多分駄文のおじさん日記

我輩は駄文を書くおじさんである。旅、音楽、MLB、株式投資、etc., 日々想いつくままに思いを巡らすのである。

ローマ法皇死去

2005-04-03 08:14:58 | Weblog
朝目が覚め、7時のNHKニュースを見て、ローマ法皇死去の報に接した。
世界10億人以上の信者のいるカソリック教の頂点に立つ宗教的存在、100回以上の外遊をこなし、「空飛ぶ聖座」と呼ばれ、平和活動でも図抜けていた。
26年の在位期間というのは歴代264名の法皇の中では第二位の長さだったと言う。その存在の大きさは明確な宗教観を持たない我輩には想像を超えるものがある。
81年には訪日していて、広島や長崎において日本語で平和を訴えたことは記憶に残っている。米ブッシュ政権のイラク攻撃に強く反対するなど、国際政治舞台でも発言を続けた。
昨日の危篤時にイタリアの放送局の某コメントでは、単に危篤だとか回復は見込み薄と伝えている多くの報道の中で、「法皇は今神との会話をし始めている」というような 気の利いたコメントをしていた。

それにしても、どの人間にも死は平等にやってくる「お約束のもの」であることを認識させられる。また、この精神的支柱、という以上の存在を失ったイタリアを含めた欧州諸国、最近では中南米やアフリカにも信者は急増していると聞くが、深い悲しみは計り知れないものがあることだろう。昭和天皇崩御で日本中が喪に服したときのような景色が想像される。
一度だけ行ったことのあるバチカンのサンピエトロ広場で悲しみに暮れる人々の姿が浮かんでくる。

次の法皇選出は、世襲制ではなく、選挙制だそうだ。近く開かれる法王選出会議(コンクラーベ)で選ばれる。
120人ほど枢機卿の中から互選、最終的に枢機卿会の選者の3分の2から投票を得るまでは繰り返し繰り返し候補者を絞りながら選挙が続くと言う。選挙で法皇が決まった時には、その選挙場所の建物から白い煙が出る、決まらなかった時には黒い煙、という風習があるそうだ。 ポーランド生まれのヨハネ・パウロ2世はイタリア人候補者2名が票を分け合っている狭間をぬって法皇に選出された経緯があった、と聞くがこの辺も面白い。今回の選出にもどの程度の時間で決まるのであろうか。イタリア人が有力らしいが、上述のように、中南米やアフリカにも信者が増えており、予測はつかないらしい。
既に死去前から駆け引きは本格化し権力への争いは熾烈なようだ。平和を訴えるこの法皇の座にも反平和的な闘争が見え隠れしているのも現代的で皮肉な現象である。
恐らくは長い選挙になるのであろうか。文字通り、「根比べ」(コンクラーベ)の選挙になりそうだ。(ふとどきなおやじギャク、失礼! この駄洒落、多くの人が使うだろうなあ。)

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