作文小論文講座

苦手な作文を得意に。小学生から受験生まで、文章上達のコツを項目別に解説。作文検定試験にも対応。

未来記憶

2012-04-17 | コラム
 池田貴将さんの『未来記憶』という本を読みました。まず、印象に残ったのは、人間には「未来記憶」「現在記憶」「過去記憶」の三つの記憶があり、目的を達成する際に重要なのは未来記憶だという点です。「これをやることが楽しい未来につながる」と考えると、つまり、未来記憶に集中すると、感情がポジティブになり、物事に対して積極的に、しかも楽しい気持ちで取り組むことができるというわけです。

 まだ人生を長く生きていない子供は、過去記憶よりも未来記憶の方が多いはずです。しかし、「これをやっても...あまりいいことがなかった」という経験が重なると、物事に消極的になり、集中力や判断力も鈍っていってしまいます。確かに、過去の記憶から学ぶことも必要ですが、周囲の大人は、子供が、本来持っている未来記憶を基盤として行動できるように促していくことが大切だと思います。

 ここで思い出したのは、言葉の森のホームページに載っている「集中できる子に育てる」という記事です。予定より早く勉強が終わったとき、親は、つい、追加の勉強をさせてしまいたくなるものです。でも、それは、長い目で見るとマイナスなのです。子供の頭の中に「勉強を早く終わらせると、ろくなことがない」という記憶を作り上げてしまうからです。同様に、がんばって書き上げた作文を注意された記憶を持つ子供が作文嫌いになってしまうのも自然なことと言えるでしょう。

 もちろん、大人にとっても未来記憶をもとに行動することは大切です。たとえば、片づけが苦手なのは、「片づけるのは時間がかかって大変」「片づけてもどうせすぐに散らかってしまう」などといった過去記憶がブロックになっているからです。それなら、「片づけると居心地の良い部屋になる」「片づけると気持ちもすっきりする」など、片づけをするとどんなにいいことがあるかという未来記憶を過去記憶よりも増やせばよいのです。子育てにも、この未来記憶を上手に使いながら、親子共に充実した時間を重ねていきたいものです。


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