おぼえがき。

日々思ったり感じたりしたことを失念しないためのもの。

惰眠を貪るその合間に

2005-07-09 23:36:42 | Weblog
うつらうつらと短編を読む。ふとした人の心の隙間に入り込む
非日常な揺らぎを描いた短編集を、ぷつんぷつんと読んでいく。
情景描写の残像が脳にとどまるのか、浅い眠りで夢を見る。
あれはさっき読んだ短編のエイキョウだと、夢見る自分をもう
ひとりの自分が感じ取るが、その夢を止めることはできない。
そこに出てくるのは身近な人達、というよりも身内ばかりで、
何かメッセージでもあるのかとさえ思うくらいだ。そのせいで
夢を止められないのか。
子どもの頃に見た景色をなぜか垣間見る。短編集の時代設定が
昭和だからか、時間軸までが影響を受けている。その意味を
明らかにしようと、ごり押しする必要はない。おそらく、ただ
単にそういうことだと思って眺めている。
そのはずなのに、目が覚めると呆然とずっしりとなにかが私を
支配する。湿った重苦しい現実の中で、私はどこかに自分の
切れ端を残してきたのかと、まどろむ頭で考える。
あちらの自分が息をひそめる。今この瞬間のこのことについて
考えるのをすべて、こちらの自分にゆだねている。
そんな週末は、そこだけ切り取ってみたら、久しぶりか初めてか。