ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)とグラナダ・ホームズを語る
グラナダ(NHK)版ホームズの鑑賞日記とホームズ役ジェレミー・ブレットに関する情報を発信していきます
 



「The man who became Sherlock Holmes」の概略に入ります。
今日は、16ページから18ページまで。


この本はジェレミーファンの間では、内容に偽りがあるなどとされ、評価の高い本ではありませんが、ジェレミーの一生涯の伝記はこの本が一番詳しいため、概略をご紹介しています。内容が一部事実と違うところもあるかも知れませんが、ご了解の上、お読み下さい。

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ジェレミーの母の祖父ジョージ・キャドバリーはバーミンガムの貧民街で、病気にかかった子供に心をかけていた。ビクトリア時代のスラム街は、換気や採光も悪く、工場などからの汚染物質で環境はひどいものだった。また洗濯やサニタリーの施設などもほとんど整っていなかった。そしてこの地域では犯罪や社会問題も深刻であった。バーミンガムの人口の1/4が排水機能のない通りに住んでおり、雨が降った時は沼地に変わるほどだった。水も売りにくるのだが、生活用水にしか使えずとても飲めるほどではなかった。この状況にジョージ・キャドバリーと彼の兄弟は、労働者が職場で綺麗な空気を吸えるよう奮起し、行動を起こした。

キャドバリー社は、1878年工場用地として新たに土地を買い、整備に乗り出した。会社はイギリス初の週休1.5日のワークスタイルを登場させた。従業員用のプール、社内旅行、教育制度、時間厳守手当、医療や歯の施設、そして年金までスタートさせたのだった。

毎年、ボクシングデー(12月26日)には、キャドバリーの社員が100人ほど集められ、クリスマスを祝い、楽しんだ。ジェレミーの母は、ジェレミーをこの集まりに呼んだのだが、大きなクリスマスツリーにたくさんのベルやキャンドルがついていたことが印象的だった。

とうとう戦争も終わり、父が戻ってきて屋敷には笑い声があふれるようになった。ジェレミーが11の時、よく母と一緒に施しにでかけたものだった。タクシードライバーに、不法占有者のキャンプに連れて行ってもらい、そこの子供を集め家に連れて帰ってお風呂にいれ、食事をさせ、ござっぱりとした洋服に着替えさせるのだった。ジェレミーは、母のように親切な人が他にいるのだろうかと考えていた。

ジェレミーはいつも夢を持っていた。今、彼を夢中にさせている夢は、ハリウッドだった。映画に行くことが本当に好きだったのだ。週に4回は自転車でバークスウェル・ロードにある小さなカメオ・シネマに自転車で出かけては、1シリングを払い席に着く。彼が最も好きな映画は、ローレンス・オリビエの「嵐が丘」だった。ヒースクリフとキャシーのロマンスに心が熱くなり、帰りは泣きながら家に帰るのだった。ジェレミーは、人々の心を揺さぶるこの映画の力に憧れた。いつか自分もそうなりたい。このときから、何度も何度も母にスターになりたいと言った。母は、ジェレミーの良き相談相手だった。

その頃、母と父の仲は上手くいっていなかった。ジェレミーも両親の結婚が続くかどうか心配し始めた。父は母の慈善活動にだんだんと嫌悪感が増し、母も言い合いを避けるために一日中家を空けていた。

ジェレミーは、ウスター州の私立小学校Abberley Hallの暮らしを楽しんでいた。母はジェレミーが歴史ができることを喜び、一方父はスポーツ好きと知って満足していた。


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次からイートン行きます!やっとイートン。まだまだ先は長いですねー。
ジェレミーが通っていたAbberley Hallはネットにページがありますので、ご紹介しておきますね。
http://www.abberleyhall.co.uk/
自然に囲まれた素敵な学舎であります。ジェレミーも色々自然と友達と楽しく過ごしたことでしょう。

ジェレミーは、「嵐が丘」のローレンス・オリビエをみて、役者になろうと思ったのですね。
しかし、子供心にあの話が分かるなんて早熟してるなー、という感じです。
私なんて大学生でやっと意味がわかりましたよ(笑)

最初の方にビクトリア時代のスラムの様子が出ていますが、本当にひどかったみたいですね。
特にジェレミーには関係ないけれど、ホームズを見る上で参考になるかもと、入れてみました。
しかし、その当時からもうキャドバリーはこんな先進的なことをしているなんて、すごい!
さすが、昔の経営者は志が違うなーと実感です。ジェレミーの曾祖父も素晴らしい人ですね。

さ、明日もできればこの訳の続きをしたいです。イートンのジェレミー、初日からおぼっちゃんなので、寮生活に唖然として大変です。


りえ(rie_002@goo.jp)


 前回までの「The man who became Sherlock Holmes」の訳はこちらです。












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コメント
 
 
 
テリー・マナーズ氏の脳内では1943年にバトル・オブ・ブリテンは (アマデウソ)
2005-03-03 21:29:46
が終わっちゃっているんですかね(^^;)



ジェレミーが11歳の時に第二次大戦が終結したと書けば、ジェレミーの友人達やジェレミー・ファンならすぐにこれが嘘だとばれちゃいますよね(^^;)







 
 
 
すいません~~~ (アマデウソ)
2005-03-03 21:55:05
私のほうが間違ってました。

1944年ですね(;´Д`)~~~~~~



少し古いですが 

逝って来ます・・・_| ̄|○
 
 
 
逝って来ますって受けました (りえ)
2005-03-03 22:31:46
というかそんな細かいところまでチェックされてるアマデウソさん、すごすぎます。私なんて数字はさらっと流してますから(笑)



これからも何か変なところがあったら教えて下さいね♪
 
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