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QAZのつれづれ日記

  思いついたことを気ままにブログで

立川マンドリンクラブ定期演奏会のご案内

2018年09月19日 | 音楽


私が参加しています立川マンドリンクラブでは来る11月11日(日)に第37回定期演奏会を開催致します。
ちらしが出来上がりましたのでアップさせていただきます。


毎回テーマを決めて曲を選んでいます。
今年のテーマは「マンドリンが奏でる一日の風景」です。
スタジオジブリ制作のアニメ映画「コクリコ坂から」の挿入歌「朝ごはんの歌」を演奏します。
お釜の湯気が伝わってくるおいしい演奏になりますかどうか。

皆さまのご来場を心よりお待ちしております。

関連ブログ:
立川マンドリンクラブ第36回定演終了(2017.11.05)


ホームページ 「楽譜の載ったサイト」完成

2018年09月01日 | 音楽


長らく工事中だったホームページのサブページ「マンドリン等の聴けるサイト」を7月に完成させたのに続き、このたび「楽譜の載ったサイト」を完成させました。


この「楽譜の載ったサイト」は完成済の「マンドリン等の聴けるサイト」と今後作成の「マンドリン関係の書籍」とともにホームページの三大中核資料として最も力を入れて編集しています。

次の「マンドリン関係の書籍」他の完成目指して引き続き頑張りたいと思います。

関連ブログ:
ホームページの一部「マンドリン等の聴けるサイト」やっと完成!(2018.07.27)


18世紀生まれのマンドリニスト

2018年08月28日 | 音楽


ブログ「18、19世紀のマンドリニスト」(2018.08.21)で古きマンドリニストを調査しリストアップしましたので、まだ紹介していないマンドリニストについて主に作品の演奏、楽譜について順次調べてゆきたいと思います。
ただ古い時代のことですので情報量のあまりにも少ないマンドリニストについては割愛しました。
ポートレートのあるものについては極力載せるようにしました。

Carlo Cecere (カルロ・チェチェーレ、1706-1761)
バロック 時代と古典時代の過渡期のイタリアの作曲家でした。
Gimo作品60 (Gimo Collectionについてはここをご参照ください。以下同様)がよく知られています。
ネットでアネッダの演奏リーネンの演奏が聴けます。
楽譜はここからダウンロードできます。
Gioacchino Cocchi (ジョアッキーノ・コッキ、1715-1804)


Gimo作品76を作曲したイタリアのオペラ作曲者です。
Emanuele Barbella (エマヌエレ・バルベッラ、1718-1777)


イタリアの作曲家でバイオリニスト。
マンドリン二重奏曲Sonata for 2 Mandolins (Gimo12、13、14、15、18)がよく知られています。


上の動画はEmanuele Barbella作曲「Alla Francese Furiposamente of the Duo No.1 for two Mandolins」第2楽章でオランダのマンドリン合奏団Het CONSORT所属のマンドリニストPauline UlderinkとRuth Rouwが演奏、使用楽器は両者エンベルガーです。

(上段:1st Mandolin, 下段:2nd Mandolin)

この楽譜はここにあります。
Pietro Denis (ピエトロ・デニス、1715-1788)
フランスのマンドリン作曲家で教則本を執筆しました。
氏の作品の演奏はYouTubeにいくつかアップされています。


Pietro Denis, Capriccio


Giovanni Battista Gervasio (ジョヴァンニ・バッティスタ・ジェルヴァシオ、1725-1785)
ナポリの作曲家でありマンドリンの巨匠、Gimo作品のSonata 4曲141、142、144、145および147、149、150を遺しています。
アネッダの演奏でGimo142を聴くことができます。
楽譜はここにあります。
Gabriele Leone (ガブリエレ・レオーネ、1725-1790)
ナポリで生まれフランスで亡くなったマンドリンとバイオリンの作品の巨匠であり作曲家でした。
彼も教則本を書きました。
氏の作品の演奏もYouTubeにいくつかアップされています。
6 Violin or Mandolin Duetsの楽譜がIMSLPからダウンロードできます。

(上段:1st Mandolin, 下段:2nd Mandolin)

紛らわしいことにPietro LeoneというマンドリニストがいますがGabriele Leoneと区別することはほとんど不可能と言われ、別人か同人かもよくわかりません。(つづく)

関連ブログ:
18、19世紀のマンドリニスト (2018.08.21)
17~18世紀イタリア生まれのマンドリニスト (2018.01.12)
・イタリアのマンドリニスト (2015.08.28)


18、19世紀のマンドリニスト

2018年08月21日 | 音楽


古き時代のマンドリニストについてこのブログでも何度か取り上げてきていますが、調べるごとに新しい人が見つかります。

英語版Wikipediaではマンドリニストについて
Mandolinists
Mandolinists by nationality
Italian mandolinists
Italian classical mandolinists‎
Classical mandolinists by nationality
Classical mandolinists
Mandolinists by genre
Mandolinists by genre and nationality
List of mandolinists

などの検索項目があり、各項目に重複して載っているマンドリニストも多くいます。

これらを詳細に調査して、というところまではゆきませんが今回18、19世紀のマンドリニストについてできるだけ多く抽出してみました。
古い時代のことですからマンドリニストといっても演奏家と作曲家が混在しているでしょうし生没年について諸説ある人もいます。
一応生年順に並べてみたいと思います。
印の付いているマンドリニストはこのブログに紹介済で、リンクを張ってあります。

