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南北朝(日本)時代と漫画家・車田正美先生の作品を瞑想する部屋。

Anti-FMDV Connexion-口蹄疫が他人事ではない理由-

2010年07月27日 15時26分52秒 | O/JPN/2010

出雲大社にて。 本日00:00をもって宮崎県内の「口蹄疫」非常事態宣言が解除されました。

宮崎1県でよくぞ止めてくれました。体を張った関係者のおかげです。8月27日の終息宣言を目指して、まだまだ消毒は続きます。

昨年10月に出雲へ行きました。出雲大社の祭神は大国主大神、「開拓」「農耕・漁業」「殖産」のご利益があるとか。
そして、出雲のカミサマといえば「縁結び」ですね。お、かわいい、と思って撮った牛さん(↑)、まさか半年後に口蹄疫とコネクション(縁結び)されるとは・・・ご利益は確かにありました。現実を生きるために必要な情報を得る、というご利益が。
牛乳は毎日飲んでいます。鶏肉、牛肉はあまり食べません。豚肉が好きです。ハンバーグは合挽きが美味しいと思います。
そういえば畜産関係者でもないのに、なんで「宮崎の口蹄疫、ヤバすぎ」にたどりついたんだっけ。チャネルが3つありました。

野球好き

甲子園

駒大苫小牧高校

田中将大

東北楽天ゴールデンイーグルス

鹿児島多頭飼育・繁殖場崩壊(犬・猫の遺棄、殺処分)

犬好き・猫好き

ラグビー好き】 高鍋高校 → 宮崎口蹄疫 ← 楠一族・橘氏 【歴史好き

口蹄疫の防疫措置として「移動制限」「搬出制限」がある、と知った時にまず、危ないな、と思いました。

  • 感染源(経路)がわからない
  • 伝播力が異常に強い
  • 予防方法は隔離・消毒のみ

なので、物(人)流を止めて拡散を防ぎ、患畜ごとウィルスを殺す。それまで、農家はもちろん発生地域の住民は“兵糧攻め”に遭うわけです。

  • (2010年06月15日付)「耐え忍ぶしかない」 多業種に被害波及@宮崎日日新聞

 口蹄疫の発生地で地域経済の疲弊が進む現状が14日、県の緊急影響調査で明らかになった。感染・感染疑いが集中する西都・児湯地区では間接被害は飲食業小売業にとどまらず、観光関連運送印刷業など多岐にわたり、被害のすそ野は広がる一方だ。「これ以上長引くと心配」「何とか耐え忍ぶしかない」。商工業者は一刻も早い終息を祈りつつ、歯を食いしばって日々を耐える。

 口蹄疫まん延防止のため県が「非常事態宣言」を出して以降、さまざまな集まりが自粛された。高鍋町で生花店を経営する福岡直樹さん(46)は「来客数が減り店舗での売り上げは5割落ち込んだ。結婚式や表彰式などお祝い事を縮小する傾向が出始めているのではないか」と話す。

 客の約7割が西都市外からという、うなぎ料理店「入船」も6月に入り客足が落ちた。横山邦夫代表は「今は電卓をたたくのが怖いくらい。私たち飲食業者だけが苦しいのではないとは分かっているが、先行きが見えない分だけ不安になる」と憂える。

 飲食店の客足減少は卸業者の売り上げ低下に直結する。新富町で卸も手掛ける酒店は売り上げが5~6割ダウン。6月は飲食店からの注文が1件もない。これからビールの売り上げが伸びる時期だけに「祭りも中止になり長期化が心配」という。

(中略)

 郡内で乳製品を扱う50代男性の店に来店するのは1日数人程度。宅配契約も150件近く打ち切られた。男性は「心温まる支援でネット販売が伸び、その分で食いつないでいる。公的支援を期待していたらつぶれてしまう。知恵を絞りながら何とか耐え忍んでいきたい」と苦しげに語る。地域経済にも暗い影を落とす口蹄疫。

  • (2010年06月16日付)工事受注減、生産調整も 県中小企業団体中央会@宮崎日日新聞

 県中小企業団体中央会(外山勝会長)は、口蹄疫の感染拡大を受け、傘下の協同組合などを対象にした影響・被害調査の結果をまとめた。建設業では工事の受注が減少し、酒造業は消費低迷で生産調整を実施。畜産農家が取引先の製材業者は工場の稼働にも支障をきたすなど、さまざまな業界に影響が及んでいる状況が浮かび上がっている。(以下略)

