マンション市場に関わるキーワードとしては、「多様性」、「利便性」、「耐久性」等が考えられます。これまでマンションと言えば、都市部のファミリータイプが主体でしたが、これからは、①ワンルームタイプ、②コンパクトタイプ、③タワーマンション、④ワークスペース完備型、⑤地方圏に立地する郊外型、などさまざまなタイプが求められると思われます。また、利便性という観点では、必ずしも駅近という視点ではなく、駅から遠くても子育てや買い物に便利で、管理体制や長期修繕計画がしっかりしているといった点もポイントになってくると思われます。タワーマンションから眺める富士山や夜空の花火は魅力的ですが、地方圏での空気のおいしさや自然に包まれた環境も捨てがたい魅力であり、マンションに求めるものも多種多様となっています。もうひとつのマンション市場の注目点は中古市場の成長です。首都圏では新築分譲マンションの供給戸数が低迷しているのに対して、中古マンションの成約件数は順調に伸びています。首都圏中古マンション成約件数は、2021年に過去最高を記録しました。2022年は減少しましたが、新築マンション供給戸数を上回る成約件数となっており、マンション市場は新築物件と中古物件の共存状態となっています。また、2022年に成約した中古マンションでは3割超が築31年以上となっています。中古マンション市場が成長しているのは、新築物件の価格上昇に加えて、既存物件の耐震性・耐久性の向上、リフォーム市場の発展等が寄与しているものと考えられます。
6月30日、国税庁はマンションに係る相続税評価についての見直し案を公表しました。タワーマンションなどの評価で、市場価格との間に大きな乖離が生じていることから、令和6年1月1日以後の相続等又は贈与により取得した財産に適用される予定です。現行のマンション(一室)の評価額は、財産評価基本通達では、建物(区分所有建物)の価額(=建物の固定資産税評価額×1.0)と敷地(敷地利用権)の価格(=敷地全体の面積×共有持分×㎡単価(路線価等))の合計額とされています。見直し案は、相続税評価額が市場価格と乖離する要因となっている築年数、総階数、所在階、敷地持分狭小度の4つの指数に基づいて評価額を補正するものです。評価額が市場価格理論値の60%(一戸建ての評価の現状を踏まえたもの)に達しない場合は、60%になるよう補正をするというものです。
まちを歩いているとき、目につく新しい戸建住宅は、つるんとした印象の箱型が多くなりました。屋根の形状は、三角の切妻屋根だったり平らな陸屋根だったりするのですが、屋根を含めて外壁よりも外側に出っぱっているところがほとんどない家が多くなりました。まず、屋根から建物の外側に張り出す軒がほとんどありません。屋根は外壁とほぼ同じかほんの少しだけ張り出したところで止まっています。さらに、昔の家なら窓や玄関の上に必ず付いていた庇も消えています。庇がないと、雨がダイレクトに窓や窓枠にぶつかるので、雨漏りが起こりやすいと聞いたことがあるが、実際はどうなのだろう。さらに雨戸もない。こうした外観の家が増えてきたのは、ここ10年間くらいだろうか?昭和の匂いをたたえた既存の住宅が次々に壊され、新しい家々が肩を接するような距離で建つようになりました。昔の日本家屋は、軒や庇を設けて、室内への日光を遮ったり、雨風をふせいでいたものであります。深い軒が生み出す日影空間では、そこに座ってくつろいだり、作業をすることができました。一方、西洋の家はどちらかというと軒は短く、窓の両側に左右に開く形で鎧戸があり、雨風は防ぎつつ、陽光を室内に導くような造りになっています。洋風のシンプルな外観デザインが好まれるようになったことに合わせて、軒や庇がない方が敷地いっぱいまで建物を建てることができるというメリットがあります。さらに、建築コストを抑えることもできます。そうしたニーズやメリットが外観デザインに反映されています。私もどちらかといえば洋風のシンプルなデザインが好みですが、夏は涼しい方が良い。その点、軒や庇のない家々では、南向きの場合は特に、夏の厳しい太陽光が容赦なく室内に入ってきます。軒や庇のない家々は、窓に遮熱を防ぐタイプのLow-E複層ガラスを採用したり、家全体の断熱性能を高くしています。特に最近は、温暖化等により大型で強い台風が上陸するようになり軒や庇がないほうが良いのかもしれませんが…
近年は「50年に一度」あるいは「100年に一度」という規模の災害が毎年のように様々な場所で発生しています。
