さびしんぼうの夏

最近、夜中に目が覚めてしまい、
物思いにふける事が多くなった。
そして、自分の人生を振り返り、
あのときああすればよかったとか、
なんであんなことをしてしまったんだろう、とか
小さなくだらないことでくよくよしてしまう。
「そんな無意味な事、辞めよう」と思うのだが
どうしてもどうしても、そっちに考えが行ってしまう。

実家があるN市で、４年ほど暮らしたことがあった。
（夫の転勤先が、たまたまN市だったのだ。）
悠々と、たゆとう、ふるさとの川。先には日本海。
そこに夕日が沈む様は、実に美しい。
夏には、花火大会。お祭りのお囃子が聴こえてきて…
社宅のベランダに立ち、久々に故郷の風景と風を感じて、
アタシは満ち足りた気分でいた。
嗚呼、なんて平穏で幸せな瞬間（とき）なんだろう、と。

高校卒業まで育った街。
学生のころは、街を出たくてしかたなかったのに、
大人になって帰ってきたら
『この街が大好きだ』って気がついた。
故郷の街で過ごした４年間は、
とても居心地が良く、楽しかったのだ。
戻りたくて仕方がない。
無理だとはわかっているけれど。

ホームシックだ。これ、間違いなく、ホームシックだよ。
心が、痛い。焼けるような、凍みるような、そんな痛みだ。

高速道路を使ったら２時間ちょっとなんだけど、
アタシにはすでに遠くなりつつある。

『今住んでるこの街が、自分の故郷だ』
と言える日がくるだろうか？
いつか『心休まる場所』になるだろうか？

…う～～～～ん。なんか、イケマセンなあ。
手術してから、ホルモンバランス崩れちゃったせいなのか…
どうもマイナス思考になりやすい。
実家には、時々帰っているんだけどねえ。