Everyone says I love you !

弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

川崎・練馬「ひきこもり」(で一括りに語られる)殺人事件。立川志らく師匠や橋下徹氏は大事なことを忘れてはいないか。

2019年06月05日 | 法律と裁判・事件

 

 ここ一週間、本当に痛ましい事件の連続で、ニュース番組を見るのもためらわれるような状態です。

 お亡くなりになった方々、そのご遺族などの皆様に心からお悔やみ申しげます。

 もう、テレビや新聞紙上で語りつくされ、「一人で死ね」是か非か論争なども起こっているそうですが、とにかく、「ひきこもり」で一括りにするな、さらには「ひきこもり」という言葉をやめろとは思います。

 「登校拒否」でさえ不登校になりましたが、「黒人」という言葉はいまだに報道でも使われているので、「ひきこもり」も延々と使われるかもしれませんね。

 no in education、employment or training(教育、就業または訓練についていないもの)だと非常にフラットな感じがするのですが、「ニート」となっちゃうともはや差別用語であり罵倒の言葉になっていますし、「ひきこもっている人」をヒッキーなどというとさらに差別的な感じがありありとします。

 維新創設者の橋下氏と来たら、練馬の事件で「ひきこもり」の息子を殺害した元農林水産事務次官の父親について

「本当に熊沢氏の息子に他人様の子供を殺める危険性があり、熊沢氏にそれを止めることがどうしてもできなかったのであれば、刑に服するのは当然としても、僕は熊沢氏を責めることができない。むしろ本当にこれで他人様の子供が犠牲にならなかったのであれば、ホッとしてしまう。」

とまで言い出しました(橋下徹「息子殺しを僕は責められない」)。

 ある人が他人を殺す危険性があるかないか前もってわかるかのような発言はナチスの予防拘禁の思想に通じるそれこそ危険な思想ですし、そもそも刑罰というのは違法なだけでなく責任がある人に課せられるもので、「刑に服するのは当然としても、責めることはできない」などというのは全く法の無知としか言いようがありません。

 殺す以外のほかの適法行為を取る可能性が全くなかったのであれば、その人は適法行為をする「期待可能性がない」とされて、責任がないので無罪になるのです。

物分かりよさげに話しかけてるけど、深く相手を傷つける。そういうことがあるんじゃないでしょうか。

 

 

 もちろん、今回の両事件をきっかけにいろいろ報道されているように、「ひきこもって」おられる方とその家族を支援する仕組みや団体は多数あります。

 同情すべき点=情状酌量の余地はあるとして、練馬のお父さんも息子を殺すしかなかったとはとても言えないでしょう。極端な話、息子を置いてみんなで逃げ出した方が、息子を殺すよりははるかにマシでした。

 川崎の事件で自殺した犯人に「一人で死ね」と言ったり、練馬で息子さんを殺した犯人を「責めることはできない」といったりする人たちに共通して私が感じるのは、人の命を重んじているようで軽んじていることです。

 川崎で殺された被害者や遺族の方々に寄り添っているふりをして、「ひきこもって」いた人たちの命へのまなざしのなんと冷たいことか。

 そこには、命はみな等しく重い、という当たり前の感覚が欠落しています。

 どの人の命も大切だから悩むのです。こいつは悪い奴だから死んでもいいと言い出したら、物事は簡単に解決されますが、裁く人の主観で命に軽重がつきかねません。

 

 そして、「ひきこもって」いる方々や、その家族、支援者に広がっているのは、「ひきこもって」いるだけでその人の命が軽く論じられているのではないかという危機感なのです。

 今回の両事件の報道や議論のされ方で、「ひきこもり」と呼ばれる方々への理解が前進した面がある反面、まるで危険な人物のように扱われた「ひきこもって」いる方々が外に出るときの心理的障壁は、むしろ上がってしまったのではないでしょうか。