18世紀生まれのマンドリニスト
Carlo Cecere (1706-1761) 
Carlo Sodi (1715-1788) 
Gioacchino Cocchi (1715-1814)
Emanuele Barbella (1718-1777)
Pietro Denis (1720-1790)
Giovanni Battista Gervasio (1725-1785)
Gabriele Leone (1725-1790)
Gaspare Gabellone (1727-1796) 
Prospero Cauciello (vers 1730-1790)
Christoforo Signorelli (1731-1815)
Giovanni Cifolelli (1735-1810)
Valentin Roeser (1735- 1832)
Alexandro Marie Antoin Fridzeri (1741-1825)
Wenzel Krumpholz (1750-1870)
Giovanni Fouchetti (1757-1789)
Giovanni Francesco Giuliani (1760- 1818)
Giovanni Battista Gervasio (c.1762-1784)
Vincent Houška(1766-1840)
Leonhard von Call (1767-1815)
Domenico Della-Maria (1768-1800)
Bonifacio Asioli (1769-1832)
Mademoiselle de Villeneuve (1770)
Giovanni Hoffmann (also Johann Hoffmann) (1770-c.1814)
Ludwig van Beethoven (1770-1827)
Bartolomeo Bortolazzi (1773-1820)
Johann Nepomuk Hummel (1778-1837)
Pietro Vimercati (1779-1850)
Luigi Castellacci (1797-1845)

19世紀生まれのマンドリニスト
Giovanni Vailati (1815-1890)
Johann Dubez (1828-1891)
Eduardo Mezzacapo (1832-1898)
Giuseppe Branzoli (1835-1909)
Giorgio Miceli (1836-1895)
Giuseppe Silvestri (1841-1921)
Pietro Armanini (1844-1895) (Italy)
Ferdinando de Cristofaro (1846-1890)
Luigi Denza (1846-1922)
Giuseppe Bellenghi (1847-1902)
Angelo Mascheroni (1855-1905)
Jean Pietrapertosa (1855-1940)
Serguei Taneiev (1856-1915)
Johann Hoffmann (1857 - 1919)
Carlo Munier ( 1859-1911)
Carlo Curti (1859-1926)
Arling Shaeffer (1859-after 1938)
Raffaele Calace (1863-1934)
Clarence L. Partee (1864-1915)
Herbert J. Ellis (1865-1903)
George H. Hucke (1868-1903)
Vittorio Monti (1868-1922)
Jules Cottin (1868-1922)
Seth Weeks (1868-1953)
Salvador Léonardi (1872-1938)
Laurent Fantauzzi (1872-1941)
Valentine Abt (1873-1942)
Bob Yosco (1874-1942)
Michele Salvatore Ciociano (1874-1944)
Mario Macciochi (1874-1955)
Giuseppe Pettine (1874-1966)
Samuel Siegel (1875-1948)
Edgar Bara (1876-1962)
Nikolaos Lavdas (1879-1940)
Ugo Bottacchiari(1879-1944)
James Reese Europe (1881-1919)
Bernardo De Pace (1881-1966)
Silvio Ranieri (1882-1956) (Italy)
Giovanni Gioviale (1885-1949)
Daniel Ruyneman (1886-1963)
Mario De Pietro (1898-1945)

生没年不詳なマンドリニスト
Carlo Antonio Gambara (early 19th Century)
Carmine de Laurentiis (19th Century)
C. A. Bracco (early1850s-1903)
Belisario Mattera (19世紀中期)
Angy Palumbo (?-1960)
Domenico Caudioso (?-1750)
Abbate Ranieri Capponi (?-?)
Francesco Contini (?-?)
Signor Fargere (?-?)
Giuseppe Giuliano (?-?)
Antonio Riggieri (?-?)
Filippo Sauli (?-?)
Signor Verdone (?-?)
Vito Ugolino (?-?)

長くなりますのでここでは名前を羅列しただけで終わりますが、今後古いマンドリニストから順に調べられるだけのことは調べてブログに順次掲載してゆければと思っています。

関連ブログ:
17~18世紀イタリア生まれのマンドリニスト (2018.01.12)
イタリアのマンドリニスト (2015.08.28)


ホームページの一部「マンドリン等の聴けるサイト」やっと完成!

2018年07月27日 | 音楽


長らくほったらかしで工事中のまま気にはなっていましたがホームページ「QAZのマンドリンと旅行の小部屋」のサブページ「マンドリン等の聴けるサイト」をこのほどやっと完成させました。


ホームページはこのgooブログとは大違いで作成、編集がとんでもなく面倒でとにかく大変です。
ホームページ・ビルダーのような市販の専用ソフトを使わなくてもブログ感覚で簡単にホームページが作れると言うJimdoを利用して作成してはいますが、それでも感覚的にはブログの数十倍の手間がかかってとてもとても簡単にというわけにはゆきません。
従って取り掛かるのがとてもおっくうになりどうしても先延ばしになってしまいます。

ブログもホームページも私は原稿をワードで作成し十分推敲してからアップロードしています。
今回内容的にも以前の原稿が古くなっていたため全面的に見直し半分近くを新たに書き直し、書き足ししました。

完成した原稿をネット上に載せ替えるときブログはコピペでほぼ原稿どおり移せますがホームページの場合はレイアウトが崩れたりフォントの大きさや色、行間隔等が指示した通りにならないことが茶飯事で、修正してもなかなか思い通りにゆかず非常にストレスを覚えます。

今回ホームページ作成にあたって元になるワード原稿はフォントサイズ12ptのメイリオで作成しています。
Jimdoホームページはフォントサイズ24pxに指定しています。
メイリオはJimdoには標準装備されていません。

ワード原稿をそのままコピペしてホームページ編集画面に貼り付けようとしてもすんなりとは受け付けてくれません。
持ち込み元(ワード)の文字情報と持ち込み先(Jimdo)の文字情報が異なるため文字情報をどう扱えばよいかJimdo側で混乱してしまいどちらの文字情報にも合わない変換がされたり、固まってしまったりして使いものになりません。

このような場合に備えてJimdo側には持ち込み元の文字情報を解除して持ち込み先の文字情報に合わせることのできる設定解除機能がありますが、この機能を有効にしてもまだうまくゆきません。

