インプロヴィゼーションの彼方に

人生ヨウスルニインプロヴィゼーション

Terje Rypdal/Miroslav Vitous/Jack DeJohnette

2005-04-08 00:31:19 | 今日の一枚
「沈黙に次ぐ美しい音を求めて」という理念のもと、Manfred Eicherによって設立された、JAZZの最終形とも言われる前衛レーベル、ECM。
私もそのレーベルもつイメージ、サウンド、ECMな音が聴こえてくるような同じようなジャケット(笑)、その一貫したレーベルカラーに魅せられた一人です。
音韻的にはポップミュージック全般のダイアトニックな世界、コーダルな世界を飛び越えてしまっているものが多いので難解すぎて構造を考える気にもならないが、その透き通るような音響は、ヨーロピアンな気品を感じさせる格調高いサウンドでとても魅力的。もともとポップにせよロックにせよメタルにせよ、欧州とか北欧系音楽が好きだったのでその辺も自分にとってどんぴしゃ感のあるレーベルです。

そんなECMを代表するノルウェー出身のギタリストがこのTerje Rypdal。自分もギターを弾くだけに、まずこのギタリストあたりからECMサウンドに傾倒していきました。このアルバムは宇宙の広がりを感じさせるチェコかどっか出身のベーシストMiroslav Vitous、70sマイルスバンドでも重要なドラマーJack DeJohnetteとのトリオ作品。
DeJOHNETTEの美しくもしなやかな高速レガートが空間を切り裂き始まるこのセッション、78年作品なのに今の視点で聴いても未だ未来のグルーヴに溢れ、どこぞのクラブミュージックなのか、よりスムースなドラムンベースばりでビックリさせられる!
高速な未来グルーヴに、壮大でまったりとゆっくり浮遊するギターとベースが舞い降りつつ広がりを見せていく。そこにはECMならではともいえる北欧の空気感も大量に含有されていて、なんとも密度の濃いセッションとなっております。
こんなグルーヴでPOPをやったら、さぞ強力な音楽になると私は踏んでいます。UAがちょっとこっち方面すでにいってる気がしてます。ともかく大衆性はないので、特に音楽聴くに形式ばったワビサビを必要としない、という方はこのグルーヴとサウンド、一聴の価値あり☆