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プロ野球 OB投手資料ブログ

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福永栄助

2016-01-04 19:04:32 | 日記
1969年

西鉄の福永栄助の名前を知るファンは少ないだろう。投手だが、その背番号52は、首脳陣がさして期待していなかったことを意味する。それもそのはず、昨秋の新人募集で合格した、プロ選手のひなドリだからだ。西鉄が一千万近い金額を積んで入団したさせたドラフト一位の東尾修(箕島高)と待遇面では、それこそ月とスッポンの違いがあった。話はやや古いが、二月末平和台での紅白戦で、この二人が紅白に分かれ、先発した。東尾が荒武の3ランを浴び、負け投手になったのに、福永は四イニングを無失点で投げきった。チーム内は「テスト生が金のタマゴに投げ勝った」と大さわぎ。福永株は決定的にハネ上がった一瞬である。オープン戦では、三月十一日の対中日戦で先発、四回二本のホームランを打たれはしたが、三回まで無安打に押さえた。「直球、カーブ、シンカーをマスターしており、上手投げの本格派のフォームは魅力。高目はともかく、低目の直球がプレート近くでグーっと伸びる。それだけでも希少価値」中西監督が惚れ込めば、地元評論家の評判もいい。「プロのこわさを知らないといえばそれまでだが、思い切りのいい投手。いかにもルーキーらしい速球が素晴らしい」(河村英文氏)「下半身を鍛えれば、さらに球速は増す。いまのフォームで、投手として充分の力を出せる」(島原輝夫氏)熊本・九州学院高では、控え投手で甘んじた福永は、プロで大きくはばたこうとしている。それどころか、三十一年の稲尾出現を思わせる、みずみずしさがある。稲尾は契約金五十万円、いまでいうテスト生並みの扱いだったが、騒がれて入団した同期の畑投手(元中日)を問題にしない活躍をして、一年目のデビューを飾った。その稲尾が腰痛で、四月中の登板は不能、またエースの池永も肩が思わしくなく、開幕投手は無理といわれる。この二枚看板を欠いた西鉄投手陣ではライオンズの星として期待されるのが福永だと中西監督は考えている。この本格派のルーキーはリリーフでお茶を濁すような秘密兵器と違う。「もちろん先発要員の一人。まかり間違えば、若さにものをいわせ完投もやってのけよう」というほど、首脳陣は頼りきっている。混戦のパ・リーグが予想されるなかで最下位説がささやかれる西鉄。しかし福永の右腕が秘密兵器どころか救世主になるかもしれないのだ。

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