 橋下氏だけではなく、川崎の事件について、ニュースキャスターの安藤優子氏は事件発生直後の2019年5月28日にろくろく事実もわからないのに、フジテレビ「直撃LIVE グッディ!」で「自分1人で自分の命を絶てば済むことだ」と発言し、これを受けてコメンテーターで弁護士の北村晴男氏が「死にたいなら1人で死ねよ、と言いたくなる」と応えたのだそうです。

 そして、同じ28日、TBS「ひるおび!」では、落語家の立川志らく氏が「死にたいなら1人で死んでくれよ」と話しています。

 さして事件の背景について勉強したとも思えない無責任なコメンテーターたちが、テレビやマスメディアで堂々と発言していることの功罪を考えないといけないと思います。

 

 

松本人志氏も引用するのもはばかれるようなひどいことを言っていました。

ここに、名前を出した4人のうち2人が弁護士ですからね。弁護士には人権擁護という使命があって、だからこそ弁護士自治という特権的な立場も与えられているのに、実に情けない。

一番つらいのは家族もそうだけど、当の本人だとなぜわからないのでしょうか。

よろしかったら大変お手数とは存じますが、上下ともクリックしてくださると大変うれしいです!

人気ブログランキングへ人気ブログランキング

ブログランキング・にほんブログ村へほんブログ村

Amazon 社会・政治・法律

Amazon Kindle ベストセラー

Amazon タイムセール商品

 

 

「ひきこもりである以前に、みんなと同じ悩みを抱えたひとりの人間なんです」
「40代以上の人間にとってこれから社会が変わろうと、絶望しか待っていないような気がします」

ひきこもりの当事者や経験者の声です。
川崎の殺傷事件に、東京・練馬の農林水産省の元事務次官が長男を刺した事件…。「ひきこもり」がキーワードになる事件が相次ぎ、ネットやマスコミには「ひきこもり」に関わる言説があふれています。

いま、当事者のひきこもりの人やその家族たちは何を思っているのでしょうか。(ネットワーク報道部記者 高橋大地 管野彰彦)

特設サイトに続々、ひきこもり当事者の声

特設サイトに続々、ひきこもり当事者の声
「川崎の事件、元事務次官の事件を受けていまさらひきこもりをどうにかしろという議論になり戸惑っています。仕事に就いていないことが悪みたいに報道されていましたが、挫折者にとって40代からの就労というのは地獄だと思います。なぜ日本は働こうとすると要求されるスキルが高いのか、考えるだけでつらいです。40代以上の人間にとってこれから社会が変わろうと、絶望しか待っていないような気がします」

「『ひきこもり』という言葉自体が社会から疎外されている印象がある。なりたくて『ひきこもり』になったわけではなく、就職活動を何度も何度も繰り返して挑戦しても書類ほぼ落ちるのです。公的機関に相談しても逆に心身共に追い込まれたのが現実です」
事件のあと、NHKの特設ウェブサイト「ひきこもりクライシス“100万人”のサバイバル」に寄せられた声です。

去年のサイトオープン以来、ひきこもりに関する社会問題や新しい取り組みなどについての記事や動画を掲載してきましたが、先月、川崎の殺傷事件が起き、容疑者が「ひきこもり傾向にあった」と報道されたあと、次から次へとこうした意見が寄せられています。

モンスターみたいに思われている

多くの当事者や経験者は同じような思いを抱えているのではないか。
ひきこもりの当事者たちが自身の体験や思いをつづる「ひきポス」という雑誌に記事を執筆している3人に事件についての思いを聞きました。
そのうちの1人、30代後半の男性Aさんは、中学の頃のいじめがきっかけで10年以上ひきこもりました。事件について聞くと、「ツイッターの反応を見ていたら『中高年のひきこもり、およそ60万人は悪魔の予備軍』という反応が目に留まって。ひきこもりという存在が、部屋に閉じこもったままの、まるでモンスターのように思われているという…。これが一部の人たちだけでなくて、一般の多くの人がそう思っているかもしれないと思うと、絶望しました」