わが国においては、従来は「防災」という言葉は主として「地震対策」とイコールであると解されていたように思われますが、地球温暖化の影響により風水害による被害も大きくなるなかで、地震以外の災害への対応も必要であると考えられるようになってきています。もちろん、地震の活動も活発になってきているので、私たちも一定の確率で災害に遭遇する可能性は高まっていると考えるべきでしょう。ところで、大きな災害が発生すると、私たちの日常生活に影響が出ることに加えて、「住まい」も被害を受ける可能性があります。このようなことを考えると、私たちは、万が一の場合に対応できる備えをしておくとともに、災害が発生したときに、その被害を軽減できるような対応も考えておくべきです。最近は住宅としてマンションを選択する人がより増えています。その主たる理由はマンション生活の利便性が好まれていることだと思いますが、マンションの防犯・防災機能なども副次的に評価されているものと思われます。現実に、多くのマンションは、「鉄筋コンクリート造」あるいは「鉄骨鉄筋コンクリート造」という極めて堅牢な構造の建物となっているため、基本的には災害には強い建物であるとみなされています。特に風水害に対しては、浸水等で設備関係に被害が及ぶことはあっても建物の構造が深刻な被害を受ける可能性は高くないと考えてよいでしょう。しかしながら、建物本体に大きな問題が及ばなくても設備機器の被害があるときは、その復旧までは不便な生活を強いられることになりますし、そもそも復旧には時間も費用もかかります。また、大地震のような災害が発生すると建物本体にも被害が及ぶことは十分に考えられます。さらに、マンションが災害で被害を受けることになると、その復旧を進めるためには区分所有者の合意形成が必要となりますし、その手続きの中には通常の手続きと異なるものもあります。特に大都市部で大きな災害が発生して多くのマンションが被災するようなことになると、復旧等を進めるためには合意形成が必要となるのですが、これに対応できる人材はあまり多くありません。一般に「防災」を考えるときは、災害発生時点の安全の確保や周辺との助け合いの仕組みと、水や食料の備蓄等についての話が中心となります。しかしながら、建物が被害を受けると、その復旧についても準備が必要なことが少なくありません。ことに、マンションにおいては前述のように復旧には区分所有者の合意形成も必要となるので、これらの点を踏まえた準備が必要と思われます。
わが国においては、従来は「防災」という言葉は主として「地震対策」とイコールであると解されていたように思われますが、地球温暖化の影響により風水害による被害も大きくなるなかで、地震以外の災害への対応も必要であると考えられるようになってきています。もちろん、地震の活動も活発になってきているので、私たちも一定の確率で災害に遭遇する可能性は高まっていると考えるべきでしょう。ところで、大きな災害が発生すると、私たちの日常生活に影響が出ることに加えて、「住まい」も被害を受ける可能性があります。このようなことを考えると、私たちは、万が一の場合に対応できる備えをしておくとともに、災害が発生したときに、その被害を軽減できるような対応も考えておくべきです。最近は住宅としてマンションを選択する人がより増えています。その主たる理由はマンション生活の利便性が好まれていることだと思いますが、マンションの防犯・防災機能なども副次的に評価されているものと思われます。現実に、多くのマンションは、「鉄筋コンクリート造」あるいは「鉄骨鉄筋コンクリート造」という極めて堅牢な構造の建物となっているため、基本的には災害には強い建物であるとみなされています。特に風水害に対しては、浸水等で設備関係に被害が及ぶことはあっても建物の構造が深刻な被害を受ける可能性は高くないと考えてよいでしょう。しかしながら、建物本体に大きな問題が及ばなくても設備機器の被害があるときは、その復旧までは不便な生活を強いられることになりますし、そもそも復旧には時間も費用もかかります。また、大地震のような災害が発生すると建物本体にも被害が及ぶことは十分に考えられます。さらに、マンションが災害で被害を受けることになると、その復旧を進めるためには区分所有者の合意形成が必要となりますし、その手続きの中には通常の手続きと異なるものもあります。特に大都市部で大きな災害が発生して多くのマンションが被災するようなことになると、復旧等を進めるためには合意形成が必要となるのですが、これに対応できる人材はあまり多くありません。一般に「防災」を考えるときは、災害発生時点の安全の確保や周辺との助け合いの仕組みと、水や食料の備蓄等についての話が中心となります。しかしながら、建物が被害を受けると、その復旧についても準備が必要なことが少なくありません。ことに、マンションにおいては前述のように復旧には区分所有者の合意形成も必要となるので、これらの点を踏まえた準備が必要と思われます。
