高専観察録

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今まで出会った奇妙な漢字たち~第3弾(24時間テレビは気にしません。)~

2008年08月31日 | Weblog
24時間テレビでエド・はるみさん(明治大学文学部文学科演劇学専攻卒業)が一生懸命走っている時にも関わらず、こんな記事を書いてます。

ま、気にせず今日も3個ほど紹介させて頂きますねぇ。
まず1つ目。「鼈」
何か「亀」に似てますね。見たことがある方は鍋にしたり生血の日本酒割りを飲んだ事があるかもしれませんね。
簡単でしたね。答えは「すっぽん」です。
生息地は韓国、中国、台湾、北朝鮮、日本、ロシア南東部、東南アジアと限られています。
日本国内の分布は一応本州以南であると言われていますが、養殖場から逃げ出したりして野生化し、分布の特定が難しいそうです。
性格は臆病ですがその代わり自らの身を守るため噛みつくときの力は強力で、昔から「スッポンに噛まれたら雷が鳴っても離さない」と言う喩えまで生まれてしまうほど。
噛みついたすっぽんを無理やり引き離そうとすると甲羅の中に首を引っ込めてますます取れなくなるので注意が必要です。
もし噛みつかれた場合どうすればいいのか。水中に放すと離れて一目散に逃げていきます。
専守防衛のためですからね。隙が出来たら逃げるが勝ち、なんですね。
それにあの形相から分かるように、怪談話に登場したりもするんです。
北陸地方に伝わる奇談集「北越奇談」には、
江戸時代、ある大繁盛していたスッポン屋の夫婦が寝床で無数のスッポンの霊に苦しめられる話や、名古屋でいつもスッポンを食べていた男がこの霊に取り憑かれ、顔や手足がスッポンのような形になってしまったという話が記載されています。
他にも「怪談旅之曙」には、
ある百姓がスッポンを売って生活していたところ、執念深いスッポンの怨霊が身長十丈の妖怪・高入道となって現れ、そればかりかその百姓のもとに生まれた子は、スッポンのように上唇が尖り、目が丸く鋭く、手足に水かきがあり、ミミズを常食したという話も記されています。

さて。続いてはこちら。「天牛」
牛という言葉がありますね。そして天という文字。
こう考えてみましょうか。
「天高く伸びる牛の様な角を持つ。」これね、昆虫です。
長い触角をもつ昆虫。答えは「カミキリムシ」です。
全世界に広く分布していて、名前がついているものだけで約2万種、日本だけでも800種ほどが知られています。触覚の長さは雌雄で異なり、半分位だったり体長の3倍以上にもなるものも存在します。
脚先に並んだ付節はハート型で細かい毛が生えていて、吸盤とは構造が違うがものにくっつくという点では同じです。
この付節と鉤爪があるため、垂直に立つ木の幹も、ガラス面でも歩くことができます。
害虫としてのイメージが強いですね。幼虫が材部に穴を開けて生木を弱らせたり、木材の商品価値をなくしたり。
また、成虫でも木や葉、果実を食害するものがいるから農家の皆さんにとって頭が痛い存在ですね。
でも、害虫として嫌われる一方で、大型種の幼虫は世界各地で食用にされ、蛋白源の一つにもなっています。
日本も例外ではなく、薪の中などにひそむカミキリムシの幼虫は子どものおやつとして焚き火で焼いて食べていたなんてことも。
戦時中などなかなか食料を十分に確保できない時期もあったんですから納得ですね。
また、カミキリムシは多種多様で色彩も多いことから収集家が多いことも事実です。大体発見されたカミキリムシは体の模様や特徴によって名前が変わりますね。
代表的な物では「ルリボシカミキリ」色鮮やかな瑠璃色のカミキリムシ。
他にも蜂の様な黄色や黒の縞模様が特徴的な「トラカミキリ」蜂への擬態によって自分を捕食されないように進化したとも言われています。
「ケラモドキカミキリ」は見た目は螻蛄という昆虫のようだけども実はカミキリムシだった。何て事になってしまうんですね。
生き残り子孫を残すための進化ですよね、これは。

さぁ。今日最後の漢字。難問です。「膃肭臍」
部首として「肉づき」がつかわれています。通常、にくづきがつくときは体の部位を表したりする事が多いです。
この3つの漢字ですが、全部「日本漢字能力検定協会一級指定漢字」です。
これ全部当て字です。体の部位を表しているのではございません!!
海生哺乳類です。これは難しい。
答えは、水族館の人気者「オットセイ」でございます。
オットセイは住んでいる地域によって分類されます。
北太平洋側に生息しているオットセイを「キタオットセイ属」
南太平洋側に生息しているオットセイを「ミナミオットセイ属」の2種類に分類されます。
日本はキタオットセイ属が多く生息しています。
ビロードのような美しい毛皮や精力剤として古くから乱獲されています。
そのために生息数が激減。オットセイ保護区が5か所も出来てしまうほど数が減っているんです。
乱獲による減少を防ぐために日本では1912年に
「臘虎膃肭獣猟獲取締法(らっこ・おっとせいりょうかくとりしまりほう)」という法律を制定。
世界では1957年に「北太平洋のおっとせいの保存に関する暫定条約」をアメリカ、ソ連、日本の3カ国が締結しています。

人間が人間のやる事を抑制するのはなかなか難しいものです。
多く獲りすぎるとその分の代償は計り知れないものになってしまうかもしれません。
自然と人間の共生が難しくなっているからこそ、対策を練る必要がある事を知って欲しいです。

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