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去っていくのか よるに うしなったものが
なんであったか
なんじゅうねんも
なんびゃくねんも
とおい
せなかの ふうけいを
ふりかえって みるのだが
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夫人ソックスは 630円ではありません もちろん
さんびゃくにじゅうえんでも
ないわけで
そんざいしないものには
ねだんがつけられない
だからって ただだと
そうきめられても こまるのです
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空想ばかりで おれには おれがあるものだと
そう おもって おれのかげを
くうそうしてきたのだ
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積み上げられる 無 ひかりが うおうさおう
やじるしなど むしして
こんらん
みみに いたみを
はしらせる
こどもたちの かんせい
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孤独な カーテン へっどらいとの はんしゃを
さけることができず
すぎさる
くるまの らたいを
つつみこむこともできず
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とうめいにんげんの かれ あなたは なにをきせるのか
ぐるぐるまきの しろいほうたい
それは ないよな
とうめいの すはだに
なにをきせるのだ
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夜明けを しらみはじめた てんたいを
うつくしいと
こえに だせるだろうか
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おいしゃさん ごっこ あたまの なかから
てじなのように
ばんこくき
つぎからつぎから
とりだしてみせます
すべてを 「む」に
いたしますれば
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凝視すれば 虚ろ みている はずなのだ
なのに
さっていくのではなく
うつろに かくさんする
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ひげきの みらい がきだいしょうが さって
びしょうねんが さって
こうえんも
もりも
くうはくを かこいこんでいる