作文小論文講座

苦手な作文を得意に。小学生から受験生まで、文章上達のコツを項目別に解説。作文検定試験にも対応。

求めない

2012-08-30 | コラム
求めない  すると簡素な暮しになる

求めない  するといまじゅうぶんに持っていると気づく

求めない  するといま持っているものがいきいきとしてくる

求めない  それでも案外生きてゆけると知る

求めない  すると改めて人間は求めるものだと知る

求めない  すると心が静かになる

求めない  すると楽な呼吸になるよ

求めない  すると体ばかりか心もゆったりしてくる

求めない  すると心が広くなる

求めない  するとひとに気がねしなくなる

求めない  すると自分の好きなことができるようになる

求めない  すると恐怖感が消えてゆく

求めない  すると心が澄んでくる

求めない  すると悲しみが消えてゆく

求めない  すると時はゆっくり流れはじめる

求めない  すると心に平和がひろがる

「求めない」(加島祥造)より抜粋


 人が、常に求める存在であることは当然のことです。決して求めることが悪というわけではありません。求めて得ることは、人間にとって大きな喜びであることは事実です。でも、それ以上に、求めることによって、自ら不幸を作り出していることもまた事実だと思います。

 自分の内側ではなく、自分の外側に何かを求め、それが満たされないとき、人は絶望します。それは、ただ空しい絶望です。なぜなら、自分の努力ではどうにもならない絶望だからです。なぜ、そのようなことが起こるのでしょう。それは、そもそも自分の外側に何かを求めたからなのです。

 求めるのをやめてみると、自分がただいるだけで、非常に満たされた存在であることがわかります。これまで外側に向いていた目が内側に向くようになります。そして、本当に大切なものが見えてきます。

 もちろん、求めるのことを完全にやめてしまうことはむずかしいでしょう。でも、求めようとしたときに、ふと立ち止まって、求めずに済むことではないかと考えてみるだけでも心の在り様は大きく変わってくると思います。


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