多分駄文のおじさん日記

我輩は駄文を書くおじさんである。旅、音楽、MLB、株式投資、etc., 日々想いつくままに思いを巡らすのである。

米系企業の或る日の光景

2005-06-01 00:47:00 | Weblog
Part-1

毎日200通ほどのEmailに目を通す。
現在は繁忙期で一日に300通以上、という日も少なくない。
90%以上は海外からのもの。米国本社を含めた社内のMailが大部分である。
先々週末、一通のMailが目を引いた。

殆ど毎日Mailのやり取りをしている米国本社の某Project の若手ManagerのNからのものだ。
いつものように、我輩からの質問やコメントに丁寧に応えてくれている。Mailだけではなく、1時間にわたる電話会議なども度々やってきた間柄だ。そんなやり取りをここ半年間続けている。東京で展開すべき或るプロジェクトをテクノロジー面で支えてくれた彼は所謂問題解決のためのプログラムを外部プログラマーとコーディネイトしながら作り上げ、当方の事業展開のためのツールをほぼ完成させるところまで辿りつけていた。

この3月には我輩が渡米し、初めて彼とひざ詰めで話をし、プログラムの組成にも電話やMailだけでは語り尽くせぬ日本人の要求度合いの高いディテールへのこだわりにも理解を示してくれた。

彼は我輩のファーストネームをやたら連呼する。アメリカ人にとっては普通のことだろうが、我輩にとっては、一生の中で親に名前を呼ばれた回数よりもこのNにそう呼ばれた回数の方が多いのではないかとさえ思えるほどであった。

その彼が、あと1週間後に会社を辞めることを決意した、ということを書いてきた。
外資系の場合、突如こういうことがある。辞める人間が特に自分の上司や、業務上の関連性の強い者だと、善し悪しは別として、自分の周りの景色が180度変貌することさえ普通の世界なのだ。
また、米国の人間は会社を辞めることを決して悪いこととは全く考えておらず、むしろ、この彼の退職もより良いポジションのオファーを受けた、所謂ステップアップのための転職が理由であるものと想像される。まあ、それにしても親しくなり、こちらの事情のよき理解者が米国本社を去る、というのは、極めて残念である。彼の開発したツールの方もこれからその実効性を発揮するところでもあり、陽の目を見る前に会社を去るのは、更に残念でもある。

先週の金曜日が彼の最終日であった。
こちらもこれまでの彼の大いなる貢献に感謝し、また今後の成功と幸運を祈る旨のMailを送ったが、彼からも、"Farewell"という件名のMailが来ていた。
いつものように我輩のファーストネームを用いた呼び掛けから始まり、「一緒に働いて素晴らしい仲間であった。」、「貴兄の協力なしには、このプロジェクトの成功は有り得なかった。」、「これまでの忍耐と努力を有難う....。」等等、日本語にすると、もう臭くてしょうがないような文章を連発してくれた。何とこういう、歯の浮く、というか、臭い文章、英語で書くと何故か抵抗もなく、映画の科白のようなカッコの良いものになってしまう。日本人同士だと、こんな表現とても恥ずかしくて言えないだろうなあ。
N君の将来に栄光あれ!


Part-2

米国は昨日月曜日はMemorial Dayで休日。
今日は休み明けなので、やっと米国本社の諸関係者連絡が取れると思い、Mailを打ちまくったが、この休日後も何日間かの休暇を取っており不在、というメッセージを残している者がかなり居て驚いた。

どうも米国の方は、業務上5月の最繁忙期がやっと終り、この休日を迎えた、ということで、3連休にプラスして、更に長い休暇を取る人間がかなり多いようだ。
不在メッセージには通常、不在中の連絡先担当者を紹介するシステムになっているのだが、酷いケースだと、不在中の連絡先に指定されている人間も休暇を取っていて、また更に違う人間がReferenceとして紹介されている、と言ったたらい回し状態が散見された。

多忙さから解放された米国人の弛緩、いつもは夜中まで電話やMailで対応してくれているので責める気にもならないが、忙しさに殺気立っている日本側の我輩としては、返事がすぐに貰えず仕事も遅れる腹立たしさ・苛立たしさもあり、ばかばかしくもあり、また一方では、やはり彼らも人間なのだ、とうい安堵感もあり、という妙な気分であった。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ファーストネーム (シギー)
2005-06-02 10:09:58
多忙な日々 メール200通 活躍されていますね。私の方は海外の方からは迷惑メールばかりです。不要な薬、如何わしい投資勧誘 ETC.。親しくなった人が職場離れると寂しいですね。FirstName やニックネームで呼ばれると外資で働いている感じがしますね。42才で亡くなったロンドンの親しかった元同僚のことを思い出します。私のことをShiggy そして最後は Shig と呼んでいました。William-Will でした。
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First Name (駄文オジサン)
2005-06-03 09:02:42
ホントにFirst Nameを良く使いますね、彼らは。

社内外ともに使ってます。

超巨大企業勤務の時より、小さな田舎の会社のほうがその度合いが強いのかとも思われます。きっと彼らは私の苗字の方を、殆ど認識していないと思います。

Shiggyというのは、なかなか向こうぽくって格好いいですね。
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