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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

【維新の無能】大阪カジノへの路線整備費用がまた1000億円増えて予定の2・5倍の3000億円。土壌汚染や液状化対策費用790億円。カジノ事業者は6・5億円の違約金で撤退可能。大阪カジノはまさにドロ沼だ

2022年03月08日 | 野党でもゆ党でもなく第2自民党の悪党維新

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 橋下徹氏が2008年に初めて大阪府知事に当選した時から、その後の大阪維新の会設立後も変わらぬ最大の経済政策が大阪カジノ。

 その2025年予定の大阪・関西万博の会場となる大阪市此花区の人工埋め立て島・夢洲(ゆめしま)の跡地にカジノを中核とするIRを作るというのですが、この夢洲には液状化や土壌汚染などの問題が相次いで明らかになっています。

 吉村府知事と松井市長は2021年12月にカジノを含む統合型リゾート(IR)の整備計画案の骨子を発表した際、大阪市所有地の液状化防止の地盤改良や土壌汚染対策、地中障害物撤去などに約790億円かかると発表しました。

 そのため、この1年余りで工事費の増加分は少なくとも2300億円を超え、雨がっぱ松井市長とイソジン吉村大阪府知事の大阪維新の計画性のなさがまたも露呈しました。

大阪カジノ(IR)予定地の夢洲にさらに地盤沈下リスク。軟弱地盤は想定以上に悪状況。土壌汚染や液状化層も存在。以上が2021年1月に維新の松井大阪市長に報告されていた。

 

 

 しかも、このカジノを運営する米MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスが中心の企業連合「大阪IR株式会社」と大阪市が締結した基本協定に、観光需要がコロナ禍前の水準まで回復していると見込めない場合、事業者は協定を解除できるとの規定が盛り込まれていることがわかりました。

 しかも、協定では観光需要の回復について定量的な目標や目安は決めていません。

 コロナウイルスの終息が見込めないとか、事業実施が困難だという判断は当然ながら事業者である大阪IR株式会社側がするんです。 

 さらに驚くのは、以上のような事情が存在せず、事業者が自己都合で撤退しても違約金はたった6億5000万円でいいと明記されていることです。

 それじゃあ、大阪府市は血税を数千億円もつぎ込んでいるのに、カジノにいつ逃げられるか全くわからないではないですか。

【#維新は日本一の悪党】大阪カジノの協定に、コロナが終息しない場合やカジノに悪影響を与える地盤沈下などが生じた場合は、カジノ側が一方的に解除できる条項!大阪府市が投下した血税はその時パーになる。

 

 

 さらに、カジノへのアクセス道路として万博で先行利用する予定の阪神高速淀川左岸線の工事費も上ぶれしていて、2021年12月には、土壌汚染対策などに最大756億円が必要となり、事業費は当初想定の1162億円の1・6倍以上となる見通しだと言い出しました。

 ところが、この3月になってさらに2回目の上振れが発生!

 大阪市はこのアクセス道路建設予定地で土壌の問題が発生し、地盤沈下や液状化対策で工法の変更などが必要だということで、これから1000億円の事業費用が必要で、、総工費は当初の想定から2・5倍以上の約2900億円に膨らむ見込みだと言い出したのです。

 前回の上振れからまだ3か月しか経っていないのに、これはおかしくないですか?

橋下維新の会の唯一の経済政策はカジノ。その大阪万博・IR予定地の整備費用予算が1年余りで2300億円も上ぶれ。新国立競技場の二の舞!松井市長は税金投入を「市民の負担ではなく投資だ」とギャンブラー発言

 

  

 だいたい、大阪維新の獲らぬカジノの皮算用では、毎年2050万人がIRに訪れ、そのうち650万人が海外からのインバウンドだというのですが、大阪へのインバウンドが最大だったコロナ前の2019年でもインバウンドは1200万人。

 また、大阪最大の観光の目玉であるUSJの来客数って2019年の最高時点でも年間1500万人には届いていないんです。

 東京ディズニーランドとディズニーシーをあわせても年間の来場者数はコロナ前で3000万人ですよ。

 なんで子どもが入れなくて入場料が6000円もするカジノに、コロナ禍のあと、年間2000万人も来るなんて言う計算が立つんですか。

 もう、沼ですよ、沼!

