1960年
プロテクターをはずした島球審はいう。「球はビチビチ生きていた。私はストライク、ボールの判定をみるだけで球の種類はよくわからないが、いつになく球にのびがあったようだ。森捕手が外角に構えているとビューッと内角にきたりする。イン・シュート、アウト・カーブなど過度に荒れていたのが効果的だったようだ」島球審がそういっていたころ青木はロッカーで報道陣にペコペコ頭を下げていた。「ぼくにきょうのピッチングのことをしゃべらさないで下さい。しゃべるとまた調子が悪くなるから・・・・」それでもしぶりながら青木の語ったことは・・・。「太りすぎたので多摩川で毎日走った。一貫八百匁(7㌔)減った。いまちょうど二十貫(75㌔)あと一貫(3・75㌔)くらい減るとベスト・コンディションになる。井上さんに本塁打されたのは真ん中、シュートをかけたつもりだったが、浜崎さんにあんなものがシュートなものかとしかられた。まだまだシュートがきまらない。体の動きはぐっと楽になったけど相手は中日だし、きのう先発をいい渡されたときはビックリした。これからまだ投げられるか?そんなことわからない」森捕手の青木評は「低目によくきまった。青木の持ち味であるコースぎりぎりの球が生きてきたのがよくなった原因じゃないか。スピードがまだないから、コンビネーションには苦心しましたがね」ピシャリと根性論で青木の再起を断定するのは浜崎コーチだ。「多摩川で一生けんめい走ったからだ。やる気を起こして体をつくれば彼はまだまだ投げられる男だ。開幕当時と全然かわらぬ低目のコントロールが出てきたじゃないか」最後に佐々木信也氏の青木観は「低目に集まっていたことがきょうの青木のよかったところ。開幕当時にくらべればスピードは落ちているし前の方から大きく切れるカーブがなくなっていて、それほどいいとは思われない。中日の右打者はほとんど左へ、左打者はほとんど右へ打っていたこと、それが青木のスピードがなかったいい証拠だ。下手投げの石川(緑)を坂崎、与那嶺、王など巨人の左打者がよく打ったのに反し、サイドの青木を中、本多など中日の左打者が打てなかったのが青木を助けていた。青木はまだ完全なカムバックとはいえないのではないか」
プロテクターをはずした島球審はいう。「球はビチビチ生きていた。私はストライク、ボールの判定をみるだけで球の種類はよくわからないが、いつになく球にのびがあったようだ。森捕手が外角に構えているとビューッと内角にきたりする。イン・シュート、アウト・カーブなど過度に荒れていたのが効果的だったようだ」島球審がそういっていたころ青木はロッカーで報道陣にペコペコ頭を下げていた。「ぼくにきょうのピッチングのことをしゃべらさないで下さい。しゃべるとまた調子が悪くなるから・・・・」それでもしぶりながら青木の語ったことは・・・。「太りすぎたので多摩川で毎日走った。一貫八百匁(7㌔)減った。いまちょうど二十貫(75㌔)あと一貫(3・75㌔)くらい減るとベスト・コンディションになる。井上さんに本塁打されたのは真ん中、シュートをかけたつもりだったが、浜崎さんにあんなものがシュートなものかとしかられた。まだまだシュートがきまらない。体の動きはぐっと楽になったけど相手は中日だし、きのう先発をいい渡されたときはビックリした。これからまだ投げられるか?そんなことわからない」森捕手の青木評は「低目によくきまった。青木の持ち味であるコースぎりぎりの球が生きてきたのがよくなった原因じゃないか。スピードがまだないから、コンビネーションには苦心しましたがね」ピシャリと根性論で青木の再起を断定するのは浜崎コーチだ。「多摩川で一生けんめい走ったからだ。やる気を起こして体をつくれば彼はまだまだ投げられる男だ。開幕当時と全然かわらぬ低目のコントロールが出てきたじゃないか」最後に佐々木信也氏の青木観は「低目に集まっていたことがきょうの青木のよかったところ。開幕当時にくらべればスピードは落ちているし前の方から大きく切れるカーブがなくなっていて、それほどいいとは思われない。中日の右打者はほとんど左へ、左打者はほとんど右へ打っていたこと、それが青木のスピードがなかったいい証拠だ。下手投げの石川(緑)を坂崎、与那嶺、王など巨人の左打者がよく打ったのに反し、サイドの青木を中、本多など中日の左打者が打てなかったのが青木を助けていた。青木はまだ完全なカムバックとはいえないのではないか」
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