ならば最後の手段、持ち込み元(ワード)の文字情報をいろいろ変えてみて何とか持ち込み先(Jimdo)の文字情報に合わせるしかありません。
試行錯誤の結果ワードのフォントサイズを18ptに拡大してコピペするとJimdo側で自動的に24pxの大きさになることがわかり、せっかく作成したワード原稿をまた手入力ではじめからJimdoに入力する労力が必要なくなり作業効率ががぜんアップしました。
コピペすることでメイリオフォントはそのままJimdoに引き継がれます。

旧ホームページではYouTube動画についてはリンクを貼ってYouTubeに飛ばなくてはなりませんでしたがJimdoでは飛ばなくてもページ内に動画を貼りつけることができるようになりました。
一番の難関であったmp3プレイヤーもHTML5のaudio要素を使うことでページ内に貼りつけることが可能となり、動画はないが音源ならあるというものについてもいちいち音声のためだけのYouTube動画を新規作成する必要がなくなりました。

mp3プレイヤーについては、トップページのプレイヤーはautoplayで音量0.2に設定していましたがサブページではautoplayを解除し音量を最大値の1.0としました。
Jimdoでは管理メニューのヘッダー編集でプレイヤーの大きさなど全ページのプレイヤー一括の設定がされますが、音量などaudioタグ属性についてはサブページごとに設定が可能となっています。

またJimdoではページ内へリンクを貼ることはできなくはないのですがHTML編集をしなければなりません。
簡単にできるなら使用しようと思いましたが面倒なので今回は使いませんでした。

「マンドリン等の聴けるサイト」ではマンドリン等撥絃楽器の選りすぐりの演奏を集めました。
これをとっかかりに次のサブページの完成へと工事に弾みがつけばよいのですが。

関連ブログ:
Jimdoホームページで音楽プレイヤーに異変が・・・(2018.03.10)
Jimdoホームページにプレイヤーを埋め込んで鳴らす方法(2/2) (2017.02.11)
Jimdoホームページにプレイヤーを埋め込んで鳴らす方法(1/2) (2017.02.04)


イタリアの伝統的な器楽曲

2018年07月11日 | 音楽


3月のブログにネットから耳コピーし編曲したポルカ「あこがれ」(Añoranza)を載せましたが、今回はイタリアの伝統的な器楽曲を取り上げました。
曲のタイトルも作曲者もわからない曲ですが、ポルカ同様マンドリンで弾いてとても軽快で楽しい曲と思い採譜し電子演奏させてみました。

絶対音感があるわけではありませんし耳コピーで音を正確に採ることは耳の訓練にはなっても私のような素人にとってとても神経を使い疲れる作業です。
原曲は♭4つのへ短調で後半3音下がった転調をしています。
これをマンドリンで弾きやすいよう最初♯1つのホ短調とし後半効果をねらって1音上げた嬰ヘ短調(♯3つ)にしてみました。
転調前のつなぎの部分も最小限少し旋律を変えて工夫しました。

常用している楽譜作成ソフトはカワイのスコアメーカー8プロです。
このソフトのマンドリン音源はプロとは名ばかり、とても貧弱で使いものになりません。
それにヴァイオリンには同族楽器としてのビオラやチェロの音源が備わっているのに対してマンドリンの場合マンドリンだけでマンドラ、マンドセロの音源が無く、これではマンドリンのアンサンブルやオーケストラのスコア譜面は作れても演奏ができませんのでまったくもって不完全な製品です。
もっともマンドラ、マンドセロの音源がマンドリン同様低品質ではこれまた話になりませんが。
こんな不完全なソフトをプロと称して高い販売価格で売っているのですからあきれます。

マンドリンの音源を使ってマンドラやマンドセロ音域の音を無理やり出すことはできますが、それでは音程は合ったとしてもマンドラやマンドセロ本来の楽器の音色とは異質なものになってしまいます。
マンドリンとマンドラ、マンドセロとでは楽器が発音する倍音の構成が違いますし使用する弦も異なりますので音色が異ってしまうからです。

今回もマンドリン音源はスコアメーカー内蔵のものは使わず外部から一応マンドリンとして聞けるレベルの音源を入れて鳴らせています。

同じ楽譜作成ソフトでもフィナーレはCドライブ内の音源ファイルの所在を明らかにしていますので音源ファイルをそっくり外部のものと入れ替えることができますが、スコアメーカーは音源ファイルの所在を明らかにしていませんので入れ替えることができません。
従って外部音源に切り替えることで内部とは別の音源で鳴らす工夫をしなければならず大変やっかいです。

楽譜が完成すると楽譜からコードネームを自動生成させ、そのコードネームに応じて自動伴奏してくれます。
スコアメーカーは伴奏スタイルになんと230ものパターンが用意されています。
便利で面白いですがなぜかこんなところばかり凝った仕様になっています。
今回マーチの伴奏を使用してみました。

作りました曲をこのブログに貼りつけるまでの作業手順は
・スコアメーカーで曲を鳴らしながらフリーソフト「超驚録」で録音
・曲全体の音量をボリューム調整する
・wavファイルにして保存する
・フリーソフト「えこでツール」でwavをmp3ファイルに変換する
・フリーソフト「mp3 Direct Cut」で曲頭、曲尾の無音部分をカットする
・Windows Liveムービーメーカーで写真と音楽を合体させる
・wmvムービーファイルとして保存する
・YouTubeにwmvファイルをアップロードする
・YouTube動画をこのブログに貼りつける





関連ブログ:
ポルカ 憬れ(Añoranza)(2018.03.27)


カラーチェが演奏したSPレコード入手

2018年05月04日 | 音楽


珍しくRaffaele Calace(ラファエレ カラーチェ、1863-1934)の演奏したSPレコードがヤフオクに出品されましたので、先日応札し入手できました。

