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中ロ結託、米と異次元の対立 プーチン氏訪中で決定的に 本社コメンテーター 秋田浩之

2024-05-17 14:43:40 | NATO・ウクライナ・ロシア・中国・中東情勢



ロシアのプーチン大統領が16日に中国入りし、習近平(シー・ジンピン)中国国家主席と会談した。国際会議に合わせた会談を含めれば、両氏の顔合わせは40回以上にのぼり、珍しくはない。

だが、今回の訪中が世界にもたらす影響はかつてなく大きい。

現秩序を守ろうとする西側陣営(米国と米同盟国)、それを崩そうとする中ロの枢軸――。両陣営の対立が、後戻りできないほど深まったことを訪中は決定づけた。

 

怒るバイデン政権

両陣営を分かつ火種のうち、最も大きいのがロシアのウクライナ侵略だ。

ロシアは侵攻をやめず、中国は工作機械やドローン、衛星画像といった軍民両用品をロシアに流す。この点で、中国も侵略の"共犯"と、米国はみなす。

プーチン氏の訪中で、こうした中ロの戦時協力はさらに深まるだろう。

「産業とハイテク、宇宙と原子力の平和利用、人工知能、再生可能エネルギーなどで、より緊密な協力に努める」。プーチン氏は訪中前、中国国営の新華社に、こう意欲を語っている。

 

米政府高官によると、プーチン氏は23年以降、習氏に「戦力が足りない」と重ねて伝え、軍事支援を求めてきた。習氏は半ば応じ、殺傷兵器は出さない代わりに、軍民両用品の供与を増やし続けているという。

この問題は、いまに始まったことではない。ただウクライナ軍の劣勢が深まるにつれ、ロシア軍を間接的に支える中国に対し、バイデン政権の怒りがかつてなく強まっている。

 

中国にロシアへの軍事支援をやめさせなければ、ウクライナが敗北しかねない――。

複数の外交筋によると、業を煮やした米政権は4月以降、北大西洋条約機構(NATO)各国に水面下でこう訴え、対中圧力をさらに強めるよう求めてきた。

 



5月に会談したマクロン仏大統領(左)と習近平・中国国家主席=ロイター

 

これを受け、ショルツ独首相とマクロン仏大統領は、それぞれ4月半ばと5月上旬に習氏と会談した際、軍民両用品の対ロ輸出を止めるよう、強く迫った。習氏は厳しく輸出を管理すると請け合ったが、「停止」までは確約しなかった。

こうした現状の表面だけみれば、西側陣営と中ロ陣営の対立に、新たな火種が加わったにすぎないように映る。しかし、これまでの経済・安保の懸案よりも、この問題がもたらす影響ははるかに大きい。とりわけ、すでに冷戦状態にある米中の確執を、異次元の領域に引き込むだろう。

 

対立の3段階

米中はこれまで、3つの段階をたどって対立を深めてきた。第1段階はオバマ政権の2期目途中(10年代後半)から、トランプ政権3年目(20年1月)までだ。

そこで問題になったのは、中国によるサイバースパイや国家主導のハイテク育成、東・南シナ海・台湾海峡での軍拡などだ。

 

ところが、20年に新型コロナウイルスの感染が広がると、対立は第2段階に進む。新型コロナは100万人超の米国人の命を奪った。感染の爆発を招いた中国共産党の体質に米国が憤り、「政治体制」の争いに火が付いた。

そして対立はいま、異次元の第3段階を迎えている。米国はロシアを「現秩序の破壊者」とみなし、ウクライナで軍事的に敗北させようとしている。

 

中国は米国主導の現秩序こそ崩されるべきだと考え、ロシアに軍事支援を注ぐ。米側からみれば、「敵の味方は敵」という帰結になり、米中は敵国関係に近づいてしまう。

 

 



米中対立の原因が海洋やハイテクといった個別問題なら、交渉で折り合うことも無理ではない。しかし衝突の原因が、全く相いれない世界秩序観だとすれば、妥協点をみつけるのは至難の業だ。

 

米中とも強硬論に傾く

相互不信の連鎖により、米中の冷戦は今後、さらに深まるだろう。11月の米大統領選に向け、米国内では対中論議が一層、険しくなっている。

そんな空気を象徴する論文が、米外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ」の最新号にのった。トランプ前政権のポッティンジャー元大統領副補佐官とギャラガー前下院議員(共和党)による共同論文だ。

米国は米中競争の管理ではなく、勝利をめざすべきだと訴え、共産党体制に格段と強い圧力をかけるよう提言した。ポッティンジャー氏は本紙との5月上旬のインタビューでも、同様の政策を呼びかけている。

一方、中国側も対米強硬のレールを突き進んでいる。プーチン氏は中国の対米不信をさらにたきつけようと、陰謀論めいた米国悪玉説を習氏に吹き込んできた。

 

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<picture class="picture_p166dhyf">握手するロシアのプーチン大統領(左)と中国の習近平国家主席(16日、北京)=AP</picture>


「米国は中国の共産党体制をひっくり返すつもりだ。いま香港で起きていることを見れば、
明らかではないか」。西側の中国専門家によれば、香港で反中デモが吹き荒れた19〜20年、
プーチン氏は習氏にしきりにこう説いた。

今回の訪中でも、似たような会話が交わされたに違いない。

米中対立の深まりは、世界各国にも新たな対応を迫る。特に、日韓やオーストラリア、カナダ、
欧州といった米同盟国は、サプライチェーンの再構築や安保協力の強化に向け、米国とより密に
対中政策をすり合わせる必要がある。

そのうえで、米中冷戦がエスカレートし、意図せぬ戦争が起きることがないよう、危機管理の努力
もより大事になる。米中の冷戦が熱戦に転じてしまったら、みなが敗者になりかねない。

より大事になる。米中の冷戦が熱戦に転じてしまったら、みなが敗者になりかねない。

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秋田 浩之

長年、外交・安全保障を取材してきた。東京を拠点に北京とワシントンの駐在経験も。
国際情勢の分析、論評コラムなどで2018年度ボーン・上田記念国際記者賞。
著書に「暗流 米中日外交三国志」「乱流 米中日安全保障三国志」。

 
 
 
日経記事2024.05.17より引用
 
 
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(参考)

・ロシアを圧倒するNATOの軍事力と最新兵器
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/3a3c70f97792ac9ea6d01261d7a58005

・【RPE】プーチンは24年でどう変わってきたか?
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/ed430315fe0080e99105ba57d46a5181

・ウラジミール・プーチンの幼少期【幼少期に子供への愛情は必要】
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/b4f50f51a28ebc142e6d17a43cad1534

 

・ロスチャイルド財閥-111 国際金融財閥の序列https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/af41696ec05203f68b46d63b897e9b3d

・ロスチャイルド財閥-215 ロスチャイルド当主 ANAホテル(赤坂)プライベート会合https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/15e42c79348485224e0b9ae63ca899e4

・ロスチャイルド財閥ー224 Black Rock と親会社 Black Stone、そしてワシントンコンセンサス
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/9e5f232ed05a223f6fabc318428554b7

・Bloomberg ブラックロックCEO、現代金融理論を支持せず-「くず」と一蹴
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/f8723862229429fc9507648b3cfd56e2

・アホの一つ覚えのMMT信者
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/edfec0faeef39871e87a42779cd369b4


・首相、米ブラックストーンCEOと面会 「金融を改革
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/8a6cb9549311ed01d320bd509d131d3e

 


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