project-REN

南北朝(日本)時代と漫画家・車田正美先生の作品を瞑想する部屋。

【戦闘妖精・雪風】1904年1月1日午前0時

2011年02月28日 01時50分09秒 | 戦闘妖精・雪風

それによると、たしかにFAFの中央ポストオフィスから発送されているのだが……受付日時がおかしい。1904年1月1日午前0時ジャストに受付、となっている。百年以上前だ。配達された日時は一昨日になっていて、おそらく実際にもそうだったろうから、配達完了日時記録のほうは正しい。

雪風帰還せず/『アンブロークン アロー 戦闘妖精・雪風』

リン・ジャクスンに宛てられたアンセル・ロンバート大佐からの手紙は、その封筒に貼られたライブシールによれば、受付日時の値がゼロ(0)でした。
リンは「1904年1月1日午前0時」を、ライブ情報のデフォルト(省略時設定時刻)と推定し、
消印の押し忘れ、
超空間<通路>でライブシールの時刻記録情報がデフォルト化、
差出人による偽装、
など、ゼロの意味を考え、これはジャムによって「未来から送られた手紙」だから受付日時がまだ読めないのではないか、と思い至ります。すげー。
別の云い方をすると、これから、誰かの行為によって受付日時が決定される、ということかもしれません。

時間の速度と「前後」については、「今」の順番なんて個人でバラバラだ、未来も過去もない、と思ったことがあって、ジャムの干渉によってシャッフルされたカード―――人間と機械知性体―――の感覚、雪風の非人間的な「現実」はエキサイティングですが、

それから、FAFと地球とで流れる時間にずれが生じ始めたのではないか、というもう少し現実的な考えが思い浮かんだ。超空間<通路>はフェアリイ星と地球の時空を完璧にシンクロさせるように機能してきたが、それが狂い始めているのではないか。

雪風帰還せず/『アンブロークン アロー 戦闘妖精・雪風』

いや、いや、いや、それも、とっても「現実的な考え」とは思えない。非凡です。わたしは凡人、もっと「もう少し現実的な」時間の話をしたい。
1904年1月1日12:00AMは、表計算ソフトユーザーにとっては馴染みのある日時で、シリアル値を日付型で表示させると、

00000=1904/01/01 12:00:00AM
00001=1904/01/02 12:00:00AM
 :
00059=1904/02/29 12:00:00AM =閏年
00060=1904/03/01 12:00:00AM
 :
70187=2096/02/29 12:00:00AM =閏年
70188=2096/03/01 12:00:00AM
 :
71648=2100/02/28 12:00:00AM
71649=2100/03/01 12:00:00AM ≠閏年
 :
73108=2104/02/29 12:00:00AM =閏年
73109=2104/03/01 12:00:00AM
 :

になります。ただし、これはMacintosh版Excelの話。

  • 100で割り切れる西暦年≠閏年
  • 400で割り切れる西暦年=閏年

というルールがあるけれども、1904-2096年の閏年は必ず「4年に1度」なので、閏年の計算処理を軽くする―――「100で割り切れる西暦年≠閏年」コードを入れない―――ためにデフォルトが「1904/01/01」になったそうで。まあ、確かにリソースは有限です。今は改修されましたか?
一方、Lotus1-2-3との互換性を考慮したWindows版Excelは、

00000=1900/01/00 12:00:00AM
00001=1900/01/01 12:00:00AM
 :
00059=1900/02/28 12:00:00AM
00060=1900/02/29 12:00:00AM ≠閏年
 :
71648=2096/02/28 12:00:00AM
71649=2096/02/29 12:00:00AM =閏年
 :
73109=2100/02/28 12:00:00AM
73110=2100/03/01 12:00:00AM ≠閏年
 :
74570=2104/02/29 12:00:00AM =閏年
74571=2104/03/01 12:00:00AM
 :

最初の2ヶ月が変です。「2月29日」がある。そんな過去は気にしない、という思想だったらしい。Windows版Excelの開発エピソードはなかなかおもしろく、それは置いといて、『雪風』の地球型コンピュータにとっては「1904年1月1日午前0時」が世界の始まりです。
いや、語弊があるな。コンピュータにとってシリアル値はシリアル値、それが「いつ」なのか、日付を気にするのは人間だけ、そうか、つまり、

  • コンピュータ
    ((0+1)+1)+1・・・
  • 人間
    ・・・((n-1)-1)-1・・・n±0・・・((n+1)+1)+1・・・

人間には、常に「今」が世界の始まり(ゼロ)である、と認識する力があるわけだ。

  • 1年=((12時間×2)×n日)×12ヶ月

循環する時間、反復性は人間の感覚であって、コンピュータに去年の今日、来年の今日という表現は、そのままでは通用しないでしょうね。この感覚は人間が死すべき(mortal)存在であることに由来するのかも。

さて、FAF中央標準時を管理するシステムが提供する現在時刻は、「いつ」でしょう。
地球型コンピュータが閏年をきっちり計算するように保守されていればなにも起こりませんが、FAFか地球のどちらかのコンピュータが「100で割り切れる西暦年≠閏年」なんてルールは要らん、と判断したらジャムなんかどうでもよく、2100年以降は時間がずれていきます。
しかも、誰もそれに気づかなかったりして。
あるいは、デフォルトが一瞬で書き換えられたら。法という法が無効化されるかもしれません。人間はコンピュータと戦うことができるのでしょうか。なんのために?

FAFの戦闘機械知性体に、人間(の体)にとって閏、いや、カレンダーがいかに大事かを説明するのは骨が折れそうです。どうせ、それが対ジャム戦において有効か、とか検証されるんでしょう。うんざりだ。
それにしても、ゼロに意味のある日付、第1日、在るという意味を与えた設計者は誰かな。日本の数え年と同じですね。

*

【戦闘妖精・雪風】愛は負けても、親切は勝つ
【戦闘妖精・雪風】愛機とのコミュニケーション
【戦闘妖精・雪風】1904年1月1日午前0時

【戦闘妖精雪風(OVA)】豆とピーチが云いたかったこと(OP1)
【戦闘妖精雪風(OVA)】戦士のパーソナルネーム(OP3)
【戦闘妖精雪風(OVA)】フール・オン・ザ・ヒル(OP5)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。