  • (2010年06月17日付)観光立県へ打撃深刻 宿泊1万8000人キャンセル@宮崎日日新聞

 口蹄疫による観光への打撃が深刻化している。県は16日の県議会・産業振興対策特別委員会で、感染疑い1例目が確認された4月20日から5月31日までに県内ホテル旅館の宿泊キャンセルが62施設、1万7918人に上ると発表。会議や宴会のキャンセルも32施設、3万3636人に達する。影響は宿泊施設にとどまらず、観光地ゴルフ場などにも広がり、観光立県の足元を大きく揺るがしている。

(中略)

 発生地域から離れた観光地にも、影響は表れている。JR観光特急「海幸山幸」の運行や「食べあるき・町あるき」事業などで、活気が戻りつつあった日南市飫肥。「日南市観光ガイドボランティアの会」の会員松井裕子さん(65)は「ゴールデンウイーク明けから、県内小中学校の校外学習や、県外からのガイド予約のキャンセルが相次いでいる。出口が見えず不安」と早期終息を願う。(以下略)

  • (2010年06月18日付)幅広い産業に打撃 生活衛生組合連が調査@宮崎日日新聞

(前略)

(県生活衛生同業組合連合会(12組合)の)調査は各組合が加盟業者を任意で抽出して行った。中でも料理業(6店)は36・6%減、飲食業(1440店)は33・7%減、社交飲食業(800店)は32・1%減と影響が深刻。社交飲食業の菅野隆一理事長は「公務員が街に出なくなったことによるダメージが大きい。すでに閉めた店も複数ある」。料理業の日高耕平理事長は「7月末までに終息しなければつぶれる所が出てくる」と厳しい現状を語った。

 一般県民に対し、人が集まる催しの延期を求めた非常事態宣言。結婚式・披露宴を延期する人も増えており、あおりを食った美容業(1457店)は20・9%減だった。理容業(743店)も13・3%減。浮島勝利理事長は「影響は出ないと思っていたが違った。こんな状態は初めて」と話した。

 またクリーニング(122店)は16・4%減。一般の来店が減っていることに加え、自治体職員が作業着で仕事しているためワイシャツの依頼が減っているという。(以下略)

もう、このありさま。

(戸敷宮崎)市長からは「生活保護の申請が急に増えた」というお話しでした…。

で、こういうことに。長引けば長引くほど、社会保障で支えなければならない人が増えます。どんなに無関心でも、長屋の端(県外)に住もうと、この影響からは逃れられない。だったら、サポートするしかないじゃないですか。同情するならカネ送れ。

ここからは、1消費者として、安心して日々の糧を得るためになにができるのか、という話になります。

1.自分が住む都道府県内で口蹄疫が発生したら

発生農場に近づかない。
でも、繁殖、肥育、酪農、観光農場などの場所を知らない方が普通です。
能動的に避けられないのであれば、ここから先はダメですよ、とわかるようにしていただきたい。すなわち標識と消毒ポイント。国、都道府県、市町村、それぞれの道路管理者の迅速な対応をお願いします。必要なら交通規制を。非協力的なドライバーにはペナルティを科して結構です。
当地で発生したらたぶん、このあたりに情報が載るでしょうな。大丈夫かな・・・。

このウィルスは、低温条件でpH7.0-9.0(中性領域)では安定。
pH4では15秒間で、pH6では120秒間で不活化。pH7では数週間、生残。
pH7.5で加熱すると、61℃では30秒間で、55℃では120秒間で不活化。4℃では18週間、生残。
煮るのか、服を・・・ウールなんて目も当てられません。クエン酸に漬けるか。
やっぱり接触を断つしかなさそうです。発生農場がピザ屋を呼んだら、ドライバーはどうするんでしょうか。口蹄疫は畜産関係者にのみ周知しても制圧できないと思います。正しい情報が必要です。

2.口蹄疫の終息が自分の生活を守る理由(わけ)

そんなものがあるとは初めて知った、

  • The World Organisation for Animal Health(OIE:国際獣疫事務局)

において、日本は「List of Foot and Mouth Disease free countries」に属しています。うちには口蹄疫ウィルスはいません、ということらしいですが、10年ぶりにヤられてしまいました。
これだけ人や物が国境を越える時世ですから、発生するのはしょうがない、と思います。発生しても最少の犠牲で抑え、FREEステータスに戻るしかない。つまり、瞬殺。
その防疫力が「輸入障壁」となって、どこの牛や豚ともわからない謎肉が流通せずにすむ、という現実にまったく無知でした。
防疫のためにワクチン接種や殺処分に応じてくれた農家の手記は、涙なくしては読めません。
高鍋高校のラグビー部は強いんですよ。
「親父、俺、ラグビー止めようか」
そんなことになっていたら堪らないです。どうしてくれる。

