TASAKIはファンド2社の傘下入りをきっかけに海外出店を一段と増やす計画だ
アジア系投資ファンドのファウンテンベスト・パートナーズと国内ファンドのユニゾン・キャピタル(東京・千代田)が宝飾品販売のTASAKI(神戸市)を買収したことが、29日わかった。
買収総額は1000億円規模とみられる。ファンド2社の傘下入りをきっかけに、TASAKIの海外出店を一段と増やし収益の拡大を目指す。
TASAKIは2017年にアジア系ファンドのMBKパートナーズが主導してMBO(経営陣が参加する買収)に踏み切り、上場廃止となった。
ファンド2社は29日までに現経営陣の保有分を除く全ての株式を買い取り、ファウンテンベストが過半を握った。TASAKIの現経営陣は傘下入り後も続投し、株式保有も継続する。
TASAKIは国内で30を超える直営店を持つほか、中国や台湾、英国、フランスなどにも進出している。
ファウンテンベストはアジアや欧州に拠点があり、欧州のスポーツ用品大手への投資実績もある。TASAKIは今後新たな株主のノウハウや拠点網を活用し、海外での出店を拡大する構想を描く。
ブランド価値も高め、販売単価を引き上げていく戦略だ。外国人観光客の間で日本製品の人気が高まっており、ファンド2社は国内の売上高を伸ばす余地も大きいとみている。
インバウンド(訪日外国人)に高級ブランドとしてのイメージを浸透させ、高額商品の拡販につなげる。
香港に本社を置くファウンテンベストの運用資産残高は30億ドル程度(約4500億円)にのぼり、今回が日本で初のM&A(合併・買収)となる。
消費財と製造業、ヘルスケアの3分野を中心に日本での投資案件を伸ばす方針だ。
日経記事2024.11.29より引用