昨年春くらいから、物価上昇、インフレーションの波が押し寄せています。最近では、「1月の消費者物価指数は41年ぶりの高い伸び率を記録」、「家庭用電気代を大幅値上げ」、「鉄道・バス運賃も今春から値上げ」、「ブライダル業界や自動車学校も値上げ」、「人手不足深刻化で物流料金値上げ」など値上げに関するニュースを耳にしない日はありません。バブル崩壊後の我が国は、長らくデフレ経済が続いていた結果、長期にわたって景気停滞、賃金減少、株価低迷に苦しんできました。さて、これから我が国の物価はどのような動きを示すのでしょうか。もちろん、物価上昇は良いことばかりではありません。物価が上昇しても賃金が上がらなければ、生活水準は低下し、経済成長力を高めることはできません。物価上昇をどのようにして経済成長に結びつけていくのか、そして経済力の回復によってさまざまな社会問題解決に向けて取り組んでいくかが大切になります。もしかしたら、物価上昇によってパラダイムシフトが起きて、構造的問題の解決に向けた道標ができるかもしれません。我が国は課題先進国といわれています。物価上昇を契機に失われた30年間から脱却することができれば、社会の健全な発展が見えてくるかもしれません。我が国にとっての課題とは、「人口減少・少子高齢化社会」、「デフレ経済の長期化による経済の停滞」、「DX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みの遅れ」など枚挙にいとまがありません。こうした状況に対して、物価上昇が問題解決のトリガーになるかもしれないのです。
2023年の5月26日から「(通称)盛土規制法」が施行されることをご存じでしょうか? 2021年7月に静岡県熱海市で発生した土石流が、違法に作られた盛土が原因であったことから、急速に法制化が進められたものです。「通称」としたのは、この法律が新法ではなく、宅地造成等規制法の改正に当たるためです。改正後は、使用目的によらず危険な盛土があることが分かれば、都道府県知事が危険な場所として指定できるとか、安全な盛土を作るための技術基準を作るなど、法律の調整がまさに進められている真っ最中です。こういう法律ができると、これまでうやむやにされていたリスクが突然顕在化します。特に、新法施行前後で盛土を作るための技術基準が変わるようなので、盛土地の安全性について優劣が生まれることになります。建物の耐震基準では既にこのようなことが起こっていますね。1981年と2000年に耐震基準が大きく変わりました。2000年よりも前か後で、建物の耐震性能には差が生まれているのです。また、危険な盛土であることの指定を受けると、土地の価格に大きな影響を及ぼすことになるでしょう。これまでは、この指定がなかなか進まなかったのですが、今回、法律の改正によって、法の適用が厳格化されるようになるかもしれませんので、今までは危険地指定がされなかった場所も、どんどん指定されていくかもしれません。
改正前不動産登記法では、相続が発生した場合でも、相続人に相続登記を申請する義務はありませんでした。
しかし、相続の発生後、長期間にわたって相続登記が行われないと、被相続人名義のまま不動産が放置され、その後何代にもわたって相続が発生することで、相続対象不動産の所有者を把握することが困難となってしまいます。そこで、所有者不明土地の発生を防止することを目的として、不動産登記法の改正により、相続登記が義務化されることになりました。これにより、相続または遺贈によって不動産の所有権を取得した相続人は、①自己のために相続開始があったことを知り、かつ、②当該不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に、相続登記(相続または遺贈を原因とする所有権移転登記)を申請しなければならないこととされました(改正不動産登記法76条の2第1項)。なお、遺贈については、あくまで相続人が遺贈を受けた場合に限り登記申請が義務化されており、相続人以外の第三者が遺贈を受けたとしても登記申請義務はありません。相続人が遺贈を受けた場合に限り、登記申請が義務化されたのは、相続登記の義務化の範囲をどこまで含めるかという議論がなされ、相続人が遺贈を受けた場合に限り、相続と同じく登記を義務化しようという議論に落ち着いたためです。正当な理由なく、この登記申請を怠った場合には10万円以下の過料が科せられることとされています(改正不動産登記法第164条)。
