もっともっとNippon

日本がもっと豊かな国にならないか、と思ってい、気がついた事をコメントします。ご意見、異論、反論も募集中です。

菅総理の事が少し理解できた気が。。

2011-07-09 23:43:37 | 日記

ストレステストを突然、言いだして玄海町の原子力発電所の再稼働を再び振り出しに戻してしまった管総理。

菅総理の判断は、いつも突然。 

2010年の参議院選挙の時、突然、消費税増税を言いだして、民主党を大敗に導きましたね。当時、2009年の鳩山元総理が、4年間増税論議は棚上げ、としていたので、民主党内から異論百出でした。

2010年12月 福岡地裁の諫早湾開門判決の上告を断念したことにより、開門ということになりますが、既に干拓地に入植している方々への補償問題など、全く方向性が見えていません。 長崎県知事は、菅総理が、突然、上告断念を発表した事に関して「事前になんの話もない」と怒りをあらわにしていました。

2011年 5月 浜岡原発に異例の、権限を越えた「超法規的」な原発停止の依頼。 この要請についても、事前に知っていた人が殆どなく、何故、浜岡だけなのか、という明確な根拠が示せない為に、他の原発の運転を継続することの信頼性を大きく揺るがせ、今、定期点検で運転を停止した原発が、再稼働できない状況になっています。

同じく 5月 パリで開かれたOECD会合で、1000万戸に太陽光パネルを設置する構想をぶち上げましたが、事前に閣内、関係省庁と一切相談していないので、結局、総理は、今後は、よく閣内で事前に協議をします、というお詫びをしています。

2011年8月 玄海町の原子力発電所。 折角、海江田経産相が説得し、地元町長が再開同意を表明していたのに、 突然、ストレステストによる安全性点検の必要性を言いだして、町長が、同意撤回を言い出すはめになりました。

これら、ひとつひとつは、実は国民の一部が、その必要性を熱烈に訴えていたもので、総理は、正に、その決断を発表した、ということになります。  彼が野党なら、何故、そうしないのか、と政府を責めて、恐らく高い支持を得たでしょう。

ところが、与党、しかも一国の総理となると、行政組織のトップとして、誰が具体的にどうするのか、そこから発生する問題をどう解決するのか、という方向性を示さなくてはいけません。 それが、全くできていないのですが、こうも、思いつき発言を繰り返すところを見ると、菅総理は実は、これらの発言が問題だったと思っていないに違いありません。

国民が望んでいることを実現しようとしているだけなのに、何が悪いんだ、という野党の発想そのままなのでしょう。 自分は悪いことをしていないのに、批判されてばかりいる、というのが彼の心情でしょう。

菅総理の経歴をみると、市民運動出身で、組織の一員として働いたことがありません。 (大臣は別です。)だから、これが限界なのでしょう。 彼の成長を期待することは難しそうです。

さて、私たちが考えなくてはいけないのは、どうして、こんな政治家が、総理に選ばれてしまったのか、ということでしょう。  ここ何年も、短期間で辞任する総理しかいません。 短期間で総理が辞めることの弊害は極めて大きいですが、どうして、こういう人しか総理として選んでこなかったのか、よくよく反省する必要があると思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


孫正義 という起業家

2011-07-08 23:42:58 | 日記

中国の電子商取引のアリババ社が、モバイルOSを今年のQ3にリリースする、と発表して注目を集めていますね。アンドロイドOSの改良版だそうですが、果たして上手くいくのか、疑問に思っている関係者も多いようです。

しかし、チャレンジするのは良いことだと思いませんか?

今、OS(オペレーション・システム)は、パソコンOSのWindows, サーバーOSのUnixから始まり, 果てはDBのOracleまで米国勢が独占しています。 現在の’クラウド’技術もVMwareという米国の技術です。

完全に米国に支配されていますが、日本にも主導権を握るチャンスはありました。

1つ目は、西和彦と松下電器が進めていたMSX構想。2つ目が、TRONです。 どちらも、孫正義(現ソフトバンク社長)の官僚や経済界の大物を巻き込んだ猛烈な反対運動によって、プロジェクトは、「壊滅」に追い込まれました。

これは、 「孫正義 企業のカリスマ:大下栄治 著」に詳しいです。

特にTRON。

 

