ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)とグラナダ・ホームズを語る
グラナダ(NHK)版ホームズの鑑賞日記とホームズ役ジェレミー・ブレットに関する情報を発信していきます
 



とうとうNHKで、グラナダホームズ最終話「ボール箱」が放送しましたね。
(幸い、毎土曜日にまだまだ放映は続きます♪)

ジェレミーが亡くなる約1年前の撮影とあって、なかなかファンには辛いエピソードでもあります。
今回ハイビジョンになって、こんなにもクリスマスの演出が効いていたんだ、と改めて感じました。

それと先日、ポワロの最終シーズンが放映され、ラストを撮り終えたスーシェを見て、
同じイギリスでミステリーというジャンルで全ての原作の映像化を目指したジェレミーの事を想わざるえませんでした。
改めて、今、最終話を見てみたい。
というわけで、今日は「ボール箱」を観賞します。





痩せましたね。というか、やつれた、という感じも受けます。
ホームズ役としては良いのですが、ファンに取っては少し辛いですね。
ただ、プロ意識の高いジェレミーとしては、自分のスタイルは役柄に完璧に沿ったものを求めていると思いますので、
最終話で、ほっそりとした姿を見せられたことは、納得できることだったかもしれません。






ハイビジョン画像になって、「ボール箱」全体にクリスマスの演出が効いていることが、より明確に見えるようになりましたね♪
クリスマス仕様のベーカー街、良いですよね-。

同じくクリスマスを舞台にした「青い紅玉」も素敵ですが、画質的には今回の方が美しいし、よりクリスマスを意識するホームズがかわいいです。
ハドスン夫人とクリスマスプレゼントのことを話すホームズが、もうかわいすぎますー♪

ちなみに、ハドスン夫人が勧めたデパートは、ホルボーンにある「Gamages」というデパートで、本当にあったお店です。
ブリティッシュライブラリーのサイトに、「ロンドンでも最も有名なデパートの一つ」だったと書いてありました。
今は、閉店してますが、ホルボーンと言えば、大英博物館の程近く。
ロンドンに住んでいた頃は、徒歩圏内でした。
ホルボーンは、今はデパートみたいな大型商業施設はないので、「あんなところに有名なデパートがあったなんて」とびっくりです。
こちらのページでは、「Gameges」で売っていた商品カタログを見ることも!
ホームズはワトスンにコートを選んでますが、コート類の掲載もありました。







うわー、かわいい街並みですね。
雪景色が、よく似合っています。
こういう自然光での撮影が、本当にイギリスの田舎町そのままで、雰囲気がありますよね。
こんな古い景色がそのまま残っているイギリスが、好きでたまりません。







何度見ても、ワトスンにクリスマスプレゼントを買いに行くホームズがかわいすぎます!
もう、どんな顔して、デパートで買ったんでしょうね(笑)
ワトスンのことを想像しながら、コートを選ぶホームズに激しく萌えます!






ベーカー街のクリスマスデコレーション、良い演出ですねー。
あんまり季節感のないエピソードが多いので、こういう変化は素敵ですね♪







ホームズが実験器具にクリスマスのオーナメントを飾り付けて、自分で「Charming!」。
そんなジェレミー・ホームズが、誰より「Charming」!






ホームズから贈られたプレゼントを着て、お礼をいうワトスン。
ああ、子供のように喜ぶワトスンが素敵すぎます!






喜ぶワトスンに微笑み返すホームズ。
そして、ワトスンからのプレゼントにお礼をいうホームズ!

今回、どうしてこんなにファンサービスが、行き届いてるんでしょうね。
この後も、二人でスコットランドヤードのクリスマスパーティに顔を出したり、クリスマス感満載のエピソードです。
(でも、原作は、クリスマスの時期ではないんですが)

意図して作ってないんでしょうけれど、この一連のクリスマスのシーンが、
ラストのファンサービスという気がして・・・。
今回、悲しい話で、救いようのない結末なんですが、その中でも、二人のこういう和やかなシーンが見れたのは幸せです。







ストーリーは、過去にも観賞日記してるのでスルーします。
ハイビジョンになって、やはり焦点が当たるのは、映像の美しさ、発色の良さです。

こういう何気ないシーンが、美しく再現されていて、
ホームズが出ていないシーンも以前より真剣に見るようになりました。
こういうシーン一つとっても、白枠の窓、美しい外の雪化粧、クリスマスツリーのグリーン、壁紙の赤。
それぞれが一枚の絵画のように、綺麗に収まってるんですよね。