しかし、相続の発生後、長期間にわたって相続登記が行われないと、被相続人名義のまま不動産が放置され、その後何代にもわたって相続が発生することで、相続対象不動産の所有者を把握することが困難となってしまいます。そこで、所有者不明土地の発生を防止することを目的として、不動産登記法の改正により、相続登記が義務化されることになりました。これにより、相続または遺贈によって不動産の所有権を取得した相続人は、①自己のために相続開始があったことを知り、かつ、②当該不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に、相続登記(相続または遺贈を原因とする所有権移転登記)を申請しなければならないこととされました(改正不動産登記法76条の2第1項)。なお、遺贈については、あくまで相続人が遺贈を受けた場合に限り登記申請が義務化されており、相続人以外の第三者が遺贈を受けたとしても登記申請義務はありません。相続人が遺贈を受けた場合に限り、登記申請が義務化されたのは、相続登記の義務化の範囲をどこまで含めるかという議論がなされ、相続人が遺贈を受けた場合に限り、相続と同じく登記を義務化しようという議論に落ち着いたためです。正当な理由なく、この登記申請を怠った場合には10万円以下の過料が科せられることとされています(改正不動産登記法第164条)。
不動産取引のオンライン化は、平成25年の世界最先端IT国家創造宣言を皮切りに、社会実験等を経て、順次進められてきました。不動産取引のオンライン化のうち、テレビ会議等によるITを活用した重要事項説明については、コロナ禍以前より、「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」において、対面で行う重要事項説明と同様に取り扱うものと明確化し、すでに本格運用が開始されております。また、書面の電子化については、デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律(令和3年法律第37号、デジタル整備法)により宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号)が改正され、国土交通省でも昨年4月に「重要事項説明書等の電磁的方法による提供及びITを活用した重要事項説明実施マニュアル」を公表し、昨年5月18日に改正法が施行されました。これにより、需要事項説明書等について、一定の技術的基準に適合する等の条件を満たすことにより、顧客の要望に応じて非対面で不動産取引を完結できるようになっています。
我が国において、コロナ禍後の経済・社会にとっての最大の課題は「人手不足問題」への取り組みではないでしょうか。我が国における人手不足問題は、もはや構造的問題であると言っても過言ではありません。これまでは、女性、高齢者、外国人の労働参加によって、何かと人手不足に対処してきましたが、それも限界に近づきつつあります。女性や高齢者の労働参加率は、近年、順調に上昇傾向をたどってきましたが、もう一段引き上げるのは難しくなりつつあります。というのは、我が国で仕事を探す場合、正社員として長時間働くか、パート・アルバイトとして低賃金で働くかといった二択の状況となっており、依然として時短勤務やテレワークといった多様な働き方が浸透していないからです。女性や高齢者にとっては、「隙間時間」で働ける環境が進めば、今まで以上に労働参加率が向上する可能性が高いと思われます。一方、外国人については、韓国や中国における少子高齢化社会の進展、円安進展による我が国の経済水準の低下によって、アジア各国の労働者がこれまでのように我が国の労働市場に参加してくれるかどうかわからなくなってきています。外国人労働者の受け入れは、単に日本人による労働力不足を補完するといった役割だけではなく、さまざまな国・地域・人種・文化の出身者を受け入れることで多文化共生社会が浸透するといったメリットにつながります。グローバル化が叫ばれている今日、いつまでも「井の中の蛙」では、国際社会から取り残されてしまいます。外国人労働者を前向きに受け入れるとともに、外国人から選ばれる国になることが大切だと思います。
