何気なく手にした日経ビジネス2月15日号に、谷口智彦(慶応大学大学院特別招聘教授)のリポートがのっていた。(氏は元日経ビジネス記者で、元外務副報道官)
ブッシュ政権の国防総省で要職を務め、知日派中の知日派 リチャード・ローレンス氏が監修をつとめ、退役陸軍が執筆したレポートが、首都Washigtonで話題になっているというのだ。
そのレポートは「Managing Unmet Expectations」(期待外れをマネージする)というレポートが話題になっているというのだ。
レポートの内容は:
米国は、「過去10年間、日本を、ヨーロッパの英国のように位置づけ「世界的役割を」担わせるべく、「新防衛ガイドライン」を日米間で制定。台湾有事を想定したシーレーンを設定し、インド洋やイラクに自衛隊を派遣させ、「共通戦略目標」に向かって外見上は、その関係を確固たるものにして来た”」のだという。
ところが、気がつけば「”有事の共同行動を可能とする手続き”も共同で”作戦計画”を複数用意しておく、などなにも整っていない、全く期待はずれ”の軍事同盟になってしまっている。 これでは日本には、”当面、おのれの頭上の蝿だけを追う”事しか期待できない、「日米同盟には世界的役割を期待するのは早計、期待はついに外れてしまった」と、とうとう結論づけてしまっている、と嘆くのである。
しかし、驚くのは、このレポートの結論よりも、寧ろ、政権の要職に就いていたとされる”米国の知日派”と言われる人々までもが、「こんな期待をしていたの?」という事だ。
日本人は日米同盟を「日本有事の際には、米国が勝手に飛んできて守ってくれる」完全な片務条約と理解しているのではないだろうか? だからこそ、それでは、余りにも甘えているので、せめて「思いやり予算」という事で、毎年、駐留米軍経費を何百億円も補助しているのだ、と納得しているのではないだろうか?
勝手にアメリカで日米同盟に「世界的意義と役割を期待」して、それが実現できていないからがっかりだ、と言われても、それは初めから期待が間違っているよ、という事でしょう。
変な勘ぐりをすると、「政権中枢にいた知日派」ならば多くの日本の官僚にも会っているはずで、彼らから「日米同盟で、米国は日本を、欧州における英国と同等に考えてください。日本は、世界的役割を担っていきますよ。」と言われていたので、こんな期待をしてしまったのでは?とも思えてきます。
何れにしても、「日米同盟は期待外れ」という衝撃の結論よりも、日本人には、「当たり前の結論」を”衝撃”としている事の方が”衝撃”です。
レポートの原文はhttp://www.nbr.org/で入手できるそうです。
谷口氏の記事は、その内容の正確さや視点の面白さから、昔から楽しみにして読んでいるのですが、今回ばかりは、いささか信じ難く、一回、目を通してみるとしましょう。
ブッシュ政権の国防総省で要職を務め、知日派中の知日派 リチャード・ローレンス氏が監修をつとめ、退役陸軍が執筆したレポートが、首都Washigtonで話題になっているというのだ。
そのレポートは「Managing Unmet Expectations」(期待外れをマネージする)というレポートが話題になっているというのだ。
レポートの内容は:
米国は、「過去10年間、日本を、ヨーロッパの英国のように位置づけ「世界的役割を」担わせるべく、「新防衛ガイドライン」を日米間で制定。台湾有事を想定したシーレーンを設定し、インド洋やイラクに自衛隊を派遣させ、「共通戦略目標」に向かって外見上は、その関係を確固たるものにして来た”」のだという。
ところが、気がつけば「”有事の共同行動を可能とする手続き”も共同で”作戦計画”を複数用意しておく、などなにも整っていない、全く期待はずれ”の軍事同盟になってしまっている。 これでは日本には、”当面、おのれの頭上の蝿だけを追う”事しか期待できない、「日米同盟には世界的役割を期待するのは早計、期待はついに外れてしまった」と、とうとう結論づけてしまっている、と嘆くのである。
しかし、驚くのは、このレポートの結論よりも、寧ろ、政権の要職に就いていたとされる”米国の知日派”と言われる人々までもが、「こんな期待をしていたの?」という事だ。
日本人は日米同盟を「日本有事の際には、米国が勝手に飛んできて守ってくれる」完全な片務条約と理解しているのではないだろうか? だからこそ、それでは、余りにも甘えているので、せめて「思いやり予算」という事で、毎年、駐留米軍経費を何百億円も補助しているのだ、と納得しているのではないだろうか?
勝手にアメリカで日米同盟に「世界的意義と役割を期待」して、それが実現できていないからがっかりだ、と言われても、それは初めから期待が間違っているよ、という事でしょう。
変な勘ぐりをすると、「政権中枢にいた知日派」ならば多くの日本の官僚にも会っているはずで、彼らから「日米同盟で、米国は日本を、欧州における英国と同等に考えてください。日本は、世界的役割を担っていきますよ。」と言われていたので、こんな期待をしてしまったのでは?とも思えてきます。
何れにしても、「日米同盟は期待外れ」という衝撃の結論よりも、日本人には、「当たり前の結論」を”衝撃”としている事の方が”衝撃”です。
レポートの原文はhttp://www.nbr.org/で入手できるそうです。
谷口氏の記事は、その内容の正確さや視点の面白さから、昔から楽しみにして読んでいるのですが、今回ばかりは、いささか信じ難く、一回、目を通してみるとしましょう。