男性はつらい胸の内を、そう明かしました。

ひきこもりの前に同じ人間

ひきこもりの前に同じ人間
また、大学院の時から断続的にひきこもった経験がある石井英資さん(36)は、「ひきこもりは、今回の事件で『犯罪者予備軍』という負のレッテルが貼られてしまいました。自分もひきこもっている時に『働かざる者食うべからず』と思われて苦しんで、自分を徹底的に追い詰めていたけれど、さらに『犯罪者予備軍』が加われば、当事者はみんな無力感を覚えてしまいます。でも、私たちも同じような悩みを抱えている人間です」と話しました。

練馬の事件は防げたかもしれない…

44歳の長男を刺した農水省の元事務次官の父親は、「川崎の事件を見ていて自分の息子も周りに危害を加えるかもしれないと不安に思った」という趣旨の供述をしています。
これについて、「ひきポス」の編集長で、自身も引きこもり経験がある石崎森人さん(35)は、悔やんでいることがあると言います。「川崎の事件から、また事件が連鎖のように起きてしまっています。父親と息子がお互いに偏見を持っている不幸な状況だったのかもしれません。『ひきこもりだから事件を起こすかも』という不信の目で見られたら怒りも感じるし、傷つきます。『ひきこもりだからといって犯罪を起こすわけではないですよ』と私たち、当事者がもっと発信するべきで、もしそれが容疑者の父親に届いていたら防げたんじゃないかと思うんです」

世界で自分1人がひきこもっているわけではない

世界で自分1人がひきこもっているわけではない
また、30代の男性Aさんは、自分が当事者の会で救われた経験を話してくれました。

「亡くなった息子さんも、私たちのいる当事者会に来て話してくれていたら、気持ちが和らいだかもしれない。息子を刺してしまった父親も家族会で人と話すことでここまでは追い詰められなかったかもしれない。自分の経験でも、ひきこもって孤立している時は、世界で自分1人だけがひきこもっていて、世界のすべては味方でなくて、対話もできない、気持ちも分かち合えないと思ってしまうんです。でも当事者会に出ると、同じように10年とかひきこもっている人もいて、自分だけが戦わないといけないとか思っていたのが軽くなったんです。もし同じような思いを抱えてる当事者や家族が居たらぜひ、そうした会を訪ねて欲しいです」

息子は何度も死にたいと言った

息子は何度も死にたいと言った
では、ひきこもりの子どもを持つ親は、事件をどのようにとらえているのでしょうか。

今月1日、東京 大田区で開かれた、ひきこもりの当事者や家族など、およそ40人が参加した「ひきこもり親子 公開対論」という集まりでは、川崎市の事件が話題に上りました。
会を主催したひきこもり当事者のぼそっと池井多さん(57)は、「ひきこもりであろうと、エリートサラリーマンであろうと、1人の人間を社会が追い込んでいくことが事件を起こすのではないか。ひきこもりを恥ずかしいことだと考えるのではなく、もっとみんなが語り合うことができれば、今回のような事件は起こらないのではないか」と呼びかけました。
会場を訪れていたひきこもりの子どもを持つ親の方々に話を聞いたところ、50代の息子がひきこもりだという80代の母親は、事件によって、世間がひきこもりは怖いといった誤解を招くのではないかと危惧していました。

そのうえで、「事件についての報道は痛ましくて息子は見たがりませんし、テレビをつけると、どこも事件のことを放送しているので、途中でスイッチを切ってしまいました。2人で話もしましたが、残酷で長い話はできませんでした。ほとぼりが冷めないとできないと思います。息子は過去に何度も『死にたい』という話をしていたことがあります。ひきこもりの人のなかには楽に死にたいと思う気持ちを持たない人のほうが少ないのではないでしょうか」と話していました。

そして、必要な支援については、「薬は人間だと思います。年配の人でも若い人でもいいので、息子の立場をわかってくれて、話をしてくれる人を探しています。遊びに来てくれるような人がいてくれたらいいなと思っています」と話しました。
また、40代の息子がひきこもっているという70代の父親は、「ひきこもりについて、世の中の理解が進んでいない以上、ひきこもりと事件を結びつける見方が出てしまうのはやむを得ないかもしれません。ただ、ひきこもりといっても事情はさまざまです。それが一つの言葉でくくられてしまうのはとても困ります」と話しました。

