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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

福島原発事故による放射性物質で甲状腺がんになった17~27歳の男女6人が東京電力を提訴。原告のうち2人は甲状腺の片側を切除、4人は再発によって全摘!原発と核兵器ゼロしか人類の生き残る道はない。

2022年01月29日 | 福島原発事故

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「直ちに人体や健康に影響を及ぼす数値ではない」

 福島第一原発事故があった2011年3月、原発から20~30キロの放射線量や牛乳、ホウレンソウから基準を超える放射性ヨウ素の検出について、枝野幸男官房長官(当時)は記者会見でこの言葉を繰り返しました。

 当時は市民のパニックを抑えるためにやむを得ないという判断もあったのでしょう。

 しかし、原爆の真の恐ろしさの一つ、被爆後何十年も経過してから現れる後遺症である原爆症を知る人にとっては、これほど許せない発言もありませんでした。

 

 福島原発事故から5年後に書いた

福島の子どもたち167人に甲状腺がん又はその疑い。通常の数十倍。放射線の影響なしでは済まされない。

で触れたように、甲状腺がんは100万人に1人ないし2人しか罹患しないがんとされてきたので、それからすると数十倍の確率で、福島の子たちはがんになっていることになります。

 そして、福島県の調査によると事故後約260人!が甲状腺がんかその疑いがあると診断されているのです。

 しかし、福島県の専門委員会は当時の民主党政権と同じ認識で、これは「過剰」に検査した結果通常であれば見つからないがんも発見された結果(スクリーニング効果)だと強弁し、原発事故による被曝とがんの因果関係を現時点で認めていないのです。

 

 

 そして、原発事故による甲状腺がんだけでも、これだけひどいことになっていることを恥ずかしながら私も初めて知りました。

 東京電力福島第一原発事故に伴う放射性物質の影響で甲状腺がんになったとして、2011年の事故当時、福島県に住んでいた17~27歳の男女6人が2022年1月27日、東電に計6億1600万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしました。

 原告側は提訴後の会見で

「原発とがんとの関係について裁判で判断してほしい」

と訴えています。

 

 訴えによると、原告のうち2人は甲状腺の片側を切除、4人は再発によって全摘したということです。

 その中でも、記者会見された原告の20代女性は2016年に甲状腺がんが見つかり、手術をしたのだそうです。

 そして希望の仕事に就いたが、体調を考えて退職したということです。

 この方がおっしゃるには

「差別を受けるのではないかと恐怖を感じ、甲状腺がんであることを誰にも言えずに過ごしてきた。声を上げてこの状況を変えていきたい」

ということです。

 

 あの広島・長崎の被爆者の中にも差別を恐れて、被爆者手帳の申請さえされない方も多数おられました。その中には人知れず原爆症で亡くなっていかれた方もたくさんおられたに違いありません。

福島県の調査を受ける少女。

 

チェルノブイリ原発事故は1986年に発生し、100万人に1人のはずの子どもの甲状腺がんが事故の翌年からもう発生していることがわかる。しかも、その数年後に爆発的に甲状腺がんが増加するのだ。

 

 

 また、原告男性の母親は、男性が就職活動中に甲状腺がんを患っていることを伝えると数社に就職を断られたことなどを告白されています。

 原発推進派の中でも特に非人間的な人は、甲状腺がんは死亡率が低いから気にすることがない、というようなことを平気で言う人がいます。

 しかし、2020年5月にステージ1Bだったのに食道の全摘手術をせざるを得なかった私に言わせれば、がんの恐ろしさは死ぬことだけではなくて、この後遺症が一生続くことでもあります。

 特に甲状腺は人体の調整機能に重要な役割を果たす甲状腺ホルモンを出す臓器ですから、これに変調をきたすとかメスを入れるということがどれだけクオリティオブライフ(生活の質)を激変させてしまうかは想像に難くありません。

ノーモア・ヒバクシャ訴訟で画期的な判決、新認定基準から外れていても原爆症を認める。国は控訴するな!

