ストレステストを突然、言いだして玄海町の原子力発電所の再稼働を再び振り出しに戻してしまった管総理。
菅総理の判断は、いつも突然。
2010年の参議院選挙の時、突然、消費税増税を言いだして、民主党を大敗に導きましたね。当時、2009年の鳩山元総理が、4年間増税論議は棚上げ、としていたので、民主党内から異論百出でした。
2010年12月 福岡地裁の諫早湾開門判決の上告を断念したことにより、開門ということになりますが、既に干拓地に入植している方々への補償問題など、全く方向性が見えていません。 長崎県知事は、菅総理が、突然、上告断念を発表した事に関して「事前になんの話もない」と怒りをあらわにしていました。
2011年 5月 浜岡原発に異例の、権限を越えた「超法規的」な原発停止の依頼。 この要請についても、事前に知っていた人が殆どなく、何故、浜岡だけなのか、という明確な根拠が示せない為に、他の原発の運転を継続することの信頼性を大きく揺るがせ、今、定期点検で運転を停止した原発が、再稼働できない状況になっています。
同じく 5月 パリで開かれたOECD会合で、1000万戸に太陽光パネルを設置する構想をぶち上げましたが、事前に閣内、関係省庁と一切相談していないので、結局、総理は、今後は、よく閣内で事前に協議をします、というお詫びをしています。
2011年8月 玄海町の原子力発電所。 折角、海江田経産相が説得し、地元町長が再開同意を表明していたのに、 突然、ストレステストによる安全性点検の必要性を言いだして、町長が、同意撤回を言い出すはめになりました。
これら、ひとつひとつは、実は国民の一部が、その必要性を熱烈に訴えていたもので、総理は、正に、その決断を発表した、ということになります。 彼が野党なら、何故、そうしないのか、と政府を責めて、恐らく高い支持を得たでしょう。
ところが、与党、しかも一国の総理となると、行政組織のトップとして、誰が具体的にどうするのか、そこから発生する問題をどう解決するのか、という方向性を示さなくてはいけません。 それが、全くできていないのですが、こうも、思いつき発言を繰り返すところを見ると、菅総理は実は、これらの発言が問題だったと思っていないに違いありません。
国民が望んでいることを実現しようとしているだけなのに、何が悪いんだ、という野党の発想そのままなのでしょう。 自分は悪いことをしていないのに、批判されてばかりいる、というのが彼の心情でしょう。
菅総理の経歴をみると、市民運動出身で、組織の一員として働いたことがありません。 (大臣は別です。)だから、これが限界なのでしょう。 彼の成長を期待することは難しそうです。
さて、私たちが考えなくてはいけないのは、どうして、こんな政治家が、総理に選ばれてしまったのか、ということでしょう。 ここ何年も、短期間で辞任する総理しかいません。 短期間で総理が辞めることの弊害は極めて大きいですが、どうして、こういう人しか総理として選んでこなかったのか、よくよく反省する必要があると思います。