一方で男性は、「もう20年を超えてひきこもっていると、この先どうなるかというのはやはり心配です。自分の子どももほんのわずかな心配ではありますが、事件を起こしてしまうのではないかと、ふと思うことがあります。ひきこもりの子どもをもっている親は皆さん、うちはそうではないと思いながら、心のどこかでひっかかっているのだと思います」と複雑な思いを打ち明けてくれました。

問題を抱え込まないで

問題を抱え込まないで
ひきこもりの人や家族の取材を続けているジャーナリストの池上正樹さんは「私の元にも『ひきこもっている子どもを殺して自分も死ぬ』と父親が言って、大げんかになったという相談のメールが母親から寄せられるなど、不安を訴える声がたくさん届いている。ひきこもりの子どもがいる家庭では似たような状況が起きているところも多いと思う」と話しています。

そして「ひきこもっているから事件を起こすというようなことはないので、家族の皆さんは心配をする必要はありません。川崎の事件の場合は容疑者自身に何かしらの事情があったのだと思います。ひきこもっている本人に『ひきこもり』だとかぶせるように言ったり、ひきこもっていることを悪く言って存在を否定したり、働けなくて家に居るのに、『働け』というなど傷口に塩を塗って追い込むようなことはしないでほしい。追い詰めることで、ものに当たったり、まれに家族に暴力をふるったりすることなどはあっても、それが外の人に向かって事件を起こすということにつながるわけではありません」と話しています。

そのうえで、問題を抱えこまないことが大切だと指摘しました。「周りに知られたくないと思い、問題を抱え込んでしまうと、家族それぞれがストレスを抱え煮詰まって悲劇につながってしまいます。家族会などに出て、同じような当事者を抱えた人たちにつながると理解し合えたり、ヒントになるような気づきを得られるので、情報を共有するようにしてほしい」

“ひきこもり”が問いかけること

川崎や練馬の事件をきっかけに、にわかに注目が集まっている「ひきこもり」の存在。そして、ネットやマスコミにあふれかえる“偏見”や“無責任な言説”。それに振り回されまいとする、ひきこもりの当事者や家族たち。これまで「ひきこもり」を忘れられた“見えない存在”として、いわば見て見ぬふりをしてきた社会のあり方、そのものが問われている気がします。
ひきこもりに関する特設サイトはこちらです。 https://www3.nhk.or.jp/news/special/hikikomori/
 
 

よろしかったら大変お手数とは存じますが、上下ともクリックしてくださると大変うれしいです!

人気ブログランキングへ人気ブログランキング

ブログランキング・にほんブログ村へほんブログ村

Amazon 社会・政治・法律

Amazon Kindle ベストセラー

Amazon タイムセール商品

 
 
 

コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 類は友を呼ぶ維新の会の「戦... | トップ | イージス・アショア基地予定... »
最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (バードストライク)
2019-06-06 09:12:56
この記事についてのコメントを、投稿場所を間違えて、ひとつ前のエントリー(大阪維新)のとこに送信しちゃった、てへ w

内容は
「パソナの就職氷河期世代 再トレーニングプランの促進にこの事件が利用されるのでは」
と懸念している、というものですが・・・

どちらも悲惨な事件で、二度と起きてほしくないのですが、ひとつ思うのは、登戸の犯人も練馬の被害者も何らかの発達障害があったのではないか、ということです。

発達障害については最近こそ知られるようになりましたが、今から30年前ごろでは一般的な知識ではなかったので、単に「変なヤツ」「頭おかしい」「非常識」「落ちこぼれ」「親の教育の失敗」と見られ、本人も親も恥ずかしい・触れてほしくない話で終わっていたから、社会からドロップし、ひきこもるしかなかったのではないかと。
もっとも今だって解決策はほとんどないんだけど。

なお、発達障害=犯罪予備軍、と結びつけているわけではありません。
そして弱者を排除し、自己責任を声高に主張する社会(総本部が安倍一味で、その尖兵が松本だの橋下だの)では、ほとんどの人は生きづらくなるばかり。
いい加減、社会の転換を図らないといけない。