レコードが一般的でなくなった今日SPはスペシャルのこと?なんて思われるかたもいらっしゃるかも知れませんが、33回転のLP(long playing)レコードが出現する以前の古い78回転standard playingレコードを指しています。

ヤフオクに出品されていましたラファエレ カラーチェ演奏のレコードは次の2枚でした。
A ボレロ/ガボット (Raffaele Calace作曲) レーベル:日東蓄音器
B ロンド ニ長調/矯人の踊 (Raffaele Calace作曲)  レーベル:日東蓄音器

矯人(きょうじん)とはあまり使わない言葉ですが、原題Danza dei naniを当時「矯人の踊」と訳していたようで、中野二郎は「正しくは”小人たちの踊り”であろう」と解説しています。

ラファエレの演奏はSPからの復刻版としてマンドリン本邦渡来100年記念「マンドリン カラーチェ親子の至芸」と題して1995年VictorからリリースされたCDに収録されています。

このCDに上記ボレロ、ロンド、矯人の踊のニットー盤が収録されていますが、ガボットはグラムフォン盤とポリドール盤だけでニットー盤がありませんでしたのでガボットのあるAのみ応札しました。


ラファエレは1921(大正10)年皇太子裕仁(ひろひと)親王のナポリ訪問の際自作の楽器を献上しました。
彼は1924(大正13)年12月三女エレオノーラと駐日イタリア大使館付通訳官コルッチの婚礼のために来日、翌年にかけて東京、京都、名古屋などで演奏会を開いています。
CD 「逅(こう)~日本のマンドリン」入手しました、のブログ(2017.12.01)に紹介しました写真にエレオノーラとコルッチが写っています。

このニットーレコードは来日の好機を捉えた貴重な記念録音盤と言えます。

来日中にラファエレは東伏見宮邸に招かれ皇太子で摂政宮(せっしょうみや)の裕仁親王に御前演奏をしています。
この前後1923 (大正12)年には関東大震災勃発、1924(大正13)年皇太子結婚、1926(大正15)年改元、裕仁親王は昭和天皇となりまさに激動の時代でした。

カラーチェ家の家系は、初代カラーチェ、ニコラ(Nicola Calace、1794-1869)が1825年にカラーチェ社を創立、楽器製作の工房はその後息子のアントニオ(Antonio Calace、1828-1876)、その息子ニコラ二世(1859-1924)とラファエレ(Raffaele Calace、1863-1934)兄弟、弟ラファエレの息子ジュゼッペ(Giuseppe Calace、1899-1968)、その息子ラファエレ二世Raffaele Calace Jr(1948-)とその一人娘アンナマリアAnnamaria Calace(1980-)へと引き継がれ今日に至っています。


武井守成はラファエレ一世を名実ともにムニエルの後継者と称賛しました。
ラファエレは昭和天皇の皇后、良子(ながこ)妃殿下に「カント・ノスタルジコ~ラファエレ・カラーチェより 桜の地に咲く優しき花 良子妃殿下に捧ぐ」と記したCanto Nostalgico(望郷の唄、Op.135)という曲を捧げています。

この曲はとても優美な曲で、中野二郎は「冒頭ピアノのアルペジオにのって淡々と望郷の思いを述べるところから既に切実で、これがリュートに受け継がれて、マンドリンが綿々とまつわって粉飾するあたりは、泣きたいほどである」と語っています。


Canto Nostalgico (Raffaele Calace) Op.135

話を戻してこのSPレコードですが、いざレコードをプレイヤーにかけて聴こうとして大失態、手持ちのプレイヤーはLP、EP(extended playing)レコード専用でした!
SPレコード用のプレイヤーを手に入れるまで聴くことができません。

これだけいろんなソフトがあるのですからLPプレイヤーにSPレコードをかけても針やレコード溝の構造的な違い、回転速度の違い、音量、フォノイコライザの周波数特性を含めソフトで補正してそれなりの音で聴かせてくれるようにはできないものでしょうか。
ダイヤモンド針であればSPレコードをかけても針の摩耗に対しては問題ないような気もするのですが。


移調と転調の違い

2018年04月16日 | 音楽


楽典によれば移調(Transposition)とはある楽曲を丸ごと他の調に移すこと、転調(Modulation)とは楽曲の途中で他の調に変えることとあります。

移調はカラオケでキー(調)を上げ下げするイメージ、ギターのキーを上げるカポタストのイメージです。
移調楽器である例えばB♭クラリネットの実音は楽譜より長2度低いですのでピアノ譜と同じ高さの音を出すためにはピアノ譜より長2度高く(例えばピアノ譜がハ長調であればニ長調に)移調した楽譜を用いることになります。

移調と転調の違いで注目されることは、移調では調を変えても音符一つ一つの音価(音の長さ)や音符前後の相対的な音程関係は全くそのままであるのに対して転調ではそのままの場合とそのままではない場合とがあることです。
そのままの場合の例では曲の最後の方でサビを半音上げる場合など、そのままではない場合の例では長調から短調への転調などがあげられます。

そのままの場合は曲の途中で移調したと考えることもできますが、あくまでこの場合も転調と言い移調とは言いませんのでよく混乱するところです。
私自身はこの場合移調(あるいは部分移調)と言ったほうがいいのにといつも思うのですが、なぜ転調に含めてしまうのか識者のご意見をお伺いしたいところです。

転調には長調から長調、短調から短調、長調から短調またはその逆と4つのケースがありますが、多いのは転調しやすい同主調(主音が同じ)、平行調(調号が同じ)や属調など関係調(近親調)への転調です。