 大阪コロナで大阪に暮らす人の税金はどぶに捨てるようにこれからも使われ、二度と大阪経済が立ち上がれなくなるのは必至です。

こんな不便な埋め立て地まで誰が遊びに行くねん。

 

住民投票運動

『カジノの是非は府民が決める 住民投票を求める運動』

これでもやるの?大阪カジノ万博 賭博はいらない! 夢洲はあぶない!

国民の60%以上が反対する中、強行可決されたカジノ合法化法は、犯罪とされていた賭博場を問答無用の強引な解釈で日本政府が公認、後世に多大な悔いを残す悪法だ。大阪府・市は大阪湾の夢洲にカジノに万博をセットして誘致したいと極めて熱心だが、そこは南海トラフ巨大地震発生時に津波に襲われるとても危険な場所だ。カジノ合法化法をギャンブル依存の問題と合わせて徹底批判し危険な街づくりを検証。大阪だけでなく全国でカジノ問題について考える人々に薦める。
 
新川 眞一 (著), 桜田 照雄 (著), 吉田 哲也 (著), 田結庄 良昭 (著), 川内 康雄 (著)

 

 

大阪万博・カジノへのアクセス整備費用がさらに1000億円増えることが分かった際の松井一郎大阪市長の言葉。

「当時、地盤の調査とかそういうところの考え方が…甘かった部分は否めないと思います」

この人、カジノが思うとおりの収益を上げず、税収が増えなかった時にも、甘かった部分は否めないと思います、で終わりでしょう。

というか、松井市長は2023年の任期切れで政治家引退を表明していて、2025年の万博やそのあとのカジノができるころには一般人やもんね。

ほんとに今だけ、金だけ、自分だけという人たちは気楽でええのう。

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万博アクセス道整備1000億円増 総工費2.5倍に 大阪市試算

大阪・関西万博予定地の夢洲(手前)=大阪市此花区で2020年12月2日、本社ヘリから加古信志撮影

 2025年大阪・関西万博の会場となる大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)への交通アクセス改善に向けて整備が進む阪神高速「淀川左岸線」の2期工事について、大阪市は総工費が約1000億円増えるとの試算をまとめた。予定地で土壌の問題が発生し、地盤沈下や液状化対策で工法の変更などが必要になった。費用の上振れは2回目で、総工費は当初の想定から2・5倍の約2900億円に膨らむ見込み。

 淀川左岸線は大阪市中心部と夢洲をつなぎ、27年3月の開通を目指している。2期工事は約4・4キロで大部分は地中のトンネル構造となる。万博期間中は市中心部と会場を結ぶシャトルバスの専用道として先行的に利用する計画になっている。

 市などによると、21年9月、地盤沈下や液状化対策のため地中にくいを打つ工事で、周辺の民家の地盤に異常が発生。軟弱地盤が原因とみられている。セメントを用いた工法への変更などを検討したところ、追加で約1000億円がかかると試算された。市の担当者は万博への影響について、「工法を変更して工事が遅れても、万博のシャトルバスの運行はできると考えている」と話している。

 淀川左岸線2期工事について、市は当初、総工費を約1162億円と見込んでいたが、土壌汚染が広範囲に確認された影響などで20年11月に約756億円増え、1900億円超になっていた。費用は国が55%、市が45%負担する。【野田樹】

 

 

大阪市、関西万博の道路整備費が1000億円増の試算、総事業費は当初見込みの2倍以上可能性も

[2022年3月1日20時59分] 日刊スポーツ

大阪市は、2025年大阪・関西万博に向けて整備を進める高速道路「淀川左岸線2期」の事業で地盤の異常が判明し、工法の見直しによって整備費が1000億円程度膨らむとの試算をまとめた。総事業費は計約2900億円に膨らむ計算だが、追加の整備費はあくまでも概算であるため、さらに増額となる可能性もある。複数の関係者が1日明らかにした。

淀川左岸線は新大阪駅近くから万博会場の人工島・夢洲(ゆめしま)へつながる高速道路網の一部で、27年3月に完成予定。万博期間中はシャトルバスの専用道として先行利用する計画で、市担当者は「工法を変更しても開催までのバス通行帯の整備は間に合う」としてバス運行への影響を否定している。

関係者によると、昨年9月に地盤沈下や液状化対策のため地中にくいを打っていたところ異常を確認。10月には現在の工法では施工を継続できなくなるリスクが判明した。安全性を確保するための工法変更や、地中障害物の除去、軟弱地盤への対策費を想定し、約1000億円の増額リスクがあると見込んだ。

