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中国探査機、月の裏側に着陸 世界初の土壌採取へ前進

2024-06-02 10:11:28 | 宇宙・地球・航空宇宙ビジネス・星座神話・


嫦娥6号は5月3日に打ち上げられた=ロイター

 

【北京=多部田俊輔】

中国の無人月面探査機「嫦娥(じょうが)6号」が2日午前6時23分(日本時間同7時23分)、月の裏側への軟着陸に成功した。国営新華社が伝えた。

約2日かけて土壌サンプルなどを採取する。世界で初めてとなる月裏側の土壌サンプルの持ち帰りに向けて前進した。

習近平(シー・ジンピン)指導部は宇宙開発分野で米国に先駆けた成果を上げることで、国威発揚とともに「宇宙強国」に弾みをつける。

米国は有人月面探査「アルテミス計画」を主導しており、宇宙開発分野でも米国との競争が激化している。

 

5月3日に打ち上げた嫦娥6号は30日、月面で土壌サンプルなどの採取に必要な機器と再び月面から離陸して上昇する機器を組み込んだ着陸機を切り離した。6月2日に月裏側に軟着陸させた。

着陸機の準備を整えた後、ドリルやロボットアームなどを使って土壌サンプルや岩石を採取し、着陸エリアなどの調査分析を行ってから月面を離れる。月の上空軌道で待機する周回機とドッキングし、6月下旬に地球に帰還する。

 

月の裏側で巨大な隕石(いんせき)が衝突してできた南極エイトケン盆地の一角に着陸した。約2キログラムの土壌サンプルを採取する。

中国メディアによると、古い岩石や深部の物質を採取することで、月の進化の過程などの解明に役立つとみられる。

 

月の裏側は地球からの電波が届かないため直接交信ができない。中国は今回のプロジェクトのために3月に通信衛星「鵲橋(じゃっきょう)2号」を打ち上げた。同衛星を中継して、地球から嫦娥6号をコントロールする仕組みだ。

嫦娥6号の着陸機には欧州宇宙機関(ESA)、フランス、イタリアの観測機などを積んでいる。中国側は世界で初めてとなる取り組みで世界各国をひきつけるとともに、国際協力をアピールしている。

 

中国は19年に嫦娥4号を世界で初めて月の裏側に軟着陸させた実績を持つ。20年には嫦娥5号で米国、旧ソ連に次ぐ3カ国目として44年ぶりに月の土壌サンプルの持ち帰りに成功しており、今回の取り組みにつなげた。

中国は月面探査計画を加速する。中国メディアによると、無人月面探査機を26年ごろと、28年ごろに打ち上げ、30年までに月面に宇宙飛行士を送り込む計画。35年までに月面基地の基礎となる研究ステーションを完成させる構想を描く。

 

 

 
 
 
日経記事2024.06.02より引用
 
 


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