炎と水の物語 2013 Apprehensio ad Ignis et Aquarius.

広大な宇宙を旅する地球。私たちは今、どの辺にいるのでしょう. 

災害時の心理を考える. その1.流言飛語

2004-12-16 | 災害の心理学
地震災害などにつき物の、流言飛語こと、デマ。
昭和39年の新潟地震以降、当時のトランジスタラジオや自動車、更に最近では携帯電話の普及で、大きな混乱は消えた、と言われますが、今日はこれに付いて考えてみます。

大地震の際に、いろいろなデマが流れるというのは、お決まりなようですが、いったいなぜ?どこから??、そのようなものが、湧き上がって来るのでしょうか。
その前にデマについて、私たちの身近を、よく考えてみますと、デマにも色々な種類があるようにも思えます。ここで、専門家の言葉に耳を傾けてみましょう。

『デマの心理学』(GW オルポート/L ポストマン著.岩波書店)は、そうした私たちの疑問に、たいへん解りやすく解説してくれる、スタンダードな好著として、今も一読の価値があります。
この著者たちは、デマの分類として、「分裂デマ」、「願望デマ」、「恐怖デマ」などをあげています。

1.「分裂デマ」(今日のテーマ)
平たく言えば、誰それさんと、誰それさんを仲たがいさせてやろうという、学校、職場などでもよくあるパタ-ン。

著者によると、アメリカにおいては、「人種分裂的」条件で多く発生し、「憎しみと、反感を背景」としている、としています。向こうでは、今でも時々、人種暴動が起きて、軍隊まで出動しますから、こうした引き金になりかねない言動には、細心の注意を要します。一種のマナーとなっていますネ。多民族の国々では、かなりシリアスな処(^^;!+(今日の園遊会の、我、陛下のご発言は、国際通としてのコメント。流石ー(^^)! こうなると国民も、喜んで君が代を歌い、国際社会も唱和すると思うのは、私だけでしょうか。)

この点、「単一民族」の国、日本では今でも、かなりの無神経。政治家や、会社役員までが、他民族の怒りを買うような言動を、平然とやりますから。島国ですからいいようなものの、「多民族国家」で、あんなことやったら、暴動が吹き荒れて手のほどこしようがないゾ(^^;。悲しいかな、この辺が、世界のドッ田舎モンと呼ばれる由縁。ヨーロッパは、「国境」さえ、トッ掃らっおうというのにね。

大正12年の関東大震災では、こうしたデマが、組織的に流され、多くの外国人が、命を落としました。(菊池寛、芥川龍之介といった、時の文豪がしかと、書き残してますので、文学ファンの方は、どうぞ。)時の政府が、朝鮮半島での、劣悪な支配に自らおびえて、口走っデマとも言われておりますが、「五族協和」は何処..。ともあれ、我国史上の一大、汚点と言える出来事かも。

尚、この「分裂デマ」、『デマの心理学』では「人種的分裂」のほかに、「反政府的分裂」を背景にする場合もあるとありますから、アメリカン リヴォルーション(日本の教科書で言う「独立戦争」)が、国の始まりにある国のコンセプトでは、あります。

拙ブログ ・阪神淡路大震災から 12年

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2 コメント

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U-1さん、こんにちは。 ( (o_sole_mio))
2004-12-16 22:07:18
デマに関する興味深い考察を拝見致しました。



毛利元就はさしずめこの「分裂デマ」を駆使して周囲の難敵の勢力を減弱させることに成功し、以後の戦いを優位に進めていったのですね。

>日本では今でも、かなりの無神経。政治家や、会社役員までが、他民族の怒りを買うような言動を、平然とやりますから。



これは政治家や会社役員が特別な存在でなく、そういった感覚が欠如した日本人が多いということではないでしょうか。もともと単一民族であることから異民族の交流が乏しいことに加えて、歪んだ語学教育の副作用かもしれませんね。
千秋万歳楽 ((U-1))
2004-12-16 22:08:34
2004-10-30 20:52:47

0ーさん 奥ゆかしさ薫るコメントをありがとうございます。こちらは、紅葉が里に下り、夕暮れには、白鳥飛来の声が渡り、秋の深まりを告げております。

毛利元就が寡兵、万の大軍を破る之故事、相手を倒さねば、こちらが倒される、当時のさもしき世とは言え、只ならぬものが、ございます。海のかなたのボス争いにも相似、時代超越の凄まじき物を感ずるのは私だけでしょうか。

さて、世界の国家元首をお迎えする、我、陛下が、毛利元就の如くましませば、これはもう、たいへんな事となってしまいますが、幸いにも豊かな良識と、その道に通ぜられたご家族にも恵まれ、範をお示しに為られました事、下郎等、下々この度、肝命じるべく、是有りとの欽言響く円遊の園にて御座候。

 千秋万歳.

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