転調は聞き手に自然に聞こえなければ取って付けたような感じになってしまいますから転調する直前和音の連結に転調を匂わせる工夫がなされるのが普通ですが、ポピュラー音楽などで曲の途中で突然ピッチを全体的に半音あるいは全音上げる転調は突然ギアを入れ変えたような印象を伴うことからトラックドライバー転調と呼ばれたりします。

長調から短調またはその逆の転調で最もよく見られるのは同主調への転調で、長調から短調への転調では♭が3つ加わり、逆に短調から長調への転調では♯が3つ加わりますので楽譜で調号の変化を見ていればすぐそれとわかります。
元々ついていた♭や♯は新たに加わる♭や♯で相殺されます。
例えば♯1つのト長調が同主調のト短調に転調する場合、新たに加わる♭3つのうち1つは元々の♯と相殺され調号として♭2つが残ります。

同主調への転調の代表例(右方向への転調には♭3つ、左方向への転調には♯3つが加わる)
・ハ長調⇔ハ短調(♭3つ)
・ト長調(♯1つ)⇔ト短調(♭2つ)
・ニ長調(♯2つ)⇔ニ短調(♭1つ)
・イ長調(♯3つ)⇔イ短調
・ホ長調(♯4つ)⇔ホ短調(♯1つ)

やたら短い転調を繰り返し多用する現代邦人作曲のマンドリンオリジナル曲に辟易することがあります。
短調から長調への(あるいはその逆の)実に効果的な転調をする素晴らしい曲に出会ったときは本当に「うまいなあ」と感動します。

移調と転調、似ているようですがその違いに注目してみました。



ポルカ 憬れ (Añoranza)

2018年03月27日 | 音楽


YouTubeをあれこれ聴いていますとマンドリンで弾いてみたいと思う曲に出会うことがあります。
その曲の楽譜を探してうまく見つかればいいのですが、ないことのほうが多いですからどうしても弾きたいとなれば仕方ありません、手間をかけても耳コピーで採譜することになります。

和音まで含めて採譜する能力は私にはありませんのでメロディラインを一音一音拾いながらスコアメーカーなどの楽譜ソフトに入力し、尺取虫のように数小節ごと演奏させては間違いがないか原曲と聴き比べるという神経をすり減らす作業が必要で、休息を取りながら地道にやらないととても続きません。

それでも昔はオープンリールデッキやカセットテレコで再生、停止、巻き戻しを小まめに繰り返す実に面倒な作業が必要でしたが、今はmp3DirectCutなどフリーの波形編集ソフトを使って簡単に音声の切り出し再生ができますのでとても作業が楽、かつ便利になりました。

最初は仮にハ長調で記譜しておきますがそのうち調性がわかってきますので早い時点ではじめに戻ってその調号に置き換えます。
何度聴き直しても音程、リズムが取りにくい箇所があったりして耳のいい加減さに気付かされます。
採譜が終わった時点でマンドリンに適した音域に移調させることもあります。

今回採譜しようと思いました曲はYouTubeのMandolin de Oro (直訳すればスペイン語で黄金のマンドリン)という12曲収録されたアルバムの第1曲目、ポルカAñoranza (憧れ)です。
演奏者はHéctor Sotoという人のようですが作曲者もこの人かどうかは調べてもよくわかりませんでした。


原曲を再生しながらマンドリンで弾いてみても十分面白いのですが、折角ですのでマンドリン、ヴァイオリン、ギター、カスタネットの合奏に編曲しYouTubeにアップロードしました。
演奏はQAZマンドリンアンサンブルによる電子演奏です(実演奏ではありません)。


関連ブログ:
The Italian Polka (2017.08.09)


17~18世紀イタリア生まれのマンドリニスト

2018年01月12日 | 音楽

ネットを検索しますと17、18世紀イタリア生まれのマンドリニストには下記のような人物のいることがわかります。

Francesco Bartolomeo Conti (1681-1732)
Giovanni Cifolelli (1735-1810)
Alexandro Marie Antoin Fridzeri (1741-1825)
Giovanni Fouchetti (1757-1789)
Bonifacio Asioli (1769-1832)
Bartolomeo Bortolazzi (1773-1820)
Luigi Castellacci (1797-1845)

このうちBartolomeo Bortolazzi (バルトロメオ・ボルトラッツィ)についてはこのブログのここに、Giovanni Fouchetti(ジョヴァンニ・フォウケッティ)についてここにすでに取り上げていますので、今回はそのほかの人物について調べてみたいと思います。

まず最古のFrancesco Bartolomeo Conti (フランチェスコ・バルトロメオ・コンティ)


ですがリュート族の撥弦楽器テオルボ奏者として名高くまたマンドリン奏者としても知られ、最古のマンドリン・ソナタを作曲し、また残存する最も古いマンドリン教則本を書いています。

次のGiovanni Cifolelliはマンドリンの巨匠で彼もまたマンドリンの教則本を出版しました。
Les Galanteries : Mandolin music from 18th-century Paris という2013年リリースのCDでGiovanni Cifolelli作曲ArietteをArtemandoline Baroque Ensembleの演奏で聴くことができます。


次のAlexandro Marie Antoin Fridzeriは盲目のマンドリニストで1771年パリでSix
sonatas for the mandolin (Op. 3)を出版しています。

次にBonifacio Asioli(ボニファツィオ・アジオーリ)は


古典音楽と教会音楽の作曲家で、ミラノの楽譜出版社Ricordiからマンドリン、ヴァイオリン、ベースのための三重奏曲を出版しています。

最後にLuigi Castellacci、


彼はイタリアのマンドリンとギターの巨匠で200曲以上のマンドリン、ギター曲を作曲しました。

いずれもとても古い時代の人物ばかりですから楽譜や演奏が見つかることが少なく、マンドリンに関して詳しい情報を得ることは難しいです。

19世紀のマンドリニストについても順次調べてゆければと思っています。

関連ブログ:
イタリアのマンドリニスト(2015.08.28)