淀川左岸線2期事業は、大阪市の北区から此花区までの約4キロ区間で、大半はトンネル構造。20年に広範囲で土壌汚染が確認され、当初1162億円と見込んでいた整備費が756億円増えた。今回の追加負担で、総事業費は当初見込みの2倍以上となる可能性がある。費用は国が55%、市が45%を負担する。(共同)

 

 

阪神高速「淀川左岸線」整備費さらに1000億円 松井市長「地盤の調査甘かった」


関西テレビ


大阪万博のアクセス道路としても使われる予定の阪神高速の工事費用が、想定の2.5倍に膨らむ見通しです。

阪神高速・淀川左岸線は、大阪・関西万博でシャトルバスの専用道路にも活用される予定で、現在トンネル工事が行われています。

大阪市によると去年9月、工事の影響で周辺の住宅のコンクリートが数ミリずれるなどの異常があって、工事の方法の変更が必要となり、追加でおよそ1000億円かかるおそれがあるということです。

淀川左岸線の工事費は、土壌汚染対策などですでに増えていて、今回の増額で当初の想定の2.5倍となる最大でおよそ2900億円となる見込みとなりました。

【松井一郎市長】
「当時、地盤の調査とかそういうところの考え方が…甘かった部分は否めないと思います」

万博に間に合わないおそれがあり、大阪市は仮設の道路を作る案も検討しています。

 

 

大阪湾内の埋め立て地「夢洲」大阪湾内の埋め立て地「夢洲」(大阪市提供)

土壌対策への公費負担790億円をめぐって批判が広がる、大阪府市のカジノを含むIR(統合型リゾート)計画。事業者に唯一応募したオリックスなど2社の企業連合が、東京ディズニーランド、ディズニーシーが自己負担で行ったのと同様の液状化対策を大阪市が公費で行うよう要望していたことが、市への情報公開請求で判明した。(ダイヤモンド編集部 岡田 悟)

土壌汚染対策の公費負担には応じるも
液状化対策費には反発した市の港湾局

 カジノを含むIR(統合型リゾート)施設の整備を進める大阪市が、大阪湾内の埋め立て地「夢洲」の土壌汚染や液状化への対策の費用として790億円を負担すると昨年末に表明してから、批判の声が広がっている

 ダイヤモンド編集部が市に情報公開請求して入手したこれまでの市役所内での会議資料によると、事業者に応募した日米の企業連合が「東京ディズニーランドの液状化対策が理想」などと要望していたことが分かった。

 IR計画に唯一応募した事業者は、米国のカジノ大手MGMリゾーツ・インターナショナルの日本法人とオリックスの2社による企業連合。2021年1月の市の会議で、港湾地区の管理を担う大阪港湾局が示した資料によると、夢洲の土中で見つかった汚染物質について、事業者側が「風評被害が出ないかが大きな懸念」「(土中の汚染物質の)含有量基準が『みなし不適合』となることで、舗装・覆土等が必須となり工事費用に影響」などと主張した。

「みなし不適合」とは、土壌汚染物質の有無を調査していない土地でも、汚染が見つかった土地と同じ土砂で埋め立てられた場合、同様の汚染があるとみなすということ。今回は地下鉄中央線延伸工事現場で汚染物質が見つかったため、IR予定地にも同様の汚染があると判断した。

 市側は「対応案」として、風評被害については説明を尽くすとする半面、「(みなし不適合の)土壌汚染に伴う追加費用については、事業者と協議の上、大阪市が妥当と認める金額を負担する方向で調整する」としていた。大阪港湾局は土壌汚染対策については当初から、財政負担やむなしと考えていた節がうかがえる。

 しかし同局は、液状化現象の対策への負担については反発した。

東京ディズニーランドは
自己負担で液状化対策を行った

 液状化現象とは、埋め立て地など水分の多い不安定な土地で地震が起きた場合、土中の水分が地上に噴出する現象だ。11年の東日本大震災の際、千葉県浦安市などの住宅街で、道路が広範囲で陥没したり、建物が傾いたりといった被害が発生した。

 だが、同市にある東京ディズニーランドやディズニーシー内の敷地はこうした被害が起きなかった。

 ディズニーランドなどでは、施設の建設時に「サンドコンパクション工法」と呼ばれる対策が取られた。水分の多い土の中に柱状に固めた砂を入れ、上から押し固めて地盤の水分などを抜き取るというものだ。

