サンリオでは様々なキャラクターの訴求が進んでいる(5月、東京都多摩市)
サンリオは14日、2025年3月期の連結純利益が前期比18%増の208億円になる見通しだと発表した。25年ぶりに最高益を更新する。
50周年のハローキティだけでなく、シナモロールやポムポムプリンなど複数キャラの訴求が進み、それらを使うライセンス事業が北米やアジアで伸びる。物販事業もインバウンド(訪日外国人)を含めた消費が堅調だ。
配当は年27円を計画する。1株を3株にする株式分割の実施を踏まえると実質増配になる。
前期は分割前で66円(ハローキティ50周年記念配10円含む)だった。売上高は10%増の1103億円を見込む。営業利益は11%増の300億円と2期連続で最高を更新する。
同日、記者会見した松本成一郎常務執行役員は「前回の最高益はハローキティへの依存度が高かったがかなり分散が進んだ」と話した。
物販事業とライセンス事業の売上総利益に占める「ハローキティ」の比率は前期に3割と10年前の75%から大きく下がった。複数キャラクターを使う「ミックスキャラクター」の比率は1%から19%に伸び、バランス良く収益をけん引している。
同日発表した24年3月期決算は、売上高が前の期比38%増の999億円、純利益が同2.2倍の175億円だった。
新型コロナウイルスの5類移行に伴い、キャラクター商品販売店やテーマパークの来客数が増えた。物販事業のインバウンドの比率は33%で19年3月期の23%を上回り過去最高だった。