店さんのイベントに参加し

併せて

おフランスざんすを預けてきました

 

イベントは

午前「モダン・オールドヴァイオリンの世界」

午後「オールドボウの世界」

のテーマで、宮地楽器 小金井店の山本店長さんと東京三軒茶屋にあるマツオ商会の松尾社長が

登壇し

ゆるーく 楽しく それぞれの世界の説明をしていただくとともに

楽器:G A Ceruti、G&L Bisiach、G B Morassi の聞き比べ

弓:P Simon、C C N Husson、F N Voirin、P Guillaumeの聞き比べ

など貴重な経験をさせて頂きました

 

お話の中で、G&L Bisiachの日本の代理店は

YAMAHAさんだったことととか

宮地楽器さんは楽弓製作から 今の楽器店へと

変わったことなど

新たな知識も得ることができました

 

この日は、おフランスざんすを

マツオ商会の松尾社長にも見て頂き

委託販売の価格を決めることも重要なミッションの一つでした。

 

おフランスざんす は 

Paul Baillyさんという製作者が 1884年に製作した楽器です。

英国のオークションハウスの友人に よれば

1898年にパリに戻る前は、世界中の工房を回りながら

製作を続けていた方だそうで

かの有名な J V Buillaume での製作も行い

1880年代の楽器は、優れたものが多い

と言われている方です

では、おフランスざんす は優れているのか?

 

一見して、フレンチと判りますが、隆起はパリのメーカーによくあるようなフラットではなく

やや隆起があり、丁寧に作られた感の楽器です。

展覧会用等の製作者が特に注意を払って、作り上げた極上の作品ではありません。

 

Baillyの亡くなった時期は、WEbだと1907年と書いてあったり、アンリの辞典では1911年と書いてあったり

はっきりとはしていませんが

1898年にパリに定住して以降は

数も増え、本人以外の手が多く入った楽器も出始め(その中には 娘さんの製作した楽器も含まれる)

本人がなくなった以降は 娘さんが店・工房を継ぎながら、Paul Baillyのラベルで初期のころは売っていたようです。

フランスの中堅以上の製作者は、意外と偽物が多く、鑑定書は ランパルさんなどの

著名な方の鑑定書があるものがいいと思います。

なお、鑑定書も偽物が結構あります。

日本国内では ランパルさん、ブロットさんはときどき見かけます。

 

気を付けていただきたいと思います

 

さて、おフランスざんす

Paul Baillyの極上品は、6~700万円はします。

でも私のは、普通の楽器です

 

私は350万円ぐらいかな?

山本さんは200万円ぐらいといい

松尾社長さんは300万円でした。

 

売値は、山本さんと話し合い

プロのお二人の中間価格である250万円(税別)で

店頭で委託販売していただくこととしました。

 

2020年に購入し、翌年春に引き取り

約1年、いろいろ悩みながら、ガンさんにお願いして

調整を続けた楽器です

フレンチの楽器によくある、角のあるキンキンした感じはなく

私好みの、まあるい音色の楽器になっています。

 

250万円の価値があるか否か

 

購入しなくとも、ご興味ある方は

宮地楽器 小金井店さんで 試奏していただければと思います

 

なお、山本さんは

円安傾向なので、状況によっては

相場との乖離が大きければ

売値を上げるかもしれないとおっしゃってましたので

しばらく経った場合、値段が上がっているかもしれないので

その際はご容赦ください

 

気に入る方が出てくれればいいなぁ(願い)

 

 

 

 

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所有している弓の断捨離について

2022-05-01 08:11:31 | ばよりん

昨日 3人の方から

 

弓はどうするのですか?

弓を分けていただけますか?

という お問い合わせをいただきました。

 

また、アクセス解析をすると サンライズオークションで

ペドレッティさんの弓を約18万円で手に入れた記事が

ものすごくアクセスされていて

 

ほほー なるほど 

楽器を断捨離するなら いずれ弓も と皆さん

思ったのだろうと思いました

 

弓も 4本は断捨離しますが

その行き先は、既に決まっており

入手した際に、約束した製作者のご遺族

私の友人たち なので

申し訳ないのですが、お問い合わせを受けても

お断りすることになりますこと

ご了承いただければと思います

 

 

弓は、楽器と異なり消耗品です

毎日使えば、いずれはへたりが出てきます。

古い弓も、新しい弓も どちらも同じです

 

私は、いずれ捨てることになる弓ならば

古くて音色の良い弓には魅力はあるけれど

コスパと自分の技量を考えて

新作を中心に購入し、使用してきました

 

新作であれば、これからも良い作品が出てきますし、

投機目的でなければ

長く代々使いながら、価値の高騰を狙う必要も無いので

楽器店やオークションを丹念に探すのが

よろしいかと思いますです

 

私の判断基準は

「これは、買わないと!!」と心を動かされたときが買い時で

「どうしようか…」と一瞬でも思うなら、

信頼できるアドバイザー(私の場合はばよりんの先生)に意見を求めるか

きっぱり買わない

と決めていました

 

ペドレッティは「これは 100万円までなら、是非とも落札しよう」と

内覧で瞬時に決めた弓でした。

 

バランスが良く、腰も強く、

今まで 30本ほど触ってきた

ペドレッティさんの中ではベスト2の内の1本です。

(もう1本は、10年以上前にクロサワさんのお茶の水店にありました)

 

音色は、杉藤さん、ギョームさん グランシャンさんには劣ります

それでも、欲しいと思わせた弓でした

 

所有する楽器が

絞り込まれても

弓は 個性が異なれば

とっかえひっかえ 使って楽しめることと

バイオリンに比べれば 値段はお安いので

それほど、あわてて手放す必要もないと思っていますです。

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