 大阪IR計画に話を戻すと、21年6月8日の市の会議資料には、MGMオリックス連合から市に対する「事業者意見」として、「東京ディズニーランドの液状化対策が理想」と記載されていた(下写真)。

大阪市資料12021年6月8日の会議について、市IR推進局が事業者側の意見として記した内容、赤線は編集部 拡大画像表示

 しかし東京ディズニーランドでは、埋め立てた土地を分譲した千葉県によると、液状化対策工事は運営会社のオリエンタルランドが自ら費用を負担していた。

 しかしMGMオリックス連合は、東京ディズニーランドでは事業者自らの負担で行ったサンドコンパクション工法による工事が「理想」であり、これを市の負担で行うよう主張したのである。

 事業者については当初、カジノ運営大手のゲンティン・シンガポール(シンガポール)とギャラクシー・エンターテインメント・グループ(香港)も応募するとみられていたが、実際には応募せず、20年2月に応募したのはMGMオリックス連合の1者だけだった。

 その後、土壌汚染については21年1月に市が事業者に説明。液状化対策については20年1月~12月に事業者が行ったボーリング調査でリスクが判明したとして市が対策を求められた。こうした経緯から、市は事業者を再度募集。MGMオリックス連合の1者が応募し、21年9月に決まった。

 土壌対策費計790億円の内訳は、土壌汚染対策費が360億円、液状化対策費が410億円、地中埋設物の撤去費が20億円。市はこれまで市有地の売却や賃貸の際、こうした費用を公費負担しないのが原則だった。

 だが、松井市長が最高実力者として君臨し、吉村洋文大阪府知事が代表を務める大阪維新の会は、カジノを含むIRを看板政策に掲げている。どうしてもIRを実現したい維新や大阪市側が、事業者に足元を見られ、負担を強いられたとの見方がもっぱらだ。

 なお大阪港湾局は21年6月29日の会議で、液状化対策工事について、造成当時の基準に従って埋め立てられた土地であれば、建築基準法上、土地を造成した市の責任は問えないと主張。前述の東京ディズニーランドや、横浜市の湾岸エリアでも、土地所有者が実施した例はないと訴えた。

 その上で、「夢洲におけるIR事業の実現という“政策的な観点”から負担するという整理が必要」と、要するに政治判断を求めた。

 この会議で松井市長は「土地所有者としての“責任”は免れない」と明言。公費負担の方針が決まった。

 オリックスの広報担当者は「東京ディズニーランドと同様の対策を必ずしてくださいということではないが、土地の取引では所有者が対策をすることが一般的だ」と話した。

 なおこの費用については、大阪港湾局が所管する特別会計の港営事業会計で負担し、収支が悪化した場合は一般会計からの繰り入れで救済することとなった。

夢洲造成事業は2076年度まで資金不足
カジノ粗利の過半は日本人の「賭け損」

 21年12月に大阪港湾局が市大規模事業リスク管理会議で示した資料によると、夢洲の土壌対策費を800億円とした場合、夢洲の土地造成事業の累積資金残高は2029年度から減少傾向となり、53年度にマイナス1120億円に落ち込む。プラスに転じるのは76年度と、今から実に55年後だ(下図参照)。

大阪市資料2土壌対策費を800億円と見た場合の夢洲土地造成事業の収支の試算 拡大画像表示

 舞洲や咲洲などを合わせた大阪市の港湾埋め立て事業全体で見ればプラスを維持する見通しとはいえ、29年度に543億円に達するが、41年度には89億円に落ち込む。

 特別会計とはいえ、市民の財産である公営事業会計の負担は大きいが、松井市長はしばしば、IRには十分なリターンがあると主張してきた。

 大阪府市の計画では、カジノによって得られる粗利、すなわち賭け金の総額から顧客に払い戻される金額との差は、年間4900億円。その15%に当たる740億円と入場料収入320億円の合計1060億円を府市で折半する。

 粗利4900億円のうち、国内客からは2700億円、外国人客からは2200億円を想定。つまり、日本人客がカジノで賭けて、負けたお金が粗利の55%を占める前提なのである。