この練馬の被害者は、ツイッターでは父親自慢の上級国民で、「パヨク」を連発し罵倒するネトウヨだったのでした。
“ ネトウヨの 正体見たり ひきこもり ”
その罵倒は、もしかしたら自分自身に向けられていたのかな・・・
返信する
「少しでも違いがあれば排除」でいいのか (「アベの脱税疑惑」改め「詐欺師 安倍晋三」)
2019-06-08 11:04:42
少しでも違いがあれば排除。
特に、安倍様と違いがあれば徹底的に排除。
「あんな人たち」と言って排除。

どんどんひどくなっていますね。
先日、カードじゃない、トランプがやってきたとき、両国国技館で男性が排除されました。彼は叫んだわけでもなく、暴れたわけでもありません。現代の特高=公安がマークしていた人物だからということで警察官らに暴力的に拘束されてしまいました。(田中龍作ジャーナル 5月26日 より)

お上に異を唱えれば(暴力的に)排除、忖度すればよし、ということでしょう。(忖度、ルビをつけなくてもみんな読めます)

これはもう、戦前、戦中の日本です。朝鮮民主主義人民共和国や中華人民共和国を嗤えません。

「わたしが両手をひろげても、 お空はちっとも飛べないが、 飛べる小鳥はわたしのように、 地面(じべた)をはやくは走れない。
わたしがからだをゆすっても、 きれいな音は出ないけど、 あの鳴る鈴はわたしのように、 たくさんなうたは知らないよ。
鈴と、小鳥と、それからわたし、 みんなちがって、みんないい。」
(「わたしと小鳥と鈴と」金子みすゞ )

詩人 金子みすゞさんの代表作の一つです。最後の「みんなちがって、みんないい」はよく使われますね。
山口県長門市仙崎にある「金子みすゞ記念館」近くに建てられた金子みすゞさんのブロンズ像の台座にもこの「みんなちがって、みんないい」が刻まれています。そしてその文字の横には、なんと「内閣総理大臣 安倍晋三 筆」とあるのです。因みに長門市は安倍晋三衆議院議員を選出した山口4区に入っています。

「みんなちがって、みんないい」という金子みすゞさんの心の内、わかっていますか安倍晋三さん。
返信する
Unknown (当て身投げ)
2019-06-08 12:01:22
2度目のコメント投稿になります。

まず、宮武さんが挙げている「ヒッキー」という用語、これは2ちゃんねる界隈にいる引きこもりの者が自己紹介などの際に自ら用いていた言葉であり、決して蔑称ではありません。元々は宇多田ヒカルさんの愛称です(注1)。
その後登場した「ニート」という用語に取って代わられたため、現在は死後と言ってよいでしょう。なお、「ニート」は相手を罵る時に頻繫に用いられており、れっきとした差別用語です。

次に、記事でも取り上げている引きこもり者やその家族を支援する体制についてですが、現在、邪悪な心を持った者どもが跳梁跋扈し、当事者やその家族らを食い物にしているという悲劇的な状況にあります。
川崎や練馬の事件が起きると、マスコミは挙って「引きこもり支援の専門家」と称する人物を出演させたり支援に携わるNPO法人やら業者を密着取材し、ここで“立ち直った”とする方々をモザイク加工無しで登場させ、『xx先生のおかげで立ち直りました!』とか『今までは散々親に迷惑かけてきたんで、これからは親孝行ですね!』などとコメントして(させて)いますが、そのほとんどがハッキリ言って“悪徳”なのです。
これを受けて、引きこもりの当事者団体や家族会や他の支援団体が声明を発表し、メディアに対する慎重な報道姿勢を求めたのですが(注2)、実はその中にも引きこもり当事者から危険視されている団体があるのです。もう笑うしかありません。
文中にあるジャーナリストの池上正樹氏が理事として関わっている『KHJ』がそれです。
昔はジジババ連中が引きこもり者に説教を垂れたりするだけの団体だったようですが、近年は“支援ビジネス”の様相を呈してきて、「不登校訪問専門員」だの「ひきこもり支援相談士」だのと怪しげな民間資格を編み出し、『これで社会的な自立ができます!』などと謳い勧誘を続けています。
こちらのブログに体験談が寄せられていますので、ご覧になって見てください(注3)。