インボイス制度が開始されると、「インボイス登録事業者が発行する請求書や領収書(インボイス)がないと仕入税額控除ができない」というルールになります。そして、インボイス登録事業者になるためには、課税事業者になる必要があります。消費税の納税額(原則課税)は、「預かった消費税」から「支払った消費税」を差し引いた差額になります。もし不動産オーナーがインボイス登録せず免税事業者のままでいると、消費税を支払う借主側(店舗のテナント入居者など)が困ってしまうのです。例えば、テナントの家賃が月50万円の場合、消費税込みで55万円を不動産オーナーが請求すると、現在は、テナント入居者は5万円分の消費税の仕入税控除を受けられました。しかし、インボイス制度が始まると、不動産オーナーがインボイス制度事業者でなければ(免税事業者)、5万円の仕入税額控除ができず、テナント入居者が消費税分5万円を実質的に負担することになります。消費税の対象となる課税取引は、店舗や駐車場などの賃料です。原則、2年前の課税売上高が1,000万円を超えた場合には消費税の課税事業者、つまり消費税を納める人になります。したがって、住宅用の家賃収入がいくらあっても免税事業者です。住宅用の家賃収入しかない不動産オーナーにはインボイス制度の影響はありません。しかし、免税事業者であっても、多少の課税取引がある不動産オーナーが影響を受けるのです。
サービス付き高齢者向け住宅とは、2011年の「高齢者の居住の安定確保に関する法律」(高齢者住まい法)の改正により創設されまし。高齢者が安心して暮らすことのできる賃貸住宅のことです。居室の広さや設備、バリアフリーといったハード面の条件に加え、安否確認や生活相談サービスの提供などの要件をクリアし、都道府県知事等によって登録され、その情報は公開されています。高齢者が賃貸住宅を探す際、健康に問題がなかったとしても、孤独死等を懸念したオーナーから入居を断られるケースが少なくなかった。そのような背景から、自立した高齢者の住み替え需要の受け皿として、万が一要介護状態になったとしても安心して住み続けられる新たなカテゴリーの賃貸住宅としてサ高住は誕生しました。実際に運用がスタートすると、要介護認定を受けたことで自宅からの住み替えを考え始める高齢者も多く、それに伴って自ら介護サービスを提供する連携事業者も多いです。厚生労働省による全国のサ高住入居者の要介護度についての調査でも、自立から重度の要介護の入居者まで幅広い層が入居しています。「10年が経過してサ高住の役割がより社会やユーザーニーズに合わせて変化。幅広い入居者を受け入れるようになりました。
経済動向や不動産市場を見るうえで、人口動態、世帯数の動向は最も重要な指標となります。人口や世帯数が増えて、経済が成長している国や地方の経済・不動産市場は好調であり、人口や世帯数が減って、経済成長率が低迷している国や地域の経済・不動産市場は停滞するのが常識となっています。我が国の人口は、2008年の1億2,806万人をピークに減少傾向に入り、2030年には1億2,000万人、2050年には1億人程度にまで減少するといった見方があります。今後、出生率の改善、平均寿命の変化、外国人居住者の増減により予測値が変わってくる可能性がありますが、我が国の人口減少が続くことは間違いないといえそうです。さて、我が国の人口は2008年でピークをつけましたが、国立社会保障・人口問題研究所等によれば、世帯数のピークは2025年の5,412万世帯と予測されています。これは、一人暮らしである単独世帯数の増加によって人口のピークと世帯数のピークにタイムラグが生じるからです。家族形態別世帯数の動きをみると、1960年代くらいまでは大家族が主体となっていました。すなわち、祖父母、両親、子供といった三世代家族が一般的であり、その後、高度経済成長によって三大都市圏に人口が集中するようになると、夫婦と子供で構成される核家族世帯が主流になっていきました。しかし、夫婦と子供による核家族世帯は2015年にはピークをつけてその後は漸減傾向をたどることになります。 