中学の時、自画像を描くというのがあったことを
急に思い出した。
それは、写実的に描くものではなく、デフォルメした、
というよりむしろ、自分の思っている自分を描くという
課題だった。
あの頃の自分は、何もかもが嫌で、表面は普通にして
いたけれど、内側はマイナスの感情でどろどろだった。
それで、顔の右半分を普通の顔、左半分を血の涙を
流した暗い顔にした。
当時25歳だった美術の女の先生は「こわぁ~い」と言った。
その時、何かに対して「ざまぁみろ」と思った。
あれから何年も何年もたって、自分は変わったのだろうか。
あの頃持っていた憎しみ、疎外感、孤独感、違和感は、
今はもうない。少なくとも全く同じものはない。
ただ、あの頃があったから今の自分があることも確かだ。
もう、あの頃のことは思い出せない。
でも、あの絵はまだ残っている。
きっと見たら、何かを思い出す。