楽譜をマンドリンの音色で鳴らす

2017年12月21日 | 音楽

私は趣味でマンドリンを弾いています。

ソロであれば自分で弾けば済みますが、マンドリン二重奏や、ギターやピアノ伴奏のマンドリン曲などでそばに弾く相手がいないとき、とても速くてうまく弾けないところ、和声や和音を確かめたいときなどに楽譜作成ソフトに弾いてもらうと便利ですし感じがつかめます。
何度でも繰り返し再生できますし楽譜の修正も簡単です。

マンドリンのための楽譜はどうしてもマンドリンの音色で聴きたいのです。
パソコンに内臓されているソフトウェアMIDI音源、MSGS (Microsft GS Wavetable SW Synth)には残念ながらマンドリン音源はありません。
楽譜作成ソフトには一応マンドリンの音源はあるにはあるのですが音色が貧弱でとてもとても使い物になりません。
ヴァイオリンに比べてずい分な差別です。

従って楽譜作成ソフト以外にマンドリン音源を探し求めなくてはなりません。
スコアメーカーやフィナーレなどに代表される楽譜作成ソフトで作った楽譜をいい音色のマンドリンで鳴らして聴くにはどうやればいいでしょう。
解はありますが、これはとてもやっかいな作業となります。

しかしきれいなマンドリンの音で聞きたいという熱意、執念が勝ちました。
私のやったやり方を備忘録を兼ねて書いておきたいと思います。
詳細に述べると大変長くなってしまいますので要点のみ書き出します。
いつかホームページの方に詳しく書きたいとは思っています。
正直まだまだわかっていないことも多いですし、このやり方が最良かどうかもわかりません。

音源は通常サウンドフォント(拡張子.sf2)という特殊なファイルに収められています。
MIDI(拡張子.mid)を鳴らす音源として使われます。
マンドリンのサウンドフォントはそう多くはありませんが探せばネット上に有料、無料いくつかあります。
トレモロ音源とピッキング音源が必要ですが両方揃ったいい音源はなかなかありません。

気に入った音源がなければ自分でマンドリンの音階を一音、一音弾いてwavファイルとして録音しサウンドフォントを作ってしまう手もあります。
もともとマンドリンのような複雑な波形を電子的にソフトで作ること自体非常に難しく、実音をサンプリングして作る音源のほうが自然に近い音色になり、上手、下手は別として何より自分がいつも演奏している音色で聞くことができます。

サウンドフォント自身はファイルをクリックしても開けず音を確かめることはできません。
サウンドフォントの音を聞いたり自分でサウンドフォントを作るにはVienaなどSoundFont Editorと呼ばれる編集ソフトが必要になります。
Vienaはネットからフリーダウンロードでき使い方の説明もありますが、海外のソフトでとっつきにくく使うには相当骨が折れますので覚悟が必要です。
最初見ただけではサッパリわかりません。

MIDI音源には楽器ごと128種類のプログラム番号が標準として割り当てられています。
この中にマンドリンはありませんのでどれか使わない音色を削除してその場所に新たにマンドリンを割り当てる必要があります。

私はプログラム番号の最後の3つ、126~128を
126:ヘリコプター→マンドリン(トレモロ)
127:拍手→マンドリン(ピッキング)
128:銃声→ナイロン弦ギター(ネットで探した音質の良いもの)
に変更して割り当てています。

126~128までの3種類のサウンドフォントだけを1つにまとめたフォントを作ってもいいですが、私は汎用に使うことを考え楽譜作成ソフトの音源のうちの126~128の3つの音源を上記に変更して1~128までの音源を1つにまとめたサウンドフォントを作成しています。
こうしておけば例えばマンドリンとピアノの合奏もこのサウンドフォントだけでできてしまいます。
このあたりの編集もVienaで行います。

マンドリンのサウンドフォントができれば半分作業が終わったも同然です。
ここまでも大変ですがここからもまだ大変です。
このサウンドフォントをMIDI音源として楽譜作成ソフトに取り込んで鳴らす方法を考えます。

サウンドフォントを楽譜作成ソフトに取り込むにはMIDIドライバーと呼ばれるソフトが必要になります。
代表的なものに
・Timidity
・BASS MIDI
・Virtual MIDI Synth
などがあり、いずれもネットからフリーダウンロードでき使い方の説明もあります。
幸いいずれもVienaほど難しいソフトではありません。

MIDIドライバーの機能として
・自身でサウンドフォントをいくつか有している
・外部から任意のサウンドフォントを取り込める
・MIDIを入力すると指定したサウンドフォントで演奏できるMIDIプレイヤーを持っている
・指定したサウンドフォントをMIDI音源として出力できる
・パソコンにMSGSだけでなく他のMIDI音源を取り込めるようにできるMIDIマッパー機能を持っている
などがあり、ソフトによっては全部揃っていなくて一部機能のないものもあります。

MIDIドライバーに作成したサウンドフォントを取り込みMIDI音源として出力できるように設定しておきます。
Win7以降のパソコンにはMIDIマッパー機能がありませんので、MIDIドライバーにマッパー機能が付属していない場合はネットからPLWMidiMap.cplなどのマッパーソフトをフリーダウンロードしてパソコンにマッパー機能を付加しておきます。

ここまで準備ができればほとんど完成です。
楽譜作成ソフトで作成した楽譜の各パートの音色をマンドリンやギターに指定し、演奏する再生デバイスにMIDIドライバーを選択するだけです。
自分で作成した楽譜どおりにパソコンからマンドリンの音色が流れてくれば感激ものです。

楽譜作成ソフトのスコアメーカー3.0、スコアメーカー8プロ、Finale NotePad 2012Jを使い上記3種類のMIDIドライバーで検証した結果、スコアメーカー8プロとTimidityの組み合わせだけがどうしてもうまくゆきませんでしたが(現時点でまだ原因不明)、あとはすべてうまく行きました。

