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プロ野球 OB投手資料ブログ

昔の投手の情報を書きたいと思ってます

トニー・ロイ

2016-11-13 10:38:49 | 日記
1963年

ロイの口元に、二、三本マイクが突き出された。
ー満塁ホーマーを打った感じは?

「満塁ホーマーはこれまで何度もある。それよりチームが勝てたことの方がうれしい」
ーどんな球だった?
「シンカーだ。少し高かったようだね」
ーきょうはだいぶ寒かったがプレーに響かなかったか?
「寒さなんか関係ないよ。暖かくても打てないときもあるしパーマもそろそろ打ちはじめるよ」と、この日無安打の仲間のことも忘れない。「ヒット一本打てば勝てるんだからね、本塁打よりそれをねらったんだ。チームの勝利以外考える必要がないよ」というロイの打球は文句のない本塁打。バック・スクリーン横の中段だった。ロイがなんとなく落ちつかないのはサヨナラ・ホーマーの興奮のためではない。若生投手の姿が見えないからだ。若生がバスにのっていることを聞いて安心したのか「まだ百五十分の二を消化しただけだ。これからいつも三人のうち一人がヒーローに首を突っ込むよ」ロイの肩を軽くたたいてバスに足を運ぶウィルソンは、軽くウインクしながら自信ありげにそういった。ロイの家は、若生が福岡で経営するホテル。若生の長女いずみちゃん(一つ)とすごく仲がいい。七日夜小倉にきて以来、玉木マネジャーと顔をあわせるたびに「彼女に会いたい。早く福岡へ帰ろう」と困らせるそうだが、理由は彼女とツイストが踊れるから。「きょうは彼女におみやげができた。早く帰って、すきな日本酒を飲んで、彼女とツイストを踊るんだ」といいながら、ファンをかき分けてバスに乗った。

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