 さらに大阪市は、カジノと共にIR施設として夢洲に設置されるMICE(会議場や展示施設)について「世界最高水準のオールインワンMICE拠点を形成することで世界から人を呼び寄せて、日本経済の成長につなげていく」(高橋徹副市長)ことを目指していたにもかかわらず、新型コロナウイルスの感染拡大により、その面積は当初計画の10万平方メートルから2万平方メートルに大幅縮小して「部分開業」となる。

「増税よりカジノ。収益の一部は教育、福祉、医療に回す。隣の兵庫県知事が反対しても無視。わい雑なものは全部大阪が引き受ける」――。10年10月、大阪維新の会の“チャーターメンバー”である当時の橋下徹大阪府知事は、大阪にカジノを誘致する意義をこう語った。

 だが結局、「世界から人を呼び寄せ」るはずのMICEの面積が大幅減となった上に、カジノの収入の過半を、日本人客が“すった”お金に依存する。松井市長の強調する「リターン」の実態がこれでは、一体何のための790億円の公費負担なのかと疑問を呼ぶのは当然だ。

 そして大阪市は2月15日、オリックスら企業連合と基本協定書を締結。その中に、契約の解除条件として「新型コロナウイルス感染症:国内外の観光需要の回復の見込み等」の文言が入った。コロナ禍が収束しなければ、MGMオリックス側が契約解除できるのだ。

 コロナ禍だけでなく、ロシアのウクライナ侵攻で多くの航空機がロシア領空を飛べなくなるなど、「国内外の観光需要の回復の見込み等」を期待することは困難だ。もしコロナやウクライナ危機が早期に収束しても、今後中長期的に、絶えず同様のリスクにさらされることは避けられない。

 松井市長はウクライナ危機について2月28日、日本の非核三原則を「昭和の価値観」などと表現し「米国の原子力潜水艦をリースしてもらうというような議論もすべきだ」などと持論を語ったが、まずはIR計画への影響について検証し、説明すべきだ。

 

 

大阪カジノ・事業会社撤退条項にはらむ大リスク 国も大阪も取らぬ狸の皮算用にならないか

柴田 直治
 
2025年の大阪万博の開催地であり、総合リゾート(IR)が建設される予定の大阪・夢洲地区(写真・ISO8000/PIXTA)© 東洋経済オンライン 2025年の大阪万博の開催地であり、総合リゾート(IR)が建設される予定の大阪・夢洲地区(写真・ISO8000/PIXTA)

 カジノを含む統合型リゾート(IR)整備計画を国に提出する期限(2022年4月28日)を前に、誘致をめざす各自治体で採算や資金繰りへの不安が膨らんでいる。和歌山、長崎両県は3月初旬の段階でなお資金調達について議会や住民に十分な説明ができず、先行きに暗雲が垂れ込める。

 そのような中、誘致活動では先頭を走る大阪は、アメリカのカジノ大手MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスが中心となってつくった事業会社と大阪府、大阪市の3者で2月16日、整備計画を発表した。

事業会社の撤退に関する条項

 それによると、初期投資1兆0800億円、経済波及効果1兆5800億円(建設時)、1兆1400億円(運営)で、年間売り上げは5200億円(うちカジノ分4200億円)。大阪府・市は毎年740億円の納付金を受け取るほか、入場料収入320億円も得られ、120億円の税収も入る。構想段階と変わらぬバラ色の夢が完成予想図とともに描かれていたが、同時に発表された3者による基本協定の概要版には、これまで明らかになっていなかった重要な規定が記載されていた。

 「基本協定の解除」の項目で、事業者は国から正式に認定を得た30日後に、協定を解除するかどうかを判断することができ、解除の場合、さらにその後の60日以内に通知すればよいとされていた。MGM、オリックスに加え大企業が出資する事業会社が設立され、計画も発表しているのだから、事業は当然完成し実施されるだろうと筆者は考えていたが、どうもそうとは限らないらしい。

 解除の是非を検討する条件として、税務上の取り扱い、カジノ管理委員会規則、国際競争力、国際標準の確保 、土地・土壌に関する大阪市における適切な措置の実施等に加えて新型コロナウイルス感染症、国内外の観光需要の回復の見込みなどを挙げている。つまり日本政府が今後決めるルールや大阪府・市の対応に不満だったり、コロナ禍で「鎖国」状況が続いていたり、見込みほど観光客が呼び込めないなどと判断したりすれば、事業会社は「降りる」ことができるという話だ。