最後に、引きこもり・ニート(無業者)はネトウヨであると決めつける左派・リベラル系のネット民が相変わらず多いようですね。
どの属性にも右翼思想を持った奴なんているでしょうに、リベラルなイメージを持たれることの多いLGBT(性的マイノリティ)にだっていますよ。
練馬事件の引きこもり野郎(父親の供述が事実であれば、彼もまた「加害者」であり、私個人としては軽蔑に値します)が右翼的な言動をしていたというだけで、ネトウヨ呼ばわり(呆)。しかもそれを『ほらな!この引きこもりもネトウヨだったろ?』と言わんばかりに嬉々としているなんて…
こんな事件が起きて嬉しいのかしら?一応不快感を呈しておきます。

【注】
1.https://dic.nicovideo.jp/a/ヒッキー
2.https://news.yahoo.co.jp/byline/katoyoriko/20190606-00129010/
3.https://hikilife.com/school-refusal/school-escapeer/
返信する
Unknown (山尾おしり)
2019-06-14 13:14:34
けっきょく宮武さんは、何も言っていないのと同じでは?
返信する
所詮は他人事か… (当て身投げ)
2019-06-16 23:28:53
上の「山尾おしり」なるふざけた奴のコメントに同調する訳ではありませんが、結局宮武様は引きこもり・ニートの問題に関心が無いのかな、と感じました。
私は普段左派・リベラル色の強いブログや、反安倍政権(その補完勢力を含む)を掲げるブログをいくつか注視しているのですが、川崎と練馬で起きた引きこもり・ニート関連の事件があれだけ議論になっているのに、左派・リベラルを自任する方々はこの問題に目もくれません。
その上、私がしたコメントにも何かしらの反応があると思って見ていたのですが、次に来たのが「山尾おしり」なるバカの冷やかしコメントだけとは(呆)。
興味・関心が無いのなら、始めから取り上げない方が良いかと思います。

ある人が仰っていました。
『(人の書いた文を)三行以上読まずにコメントし、それでいて三行以上のコメントを書けない』
これは2ちゃんねらーバカウヨの典型的な特徴だそうです。
おまけに旧民主党に連なる議員をおちょくったり揶揄する“捨てハン”を使っているのもバカウヨの証左ですよ。
承認制をとっているのですから、こんなレベルのコメントは人の目に触れないようにして頂きたいものです。
返信する
[懲役6年、ただし・・・] (バードストライク)
2019-12-21 12:26:57
裁判が行われ、被告(父親)には懲役6年の実刑が下されました。
ネットや週刊誌などでこの件について読みましたが、「すれ違い」「不条理」「宿命?」という単語が切れぎれに脳裏に浮かびます。

父親はずいぶんとこの息子のために努力しています。
母親は耐えるのみだったようです。つまり自分からは動かず、夫に頼るだけでした。
うつ病を患っていたそうですが、息子のことが原因でしょう。
娘(被害者の妹)がいたけれど、5年前に自殺したとか。
「縁談はあったけど、兄に変なのがいる、と分かると次々と破談になり、絶望の末自殺した」
・・・

両親とも良い生まれで、その親の資産を受け継ぎ、また自身も官僚として出世を極め、退任後はチェコ大使
を務めたという。
名誉と栄華と資産!
庶民には手が届かない、羨ましい上級生活!
しかし、家の中は火宅だった・・・

被害者はいつ発症したのかは知らないが、統合失調症患者だという。
東邦駒場中時代にイジメを受けたのが引きこもりのキッカケ、というが、その年代ですでに発達障害か 統失の気があったのかもしれない。

就職(アニメ関連)に失敗し、母の兄の病院に就職させてもらうも、勤務態度が不真面目で迷惑をかけているとのことで退職させた。
その際、「上司が憎い。刺してやる」と包丁を用意していたというから恐ろしい。

