かたむく暗箱

空想の暗室

コーンポタージュの空き缶が逆立ちしていた 

2006-02-28 23:49:14 | 写真と虚言
コーンポタージュの空き缶が逆立ちしていた 低いブロック塀のてっぺん 剥げた掲示
板の前 遠い外灯の微光を受け ぼやけた投影図を二重三重に作っている それが路
地の入り口 
夜になると その狭い狭い路地が寒さに震える 早足で歩く誰もが 夜の短い一直線を
抜け出せず 夜が明けるまで不思議な迷路の一点を 歩きながら立ち止まっている
「あのコーンポタージュは誰が飲んだのだろう?」
目覚めると 夢の中ではそればかり考え 答えがでず この短い路地から抜け出せな
かったように思える よく凍え死にしなかったものだと 一瞬軽い目眩がする 
時には 蒸し暑い日もあるというのに 

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クシャミする 猫が

2006-02-27 23:45:05 | 写真と虚言
クシャミする 猫が 凍える愛を 唄うと 
10年過ぎて 濡れネズミの 雨が 
空から 墜ちてくる 
三角定規の肩凝りが ここから始まるのだった 

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2月24日の暗箱

2006-02-24 23:55:33 | あんしつ
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2月23日の暗箱

2006-02-23 23:36:24 | あんしつ
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振り向くと 

2006-02-22 22:45:33 | 写真と虚言
振り向くと ぼくが立っている 
「やっぱり分裂しているわねえ.....」と 妻が不自然に笑う 
ほんとうに毎日毎日  ぼくは分裂している 
ぼくから ぼくが分裂し 
分裂したぼくが ぼくを分裂させる 
「分裂に なんの意味があるのよ 」 そう言う妻も 
分裂している 
妻と ぼくが 一対一で対応し 
分裂する妻と 分裂するぼくが 
まるで田園風景のように 
しずかに ある 

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ガレージが カメラと向かい合う

2006-02-21 23:52:21 | 写真と虚言
ガレージが カメラと向かい合う 
手前の車は 暗闇に隠れているつもり 
ガレージの奥には 屋根がなく 
空色が 騒がしい 
ただそれだけ
それだけの 変数 

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2月20日の暗箱

2006-02-20 23:32:23 | あんしつ
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招きもせぬ空が

2006-02-19 22:44:40 | 写真と虚言
招きもせぬ空が 向こうからやてくる 
遠い宇宙を 観察しなければならないのに 
青色が ぼくたちを暗箱に 変換する 
遠い ぼくたち 
汚れた 画用紙 
写真のように 傾いて立っている 
影 

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老婆が足早に向かってくる

2006-02-18 21:33:07 | 写真と虚言
老婆が足早に向かってくる  朝 
シャッターを切ろうか 待つべきか迷っている内に 
何か思いだしたらしく 突然踵を返し 去っていく 
ただの 早朝風景 

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2月17日の暗箱

2006-02-17 23:41:27 | あんしつ
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