 これを読んで、2つの残像が私の脳裏に浮かんだ。1つは、かつて訪れたベトナム南部バリア・ブンタウ省の海岸の風景だ。

 商都ホーチミンから車で2時間余り走ると、南シナ海に面した旧漁村に巨大なホテルとゴルフコースが忽然と現れる。同国初の本格的カジノホテル「グランド・ホーチャム・ストリップ」(現インターコンチネンタル・グランド・ホーチャム)。大阪IRの主軸であるMGMが約10年前、「ベトナムのベガス」のキャッチフレーズで巨額の投資を宣言したが、2013年のオープン直前に撤退した。運営主体を変え、なんとか開業にこぎつけたものの、コロナ禍もあり客足はさほど伸びていないという。

 MGMが撤退したのは、ベトナム政府が国民のカジノ入場を認めないというルールを変えなかったからだと伝えられている。外国人客だけでは十分な収益が見込めないと判断し、あっさりと手を引いた。

よみがえる大阪・りんくうタウンの悪夢

 もう1つ、大阪IRの完成予想図を見てよみがえるのは、関西国際空港対岸の埋め立て地「りんくうタウン」のトラウマだ。

 空港開港前の1988年に大阪府が商業用地の分譲希望を募ったところ、日本中の大手企業がこぞって超高層ビルの建設計画を打ち上げ、模型や予想図を発表した。競争率は6倍を超え、新聞社で大阪府庁担当記者だった私は、この埋め立て地を「現代の宝島」と書いた。

 しかし結末は無残なものだった。大阪府が各企業と契約を交わす前にバブルが崩壊。日参していた企業の担当者は府庁に寄りつかなくなり、ほとんどの企業が撤退した。玄関口に立つりんくうゲートタワービルは、日本で3番目の高さを誇るもののバランスが悪い。ツインタワーでデザインされたのに、テナントが集まらず1棟しか建設されなかったためだ。建設した府の第3セクターは破綻した。

 その後、造成地の土地代を大幅に値下げし、定期借地方式を取り入れるなどして30年かけて漸く完売した。しかし収支は1000億円を超える赤字となる見込みだ。

 大規模な開発案件に名乗りを上げても、採算が合わないと判断すれば企業は撤退する。自治体や国がこれにからむと、場合によっては地域住民や国民の負担となる。大阪IRはどうか。

 野党や多くの市民団体はこれまで主に、賭博のあがりで経営を支える倫理面やギャンブル依存症などの問題を指摘して反対・慎重論を唱えてきた。ところが2021年12月に大阪市が、建設予定地の土壌対策費として790億円を負担すると発表して以降、財源や資金、経済効果などに以前にも増して注目が集まることになった。

 松井一郎市長はこれまで「事業者がお金を払って建ててくれる。市は家賃をもらうだけ」と話していた。大阪市が埋め立て地を取引した際、土壌改良費を負担した例は過去にない。こうした発言や前例との整合性について、市議会でも質問や批判が相次いだ。

 IR事業者は市との定期借地契約に基づき毎年25億円の賃料を払う。35年間の契約期間満了まで払い続ければ計875億円となるが、途中撤退なら市の土壌対策費が賃料を上回ることにもなりかねない。

情報公開請求しても黒塗りばかり

 それでは経済効果や府市の実入りはどうか。れいわ新選組の大石あきこ衆議院議員が経済効果の元データについて大阪市IR推進局に情報公開請求したところ、ほとんど黒塗りで返ってきた。となればチェックのしようもないのだが、どの数字も相当な大風呂敷と感じる。

 そもそも計画が掲げる4200億円の売り上げを達成しているカジノは、世界を見渡してもマカオのベネチアン、ギャラクシーなどごく少数だ。府市がことあるごとに先行例として取り上げるシンガポールのカジノも単体では届いたことのない数字だ。「まず無理」とみる専門家もいる。

 カジノで売り上げの大きな部分を占めるのは、大金を常に賭ける「ハイローラー」の法外な支出だ。世界一の賭博の街マカオでは「ジャンケット」と呼ばれる接待業者が主に中国人の大金持ちを連れてきて特別な待遇で遊ばせることで多くの売り上げを稼いできた。客が賭場で使った金の一部をコミッションとして受け取る。客への一時貸し付け、資金回収など一筋縄ではいかない裏方業務を担う。

