ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

Feed the birds

2017-12-02 | アメリカ事情

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少しでも人が集まっているところで、「メリー・ポピンズ、好きな人は手を挙げて。」と尋ねたら、大方は挙手するのでは、と思うくらい、封切りから53年も経っているのに、この映画は親しまれ、好かれている。子供の頃の好きな映画は、と聞かれると、大抵ディズニーのバンビや白雪姫と七人の小人やシンデレラ、あるいはライオンキング、美女と野獣と口にする人が実に多い。ディズニー映画(特に古い作品)は、原作の良さ、それを映像化する技術と才能、そしてなによりも、家族に重い価値を見出せることが原因だろう。数々のそうしたディズニー映画の名作のひとつ、Mary Popinsメリーポピンズは、群を抜いて長い間人々に愛されている。

 

メリーポピンズを演じた若きジュリー・アンドリュースのみずみずしい演技と素晴らしい歌声、ディック・ヴァンダイクの熟練した歌と踊りと演技、愛らしい子役達、などなど俳優の良さも光るし、音楽も親しみやすく、歌詞も気が利いて覚えやすい。もしあなたがこの映画を好きだとすると、お気に入りの歌はなんだろうか。私は、”Stay Awake"「眠らないで」である。子供達を寝かせる時の子守歌だった。そして”Feed the Birds (Tuppence a Bag)"「2ペンス(の餌)を鳩に」である。長男は”Love to Laugh"「笑うのが大好き」であるのは、性格上納得がいく。 息子達は皆、”Step in Time"「踊ろう、調子よく」を勿論好んでいた。娘達もしかり。孫のCは、”Let's Go Fly A Kite"「タコを上げよう」だそうだ。

 

この”Feed the Birds (Tuppence a Bag)"「2ペンス(の餌)を鳩に」。映画で、ヴィクトリア朝時代のロンドンのセント・ポール寺院の階段で、朝早く、鳩の餌売りをしている老婆が通る人々に呼び掛けている。 「私のパン屑の入っている袋をお買いなさいな。。。あなたが気にかけているとお示しなさいな、きっとあなたはお喜びになりますよ、何故なら、若い鳥たちはひもじく、巣にはなにもないからです。。。たった2ペンス、2ペンスで鳥に餌をあげられますよ。。。」  そんな鳥の餌売りの老婆の上には、聖人(の像)が微笑んでいるに違いない。 彼女の言葉数の少なく、売り込みも簡単だけれど、あなたに呼び掛けているのですよ、と歌は続く。

 

クリスマスの前には、デパートやグローサリーストアの入口や、街角で、救世軍(Salvation Army)が、赤いケトル(鍋)を置いて寄付金を募るのに似ている。彼らはベルを鳴らして、募金を呼びかけるが、ポケットの有り金を探し当てて、ケトルに落とす小さな子供達や、お財布をあけて一枚、二枚とドル札をいれる大人達。決して多額を入れてくれと頼んでいるのではなく、ほんの少しでもいいから、あなたも恵まれない人々のことを考えていることをお示しください、という風である。この時期なるべく小銭をお財布に多めにいれて、買い物に出かける。

 

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さて、師走の声を聞き、すでに降雪を見た地域もある。寒い冬の間、そういえば、鳥たちはどうしているだろうか、と思う。ここは温暖なカリフォルニアだけれど、北に住む姉の庭には、実に多種類の鳥がやって来る。あそこは寒い冬である。だから姉はSuet(スーエットと発音する。スエットだと汗に思われる)を冬場欠かさない。これは牛などの腎臓付近の脂肪で、英国では、プディングなどの蒸し料理に用いる。このSuetは、野鳥の餌となる種子・穀類を混ぜて固形にした物で、飼料屋さんや園芸店などで売っているが、自分でも作れる。

 

http://www.birdsandblooms.com

 

どんな種子や穀類でもいいが、それらを牛脂、ラード、あるいは、アメリカで売られる砂糖の入っていない、ただピーナッツをつぶしたピーナッツバターを使ってもよい。原則的に、1パートの牛脂、1パートの鳥用の種子・穀類である。 それをツナ缶や猫の餌の空き缶などに詰め、冷凍する。そして固まったら、缶から出して、スーエット用のワイヤー容器(上記写真参照)か、頑丈な網袋に入れる。 鳥は干し果物(レーズン、カランツ、アンズ、そして柑橘類も)も好きだから、それを混ぜてもよい。 その基本のスーエットのレセピは、次である。

  • 2パーツの溶けた脂肪(牛脂やラードなど)
  • 2パーツのイエローコーン(粗挽きの乾燥トウモロコシの粉)
  • 1パートの天然ピーナッツバター(甘味料その他の添加物ゼロ)

これらを混ぜて2,3分加熱する。前述の缶に注ぎ入れる。必要になるまで冷蔵あるいは冷凍する。

注: このスーエットは寒冷地方のための物で温暖地帯には向かない。

 

あなたの庭が、セント・ポール寺院だったら、あの聖人像達は下を見下ろして微笑むかもしれない(と願って)。

 

 

 


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