『モナドの領域』(by筒井康隆)、読了。
筒井氏いわく、最後の長編にして、最高傑作。
確かコレ、世に出た直後はミステリとして紹介されてた記憶。
だが実態は寧ろ、説話集、法話集と呼んだ方がいいように思った。
ストーリーは、良く言えばシンプル、悪く言えばやや平坦。
不気味なバラバラ殺人事件が描かれそうで描かれない、もどかしい状況がしばらく続く。
静かな町のパン屋さんでの、ややセンセーショナルな出来事を境に、話は動き出す。
大学教授に憑依したナニカ、自ら名乗るは「GOD」が語り始めてからが本番。
公園で話して、裁判に出て、テレビに出て、そうしたらもうラストシーン。イベント少ない。
結局この話は何なんだろうと読み返して、ふと悟った。
これは、アバターを通した作者による、今まで産んだキャラ達への感謝状であり、ラブレターだと。
虚構の虚構による虚構のための、虚構だけで創られた虚構論、それの体現。
筒井氏の他作品をあらかた読んでから手に取って良かった。
これから読む人は、せめて『文学部唯野教授』を読んでからの方がいいかもしれない。
実際問題、「GOD」の思想論は、文字のみではかなり難解。
作中キャラは、悟性で理解させてもらえていて羨ましい限りだ。
それでは。また次回。
筒井氏いわく、最後の長編にして、最高傑作。
確かコレ、世に出た直後はミステリとして紹介されてた記憶。
だが実態は寧ろ、説話集、法話集と呼んだ方がいいように思った。
ストーリーは、良く言えばシンプル、悪く言えばやや平坦。
不気味なバラバラ殺人事件が描かれそうで描かれない、もどかしい状況がしばらく続く。
静かな町のパン屋さんでの、ややセンセーショナルな出来事を境に、話は動き出す。
大学教授に憑依したナニカ、自ら名乗るは「GOD」が語り始めてからが本番。
公園で話して、裁判に出て、テレビに出て、そうしたらもうラストシーン。イベント少ない。
結局この話は何なんだろうと読み返して、ふと悟った。
これは、アバターを通した作者による、今まで産んだキャラ達への感謝状であり、ラブレターだと。
虚構の虚構による虚構のための、虚構だけで創られた虚構論、それの体現。
筒井氏の他作品をあらかた読んでから手に取って良かった。
これから読む人は、せめて『文学部唯野教授』を読んでからの方がいいかもしれない。
実際問題、「GOD」の思想論は、文字のみではかなり難解。
作中キャラは、悟性で理解させてもらえていて羨ましい限りだ。
それでは。また次回。