ハイビジョンになって、赤色の輝きが半端ないです。
マントルピースのデコレーション、壁紙の赤色と相まって、クリスマスの演出が雰囲気を盛り上げます。







明るいところはもちろん、こういう暗いところでもジェレミーの表情がくっきり見えて、以前よりジェレミーの印象が若くなりました。
ハイビジョンになったら、前よりジェレミーの顔の皺とかも見えるようになるのかな、とちょっと心配したりもしましたが、むしろ嬉しい誤算で、その反対でした。
よりクリアーになったのは、ジェレミーの熱意と、細かい顔の表情で、前よりジェレミーの演技の熱を直に感じることが出来ました。
だから、結果として、以前の印象より、後期のイメージが若返りました。






ああ、これが私たちのジェレミー・ホームズのラストシーンです。
改めて考えると、シリーズを締めくくる暗示のような台詞にも思えます。

「この苦痛と暴力と恐怖の連鎖の意味は、何だ?何か意味があるはずだ。いまだに答えは出ていないが、我々の問題だ。」
と言って、シリーズは幕を閉じます。

これを初めて見た若い時は、夢か現かというような印象を受けたのですが、今は、ずーんと我が身に染みます。
私もそこそこの年を重ねてきたんですが、年を経るごとに、周りに、世界に、深い愛情を感じると共に、悲しさも深くなっていくのを感じます。
優しい愛情深い人々がいる一方で、本エピソードに出てくるような自分の欲のためには他人の不幸を厭わない人がいる。
ニュースで流れてくる、紛争、暴力、殺人・・・この悲しみと憎しみの行き着く先はどこなんでしょうか。
ホームズの台詞のように、一体この苦痛と暴力の連鎖の意味は何なんでしょうね・・・

ホームズの長年の探偵業を総括しているようで、意味深な一言です。
数々の事件で、人々の悲しみや憎しみ、怒りを目の当たりにし、それでもなお、自分の出来ることを行い、
悪も共存するこの社会で、「答え」を探すホームズ。

若い頃は、この台詞を聞いたとき、なんだか悲しいし寂しいな、と思ったけれど、今は最後がこの台詞で良かったかもしれない、とも思います。
ハリウッド映画のようなハッピーエンドではない、現実を見据えた、かといって悲観しきっているわけでもない、微妙な言い回しが、ホームズにはあっていると思います。



この前、とうとう「ポワロ」が終わりましたね。
全作品ドラマ化は、頑張りましたね-。
ラストシーンを撮り終えた後の、清々しいスーシェの顔が、印象的でした。
できれば、ジェレミーにもこの日を迎えさせたかった、と残念です。

・・・・と書いているうちに、もう3時ですよ・・。早く寝ないと・・。
次からは、土曜日にまたグラナダ・ホームズを放映してくれるみたいですね。やはり毎週放送は、テンション上がります。嬉しいですね。

では、またー♪














































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コメント
 
 
 
せつないです (カミーノ)
2014-10-24 09:26:18
初めまして。
ブログ楽しく読ませて頂いています。
子供の頃にホームズを少しは読んでいたのですが、ジェレミーのドラマを観たのは今月で終わった一連の再放送が初めてです。
今回の再放送で最後に放送された「マザランの宝石」ではジェレミーがほんの少ししか登場せず、いかに体調が悪かったかと思うととてもせつないです。
来月からは字幕データ付きで再放送されるのはとても嬉しいのですが、何故か「六つのナポレオン」からというのが残念です。
 
 
 
ボール箱 最後のジェレミーホームズ (さくら)
2014-10-24 21:02:47
いよいよこの「ボール箱」でジェレミーホームズとお別れなのですね。「この苦痛と暴力と恐怖の連鎖の意味は・・」はドイルが原作に書いていて
ジェレミーはとても苦しい撮影だったけれど、この独白ができたことを喜んでいたってありましたね。原作は夏だけれど、このクリスマスの風景はすてきですね。クリスマスプレゼントに悩む姿もほほえましいです。ハドソンさんがホームズの植木鉢を動かしていたけれどあれは何を植えていたのか気になりました。
ドイルがこの「ボール箱」を書いたとき残虐で不倫を思わせる内容なのであまり評判は芳しくなかったとのことでした。現代とはちがいますよね。
 
 
 
全話放送終了 (midori)
2014-10-25 18:45:15
りえさま、コンバンワ。

夢の完全吹替放送1周しちゃいました。もうこれ以上増えないんですよね。悲し(ノД`)・゜・。

ボール箱、私もジェレミーの最後の撮影だと心して観てました。その後ツイッター仲間との話題で「お前の体の血なんか全部腐ってしまえ」
「お前よりぬかるみに残る嫁の足跡の方が好きだ」などのすごい罵倒セリフが気になり、原典読み直してみたのです。するとなんと「血を腐らせたい」はほぼそのままでした!「足跡を崇拝する」は見当たらなかったけど、グラナダ「修道院屋敷」でも使われてましたし、赤毛のアンでも度々見かけた表現なので英語圏ではよくある表現なのでしょうね。
他にもりえさんご指摘の季節、地名やセリフを前後させるなど多少の改変してはいるものの、ほぼ原典ままでした。3姉妹の顔姿性格の描写も概ねそのまま。ホームズが訪問した時に長女が箱をそばに置いて手芸しているのもそのまま。パッチワークか刺繍かの違いはありますけど。
私自身はあまり気にしてないのですが、改変が多いと聞く終盤のグラナダ、こういう原典部分再現もファンへのサービスを意識して作られたのでしょうか。