我が国の世帯数のピークは2025年と予測されていますが、夫婦のみの世帯のピークは同じ2025年、単独世帯数及びひとり親と子の世帯のピークは2030年と予測されています(図表1参照)。これまで、家族の形態と言えば夫婦や子供で世帯を構成するというのが一般的であったのが、これからは様々な形態で世帯が構成されるといった形になっていくと思われます。ちなみに、その他世帯の場合、これまで三世代家族が主体でしたが、これからは血縁関係のない人々が家族として世帯を構成するといった形も増えていくのではないでしょうか。これは、単身者やシングルマザー、シニアなど多世代の人々が一緒に生活するという暮らし方であり、既にスウェーデンやデンマークといった北米で取り入れられています。お互いに助け合って、世代ごとの悩みを共有できることから新たな生活スタイルとして我が国でも注目されつつあるようです。
1 公開鍵暗号方式で電子文書を暗号化するために用いられるパスワードを「秘密鍵」といい、署名者の秘密鍵を使って暗号化されたものが「署名文」となります。
2 電子署名で「秘密鍵」と「公開鍵」は以下のように使用されます。
1)送信者は自分の名前を秘密鍵で暗号化し、送信者へ送付する。
2)受信者は公開されている送信者の公開鍵を使って暗号化する(要するに読み取れるようにする)。
3)複合化により、送信者の名前・送信文(契約書等の文書内容)が表示される。
4)「秘密鍵」と「公開鍵」をセットすることで、例えば、売主本人が送信した、改ざんされていない契約書であることが確認できる。
3 本人の署名(記名)押印に代わる、電子署名法上の「電子署名」と認められるためには、同法2条1項の要件である①本人性(利用者本人が署名をしていること)と②完全性(署名をした後、電子文書が改ざんされていないこと)の要件を満たす必要があります。
4 電子署名サービスでは、この①本人性、②完全性を保証するために、技術的に非常に複雑な仕組みが用いられていますが、実際の電子契約サービスにおいては、利用者はガイダンスに従って、本人確認、契約書のPDFをアップロード、アップロードされた契約書の確認・承諾を行えば、複雑な仕組みを意識しなくても自動的に電子署名が行われるようになっています。
5 また、署名者本人によって作成された電子署名であり、署名時から改変されていないことを証明する署名文(作成者・作成日時等が文字で確認できる)も電子契約サービスの画面上で確認することができます。
6 電子契約サービスによっては、自分で作成した画面上の印鑑を押印する(画面上に表示する)ことができるものもあります。これは法律的な意味での「押印」ではありませんが、「印鑑が押されていないと不安だ」という利用者のために、安心して電子契約サービスを利用できるように実装された機能です。
2 電子署名で「秘密鍵」と「公開鍵」は以下のように使用されます。
1)送信者は自分の名前を秘密鍵で暗号化し、送信者へ送付する。
2)受信者は公開されている送信者の公開鍵を使って暗号化する(要するに読み取れるようにする)。
3)複合化により、送信者の名前・送信文(契約書等の文書内容)が表示される。
4)「秘密鍵」と「公開鍵」をセットすることで、例えば、売主本人が送信した、改ざんされていない契約書であることが確認できる。
3 本人の署名(記名)押印に代わる、電子署名法上の「電子署名」と認められるためには、同法2条1項の要件である①本人性(利用者本人が署名をしていること)と②完全性(署名をした後、電子文書が改ざんされていないこと)の要件を満たす必要があります。
4 電子署名サービスでは、この①本人性、②完全性を保証するために、技術的に非常に複雑な仕組みが用いられていますが、実際の電子契約サービスにおいては、利用者はガイダンスに従って、本人確認、契約書のPDFをアップロード、アップロードされた契約書の確認・承諾を行えば、複雑な仕組みを意識しなくても自動的に電子署名が行われるようになっています。
5 また、署名者本人によって作成された電子署名であり、署名時から改変されていないことを証明する署名文(作成者・作成日時等が文字で確認できる)も電子契約サービスの画面上で確認することができます。
6 電子契約サービスによっては、自分で作成した画面上の印鑑を押印する(画面上に表示する)ことができるものもあります。これは法律的な意味での「押印」ではありませんが、「印鑑が押されていないと不安だ」という利用者のために、安心して電子契約サービスを利用できるように実装された機能です。
