かたむく暗箱

空想の暗室

時間の地下室080729

2008-07-29 08:28:27 | 写真と虚言
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最初は蠅が視界の端から端へ

2008-07-05 08:38:44 | 写真と虚言
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最初は蠅が視界の端から端へ飛んでいった。時々。 
それから床を素速く横切っていくゴキブリが現れた。 
そして猫がやってくる。ベランダを歩いているやつではなく 
部屋を我が物顔にのそのそと猛獣気取りで歩く、あいつ。 
つぎには犬が住みついた。 台所でいつも妻の足許に寝そべっているナマケモノ。 
とうとう若い男が妻の横に並んで座る。 
幾つも蜜柑の皮をむき、食べるのではなくそれらを整然と座卓に並べる。 
ぼくの眼の前で。 
「あーあっ」 声を出すと彼らは即座に消える。 
いつも そうだ。 
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振り返ると 

2008-07-04 07:32:30 | 写真と虚言
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振り返ると 
自転車がすばやく私を避け 
角を曲がっていく 
わかい父の背中を載せて 
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帰り道、ビデオを拾った。

2008-07-03 00:04:20 | 写真と虚言
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帰り道、ビデオを拾った。
シーソーが画面の中央にあって、季節は冬らしく木枯らしがひゅーひゅー音を発て
砂煙が舞っていた。右に地球が載っていて、左には子供が腰掛け、シーソーは天秤
のように平衡を保っていた。
地球には大きな彗星が接近し、危機に瀕している。宇宙ステイションは原子爆弾を
積み、星に向かって自爆を決心しているらしかった。
地上の基地では、赤子を抱く女がカメラに向かって言う「あなたのいない地球なんて
無意味なものよ、私やこの子にとって。誰のことも考えることはない、あなたと私たち
のことを考えて欲しい。地球上にほかの誰も生存していなくとも、あなたと私たちが
生きていればそれがいいのよ・・・・」子供を諭すように淡々と静かに語り続ける。
一刻を争う、そんな設定の話の筈なのに、隊員たちが女の話を意識から外す素振
りを見せない。語りは長々と続き、その語りに耐えられなかったかのように、雑音が
女の部屋一杯に反響し画面が白く光った瞬間、黒い画面に変わる。
エンドタイトルが女の語りを流しながら、下から上へ移動する。 
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感性など とっくに消えて

2008-06-21 05:48:33 | 写真と虚言
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感性など とっくに消えて 

ゆれる 
ほんの 
すこし 
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飽き飽きするほど さようなら

2008-06-20 22:52:34 | 写真と虚言
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飽き飽きするほど さようなら 
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機会の 均等

2008-06-19 11:34:04 | 写真と虚言
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機会の 均等 

たぶん 
なにを したって 
あなたには であえない 

おいて いるからではなく 
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夢の かるふぉるにあへ

2008-06-18 21:18:33 | 写真と虚言
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夢の かるふぉるにあへ 

くうきょには ひとすじ 
きれつがあって 
ききおぼえがないのに 
いつのまにか なつかしい 
おんがくが しみでてくる 
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酔わせてよ 時代

2008-06-17 09:55:27 | 写真と虚言
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酔わせてよ 時代 

ふらふら 
ちどりあしの わたしに 
こえが かかる 

だれが 
どの ほうこうから 
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死語だろうか

2008-06-16 20:34:21 | 写真と虚言
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死語だろうか 

にしびが さしこむ 
あぱーとに 
その しょうねんが 
すむ 
だから うつくしく 
あやしげなんだって 
あのひとが いっていた 

そんな おもいでが 
みらいから 
ぶつかってくる 
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