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南北朝(日本)時代と漫画家・車田正美先生の作品を瞑想する部屋。

【SPドラマ】『坂の上の雲』-The spirit of independence-(第2回『青雲』)

2009年12月20日 23時51分23秒 | テレビ番組

ウィルスにやられて胃腸炎で倒れてました。くそ、冬に子供がかかる病気になってしまった。今夜の第4回『日清開戦』までちゃんと観てますよー。

*

第1回で、常盤会の給費生になりたい、と申し出た秋山真之(本木雅弘)に秋山好古(阿部寛)は、

(好古)「おまえは間違うとる! カネのことで他人様の厄介になれば、その分だけ気ィが縮んで、生涯皺ができるんぞ」
(真之)「ほいでも、松山の殿様のご厄介になるんじゃ―――」
(好古)「殿様でもなんでも同じじゃ!」

で、茶碗が1つしかないのはなぜか、の件(くだり)になったわけですが、「一身独立」はこのドラマを端から端までspanningする最重要語ですね。『学問ノスゝメ』が理想ですからねぇ。
借金をした人は金貸し屋の云いなりです。奴隷になりたくなかったら、財布に入っているカネについた紐の端を気にした方がいい。今、日本の公債(政府債務)残高はどうなってるんでしたっけ。明治人が知ったら、怒髪天を衝きそうだな。
それから、予備門を辞めて海軍兵学校に入ることを決意した真之の動機が天晴れでした。

(真之)「このまま予備門におったら、あしはおそらく、第二等の学者になりますぞな。あしの学問は二流、学問をするに必要な根気も二流じゃ」
(好古)「根気も二流か」
(真之)「はい。あしはどうも・・・要領がよすぎますけん」


ヤマ勘が鋭く「試験の神様」と呼ばれても学問ができることにはならない。できるように見せかけているだけのこと。
それを自覚し、本物の「一身独立」を目指したい、海へ乗り出す、とまあ、この辺に、くー、とか、はー、とか唸りながら共鳴しました。
人は、

  1. ベストを尽くして得た結果がベスト
  2. ベストを尽くした人と同じ結果を、ベストを尽くさずに得るのが“ベスト”

のどちらかの価値観に傾いて生きていると思いますが、このドラマの主役は1.の人々です。
1.は、相応の努力によって公正(fairness)に結果を手に入れるので実力が身につきます。実力には、応用が利く、という特徴があり、予想外の事態に対処できる。つまり、未来に向いているのです。
そんな志を抱いた青年達が、カネは無くともエネルギーだけは有り余っているから、徒歩(かち)で東京から江ノ島へ無銭旅行、とか笑っちゃいましたよ。
あの意味のない、わけわからん達成感。
学生の時にしかできないバカというのがあって、JR山手線をですね、歩いて一周したわけですよ。気温がそれほど下がらない5月に。夜。
これも部活動の一環です。伝統行事。大学名、部名を書いたデカい旗を押し立てて20:00に出発、途中で内回りの他校とばったり会ってエールを交換したり、いよいよ終電がなくなって、西日暮里あたりで牛丼屋に押し入り、暇だったはずのバイトの兄ちゃんをてんてこ舞いさせ、東京で夜が明けて、地獄の第一京浜。戻ってきた時には、後ろ向きでしか階段を下りられませんでした。どうだ、バカだろう。ははは。

ほかにも野球とか、よこすか海軍カレーのルーツとか、カッター競争で「よいよい、よいやっさー」が「1,2,3,4」をぶっちぎるとか、広瀬武夫(藤本隆宏)はナイスガイとか、おもしろかったっす。


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