  • 畜産再開、年内めど立たず=牛・豚の4分の1消失―宮崎口蹄疫@時事通信

 宮崎県の畜産業に大きなつめ跡を残した口蹄(こうてい)疫問題は、家畜の移動・搬出制限の全面解除によって、ようやく終息の方向が見えてきた。今後は復興対策が急務となるが、殺処分の対象となった牛や豚は計約29万頭と全体の約4分の1に達し、影響の長期化は避けられそうにない。
 被害が最も集中した川南町などを管轄するJA尾鈴の担当者は、畜産農家が本格的に家畜飼育を再開する時期について「年内はないと思う。来春くらいからを検討している」と話す。処分した家畜のふん尿処理が終わる見込みの8月末以降から畜産再開は可能だが、
感染源・感染ルートの解明や家畜伝染病予防法の改正も視野に入れた再発防止策が示されない限り、「不安で再開できない」という声が大勢という。
 家畜が全滅状態となった尾鈴地域では、これを機に廃業を決断する畜産農家も。関係者の間では、県や国の施設が先行的に家畜の飼育を再開し、しばらく経過を観察する案が検討されている。
 宮崎県は口蹄疫対策の補正予算を既に5回編成。計592億円に上る事業費のうち、県の負担は67億円に上る見通し。県は財政調整基金を取り崩して対応する方針だが、復興対策への多額の支出も見込まれる。来年度以降の予算編成にも影響が及ぶため、国に一層の支援を求める考えだ。(2010/07/26-17:35)

どうぞ、サポートは続けますから、じっくりと経過を観察してください。消費者は再起を待っています。宮崎産の牛肉、豚肉、またはその血を引く食品が信頼に足る=安全で健全な一流のブランドである、という確信を。日本は早ければ10月上旬にOIEに「清浄」を申請する資格を得るそうですが、まな板の上の鯉です。

3.食べたいものを、選ぶには

生産、流通、胃袋に収まるまで安全で健全なものを食べたい。頭ではなく、体が美味しい、と云うものを食べたい。そういうものを作ろうとしてくれる生産者の努力に報いたいです。それには、そういう生産者を嗅ぎ当てる感覚を消費者が育てなければなりません。
県有の種雄牛5頭(経過観察)と民間の種雄牛6頭(殺処分)の扱いについて、あれだけ紛糾した問題を突き詰めると、

生産者が作りたい肉と、消費者が食べたい肉は、同じか

にたどりつくのではないでしょうか。

は牛肉と豚肉の「取引規格」を定めていて、たとえば牛肉の脂肪交雑が「かなり多いもの」を5等級としています。
奇しくも、口蹄疫関連のエントリーをリンクフリーにしてくれた、

によると、(7月26日)今まで「霜降り(サシ)至上主義」だった日本の「家畜改良増殖目標」が、短角牛や褐毛和種などの赤味肉も重視する方へ向かいそうだ、とのこと。

規格は「優良な血統=スーパー種牛」を守りますが、嗜好に左右されると規格外の種を淘汰してしまうんですね。もったいないことです。
そして、後世に残すべき人材についても慮ってほしいです。無形の知識と技術こそ取り返しがつかないでしょう。だから、行政には「優良な農家=スーパー農家」を守ってほしい。

なにを食べようか、と思って探しています。そして気づく。あ、外食したらいかん。肉屋さん、魚屋さん、八百屋さんで食材を選んで、メシ作らなきゃ。
そういうことなんですね。家庭の味が子々孫々までの安全保障になるのです、お母さん、お父さん(だけじゃなく)。お祈りよりお料理。なにもできない、は錯覚です。

(5月20日)たしかにスーパーなど小売店で豚肉を買おうとすると、国産のものが並んでいる。しかし、ハムやベーコン、ソーセージなどの加工品や、外食・弁当を買った場合、その中に入っているトンカツ等に使われているのはほぼ外国からの輸入豚肉だ。だって、おかしいと思わないですか?カレーに乗っているカツがなんであんなに安くできるのか、、、

つまり、国産豚肉の応援をというのは、「生の豚肉を買って家庭で料理して食べること」なのである。みなさん、今晩は豚汁と豚のしょうが焼きを食べましょう。そして肉屋さんで「宮崎県産の豚肉はないの?買って応援したいんだけど」と言いましょう。それが最大の応援だ。

というわけで、まずはもっとも身近な牛乳について勉強を始めます。

  • 『黒い牛乳』中洞 正/幻冬舎
  • 『幸せな牛からおいしい牛乳』中洞 正/コモンズ

明日から読むど。がんばれ、宮崎。


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