かたむく暗箱

空想の暗室

12月31日のほう

2005-12-31 22:48:26 | あんしつ

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海面がゆったりと 

2005-12-30 22:45:21 | 写真と虚言
海面がゆったりと 波打つ 
鯨たちの語りが織りなす響きは 同心円に拡がる 
誰が 長老の声を聞き取れるだろう 
ぼくらが ぼくらでありはじめた 
その声を 

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12月29日のほう

2005-12-29 21:42:30 | あんしつ
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「ぼくは ぼくの想像なのか?」 

2005-12-28 23:13:37 | 写真と虚言
「ぼくは ぼくの想像なのか?」 
ぼくがぼくに語る 日々の記録 肉体のない異常者の  行為や想像の語り 
酔っぱらいが街路に吐き出す  酒臭い胃液のように 異臭が漂う声が吐き出される 
肉体のない魂 つまり肉体は見失われ 迷路の中  魂は肉体を捜し彷徨う 
その逆ではなく 
流砂に彷徨うぼくは 誰のものか 
魂はいつまで経っても   肉体に到達出来ない物語 

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踏んづけられた三角

2005-12-27 22:12:35 | 写真と虚言

踏んづけられた三角 蹴飛ばされた四角 
悲鳴を微笑む二重丸 
ぽかんと 開けた口腔に 
明るい 少年探偵団を 生ける 
水を含まぬ 泪の図鑑 
どのページにも 裸を着込む 男と女たちが 
三角を踏んづけ 四角を蹴飛ばし 
世界の無意味を 絵解きしている 

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夜を

2005-12-26 23:28:11 | 写真と虚言

夜を 
紙飛行機のように 力いっぱい押し出す 
振りだされた腕の ほんの数㎝先 
頭を持ち上げ 一瞬の沈黙 
そして 失速する 

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12月25日のほう

2005-12-25 21:10:01 | あんしつ




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青い空が青い海の向こうに

2005-12-24 22:10:02 | 写真と虚言
青い空が  青い海の向こうに  沈んでいく 
大きな波が口を開け 凶悪な胃袋に流し込む 
青い反射が消えぬよう 
ぼくはクレパスの黒で すばやく水平線を描く 
二等分された 青い空と  青い海 

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透明の板がブロック塀に

2005-12-23 22:37:07 | 写真と虚言
透明の板がブロック塀に打ち付けてあるのだが それは掲示板ではないらしく 何か張り付けられた痕もなく 稚拙な男の性器が一つ 釘か何かで引っ掻いて 悪戯描きされていた 隅っこにある 小さく悲しげな猥褻 
カメラのシャッターを切り フラッシュがぼくの眼に薄暗く撥ね返る 爆発しない 寂しい光景 
近所の住人であるらしい女の影が 辻に身動きせずこちらを窺っている 街灯の逆光を受けながら 灯りは ぼくの顔まで届いているだろうか 冷たい風に皮膚がこわばり 艶のない顔には怖ろしさなどなく きっと寂しげで 死に神にとり憑かれた哀れさを漂わしているだろう
鋭い風に圧され ぼくの影が動く 女の影は徐々に小さくなり ぼくが辻に立ったとき 街灯はぼくの影を 弱々しく照すばかりで あとは 何もかもすっかり消されていた

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12月22日のほう

2005-12-22 23:04:12 | あんしつ
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