楽譜作成ソフトで作成した楽譜を電子音源で弾かせた演奏はマンドリンだけでなくこのブログでも何回かご紹介してきました。

The Italian Polka
 マンドリンとギターの二重奏に編曲
早春賦
 マンドリンソロ用に編曲
クロアチアの民謡
 クロアチア民謡をギター伴奏の二重唱に編曲
韓国ドラマ「帝王の娘スベクヒャン」の主題歌
 二声のコーラスに編曲
 視聴回数4万回近くにもなるとは予想外のことでした
1800~1900年代のマンドリン合奏楽譜
 ムニエルの「ボレロ アンダルシア」をギター伴奏で

楽譜作成ソフトでのマンドリン演奏にはいろんな制約もありうまくゆくことばかりではありませんが、これからもより完成度を上げるべく検討を重ねてゆきたいと思っています。

関連ブログ:
スコアメーカー8 Proについて (2014.02.13)
楽譜作成ソフトによる電子演奏 (2013.04.14)
楽譜作成ソフトと電子マンドリン合奏団(2012.10.13)
複数のサウンドフォントを一つにまとめる方法 (2012.08.06)
MIDIマッパー (2011.07.19)
スコアメーカーでマンドリンの音色で合奏させる方法 (2011.07.11)
マンドリンのMIDI音源 (2011.07.05)
MIDI音源とマンドリン (2011.07.01)


アマとプロ、演奏会と発表会の違い

2017年12月12日 | 音楽

私は地域のアマチュアマンドリン合奏団に所属し、毎年定期演奏会に出演しています。
なかなか普段あまり深く考えたりしませんが、アマチュアとプロ、演奏会といったことを少し考えてみたいと思います。

アマとプロ、その違いを考え出しますとなかなか難しそうです。
セミプロなどという言い方もあります。
一般には高度な技術と専門知識を有しそれを職業として飯を食っていればプロと言われますが、売れずに食っていけないプロだってたくさんいますし、逆に玄人はだしのアマもいます。

プロは単に技術、知識が飛び抜けて優れたテクニシャン、エキスパート、スペシャリストというだけではなく、もう少し多面的に捉えられているように思います。

・お客を呼べるだけの人に感動を与える演奏ができる
・一定のクオリティ以上のものを常に提供することができる
・独自の音楽性を持ち、その人ならではの演奏ができる
・音楽に対する厳しい姿勢が人から認められ尊敬されている
・異常なまでの音楽に対する執着心と強い意志、信念を持っている
・自信に満ち溢れオーラを感じさせる
・結果がすべてでありできない言い訳や批判をしない
・現状に満足しないで常に向上心を持ち続けチャレンジしている

一方、アマチュアとその演奏は
・やりたいからやるという自分たちの熱意で成り立っている
・お客より自分たちの楽しみ、満足を優先している
・演奏の質よりも純粋に音楽する喜びに満ち溢れた演奏が魅力
・完成途中でもかまわず発表してしまう
・お客は演奏者の演奏会開催までのプロセスを温かく見守り応援したい気持ちで足を運ぶ

そこで演奏会とはなんぞやということになりますが、発表会と比較することでその違いが明確になるように思います。

・演奏会の主役は聴衆、発表会の主役は出演して弾いている演奏者です。
・発表会では自分たちが弾きたい曲を弾いて聞きに来てくれた主に身内や知人など関係者に練習の成果を披露し、極端に言えば頑張って弾いている姿を見て褒めてもらい自己満足すればそれで済みます。
ピアノやバレエなどの先生が開く門下生発表会がその代表例です。
多くの場合無料で演奏者はアマチュアです。
・一方演奏会はお客第一、自分とは全く関係のない来場者に純粋に音楽を聴いてもらい芸術的感動を与え満足させることが目的です。
多くの場合有料で主にプロが演奏します。
・発表会では努力した結果を微笑ましく見届けてもらえば済みますが演奏会では何より音楽の質が厳しく問われます。

ネットの「演奏会を「発表会」で終わらせないために」と題する提言のように、演奏会は発表会とは本来厳然とした区別があると示されます。
現実にはこの両者の境はあいまいで発表会的演奏会、すなわち内容的に発表会に近い演奏会が実に多く、学生や社会人のマンドリン定期演奏会なども多くの場合これに該当するのではないでしょうか。

これらの演奏会では来場者は出演者の家族やお友達がほとんどで演奏会と言っても発表会的要素が大きいことを事前に承知で聞きに行きます。
一方で演奏会情報はちらしやポスターその他で広く一般にも報知しますから一般客も入場し来場者という観点では演奏会的側面がないとは言い切れませんが、内容的に厳密な意味での演奏会となっていないことが多いですから中には聞いてがっかりする人がいるかも知れません。

良い悪いは別として演奏会という名称が本来の演奏会だけでなく発表会的要素を含む幅広いものとして使われています。
中にはアマチュアでありながらプロの演奏会のような素晴らしい感動を与える発表会もありますし、逆に学芸会レベルに近い実につまらない演奏会もあります。
世の中には定期発表会、演奏発表会、定期発表演奏会などと称して純粋な演奏会とは区別し名称と中身を近づけた「正直な」演奏会もあります。

いずれにしましても私たちアマチュアの演奏はプロの演奏会のようにはゆきません。
しかし自分たちの楽しみと自己満足だけで終わらせることなく、なかなか難しいことですが少しでもお客さまに感動していただけるような演奏目指して日々練習に励むことが大切と感じます。

関連ブログ:
海外で演奏するということ(2014.06.18)


