バイデン大統領はイスラエルの動向が米大統領選にどのように影響するかを気にかける=ロイター
【ワシントン=飛田臨太郎】
複数の米メディアは10日、米政府が停止していたイスラエルへの弾薬供給を一部で再開すると報じた。提供を止めている2種類のうち、500ポンド(約230キログラム)の小型爆弾を輸送する。
大型の2000ポンド(約900キログラム)の爆弾は供給停止を継続する。
バイデン政権はイスラエルによるパレスチナ自治区ガザ最南部ラファへの本格的な地上侵攻があれば、民間犠牲者の増大につながりかねないとして、供給を停止すると5月に発表した。
本格的な地上侵攻を止めるための圧力に使った。イスラエルのネタニヤフ首相は反発していた。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると当局者の一人が小型の爆弾について「数週間以内にイスラエルに到着する予定だ」と話した。
大型の爆弾は民間人への被害が大きいため、方針を変えない。
米CNNテレビによると、当局者は当初から500ポンドの小型爆弾には大きな懸念を抱いていなかったと語った。
輸送の際に大型の爆弾と一緒に送るケースが多いことから、同時に供給を停止した事情があったと示唆した。
バイデン大統領は11月の大統領選を控え、イスラエルへの軍事支援に反発する若者の動向を気にかける。今回の弾薬供給の一部再開がイスラエルへの対応方針を変えるものになるかは不透明だ。
イスラエルのネタニヤフ首相は7月上旬、パレスチナ自治区ガザでの衝突を巡り「イスラム組織ハマスの壊滅が近づいている」と発言した。南部のラファから、戦闘の激化が見込まれる北部に集中する構えだ。
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日経記事2024.07.11より引用