こんな人です、ゲルギエフさんは。こわもてですが、笑顔はかわいいんですよ。
ほらね。
今回は次の3曲+アンコール1曲。
1.グリーグ 組曲「ホルベアの時代から」
2.ブラームス 交響曲第2番
3.ベルリオーズ 幻想交響曲
アンコール (ロシア風の舞曲? 詳細不明)
1.は5曲からなる組曲で、ノルウェーの文学者ホルベアの生誕200年を記念して作曲したもの。バッハと同じ時代の人なのでバロック様式での作曲。初めて聴くが、透明な感じの曲。オケは、第1バイオリンx8、第2バイオリンx5、ビオラx4、チェロx4、コントラバスx2の弦楽のみ。第1バイオリンが多いので、厚化粧と感じた。もう少しさらっと淡白に弾いたほうが、原曲のイメージに合っていると思った。メンバーは、若手中心に選んだようで、若手育成?
ゲルギエフの指揮は、こと細かく、空中でピアノを弾いているように、指を上下にひらひらする。第1バイオリンへは上体を突っ込むように、感情表現を要求する。立ち位置から、左へ一歩、右へ一歩、合計3箇所を使ってるかな。
今回は、終わって楽団が引き上げた後も鳴り止まぬ拍手に、出てきてくれて観客も大喜び。
2.はブラームスの交響曲の中では地味なほう。やはり、1番(堂々たるハッタリ無しの正攻法曲)、4番(泣き節→喧騒→人生の悲哀を越えた超越?)、3番(悲哀こそが真の幸福みたいな?)の3曲が素晴らしい。この2番は、暖かくてブラームスの「田園」と呼ばれているそうな。僕は、違うかな?まだ、理解できていないかも。
3.はよく聴いた曲だが、説明書きを読んでビックリした。この曲の作曲は、ベートーベン第9初演の6年後で、ブラームスはまだ生まれていもいない時だと!きっちり構成された古典派(モーツァルト、ベートーベン)のあと、ロマン派(自由な形式、感情や情景、心情の表現)はかくも急に現れたということか。でも、シューベルトの最後はベートーベンとダブルので、そう急でもないが、こと管弦楽の大編成でここまでまったく新しいことをやったとは、すごいぞベルリオーズ!で、演奏だが、1楽章(夢、情熱)と最終5楽章(魔女の夜宴の夢)は、もう素晴らしいことこの上なかった。オケが全部フルになる構成は曲自体も、演奏もすばらしく、オケが完璧に表現し切っていたと思う。やはりこれは名曲である。しかし、CDでは僕は、2楽章(舞踏会)と4楽章(断頭台への行進)が好きであったのだが、意外とこれらの実演は、そんなものかな?と物足らなかった。何故だろう?大音量の実演では、ニュアンスの出し方が聴くほうのイメージと合わないとそうなるのかもしれない。何しろ、音はデカイ、昔からソ連のオーケストラは。まあ、これも実演ならではの楽しみ。
ということで、初冬の日曜の夕刻は、満ちたりて暮れていったのでありました。
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