CD 「逅(こう)~日本のマンドリン」入手しました

2017年12月01日 | 音楽

4年前、このブログで「聞いてみたいマンドリンCD」として取り上げていましたCDの1枚が手に入りました。
「逅~日本のマンドリン」です。


[収録曲]
(01) 逅~太鼓とマンドリン・オーケストラのための (藤掛廣幸) 1982
(02)~(03) 日本古謡による二重奏曲 (越智敬)
(04) 日本古謡による変奏曲 (越智敬)
(05)~(08) 組曲「桜」 (S.べーレント)
(09) 夜の花~マズルカ (A.サルコリ)
(10) 前奏曲第9番 (R.カラーチェ) 1920
(11) 郷愁の歌 (R.カラーチェ)
(12)~(19) 朝鮮民謡「アリラン」による変奏曲 (中野二郎)
(20) 練習曲第1番 Op.9 (久保田孝) 1960
(21) 秋の夕暮れ Op.81 (武井守成) 1943
(22) 初秋の唄 (桑原康雄) 1996
(23)~(27) 組曲第2番 Op.8 (柳澤明良) 1991

試聴はここで可能です。

イタリア、ブレッシャ市のマンドリンオーケストラ "Citta di Brescia" の演奏で日本のマンドリンオリジナル曲がよく集められています。
逅(こう)という難しいタイトル、このCDでは「Goh」と読ませ「a chance meeting」(出会い、巡り合い)と訳されています。

CDケースに入っている小冊子(ライナーノーツ)にUgo Orlandiによる解説と西山みきさんの手書きの訳が添えられており、資料として歴史的価値の高いものになっています。

ライナーノーツの裏表紙にとても珍しい写真が載っていました。
武井守成、花子夫妻とカラーチェです。


まさに出会いです。

関連ブログ:
聞いてみたいマンドリンCD (2013.11.10)


Giovanni GiovialeのマンドリンCD

2017年11月20日 | 音楽

シチリア、カターニア生まれのマンドリンの名手Giovanni Gioviale (ジョヴァンニ・ジョビアーレ、1885-1949) のことはこのブログのここここで紹介してきました。

Giovanni Giovialeが作曲、演奏した貴重な音源がCDになっています。


[収録曲]
01 Amorino (少しの愛)*/**
02 Viale fiorito (花の大通り)*/**
03 Idillio primaverile (春の牧歌)**
04 Costumi siciliani (シチリアの流儀)*/**
05 Lucia sextette (ルチア六重奏曲)
06 Waltz brillante (華麗なワルツ)*/**
07 L´appuntamento (逢いびき)*
08 Bianuccia*
09 Il saluto di gioviale (楽しい挨拶)
10 A suoi amici cari (親愛なる友たちに)
11 Iolanducci
12 Tutti alegri (みんなの喜び)
13 Serenata siciliana (シチリアのセレナーデ)*
14 Farfaletta bleu (青い蝶)*
15 Ricordi campagnoli (休日の思い出)
16 Renata (レナータ《女性の名》)
17 Dimmi che mi vuoi bene (私を愛してるって言って)
18 Viale Fiorito (花の大通り)*/**
19 Balliamo l´ultima mazurka (最後のマズルカを踊ろう)**
20 Recordi di gioventu (青春の思い出)*
21 Il mio cuore e tuo (私の心はあなたのもの)*
22 Impressioni de Espagne (スペインの印象)*

このCDは2010年リリースされました。
1-15は1928-29年New York Cityで、16-22は1930年代にItalyで採録されました。
( )内の日本語は私の拙訳です。
イタリア語はよくわかりませんので誤訳がありましたらどうかご容赦ください。
とくにシチリア方言で書かれていたりしますとお手上げです。
訳せなかったものは原語のままにしてあります。
*を付けた曲はYouTubeなどにアップされており、**は楽譜がネット上で見つかっています。

いくつかのサイトでCDの曲の一部が試聴できます。
どの演奏も邦人の演奏では醸し出せない独特な味わいがあります。

関連ブログ:
イタリアの天才マンドリニスト、ニーノ・カターニア(2017.10.30)
Giovanni Giovialeのこと(つづき) (2014.07.03)
Giovanni Giovialeのこと(2014.06.28)


立川マンドリンクラブ第36回定演終了

2017年11月05日 | 音楽

秋晴れの11月4日(土)立川市市民会館(たましんRISURU大ホール)にて毎年恒例の立川マンドリンクラブ第36回定期演奏会を開催致しました。

プログラムは

[オープニング] グリーン グリーン (B.Sparks/B.McGuire)

[第1部]
亜麻色の髪の乙女 (C.Debussy)
赤いスイートピー (呉田軽穂)
幸せの黄色いリボン (I.Levine)
黄昏のワルツ (加古隆)
碧空 (J.Rixner)
虹彩 (丸本大吾)

[第2部]
バラ色のメヌエット (P.Mauriat)
雪~ロマンツァとボレロ~ (H.Lavitrano)
黒い瞳 (ロシア民謡)
カルメン組曲より6曲 (G.Bizet)

[アンコール] にじいろ (絢香)
[エンディング] 虹の彼方に (H.Arlen)

今年のテーマは「色彩」、プログラムに色に因む曲を配しステージ衣装も第1部は思い思いの色のカラーシャツやブラウスを着用、第2部では女性メンバー手作りの赤いバラのコサージュを襟につけて演奏致しました。
またカルメン組曲の編曲者、久保田孝先生にご来聴いただくという記念の演奏会となりました。

いつものことながら弾きにくい箇所も多々ありましたが私も精一杯演奏致しました。
3連休の中日で行楽日和でしたが、ほぼ満席のご来場者においでいただくことができました。
まことに有難うございました。

関連ブログ:
第36回立川マンドリンクラブ定演のちらしができました(2017.09.10)
立川マンドリンクラブ第35回定演終わる(2016.12.11)