同著は、孫正義が如何に情熱的に2つのプロジェクトを、財界の大物、京セラ(当時)の稲盛和夫等を巻き込みつ、通産省にプレッシャーをかけて、つぶした事を、誇らしげに書いています。

孫正義 起業のカリスマ (講談社プラスアルファ文庫)/大下 英治


¥980

「日の丸OSとして、1984年に東大理学部 坂村健が提唱したもので、各メーカーの作っているパソコンに組み込めば、各メーカーによる操作性の違いや、互換性のないソフトは使えない、といったパソコンの大きな欠点を克服できる。 パソコンメーカーをはじめとした関連企業は、このシステムを日本人が考えたオペレーションシステム、日本が誇る「日の丸OS」として、迎え入れた。 95に及ぶ関連企業が参加し、計画推進母体であるTRON推進協議会を作り、パソコンの心臓部にあたるMPUの開発から、パソコン、、大型コンピュータまでを含めた規格統一、それらをつなぐための通信ネットワークの構築を目指していた。」

正に、OSですよね。 今では信じられないかもしれませんが、どのOSもデファクトになっていなかったので、当時は、日本にも、沢山の日本で開発した独自のOSがありました。

そこの孫が噛みついた。あるパネルディスカッションの席上で、孫は坂村にむかって

「あなたが提唱しているTRONの大義名分、車のハンドルやブレーキと同じように、パソコンの操作性やソフトの互換性を統一するのは分かります。 そしてアメリカの技術ばかりを受け入れていることに忸怩たる思いがあtって、日本が開発した技術を広めたいという気持ちもわかる。 それは、1つの正義です。   ただし、狭い正義です。 日本だけで通用して世界で通用しないのであれば、全くの鎖国に過ぎないのではないですか。」

そして稲盛氏に、通産省の局長に電話をいれてもらいながら、徹底的に潰すための工作をして、ついに、予算措置までついていて、小、中、高校に配布されることが決まっていたTRONプロジェクトを「壊滅」されることに成功した。

孫氏は言う。

「(学校にパソコンを配布するというプロジェクトには)日本独自のソフトを使いたい、という官庁の意図が働いている。国外のものを受け入れようとしない、その思想が間違っているし、そのケツの穴の小ささが許せない」

(以上、詳しくは同著を読んでみてください。 同著では、日本のOS開発プロジェクトを潰した事は、正しかった、という論調で書かれています。 今、振り返ってみると、まだ規格が統一されていなかった、この時が、最後のチャンスでした。 あの時、TRON OSが開発されていれば、今のIT業界は、もう少し日本がイニシアティブをとれていたかもしれません。 さて、同著は、このOS問題について書かれたものではなく、基本的に、孫氏の幼少期から、渡米、友人とたった2名で起業、その後買収を繰り返し、ソフトバンクを一部上場企業にまで育て上げる1987年までを、起業のカリスマの成功物語として綴っています。 色々な意味で面白いです。又、経済界の著名人、官僚を含む登場人物のすべて実名なのも、今振り返ってみると、誰の判断があっていて、誰の判断が間違っていたのか分かって、面白いです。)

さて、孫氏ですが、彼の「日本発の技術を使わない」という態度は、非常に一貫しています。 ADSLの規格、携帯電話の通信規格は、総務省(旧郵政省)を巻き込んで、NTTの規格を全て退けつつ、すべて米国発の技術を持ち込み、米国技術を普及させる為の追加費用の負担は、NTTにさせる、という離れ業を実現しています。

孫氏は、日本の技術開発は、ピンと外れ。 海外から持ってきた方が良いものが数段安く手に入る、と信念をもって行動していて、その姿勢は一貫しています

最近判明したものでも、携帯に送信する「災害緊急警報システム」がありましたが、ソフトバンク携帯だけが実装していなかったのは、有名です。 これも日本の独自のシステムです。

又、彼のビジネスは、昔から常に「政治絡み」でした。 つい最近の「光の道構想」も原口大臣を巻き込んだものですし、 今、彼は管総理を巻き込んで、太陽光発電プロジェクトを立ち上げようとしていますが、次世代エネルギーの技術開発は、日本の将来にとって非常に重要です。

しかし、氏に任せていると、気が付いたら使っている技術は、全て米国、韓国、中国発のものになってしまうのではないか、と非常に心配しています。

大丈夫でしょうか?