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プロ野球 OB投手資料ブログ

昔の投手の情報を書きたいと思ってます

広島衛

2016-09-04 15:55:57 | 日記
1960年

ピッチング・フォームをかえて成功した投手はあまりいないが広島はその数少ない成功者の一人だ。昨年の九月、腰の入っていないフォームを直す意味で近藤ピッチング・コーチが上手投げから横手投げにかえた。それまでは上体だけを使ったピッチング。サイド・ハンドにかえてから広島は速球が出てきた。昨シーズンの終わり近く巨人とのゲームに杉下監督は広島を登板させた。すでに巨人は南海と日本シリーズで顔が合うことがきまっていた。そこで杉浦に似た横手の広島を杉下監督は友情出場させたわけだ。ところが広島はこのゲームで敗戦投手になったものの、新しい投法にすっかり自信をつけてしまった。今シーズンは六試合に登板して早くも三勝。フォームが特異なだけにリリーフ投手として貴重な存在になった。出身校は浪華商。山本(八)張本らの出た野球でもあばれん坊ぞろいでも有名な学校だ。ところがこの勇ましい浪商で風紀係をつとめていたというほどおとなしい。顔はごついが、ナインになにをいわれても笑っているだけ。中日ではおころない男でとおっている。杉下監督の広島評も「くそ真面目な男」ということだった。この日も「きょうはちっともいいことないですよ。ボールが高目に浮いてしまってダメだった。ぼくが出たらバックが急に打ってくれたので勝てたんだよ」それだけしゃべるのに長い時間がかかった。前夜は映画見物。このところ映画をみた翌日登板すると「絶対勝てる」そうだ。妙なジンクスだが、前夜みたのが暗黒街の帝王、性質はごくおとなしいが、映画は勇ましいのが好きらしい。

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