エマニュエル米駐日大使は、中国による経済的威圧への対抗として貿易版集団安全保障を提唱する
【ワシントン=八十島綾平】
米国のエマニュエル駐日大使は8日、米ウォール・ストリート・ジャーナルに寄稿し、中国による制裁関税のような経済的な威圧行為や不当廉売への対抗策として、インド太平洋地域を中心とした貿易版の集団安全保障の枠組みが必要との考えを示した。
エマニュエル氏は寄稿のなかで、1つの加盟国が攻撃されればほかの加盟国が攻撃された国の防衛義務を負う北大西洋条約機構(NATO)の「貿易版」が必要と指摘した。
具体例として、2020年に中国がオーストラリア産の石炭や牛肉などへの関税を引き上げた際に、同盟国が連携して豪州製品を受け入れた事案などを挙げた。
NATOの集団安全保障を定めた北大西洋条約5条のような法的裏付けが必要だとも述べた。
中国への債務返済が滞り重要権益を明け渡す「債務の罠(わな)」に陥らないよう、国際通貨基金(IMF)を通じた新興国支援を強化することも求めた。
日経記事2024.10.10より引用