ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

心は錦

2021-05-26 | アメリカ事情

aeharley.com

 

 

 

 

友人のロンダは先週のある日、仕事から家に帰る途中に起こったことを話してくれた。

彼女の後ろにハーレーデイヴィッドソンに乗っている男がいた。彼女は、高速道路を降りて家に向かうまで、何も考えなかったが、ハーレーデイヴィッドソンの彼も同じランプで降りたのに気づいた。彼女が別の通りに抜けると、彼もついてきた。

彼女が自宅への道に乗り入れたとき、彼も又そこでも後ろにいた。彼女が自宅への私道へ入ると、彼は彼女の自宅前の通りにバイクを寄せた。彼女はその時かなり怖かった、と言う。

全身バイカーらしい男に、何なんだろうかと不安になり思わず構えた友人のところへ彼は歩いてきた。彼は、彼女の車の方向指示器が機能していませんよ、と言った。彼は高速道路で、その欠陥に気がつき、心配して、彼女が目的地に着いたことを確認し、その問題について知ってもらいたかったと言った。

友人は彼の親切に感謝し、彼はバイクに乗り、走り去った。その日、友人は人をすぐに判断しないという重要な教訓を学んだのだった。

一見荒くれバイカー風に見えたかもしれないが、彼は金の心を持っている人だったのだ。

その話を聞いて、私はアリゾナに住んでいた時分に知り合ったある友人のことを思い出した。弁護士で、妻や子供たちを心から愛し、どんな人にも親切で優しい方だった。その彼の趣味はハーレーに乗ることで、バイク仲間とあちらこちら走ることが大好きだった。そのお仲間も、荒くれ者などではなく、友人同様に士業につく、紳士的かつ親切心に溢れた方々だった。

その彼は、ある日引退前最後の離婚裁判の判決がくだって、法廷で書類を鞄に収め、帰宅の支度をしていると、不意に入ってきた男、たった今判決の下った離婚裁判で敗訴した夫が、銃で彼を撃った。即死だった友人は、その男の妻側の弁護をして勝訴したばかりだった。

荒くれ者がバイカーだと思われることも多々あるが、実際はそのアリゾナの友人の様に、金の心(日本語では、心は錦だろうか)を持つ方が多いものだといつも高速道路でハーレーバイカーにすれ違うと、ふと今は亡いあのバイカー弁護士を思い出す。

 

 

 


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