 

 

 今回の訴訟の原告となられた方々は皆甲状腺がんで深刻な状況に置かれた方々ですが、その主な原因は半減期8日の放射性ヨードが原因となります。

 放射性ヨードはそれだけ短期間に大量の放射線を出すのが恐ろしいわけです。

 ところが、

福島原発事故でセシウム137が広島型原爆の168倍放出 うち22%が陸地に落ちた=原爆37発分

原爆症認定訴訟で原告17人が全員勝訴!→福島原発事故では広島の原爆の100倍セシウムが出ている。

で書いたように、福島原発事故で深刻なのは半減期が30年のセシウムやストロンチウムが大量に排出されていることです。

 

 

 半減期とは放射性物質が崩壊して出される放射線量が半分になる期間で、30年でゼロになるわけじゃないですからね。

 このような半減期の長い放射性物質が体内に取り込まれ、臓器に付着してなかなか排出されないと、ゼロ距離からの内部被ばくを引き起こします。

 放射性物質が人体に与える影響は人体からの距離の2乗に反比例する、つまり、臓器に近ければ近いほど幾何級数的に増大するので、内部被ばくは本当に恐ろしいんです。

 いまだに、自民党政権は原発の維持・拡大を狙っています。しかし、

福島原発事故はまだ終わっていない。放射能汚染水の大量海洋投棄決定まであと半年。これから起こる被害は風評被害ではない。

でも書きましたが、放射能汚染水を処理水と言い換えたところで、何十年も放射性物質入りの大量の水を日本の近海に出し続けることがどれだけ危険なのか、まだだれにもわかっていないことを銘記すべきです。

一生涯を被爆者援護と核兵器廃絶、放射線との戦い、特に内部被ばくの恐怖の告発に捧げられた広島の被ばく医師肥田舜太郎先生。

 

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「内部被曝の恐怖」

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原発ゼロ社会を目指して

 

福島県小児科医会が甲状腺がん検査の規模縮小含め見直し要望。「がんが見つかって県民に不安」の本末転倒。

NNNドキュメント「THE 放射能 科学は放射線の影響にどこまで迫れるのか?」 動画付き

ノーモアヒバクシャ近畿訴訟。大阪地裁の原爆症訴訟でまたも国が敗訴。原爆症認定却下の決定が取り消される!

国連報告書「日本は年間1ミリシーベルト以上被ばくの地域の避難に伴う住居や教育、医療などを支援すべき」

福島第一原発から流出し続けているセシウム汚染水17兆ベクレル 拡散し続けている放射性物質

 

 参考文献

私は近畿原爆症認定訴訟の最初の弁護団事務局長でした。

「全員を原爆症と認定すべき」という原爆症認定近畿訴訟判決までの道のりをたどり、同判決の画期的な意義を明らかにするとともに、全国の集団訴訟の全面勝訴への展望を示す。

 

被爆者の思いを胸に―原爆症認定集団訴訟をともに闘った医師たちの勝利の軌跡
全日本民主医療機関連合会  (著, 編集), 民医連= (編集)
かもがわ出版

「内部被ばくは影響しない」「爆心地から遠いから大丈夫」という政府の認定基準により原爆症と認められなかった被爆者が起こした訴訟。本書は勝利を導いた医師たちの闘いの意義を明らかにする。福島につながる貴重な記録である。

 

 

 

 

今、ヒトラーに模されて話題の橋下徹氏は

「平熱パニックおじさん」橋下徹氏はPCR検査抑制論でモーニングショーにケンカを吹っ掛け、「非常時イソジン兄ちゃん」吉村大阪府知事はネットで化けの皮が剥がれる。

等で書いたように、2020年のコロナ第1波の時に37・3度の熱が出ただけでパニックになってツイートを連発したので、「平熱パニックおじさん」という不名誉な異名を取ったのですが、その後甲状腺の機能障害だと判明して、今でも通院治療されているそうです。

ところが、橋下氏は維新の吉村府知事と共に大阪湾に放射能汚染水を引き受けて流せばいいと、核テロリストのようなことを言っています。

だから浪速のヒトラーだと言われるんですよ。

今回の裁判の原告が10代から20代の若者ばかりだという事実に、痛ましいと感じる感性は維新にはないのでしょうか。

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甲状腺がん患者6人が東京電力提訴 原発事故との因果関係問う

 
「苦しんでいる人たちの現状を知ってほしい」と訴える原告の女性=27日、都内

 原告の20代女性は同日、都内で記者会見し「(がん患者であることで)差別を受けるのではないかと恐れ、誰にも言えず10年間を過ごしてきた。この状況を変えたい」と提訴の理由を語った。

 弁護団によると、原発事故と甲状腺がんの因果関係を問う初めての集団訴訟。県の「県民健康調査」の検討委員会は、これまで「現時点で甲状腺がんと放射線被ばくの間に関連は認められない」との報告書をまとめている。

