竹中さんの著書 「構造改革の真実 竹中平蔵大臣日誌」が売れています。そういう私も購入しました。Amazonの読者レビューではどれも五つ星です。でも私には「自慢話と言い訳」としか読み取れません。すでに破綻した経済理論(サプライサイド経済:レーガノミクスとサッチャリズムの良い部分を除いた政策)を理解不足のまま押し付けただけでしょう。
経済政策の議論は別にやることにして、郵便局の貯金や保険を民営化したことなど小さな当たり前のことで、介護制度に民間の営利会社を導入した事による現在の状況などには一切触れてもいないことこそが問題です。6月26日に実施された「グッドウィル」の派遣労働者と、厚生労働省との「団体交渉」の実態が市場原理・株式会社参入の現実を示しています。ここに署名入りの詳細な交渉経過が掲載されています。
http://www.janjan.jp/living/0706/0706267932/1.php
でも私は「グッドウィル」「コムスン」という社会規範に外れた企業の問題だけではないと思います。「介護従事者が増える。それだけで良い方向ではないか、新しい企業の参入がありそこには"カイゼン"が十分期待できる」、などという経済・経営学的にも間違った考えを持つ方もおられます。市場での競争を考えて見ましょう。介護の市場は総金額ベースでは伸びません(総需要が増加するのにもかかわらず)。厚労省の基本的な考えは、競争を導入することによりコストを下げることです。しかも、一人または一単位のコストだけではなく、総金額ベースでも削減することです。医療や介護を産業として考えた場合、コストを大幅に削減可能なシュンペータ的イノベーション(大きな技術革新)はあり得ないでしょう。人工知能の物凄く優れたロボットが開発されたとしても、この分野はイノベーションから最も遠いところでしょう。多分教育も良く似た分野ではないでしょうか。
このようになる事は、2000年度から導入する時に分かっていたはずです。厚労省が真似をしたというドイツでは、介護制度を導入する前の議論(8年の議論と2回の選挙)を充分に行い、競争原理の不成立が指摘されています。厚労省は、すでにドイツで議論済の問題点と対応策を、知りながら全部削除したのだと思います。優秀な厚労省の官僚達が(欧州への留学、大使館勤務の経験がある人も多いはずなので)知らないはずはないでしょう。
このような状況では、介護側での質の高いリハビリなど考えることが出来ません。事実、介護側で一応満足のゆくリハビリができている施設は10%にもなりません。
ポリオの会:TS
経済政策の議論は別にやることにして、郵便局の貯金や保険を民営化したことなど小さな当たり前のことで、介護制度に民間の営利会社を導入した事による現在の状況などには一切触れてもいないことこそが問題です。6月26日に実施された「グッドウィル」の派遣労働者と、厚生労働省との「団体交渉」の実態が市場原理・株式会社参入の現実を示しています。ここに署名入りの詳細な交渉経過が掲載されています。
http://www.janjan.jp/living/0706/0706267932/1.php
でも私は「グッドウィル」「コムスン」という社会規範に外れた企業の問題だけではないと思います。「介護従事者が増える。それだけで良い方向ではないか、新しい企業の参入がありそこには"カイゼン"が十分期待できる」、などという経済・経営学的にも間違った考えを持つ方もおられます。市場での競争を考えて見ましょう。介護の市場は総金額ベースでは伸びません(総需要が増加するのにもかかわらず)。厚労省の基本的な考えは、競争を導入することによりコストを下げることです。しかも、一人または一単位のコストだけではなく、総金額ベースでも削減することです。医療や介護を産業として考えた場合、コストを大幅に削減可能なシュンペータ的イノベーション(大きな技術革新)はあり得ないでしょう。人工知能の物凄く優れたロボットが開発されたとしても、この分野はイノベーションから最も遠いところでしょう。多分教育も良く似た分野ではないでしょうか。
このようになる事は、2000年度から導入する時に分かっていたはずです。厚労省が真似をしたというドイツでは、介護制度を導入する前の議論(8年の議論と2回の選挙)を充分に行い、競争原理の不成立が指摘されています。厚労省は、すでにドイツで議論済の問題点と対応策を、知りながら全部削除したのだと思います。優秀な厚労省の官僚達が(欧州への留学、大使館勤務の経験がある人も多いはずなので)知らないはずはないでしょう。
このような状況では、介護側での質の高いリハビリなど考えることが出来ません。事実、介護側で一応満足のゆくリハビリができている施設は10%にもなりません。
ポリオの会:TS
日本障害者協議会HP:
http://www.jdnet.gr.jp/
障害者施策に関する各政党の回答:
http://www.jdnet.gr.jp/kaitousyu.htm
リハビリ問題に関する項目抜粋:
○自由民主党
算定日数上限を超えた後であっても、患者の状態に応じたリハビリテーションが可能となるような、きめの細かな対応が図られています。今後も一定の医学的管理の下で、必要に応じたリハビリを実施することが必要と考えます。
○民主党 リハビリテーション医療期間制限に反対
保険適用のリハビリ期間に上限が設けられ、リハビリの打ち切りを余儀なくされてしまうのは問題です。医師が一人ひとりの必要に応じて適切なリハビリ期間を設定できるようにすべきです。
○公明党 何ともいえない
リハビリテーションの見直しにあたっては、患者の実態を踏まえた弾力的な対応が重要であると考えます。今回の見直しでは、例えば、算定日数を超えても医療保険によるリハビリを継続できるケースを追加するため、適用除外となる疾患を拡大することや、専門家による短時間リハビリ等に介護サービスが対応するまでの間、維持期の患者に対し、医療保険から一定の医学的管理の下、必要に応じたリハビリの実施を可能とすることなど、患者の状態に応じてリハビリの実施ができるような配慮が図られています。今後とも、きめ細かな対応を求めていきます。
○日本共産党 リハビリテーション医療期間制限に反対
世界保健機関(WHO)では、リハビリを「能力が可能なかぎり最高の水準に達するよう訓練すること」と定義しています。日数で機械的に打ち切ることは、リハビリの理念に反します。個人の能力の回復は千差万別であり、一律の基準は適しません。180日制限は科学的根拠も薄弱で、世界でこんなことをやっている国はありません。大きな運動によって一部改善策がとられましたが、引き続きリハビリ本来の姿を実現するためにがんばります。
○社会民主党 リハビリテーション医療期間制限に反対
リハビリテーションを180日で日数制限する根拠はない。個々人の状況を充分加味してリハビリは行われるべき。単に医療費削減の視点から制限を設けることは間違っている。
○国民新党 リハビリテーション医療期間制限に反対
障害の個人差を踏まえておらず、一律制限は多くの問題を引き起こしている。
イギリスの失敗、ドイツの失敗と、参考例がたくさんあります。米国では、皆保険制度の導入と議論は盛り上がっております。日本にはこの素晴らしい制度がありながら、逆行の道を歩んでおります。全ては、医療制度改革関連悪法の中に盛り込まれております。今一度、皆さんで考えて見てはいかがなものでしょうか。