収束しない福島原発の放射能漏れを解決する為に、フランス、米国が技術支援を受け入れる環境がが整いつつあるようだ。
◆米国
「原発内で遠隔操作できるロボットを日本に送る」
米エネルギー省のライヨンズ次官補代行(原子力担当)は29日の上院エネルギー天然資源委員会で、そう証言した。AP通信によると、同省の原子力研究所(アイダホ州)から、原発内を撮影できるカメラ数台とともに日本に向けて発送されたという。
ロボットは強い放射線の中でも作業が可能だ。ライヨンズ氏は「日本政府関係者が非常に強い関心を示したため、情報を提供した」と説明。ロボット操作の指導役として、同省の専門家を日本に派遣する方針も示した。
◆
フランス政府とアレバは原発事故後、いち早く防護服やホウ酸などを日本に向けて送った。また汚染された場所で作業を代替するロボットの貸し出しも同時に申し出ていたが、当時の状況では効果がないという理由で日本側から拒否されたと21日付の仏フィガロ紙が報じていた。
今回、改めて日本がフランスに支援を要請したと伝える記事のコメント欄には、「1週間ほど前、今回の支援で送られる予定のロボットの貸し出しを申し出たのに、日本は現場でロボットを試すこともなく、特に有用でないという理由で断った」「東京電力は、ようやくフランスの原子力技術が必要と考えたようだ」など、東電の事故対応の甘さなどへの批判が見られる。
世界の知識を結集して事態を収拾する事は必要だ。 一方でアジアや、アフリカなど世界中の人が注目する中で、日本人が人の力に頼って事態を解決するのに対し、フランスや米国が科学的援助をする、という構図は、今後の日本の評価に大きく影響するだろう。
恐らく、昨日アップしたBlogに書いたロボットを実際に現場に投入するのには、問題もあるのだろう。
(日刊工業の記事に詳しい:http://www.robonable.jp/news/2011/03/29irs.html)
この状況は、第二次世界大戦の時の日本軍のレーダー開発にも似たものがある。
技術者は、軍艦にレーダーをつけたかったが、海軍は卓抜した乗組員の目視による監視で充分で、
それでなくても狭い艦橋に、レーダー機器を置くことを好まなかった、という。(せっかくつけた
レーダーを外させた艦長もいたという)
一方で、米国艦船が、レーダーを活用する事により、日本の航空攻撃が効果をあげなくなる事が
あきらかになった時、初めて艦長は、我も我もとレーダーを希望したが、その時には既に、太平洋戦争の
趨勢は決まっていた、という。
現場が混乱しているのも理解できるが、実はこういう時こそ、技術が大きく進歩するチャンスでもある。
是非、積極的に取り組んでもらいたい。
日本の技術力を結集させれば、短期間に相当レベルのロボット開発ができると思える。
メキシコ湾の石油流出をBP社が解決するのに6か月もかかった。
事態の長期化も視野にいれながら戦略的に取り組んでもらいたい。