 ところが「共同富裕」をうたう中国・習近平政権の意向で、2021年以降、マカオ政府がジャンケットの規制に乗り出し、マカオのカジノ収益は大きく落ち込んだ。

 大阪はどうするのか。府市の当局者に聞いてみようと、2022年2月に予定されていた説明会に参加登録したが、コロナを理由に一方的に中止された。代わりにメールで質問を受け付けるというので聞いてみた。すると以下の答えが返ってきた。

 「いわゆるジャンケットが行っている行為について(略)日本においては、免許を受けたカジノ事業者以外がカジノ行為を行うこと、カジノ施設内でカジノ事業者以外が貸し付けを行うこと、カジノ事業者が顧客以外への貸し付けを行うことはすべて禁止されています」

 ジャンケットの主な機能を否定しており、排除方針を明確にしている。とすればハイローラーを呼び込む特別な手立てはなく、一般大衆を主な顧客としてするということだろう。

入場料6000円で通う人がいるか

 MGMが撤退したベトナムと違い、日本では邦人もカジノに入ることができる。ただし6000円の入場料が必要だ。単にギャンブルをするなら 競輪競馬ボートレースとよりどりみどり、事実上の賭場であるパチンコ屋がどこの駅前にもある日本で、JR大阪駅から15㎞以上離れたカジノにわざわざ入場料を払って足しげく通う人がどれだけいるか。

 外国人観光客にしても、京都、奈良、大阪・道頓堀の観光を目当てに来た人がわざわざ足を延ばすか、疑問である。

 外国為替法上、100万円以上を海外から持ち込む場合、申告が必要である。カジノに絡む税制や外為法を含めた法改正はこれからだが、そもそも大きな金を外国から持ち込んでばくちをする仕組みが日本にはないのだ。

 そうした諸条件を考えると、マカオの巨大カジノ並みの売り上げをどうやって達成するのか、道筋が見えない。それでも世界的なカジノ業者のMGMとオリックスであれば、採算の見通しがあるのだろうと私は想像していた。しかしながら基本協定を読む限り、事業会社は今後収支やコロナなどの諸情勢を分析し、撤退も選択肢に入れながら日本政府や大阪府市と交渉して有利な条件を引き出そうとしているようにみえる。

 基本協定では事業者側の都合で撤退した場合、6億5000万円の違約金が定められている。違約金を設定しなかった「りんくうタウン」に比べればマシとはいえ、土壌改良だけで790億円をつぎ込むことを考えれば、スズメの涙である。

 府市は、契約解除となった際は「事業継承又は再公募等によりIR事業の継続が図られるよう努力」するとしている。しかし今回、公募に応じたのはMGM・オリックス連合だけだった。競争相手がないから土壌改良費についても業者側の言い分をのまざるを得なかったのではないかとの推測も成り立つ。

 筆者は「大阪IR誘致、政府の『ソロバン勘定』」は正しいか」で、IR誘致の収支について疑問を呈した。ソロバンは3つある。1つは業者の、もう1つは地域(自治体)の、そして国全体のソロバンだ。

国も大阪も怪しくなるソロバン勘定

 業者や立地自治体が儲かったとしても、原資は客が賭博ですった金だ。カジノの入場者の7割は日本人とされ、儲けの多くは海外の業者に流れる。国民財産の海外流出だ。さらに政府はカジノ管理委員会なる組織を新たに立ち上げ、開業もしていないのに2021年度だけで10億円を超す予算を計上している。

 国全体としてみれば、とても帳尻があわないのではないかと指摘したが、大阪市が土壌改良に巨費をつぎ込むならば、地域のソロバン勘定も怪しくなる。そのうえ、儲からないと業者がソロバンをはじけば、法律や制度ができてもIRが存在しないという珍妙な事態もあり得る。いったんできたとしても撤退すれば、各地に夢をばらまき、一部で借金を残したリゾート法の二の舞だ。

 3つのソロバンすべての帳尻があわそうとするならば、外国人客に莫大な賭け金をつぎ込んでもらわねばならない。外国人といっても過半は中国人を想定しているだろう。その中国政府が今後、賭博への締め付けをさらに強めることはあっても緩めるとは考えづらい。海外やオンラインでギャンブルをする中国人への締め付けも強くなりそうだ。

 いずれにしろ中国共産党の出方次第で成否が左右される国策事業は、岸田文雄政権肝いりの「経済安保」の観点からも見直しが必要ではないだろうか。

 

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