一人暮らしをさせ、月イチ程度出向き、掃除をしてやったり(元事務次官が!)、食事に出かけたり。
アニメのマーケットで息子作の雑誌を売るため、一緒に売り子をしたり(元事務次官が!)。
でもダメだったようで・・・

息子が自宅に戻って間なしでこの事件が起きたのだが、事件前日に息子が床にうつ伏せになって、
「お父さんは東大出で何でもできて、何でも叶って、羨ましい。僕には何も無い!」
と号泣したそう。そこにこの父親が帰宅し、
「向こうの家(それまで一人暮らししていた目白の家)、掃除しなきゃな」
と呟いたところ、息子は父親の頭を引っ掴んで側頭部を壁だかテーブルだかに打ち付け、父親は『殺される』と感じたそうだ。

モーニングショーに出演していた「専門家」の解説。

> 引きこもりの実態に詳しい、東洋大学の小島貴子准教授はこのエピソードに着目。
「私は被告の状況よりも、英一郎さんがリビングで号泣したことに心を痛めました。引きこもりには色々な形がありますが、彼がリビングにいたということは、自分の存在を家族の前に出していたということ。『44歳にもなって親の期待に何一つ応えていない自分ってなんだったのか』と泣く姿を、両親に見せたというところを感情的に拾ってあげたい」
と話す。

「英一郎さんがこの時に欲しかったのは、『本当につらいよな』という共感の言葉と、泣いている息子に心の底から寄り添うこと。3歳の子どもは『見て、見て、聞いて、聞いて』という自我の発露があり、それを親がすくっていると安心して色んなことに挑戦する。この状態は、3歳児に戻って、自分のつらさを家のリビングで出せたということ。一人暮らしをさせられていたという気持ちもあったのではと思います」


そおかあ?
もし「お前も辛かったね」って言ったとしたら、きっとこの息子は立ち上がって、血走った目を見開いて、
「え” え”ーーーっ!!!
東大出て事務次官までなったオマエに、一体何が分かるんだよぉぉぉぉーーーっ!!!
オレの気持ちが、分かるわけ、ないだろぉぉぉーー!
ふざけんなよぉぉぉぉ」
と言って、父親の頭を引っ掴んで側頭部を壁だかテーブルだかに打ち付け・・・
ってことになると思うね。

この小島って学者の言い方がウエメセで妙に確信的で不愉快だった。
カルトの教祖様みたいだったよ。
それに、後付けならなんとでも言える。

最後に小島は
「(引きこもりの)暴力や脅しに屈してはいけない。
警察を呼んだり、本人を残して他の家族が逃げる、という方法もある」
と言っているんだけど、父親は
「警察を呼ぶと却って後でこじれるから」
と医師に答えているし、家族が総出で逃げたら、息子が何をするか分からない(人を襲撃するかも)し、責任感の強い元事務次官としては不可能な選択だっただろう。

家族の病理みたいなものを感じる。
誰もここから抜け出せなかった。
父親はひとりで良かれと思うことを実行し、結果的に空回りだった。
妻は病に籠もった。
娘は外に飛び出すことなく、自死した。
息子は・・・誰か言ってやれば良かったのに。
「あと10年もすれば、キミの両親もくたばる。そしたら財産は全部キミのものじゃないか」
ってさ。
でも自分ひとりで生きていく自信がなかったんだろうな。
そして自殺する勇気もない。
だから尊敬する父親に殺されたのは、実はこの息子の本望だったりして(← このくだり、批判が来るのは覚悟の上 書いてる)。

それにしても、医師は何をしていたのだろう?
こんな息子を一人暮らしさせるのが適当だったのだろうか。
統失の薬だって、ちゃんと飲んでいなかったんじゃないか。
こんな凶暴性を示している患者は、病院に収容しておくべきでは?


なお、判決のあと、父親は
「保釈」
となりました。
なぜ??
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

法律と裁判・事件」カテゴリの最新記事