ところで、ドラマの繋がりとしてはマザランの宝石を最後に観れば、ホームズはスコットランド行ったきり行方不明、の様な展開になって収まりも良いと思いました。

そして、カミーノさま。
グラナダ字幕付きになるのですか!実は私、以前NHKさんに字幕の要望メール打ったんですよ!複数寄せられたのかしら、実現したとは素晴らしい!再々放送時には保存用BD焼きなおさなきゃ!今回は日本語字幕だけだろうけど将来的には技術的に可能なら二ヶ国字幕にして欲しいです!ぜひ!(要望提出済)

ではー(^ ^)
 
 
 
追伸… (midori)
2014-10-25 20:53:21
先程のコメント、補足します。
『ホームズが訪問した時に長女が箱をそばに置いて手芸している』の箱とは『手芸用の箱』であり『ボール箱』ではないです。紛らわしい表現してごめんなさい。
ここまで読んでくださってありがとう。
 
 
 
コメント有り難うございます♪ (りえ)
2014-11-07 01:06:54
>カミーノさんへ

初めまして、コメント有り難うございます♪

ジェレミー・ホームズを見たのが今回で初めて、だなんて。素敵ですねー
ようこそ、ジェレミーの世界へ(笑)という感じです。
ジェレミーの魅力にどっぷりはまって頂きたいです。

「マザランの宝石」もそうですが、最晩年の作品はどれも切ないですね。
若い頃はとにかくこの頃の作品を見ているのが辛かったですが、
今は体調不良をおしても頑張ったジェレミーの演技をしかと感じようと思っています。

再放送は、いつか「冒険」シリーズも放映してくれると信じています!


>さくらさんへ

「ボール箱」は、夏から冬への改変で、最終的に良かったですね。
「青い紅玉」とは違うクリスマスの話が見れましたし、
意図してないけれど最終話になり、あの最後の台詞が活きるのは明るい夏よりも冬の寒さのほうが合っていると思います。

内容が問題で、当初は「ボール箱」は本に収録されなかったらしいですものね。
さくらさんは、「現代とはちがいますよね。」と書いてらっしゃいますが、正にそのギャップが探求するのが楽しいですよね。
世紀を超えて国を超えて、ある作品を、それが書かれたそのままに理解したい、と思う欲求が色々と勉強させてくれて。
さくらさんもかなり原作について勉強なさっていますもんね

植物の名前、確か名前を言っていたように思うんですが、聞き取れませんでした。
のちほど字幕版確認してみます。


>midoriさんへ

グラナダのエピソードはどんなに待っても、これ以上増えませんものね・・・。寂しいです。
ただ、何十回見直しても、飽きない作品なので、これからも何百回リピートしていきたいです。

グラナダシリーズの後半は、制作サイドではない、もっと上の経営者判断で失敗して、色々迷走したんですよね・・。
成功してるのに予算減らされたりとか(今のようにネットが発達していれば、全世界からグラナダTVに苦情だせるんですが)、わざと短編を長編にさせられたりとか。
でも、長編ブームが落ち着いて、やっとまた短編スタイルになって、落ち着いたところで最終話だったのは、残念です。

「お前の血なんか、腐ってしまえ」は、本当に独特な表現で興味深いです。
日本とイギリスは、地球のほぼ裏どうしで、文化も言語も違うので、こういう表現の違いが面白いですよね。
最終話は、「マザランの宝石」の場合、それはそれで面白いラストになりそうですね。
ラストの襟を立てたジェレミーの幻のような姿も幻想的です。
いつか復活しそうな予感もあり、ありかもしれません。

NHKが日本語字幕付きになったのは、びっくりです。
というか、ブルーレイ買う意味が薄れますね
でも広く皆さんにジェレミー・ホームズをより理解して頂けそうで、嬉しいアップグレードです!
 
 
 
>さくらさんへ (りえ)
2014-11-14 01:43:45
ホームズが植木鉢をどうする気かね。と言っていたのは、
「aspidistra」ハランのことでした。
ブルーレイでの確認が遅れて、すいませんでした。
 
 
 
りえさん ありがとうございました (さくら)
2014-11-14 09:04:44
りさん ジェレミーホームズがハドソンさんと言い合いしてまで片づけるのを拒否したので、とても気になってました。
「aspidistra」 ハランですかー。
観葉植物だけど、ジェレミーホームズ、この植木鉢にすごい思い入れがあるんでしょうね。
 
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