 原告は県民健康調査でがんと診断されるなどした6人で、4人が中通り、2人が会津地域と相双地域に居住していた。2人が手術で甲状腺の片側を切除し、4人は再発により全摘した。6人は現在17~27歳で福島、東京、神奈川の各都県で暮らしている。

 記者会見で20代女性は2016年、大学2年生の時にがんと診断されたと説明。医師から原発事故と関係がないと告げられ、涙を流す母親を見つめることしかできなかったという。手術後も体調が優れず、夢だった仕事も諦めたとし「同じようにがんと診断され、苦しんでいる人の現状を知ってもらい、がん患者の恒久対策やサポートにつなげてほしい」と訴えた。

 また事故当時、高校1年だった別の原告の母親(63)=会津若松市=は「息子ががんと診断され、何がいけなかったのか、親として責任を感じ続けている。事故との因果関係をはっきりしてほしい」と求めた。

 東電は「訴状が送達された場合、請求内容や主張を確認した上で誠実に対応していきたい」としている。

 

 

「原発事故との因果関係明らかにしたい」 甲状腺がん患者が東電提訴

東電への損害賠償を求める訴訟を起こし、記者会見する原告の女性(右端)=東京都千代田区で2022年1月27日午後2時44分、小川昌宏撮影

 2011年3月の東京電力福島第1原発事故後に甲状腺がんになった17~27歳の当時福島県内に住んでいた男女6人が27日、発症は原発事故による被ばくが原因として、東電に計6億1600万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。「声を上げられない他の患者のためにも、因果関係を明らかにしたい」。原告の女性(26)が取材に応じ、提訴に込めた思いを語った。

 「原発が爆発した!」。東日本大震災が起きた翌日の11年3月12日午後。福島県の中通り地方に住み、当時中学3年生だった女性は、祖母から伝えられた。どれだけ危険なのかぴんとこなかったが、母親は「危ないから家の中にいて」と慌てた様子で告げた。それから、近くの畑の野菜や井戸水は口にしなくなった。

 4月に進学した近くの高校は、原発から50キロ以上離れていたが、「周囲の放射線量は高い。気をつけて生活をして」と呼び掛けていた。マスクを着けての学校生活だったが、2カ月ほどたつと、「もう大丈夫じゃない?」と言う同級生もいた。マスクを着ける人は減り、女性も周囲に従った。

 卒業後は東京都内の大学に進学。2年生になる頃、つばをのみ込む時、喉に違和感を覚えた。旧ソ連のチェルノブイリ原発事故では周辺で子どもの甲状腺がんが増加したことから、福島県は、事故時に18歳以下だった約38万人を対象に甲状腺検査を実施していた。受診すると、気管の近くに腫瘍が見つかった。甲状腺がんだった。医師は「成長すると全身に転移する」と手術を勧めた。ショックとともに、「やっぱり」という気持ちもあった。

<picture>東京電力への損害賠償訴訟を起こし、東京地裁に入る弁護団や支援者ら=東京都千代田区で2022年1月27日午後1時1分、小川昌宏撮影</picture>拡大

東京電力への損害賠償訴訟を起こし、東京地裁に入る弁護団や支援者ら=東京都千代田区で2022年1月27日午後1時1分、小川昌宏撮影

 翌年、甲状腺の片側を手術で取ると、毎月のように風邪を引くようになった。甲状腺から出るホルモンの量が減ることで免疫が低下した可能性があった。大学卒業後に広告代理店に就職したが、ぜんそくなどを患い休職。体の負担が少ない事務の仕事に転職した。21年からホルモン剤の服用を始めて風邪の症状は出づらくなったが、「残った甲状腺にがんが再発するのでは」という不安は消えない。

 女性は、甲状腺がんの原因は被ばくだとずっと考えてきた。県の検査では、女性を含め266人が、甲状腺がんやその疑い例と診断された。だが、県の専門家委員会は事故との因果関係は「現時点では認められない」との立場だ。「治療の必要がないがんまで見つけてしまう『過剰診断』が起きている」と、調査縮小を求める声もある。

 女性は、事故の原因追及や被害救済に取り組む弁護団に相談し、原告になることを決めた。原発事故と福島県民の甲状腺がんの因果関係を正面から問う集団訴訟は初めてだ。東電は「誠実に対応する」とするが、裁判では全面的に争う展開が予想される。

