島津製作所がインド・カルナータカ州に新設する液体分析装置などの新工場(イメージ)
島津製作所はインドに生産拠点を立ち上げると発表した。25億円を投じて液体分析装置などの工場を新設し、2027年に稼働させる。バイオ医薬品向けの分析装置などの需要を取り込む。
新工場はインド南西部のカルナータカ州ベンガルールに設ける。建物の面積は5500平方メートルで液体や気体の分析装置を製造する。従業員数はまず50人で始め、35年に150人に増やす。
インドでは低分子のジェネリック医薬品製造が盛んだ。島津は生産工程の品質管理などに使う液体分析装置についてインド市場で4割のシェアを持つ。
現地では近年、高分子のバイオ医薬品関連の産業も拡大しており、新工場では高度な分析装置も現地生産して提案する。
インドに2つあった販売会社は統合して夏に新会社を立ち上げる。これまでは分析装置と医療機器の販売子会社が分かれていた。一体にすることで顧客である医療機関などにまとめて提案しやすくする。
新工場の建設は、インド政府が公的機関による入札の際に国産品を優遇する政策をとっていることに対応する狙いもある。
将来は分析装置に加えて医療機器や半導体製造装置用の機器などを現地生産することも視野に入れる。島津は生産や販売体制の整備を通じ、インドでの売上高を35年度に470億円と23年度比2.6倍に伸ばす目標だ。