未成年者は、法定代理人(親権者や未成年後見人)の同意がなければ賃貸借契約を締結することはできず、同意のない契約は取り消されてしまう(民法第5条)。そこで、実務上は、親権者の同意書を取得する、親権者を連帯保証人とする、親権者を賃借人とするといった対応がとられている。
2022年4月1日以降は、成人年齢が18歳に引き下げられることから、賃貸借契約について親権者の同意書が必要となるケースは大幅に減ることになる。ただし、2022年の4月入居の契約は3月中に締結されることが多く、その時点では18歳、19歳は未成年であることに注意を要する。また、高校3年生には17歳と18歳が混在し、2023年以降の高校の卒業シーズンにもまだ17歳の未成年者がいることに気をつけなければならない。さらに、家賃保証会社は、改正民法施行後も、賃借人が20歳前後の学生であれば親権者等を転貸保証人とすることを審査要件とするケースが多いと思われるので、利用する保証会社に確認しておきたい。数は少ないと思われるが、成人年齢引き下げ後は、18歳以上であれば不動産の売買契約を単独で締結することも可能となる。もっとも、住宅ローンを組む場合には、特段の事情がないかぎり18歳・19歳で金融機関の審査を通過することが難しいと思います。
2022年4月1日以降は、成人年齢が18歳に引き下げられることから、賃貸借契約について親権者の同意書が必要となるケースは大幅に減ることになる。ただし、2022年の4月入居の契約は3月中に締結されることが多く、その時点では18歳、19歳は未成年であることに注意を要する。また、高校3年生には17歳と18歳が混在し、2023年以降の高校の卒業シーズンにもまだ17歳の未成年者がいることに気をつけなければならない。さらに、家賃保証会社は、改正民法施行後も、賃借人が20歳前後の学生であれば親権者等を転貸保証人とすることを審査要件とするケースが多いと思われるので、利用する保証会社に確認しておきたい。数は少ないと思われるが、成人年齢引き下げ後は、18歳以上であれば不動産の売買契約を単独で締結することも可能となる。もっとも、住宅ローンを組む場合には、特段の事情がないかぎり18歳・19歳で金融機関の審査を通過することが難しいと思います。
認知症などによって意思能力を喪失すると、財産の管理や処分をすることができなくなります。なぜなら、民法で下記のように定められているからです。
民法第3条の2 法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする。
したがって、不動産オーナーの意思能力が失われてしまうと、不動産について売買契約、賃貸借契約、媒介契約などを締結することもできなくなります。また、収益物件であれば賃料回収、原状回復工事、修繕・改修工事、リフォーム工事、売却、建替えなど賃貸経営全般が停滞する恐れがあります。
家族信託などの認知症対策を事前に講じていなかった場合、事後的にとれる手段は成年後見制度(法定後見)しかありません。成年後見制度は、家庭裁判所による監督の下、「成年後見人」によって本人の財産管理等を支援していく制度です。成年後見制度を利用する場合には、まずは管轄の家庭裁判所に対して申立を行う必要があります。認知症高齢者が増加していく中で、成年後見制度について説明する機会も多くなっていくことが予想されます。
民法第3条の2 法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする。
したがって、不動産オーナーの意思能力が失われてしまうと、不動産について売買契約、賃貸借契約、媒介契約などを締結することもできなくなります。また、収益物件であれば賃料回収、原状回復工事、修繕・改修工事、リフォーム工事、売却、建替えなど賃貸経営全般が停滞する恐れがあります。
家族信託などの認知症対策を事前に講じていなかった場合、事後的にとれる手段は成年後見制度(法定後見)しかありません。成年後見制度は、家庭裁判所による監督の下、「成年後見人」によって本人の財産管理等を支援していく制度です。成年後見制度を利用する場合には、まずは管轄の家庭裁判所に対して申立を行う必要があります。認知症高齢者が増加していく中で、成年後見制度について説明する機会も多くなっていくことが予想されます。