 提訴後に記者会見した女性は裁判にかける思いを語った。「差別を受けるのではないかと恐怖を感じ、甲状腺がんであることを誰にも言えずに過ごしてきた。声を上げてこの状況を変えていきたい」【遠山和宏】

 

 

 
2011年の福島第一原発事故の影響で甲状腺がんが発症したとして、日本の若者ら6人が27日、同原発を操業していた東京電力を相手に訴訟を起こした。

原告は事故当時6~16歳。放射線に被ばくしたことでがんになったと主張している。

弁護士によると、全員が手術を受け、甲状腺の全部または一部を摘出したという。

訴訟では、東電に計6億1600万円の損害賠償を求めている。

だが、放射線ががんを引き起こしたと証明するのは、困難を伴う可能性がある。

東電の広報は、訴えの詳細を把握し次第、対応するとした。

<関連記事>

福島第一原発の事故は、2011年3月11日に起きた。東日本大震災で発生した津波の影響で、原子炉のメルトダウン(炉心溶融)が生じた。

原発事故としては、1986年にウクライナ(当時はソビエト連邦の一部)のチェルノブイリ原発で起きた事故以降で最悪のものとなった。ただ、チェルノブイリと比べて放射性ヨウ素の放出量が大幅に少なかったことから、地元住民の健康被害は比較的小さかったと考えられている。

しかし、放射線の長期的な影響をめぐっては、議論が続いている。

国連の専門家委員会は昨年、事故によって直接的な健康問題は引き起こされなかったと結論づけた。世界保健機関(WHO)は2013年の報告書で、事故ががんの罹患(りかん)率を明らかにに上昇させることはないとした。

一方、日本政府は2018年に、原発の復旧などに当たっていた労働者1人が被ばくによって死亡したと発表。遺族への賠償に同意した。

今回の訴訟の原告らは、がんの原因は恐らく被ばくだったとしている。現在17~27歳となっている原告らには、甲状腺がんになった親族はいなかったという。

井戸謙一弁護士は、原告の中には進学や就職で困難に直面したり、将来の夢をあきらめたりした人もいると、AFP通信に話した。

この訴訟は国内で大きな注目を集めている。福島の被災地から避難した多くの人は、当局の見解とは異なり、現地について慎重な見方をしている。事故から10年以上経過しても、自宅に戻っていない人が多い。

(英語記事 Fukushima youth sue after developing cancer

 

 

 

甲状腺がん 福島の子「数十倍」発見…放射線の影響否定的

毎日新聞2016年2月15日 21時22分(最終更新 2月15日 23時37分)

県民健康調査

 東京電力福島第1原発事故後、福島県が当時18歳以下の子供らを対象に実施している県民健康調査で、県の検討委員会は15日、甲状腺がんと確定した子どもが100人を超え、全国の甲状腺がんの罹患(りかん)率(がんと診断される人の割合)に基づいた推計を大幅に上回ることから、「数十倍多い甲状腺がんが発見されている」との中間まとめの最終案を大筋で了承した。放射線の影響については「考えにくい」と評価しながらも、「現段階で完全に否定できない」としている。

<女性に多い甲状腺がん、どう対処すればいい?>

 検討委は疫学やがんの専門医ら有識者で構成。最終案は、2011年10月から昨年4月末まで対象者約37万人のうち約30万人が受診した1巡目の検査結果に基づく。全国の患者の推計によると、検査で見つかる甲状腺がんは福島県の18歳以下で2人程度とされるが、1巡目では100人ががんと確定し、15人が「がんの疑い」とされた。

 最終案では「将来的に診断されたり、死に結びつかなかったりするがんを多数診断している可能性がある」と明記。放射線の影響を考えにくいと評価した理由について、チェルノブイリ事故に比べ被ばく線量が少ない

▽当時5歳以下からの発見がない

▽県内の地域別発見率に大きな差がない

−−などを挙げた。

 ただし、放射線の影響の可能性は小さいとはいえ完全には否定できず、将来悪化しないがんを見つけて不安を患者に与えるリスクも受診者に説明した上で検査を継続して実施すべきだとした。中間まとめは3月中に正式に決める方針。14年4月から始まった2巡目の検査では、昨年末現在で1巡目で「がん」や「がんの疑い」と診断されなかった16人ががんと確定。35人ががんの疑いがあるという。

一斉検診で多く

 検討委の星北斗座長は会議後の記者会見で、数十倍の甲状腺がんの子どもが発見されたことについて、「一斉検診したことで数として多く見つかった」と述べた。【岡田英】

 

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