6月1日 経産相の諮問機関である産業構造審議会でとりまとめるビジョンを明らかになりました。
戦略5分野を特定、予算などを重点配賦する事により、産業構造の多様化をはかり、これまでの電機・自動車産業に依存した体質を改善することが戦略だそうです。
2007年と比較して、以下のような市場・雇用の拡大を目指す、としています。
インフラ輸出 12.3兆円増 18.7万人増
環境・エネルギー 23.7兆円増 66.1万人増
医療・介護・健康・子育てサービス
12.9兆円増 113.4万人増
文化産業(アニメなど) 6.9兆円 26.4万人増
先端分野(ロボットなど) 27.4兆円 63.2万人増
波及効果 65.8兆円増
という事だそうです。 この5分野を重点分野にすることに反対する人は
いないでしょうし、産業構造を転換するのを反対する人もいないでしょう。
しかし、私は、日本には、違うところで構造変化を起こさなければいけないと思っています。
それは、東京へ全てが一極集中している構造をかえる事です。今、人口、技術がすべてが
東京に集中しています。これでは、Singaporeと殆ど変わらなくなってしまいます、
ですから、東京に集中した機能、人口を地方に分散し、日本全体が成長軌道にのるようにするのです。
幾つかのメリットがありますが、その1つがインフラ整備需要の拡大です。
丁度、昨年末に上海を訪れる機会がありましたから、その時に感じた、地方を再生するメリットをひとつ。
その当時、上海は上海万博準備の最終段階に入っていて、活気にあふれていました。
何よりも、道路やビル建設などの人々が忙しく街中を走り回り、全ての人々の顔が
明日に向かって輝いてみえました。この光景を見て、「あ-、きっと日本の高度経済成長もこうであったに違いない」と思いました。
誰もが皆、先端分野で活躍できるわけではありません。 まじめに働けば報われる
雇用も一定程度、必要です。 旧来型のインフラ整備先行ではなく、分権化した地域が
それぞれに個性を出しながら競争・発展し、多様化した社会を作ることが、日本の安定した発展に繋がると思ったのです。 それまでは、社会資本整備の投資など、もう必要ないと思っていたのですが、考え方を一変させる景色でした。
もちろん、折角、今から社会資本を整備し直すなら工夫が必要です。今の東京の景色は、上海でも、Singaporeでも、Bangkokでも、Jakarta、Kuala Lumpurでも、高層ビルが立ち並ぶ様子は、なんら変わりがありません。 旅行者も来なければ、日本で働きたいという人もいないでしょう。
単に今までの延長線上の都市開発よりも、自然との共生など、ようやく東京に追いついたアジアの諸都市がこれから直面する問題に真正面から取り組んだ、新しいテーマとともに、都市開発をするのが良いと思います。
60階、70階建てのオフィスビルの真下を、きれいな小川が流れ、小動物や子供が遊んでいる景色なんて、素敵だと思いませんか? からなす、アジアの都市も、コンクリートに固められた、ヒートアイランド現象に悩む事になります。 その問題の生きた都市モデルを示せれば、アジアで初めて先進国入りをした日本の面目躍如というところでしょう。
長くなりました。 この問題になると、文章が終わりません。
産業構造だけではなく、日本の地勢的な構造の変化も大事だ、という意見でした。
この将来像を描くのは、国土交通省の所管になってしまうのでしょうが。